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自分に向いている仕事がわからないときの考え方

自分に向いている仕事がわからないときの考え方

「自分に向いている仕事がわからない」と感じたとき、適職診断を受けたり、向いている職業の一覧を調べたりする人も多いでしょう。

働き方の選択肢が広がるなかで、MBTIのようなタイプ診断やさまざまな適職診断を手がかりに、「自分にはどんな仕事が向いているんだろう」と考える機会も増えています。

この記事では、自分に向いている仕事がわからないときに、いきなり職種から探すのではなく、そもそも「向いている仕事」をどのような視点から考えればいいのかについて解説していきます。

Contents

そもそも向いている仕事とは何か

向いている仕事を考えるとき、最初に整理しておきたいのが「何をもって向いていると判断するのか」です。

「自分に向いている仕事がわからない」「今より自分に合う仕事へ移りたい」と考える人は少なくありませんが、その「向いている」の中身は意外と曖昧なままになっていることがあります。

何を基準に仕事との相性を判断したいのかが見えていないと、求人を探したり転職相談をしたりしても、どこを見て選べばいいのか決めにくくなります。

ここではまず、自分にとっての「向いている」を判断する基準を整理していきます。

1. 成果を出しやすい仕事

1つ目は、自分の能力や経験を生かしやすく、成果につながりやすい仕事です。

同じ仕事をしていても、覚える速さや正確さ、要点をつかむ力などには人それぞれ違いがあります。

たとえば、こんな経験があるなら、その仕事では自分の力を発揮しやすいのかもしれません。

  • 説明を聞くとすぐに要点をつかめる
  • ほかの人より短い時間で処理できる
  • ミスが少なく安定してこなせる
  • 同じ仕事を繰り返し頼まれる
  • 周囲からその仕事を評価される

人の表情や反応を細かく読み取るのが得意なら、接客や顧客対応で力を発揮することがあります。

文章を組み立てるのが得意なら、資料作成やライティング、企画書の作成などで成果につながることもあるでしょう。

「どんなことなら結果を出しやすいか」という視点は、自分に向いている仕事を考える1つの材料になります。

2. 苦になりにくく続けやすい仕事

2つ目は、繰り返してもそれほど負担にならず、続けやすい仕事です。

得意かどうかだけではなく、「これなら毎日やってもそこまで苦ではない」という感覚も、仕事との相性を考える手がかりになります。

たとえば、

  • 電話で人と話すことは苦にならない
  • 細かい書類整理を何時間していても平気
  • 同じ作業を繰り返しても飽きにくい
  • 長い時間1人で集中していられる
  • 人前で話すことにあまり抵抗がない

といったものです。

反対に、できることではあっても、毎回強く緊張したり、終わったあとにぐったりしたりする作業もあります。

「できること」と「苦にならないこと」は、必ずしも同じではありません。

長く続ける仕事を考えるなら、自分にとって負担の少ない動作や作業も見ておきたいところです。

3. 楽しさややりがいを感じられる仕事

3つ目は、やっていることそのものに楽しさや意味を感じられる仕事です。

仕事の何に喜びを感じるかも、人によってかなり違います。

知らないことを調べるのが楽しい人もいれば、人の役に立てたときに満足する人もいます。

何かを作り上げることが好きな人もいれば、成果が数字で見えることにやりがいを感じる人もいるでしょう。

自分が仕事をしている中で、

  • もう少しやってみたい
  • もっと知りたい
  • これは面白い
  • やってよかった

と感じるのはどんなときなのか。

そこを振り返ると、自分が仕事に何を求めているのかも見えやすくなります。

4. 収入や安定を得られる仕事

4つ目は、自分が必要としている収入や安定を得られる仕事です。

仕事は、やりがいや楽しさだけでなく、生活を支えるものでもあります。

だからこそ、仕事に求める条件も人によって違います。

たとえば、

  • できるだけ収入を上げたい
  • 毎月安定した給与がほしい
  • 長く働ける会社を選びたい
  • 福利厚生を重視したい
  • 雇用の安定を優先したい

という人もいるでしょう。

一方で、収入を最大化することよりも、ある程度安定して稼ぎながら趣味や家族との時間を大切にしたい人もいます。

自分にとって仕事が人生の中でどんな役割を持つのかによって、必要な収入や安定の形も変わります。

5. 望む生き方と両立できる仕事

5つ目は、自分が送りたい生活と無理なく両立できる仕事です。

仕事内容そのものが自分に合っていても、働き方や生活とのバランスが合わなければ、続けていくうちに負担が大きくなることがあります。

たとえば、

  • 通勤時間をできるだけ減らしたい
  • 子育てや介護と両立したい
  • 体調に合わせて働きたい
  • 住む場所に縛られたくない
  • 仕事以外の時間もきちんと確保したい

といった希望も、仕事選びの条件になります。

仕事にどれくらいの時間やエネルギーを使いたいのかも、人によって違います。

「どんな仕事をしたいか」と一緒に、「どんな毎日を送りたいか」まで考えると、自分にとっての向いている仕事が少しずつ具体的になってきます。

仕事との相性を決める5つの要素

「向いている仕事」を職種名だけで考えると、自分に合うかどうかを判断しにくくなります。

実際の仕事は、さまざまな作業や人間関係、環境、働き方、条件が組み合わさってできています。

ここからは、仕事との相性を5つの要素に分けて見ていきます。

1. 作業や動作

1つ目は、日常的に行う作業や動作です。

たとえば事務職と呼ばれる仕事でも、実際には次のような作業が含まれています。

  • 電話を取る
  • メールを書く
  • 書類を整理する
  • 数字を入力する
  • 資料を作る
  • 人に説明する
  • スケジュールを調整する
  • 細かいミスを確認する

同じ「事務職」でも、電話対応が多い職場とデータ入力が中心の職場では、仕事の中身がかなり違います。

そのため、「事務職が向いているか」より、「電話対応はどうか」「数字の確認はどうか」「人との調整はどうか」と小さく分解した方が、自分との相性を判断しやすくなります。

営業、接客、企画、看護、教育など、ほかの職種でも考え方は同じです。

職種名をいったん外して、毎日どんな動作を繰り返す仕事なのかを見ることが、自分に合う仕事を探す手がかりになります。

2. 人との関わり方

2つ目は、人との関わり方です。

仕事で人と関わる量だけでなく、どんな関係で関わるのかによっても負担感は変わります。

大勢の人と短時間で接する方が楽な人もいれば、少人数と長く関係を築く方が得意な人もいます。

顧客対応は得意でも社内調整は苦手な人や、1対1なら話せても会議で発言することには負担を感じる人もいます。

人との関わりを見るときは、

  • 1人で進める時間の多さ
  • チームで相談する頻度
  • 顧客や利用者と接する頻度
  • 初対面の人と話す頻度
  • 調整や交渉の多さ
  • 上司から管理される度合い

などに分けて考えると、自分に合う関わり方が見つけやすくなります。

3. 働く環境

3つ目は、実際に仕事をする環境です。

仕事内容が同じでも、働く場所によって快適さや疲れ方は変わります。

静かな場所で集中したい人もいれば、人の気配がある方が集中しやすい人もいます。

立ち仕事が苦にならない人もいれば、長時間立つことが大きな負担になる人もいます。

音、照明、温度、人の多さ、服装、制服への着替え、移動の多さなど、一見すると小さなことでも、それが毎日続けば仕事の満足度に影響します。

「仕事内容は嫌いではないのに、なぜか毎日疲れる」という場合は、仕事内容以外の環境を細かく見てみると原因が見つかることがあります。

4. 働き方

4つ目は、時間や場所、裁量などを含めた働き方です。

出社するのかリモートで働くのか、勤務時間が固定なのか柔軟なのか、シフト勤務なのかなど、同じ職種でも働き方には違いがあります。

自分で仕事の順番を決めたい人にとっては、細かく指示される環境が負担になることがあります。

反対に、仕事の範囲や手順が明確な方が安心して働ける人もいます。

通勤時間、残業、休日、勤務時間、リモートワークの可否、仕事の裁量などを分けて考えると、自分が力を発揮しやすい働き方が見えてきます。

5. 収入や待遇などの条件

5つ目は、給与や雇用形態などの条件です。

仕事内容が合っていても、必要な収入を得られなかったり、雇用が不安定だったりすれば、その仕事を選び続けることが難しくなる場合があります。

反対に、収入の高さよりも勤務時間や休日の取りやすさを優先したい人もいます。

給与、賞与、雇用形態、福利厚生、休日、勤務地、昇進の可能性など、条件にはさまざまなものがあります。

すべてを同じ重要度で考えるのではなく、自分にとって何が必要なのかを整理しておくと、仕事を比較しやすくなります。

向いている仕事がないと感じる背景

自分の得意なことや希望条件を考えても、「自分には向いている仕事なんてない」と感じることがあります。

そのときは、仕事の候補が本当にないのか、自分の判断材料や見方に別の要因が重なっているのかを分けてみると整理しやすくなります。

ここでは考えられる背景を5つに分けて見ていきます。

1. 経験が少なく判断材料が足りない

まず考えられるのが、これまで経験した仕事や役割が少なく、自分との相性を判断する材料がまだ少ない状態です。

経験していない仕事について、「向いている」「向いていない」を正確に判断することは難しいものです。

学生時代から同じ業界で働いている場合や、担当業務が長く固定されている場合は、自分がほかの仕事でどう感じるのか比較する材料も少なくなります。

この場合は、自分の中に答えがないというより、まだ試していない組み合わせが多いと考えられます。

これまでの経験だけで職種を決め切らず、興味のある仕事の業務内容を調べたり、小さく経験できる機会を作ったりすると判断材料を増やせます。

2. 失敗した仕事を不向きだと判断している

過去の失敗を、その仕事への適性そのものとして受け取っている場合もあります。

  • 初めて担当した仕事でミスをした
  • 十分に教えてもらえなかった
  • 忙しい時期に配属された

など、結果にはさまざまな条件が影響します。

1回の経験だけでは、その仕事が本当に合わないのか、経験や練習が足りなかったのかまでは判断できません。

失敗した出来事を振り返るときは、「何ができなかったか」だけでなく、「どの条件ならできたか」「慣れてから変わったか」まで見てみると、自分の適性を捉え直しやすくなります。

3. 職場環境の不一致を仕事の不向きだと考えている

仕事内容と職場環境が一緒になっていると、「この仕事には向いていない」と感じやすくなります。

たとえば営業そのものは嫌いではなくても、厳しいノルマや頻繁な朝礼、長時間の通勤、競争の強い社風が合わなかったということもあります。

同じ職種でも、企業によって顧客層、評価制度、働き方、チームの雰囲気は違います。

前の職場で続かなかったからといって、同じ職種のすべてが同じ条件になるわけではありません。

「何の仕事だったか」と「どんな環境で働いていたか」を分けて振り返ると、自分が合わなかった要素を特定しやすくなります。

4. 他人の評価を基準にしている

周囲からどう見られるかを中心に仕事を選んでいると、自分にとっての「向いている」が見えにくくなることがあります。

  • 親が安心する会社
  • 有名な企業
  • 世間から評価されやすい職業
  • 友人より高い年収

など、仕事には他人と比較しやすい指標が多くあります。

その基準が自分の希望と一致していれば問題はありません。

一方で、自分は何を望んでいるのかを考える前に周囲の基準を優先していると、条件のいい仕事に就いても「何か違う」と感じることがあります。

他人と比べてしまうときの心理も参考にしながら、周囲からの評価と、自分が仕事から得たいものを分けて考えてみると整理しやすくなります。

5. 自己評価が低く得意なことを見落としている

自分ができていることを低く見積もっていると、得意な作業を仕事選びの材料にしにくくなります。

自分にとって簡単にできることほど、「これくらい誰でもできる」と感じやすいからです。

  • 周囲から繰り返し頼まれること
  • 説明しなくても自然にできること
  • 過去に評価されたこと

などを振り返ると、自分では意識していなかった得意分野が見つかることがあります。

また、「やったことがないからできない」と「実際にやってもうまくいかなかった」も分けて考える必要があります。

自分が行動できそうだと感じる感覚については、自己効力感とは?「できる気がする」が未来を変える力になるでも詳しく解説しています。

自分の感覚だけで判断しにくい場合は、過去の成果や周囲から受けた具体的な評価など、確認できる事実も一緒に集めてみると判断しやすくなります。

自分に合う組み合わせから仕事を探す方法

ここまで整理できたら、職種名を先に決めるのではなく、自分と相性のいい要素を組み合わせて仕事を探していきます。

「向いている仕事を当てる」というより、自分に合う条件を満たしやすい仕事を絞り込んでいくイメージです。

5つのステップで考えてみましょう。

1. 相性のいい要素に共通する特徴をまとめる

1つ目は、これまで集めた「得意」「苦にならない」「働きやすい」の共通点を探すことです。

個別の作業だけを見るより、共通する特徴をまとめると、別の仕事にも応用しやすくなります。

たとえば、

  • 書類整理が得意
  • 文章の修正が苦にならない
  • 数字の間違いを見つけるのが早い

という経験があるなら、「細かい情報を確認して整える作業」としてまとめられます。

  • 相談を聞くのが得意
  • 1対1では話しやすい
  • 大人数の場は疲れる

なら、「少人数で相手の話を聞きながら関係を築く仕事」と捉えられます。

職種名より1段細かい特徴まで整理すると、これまで思いつかなかった仕事も候補に入りやすくなります。

2. 仕事選びで優先したい要素を決める

2つ目は、集めた条件の中から優先順位を決めることです。

すべての条件を同じ重さで扱うと、少し合わない部分があるだけで候補から外したくなります。

そこで、「これが満たされると働きやすい」という要素をいくつか選びます。

たとえば、仕事内容よりリモートワークを優先する人もいれば、多少忙しくても収入や裁量を優先したい人もいます。

自分の中で優先順位が決まると、同じ求人を見ても「自分にとって何が重要なのか」という基準で判断できるようになります。

3. 避けたい要素を決める

3つ目は、自分が強く消耗する要素や、生活上選びにくい条件を明確にすることです。

向いている仕事を考えるときは、「何がしたいか」だけでなく「何が続くとつらいか」も役立ちます。

たとえば、

  • 電話対応が1日中続く
  • 常に複数の仕事を同時進行する
  • 毎日長時間通勤する
  • 成績を常に他人と競う
  • 仕事の予定が直前まで決まらない

などです。

仕事選びに大きく影響するものから絞っておくと、求人を見るときの判断基準になります。

4. 条件に近い職種や働き方を探す

4つ目は、整理した要素を使って、条件に近い仕事を探すことです。

ここで初めて職種名を候補として見ていきます。

たとえば

  • 文章を書くことが苦にならない
  • 1人で集中する時間がほしい
  • 在宅勤務を重視したい

という条件から、どんな仕事があるのかを探します。

反対に、気になる職種が見つかったら、その仕事を再び作業単位まで分解して、自分との相性を確認します。

適職診断を使う場合も、結果として表示された職種を答えと考えるより、自分では思いつかなかった候補を広げる材料として使うと活用しやすくなります。

すでに転職したい気持ちがあり、次に何をしたいのか決められない場合は、「転職したいけど何がしたいかわからない」の記事で転職そのものの方向性を整理していくと、次の選択につなげやすくなります。

5. 実際に経験しながら相性を確かめる

5つ目は、実際の経験を通して、自分との相性を確かめることです。

仕事内容を調べても、実際にやったときの負担感や面白さまで完全に予測することはできません。

可能であれば、現在の仕事で似た業務を担当する、職場見学をする、副業や短いプロジェクトで経験するなど、小さく試せる方法を探してみます。

経験した後は、「できたか」だけで判断せず、成果、負担感、楽しさ、環境、働き方のそれぞれを振り返ります。

そこで得た情報をもとに条件を修正していけば、自分に合う仕事の組み合わせは少しずつ具体的になります。

年齢や生活環境が変われば、仕事に求めるものも変化します。

1度決めた基準を固定するより、その時点の自分に合わせて更新していく方が、現実の仕事選びには使いやすくなります。

完璧に向いている仕事を探さなくてもいい

この記事では、自分に向いている仕事がわからないときに、何を基準に仕事との相性を考えればいいのかを解説してきました。

「向いている」は、成果が出ること、負担が少ないこと、楽しさを感じること、必要な条件を得られること、望む生活と両立できることなど、いくつもの基準から成り立っています。

さらに実際の仕事は、作業、人との関わり、環境、働き方、待遇といった要素の組み合わせです。

そのため、最初から「私に向いている職業は何だろう」と1つの職種を当てようとするより、自分が得意な動作、苦になりにくい作業、消耗しやすい環境、譲れない条件を集めていく方が、自分に合う仕事を探しやすくなるでしょう。

仕事に求めるものは、人生の段階によって変わります。

今の自分がどんな毎日を送りたいのか、その生活の中で仕事に何を担ってもらいたいのかまで含めて考えると、「向いている仕事」は職業名ではなく、自分なりの選択基準として見えてきます。