「自分軸を持った方がいい」と言われても、そもそも自分軸とは何なのか、いまいちわからない人も多いのではないでしょうか。
自分の気持ちを大切にすることなのか、人の意見に流されないことなのか。それとも、周囲に合わせず好きなように生きることなのか。
この記事では、自分軸の意味から、自分軸がある人の特徴、持てない原因、自分軸を持つためのステップまで整理して解説します。
Contents
- 自分軸とは?定義の解説
- 自分軸がある人の特徴
- 1. 決断力が高い
- 2. 人と違う選択ができる
- 3. 自分の意見を伝えられる
- 4. 必要なときに断れる
- 自分軸とわがままの違い
- 自分軸がないことのデメリット
- 1. 人に振り回されやすくなる
- 2. 自己決定が難しくなる
- 3. 自己喪失しやすくなる
- 4. 後悔や迷いが増える
- 自分軸を持てない4つの原因
- 1. 親や周囲に合わせてきた
- 2. 気持ちや意見を否定されてきた
- 3. 自分で決める機会が少なかった
- 4. 拒絶や衝突を避けてきた
- 自分軸を持つ方法
- 1. 他人軸になっていることに気づく
- 2. 自分軸を持っていいと許可する
- 3. 自分の価値観を整理する
- 4. 自分軸で小さく行動する
- 自分軸を持つことは自分の基準に自信を持つこと
自分軸とは?定義の解説
自分軸とは、自分の感情や価値観、意思をもとに、物事を判断したり選択したりするときの基準のことです。
つまり「自分軸がある状態」とは、何かを決めるときに、
- 私は本当はどうしたいのか
- 私にとって何が大切なのか
- どこまでなら納得して引き受けられるのか
- この選択をした自分に納得できるのか
といった自分側の基準を確認しながら、判断や選択ができる状態を指します。
反対に、相手がどう思うか、周囲からどう評価されるか、何を期待されているかなど、他人側の基準が判断の中心になっている状態は「他人軸」と呼ばれます。
自分軸がある人の特徴
では、自分軸がある人とは、一般的にどのような人を指すのでしょうか。
自分軸そのものは、身長や体重のように数字で測れるような分かりやすいものではありませんが、自分軸がある人には共通してみられる特徴があります。
ここでは、4つの特徴を紹介します。
1. 決断力が高い
まず1つ目は、決断力が高いことです。
自分軸がある人は、何かを選ぶ場面で、自分なりの判断基準を持っています。
周囲の意見を参考にしながら、
「私はどうしたいか」
「どちらが自分に合っているか」
「何を大切にしたいか」
と考え、最後は自分で答えを出します。
日頃から自分の基準で選ぶ経験を重ねているため、選択が必要な場面でも、自分なりの結論を出しやすくなります。
2. 人と違う選択ができる
2つ目は、人と違う選択ができることです。
周囲の人と考え方や生き方が違っていても、自分に合う選択をすることができます。
たとえば、周りが結婚している時期でも、自分は仕事を優先する。
安定した働き方を選ぶ人が多い中で、自分は別の働き方を選ぶ。
このように、自分の人生に合う答えを自分で選べることも、自分軸がある人に見られる特徴です。
3. 自分の意見を伝えられる
3つ目は、自分の意見を伝えられることです。
自分軸がある人は、自分が何を考え、何を望んでいるのかを言葉にして相手へ伝えることができます。
「私はこう思う」
「私はこっちを選びたい」
「私はこうしてほしい」
と、自分の立場を明確にできます。
相手にも相手の考えがあることを踏まえながら、自分の意見も同じように大切に扱います。
4. 必要なときに断れる
4つ目は、必要なときに断れることです。
頼みごとや誘いを受けたときにも、自分の気持ちや予定、負担を確認して返事をします。
「今回は難しい」
「今日は休みたい」
「そこまでは引き受けられない」
と、自分の状況に合わせて意思表示ができます。
自分が引き受けられる範囲を把握し、その範囲に合わせて人との関わり方を選べることも、自分軸がある人に見られる行動の1つです。
自分軸とわがままの違い
自分軸について考えるとき、「自分の気持ちを大切にすることと、わがままは同じなの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
どちらも自分の意思を大切にするという点では似ていますが、違いは、相手の意思や状況も含めて判断しているかどうかにあります。
自分軸は、自分の気持ちや価値観を基準にしながら、相手の考えや現実的な条件も踏まえて選択することです。
わがままは、自分の希望を優先するあまり、相手の意思や状況への配慮が薄くなっている状態を指します。
自分軸がないことのデメリット
ではここから、自分軸がないことのデメリットについて触れていきましょう。
自分軸が持てない状態が続くと、単に「自分の意見がない」というだけではなく、意思決定や人間関係にも影響が現れやすくなります。
どのような問題が起こりやすいのか、4つの視点から解説します。
1. 人に振り回されやすくなる
まず1つ目は、人に振り回されやすくなることです。
自分の中に判断基準がないと、そのとき近くにいる人の意見が判断基準になりやすくなります。
Aさんから「こっちがいい」と言われればそう思い、Bさんから「やめた方がいい」と言われれば不安になる。
相手が変わるたびに答えも変わるため、自分では何を選べばいいのかわからなくなってしまいます。
特に、自分にとって大切な人や権威を感じる相手から強く意見を言われると、「相手がそう言うなら、きっとその方が正しい」と、自分の感覚より相手の考えを優先しやすくなります。
2. 自己決定が難しくなる
2つ目は、自己決定が難しくなるというデメリットがあります。
自己決定とは、自分に関わることを自分自身で考え、選択していくことですから、自分軸が弱い状態では、選択肢が目の前にあっても「自分はどちらを選びたいのか」という基準が見つかりません。
- 誰かに決めてもらいたくなる
- 正解を探し続ける
- 周囲の反応を確認してから決める
- 決断そのものを先延ばしにする
といった状態になりやすくなります。
3. 自己喪失しやすくなる
3つ目は、自己喪失しやすくなることです。
周囲に合わせることを長く続けていると、自分の気持ちが少しずつ見えなくなってしまいます。
「本当はどうしたい?」
「何が好き?」
「何を望んでいる?」
と聞かれても、すぐには答えられない。
代わりに、
「普通はこうするものだから」
「相手はこうしてほしいと思うから」
「こうした方が嫌われないから」
という答えばかりが浮かぶようになります。
これは自分の感情や意思よりも外側の基準を優先する時間が長くなり、自分の声を拾いにくくなっている状態です。
4. 後悔や迷いが増える
4つ目は、後悔や迷いが増えやすいというデメリットです。
自分で納得して選んだものには、たとえ結果が思い通りにならなくても、「あのときの自分はこれを選びたかった」と振り返れる部分があります。
一方で、誰かに言われたから、嫌われたくなかったから、周囲と同じにしたかったからという理由で選んだ場合、結果が悪かったときに、
「あの人の言うことを聞かなければよかった」
「本当は違うと思っていたのに」
「結局、自分はどうしたかったんだろう」
という後悔が残りやすくなります。
さらに、結果が悪くなくても、「本当にこれでよかったのかな」と迷い続けることがあります。
自分の基準で選んだ実感がないため、選択したあとも他人の評価によって判断が揺れ続けてしまうからです。
自分軸を持てない4つの原因
では、私たちはなぜ自分軸を持てない状態になってしまっているのでしょうか?
その背景には、本人の性格だけではなく、これまでの人間関係や育ってきた環境が関係していることが多いです。
ここでは現在の心理状態ではなく、「どのような経験を積み重ねてきたか」という背景から、自分軸を持ちにくくなる理由を4つに分けて整理していきます。
1. 親や周囲に合わせてきた
まず1つ目は、親や周囲に合わせて生きてきたケースが考えられます。
子どもの頃から、自分の気持ちよりも親の機嫌や期待を優先する必要がある環境では、「自分はどうしたいか」より「どうすれば相手が納得するか」を先に考える習慣が身につきやすくなります。
たとえば、進路や習い事、友人関係などについて、自分の希望よりも周囲の期待に合わせる経験が繰り返されると、他人に合わせることが当たり前になっていきます。
その状態が長く続くと、大人になって選択の自由が増えてからも、自分の意思より先に「相手は何を望んでいるのか」を考えることがデフォルトになってしまいます。
2. 気持ちや意見を否定されてきた
2つ目は、自分の気持ちや意見を否定された経験が多いケースです。
「そんなことで怒るのはおかしい」
「そんなことを考えるのは間違っている」
「あなたには無理だからやめなさい」
と、自分の感情や考えを繰り返し否定されると、自分の内側から出てくるものを信用しにくくなります。
本当は嫌だと感じても、「私が気にしすぎなのかもしれない」と考える。本当はやってみたいと思っても、「こんなことを思うのは間違っているかもしれない」と打ち消す。
こうして自分の感覚を自分で否定する習慣ができると、自分軸の土台となる「私はこう感じている」という感覚そのものを拾いにくくなります。
3. 自分で決める機会が少なかった
3つ目は、自分で決める機会が少なかったことも、自分軸を持ちにくい背景にあるでしょう。
自分軸は、自分で選び、その結果を経験し「これは自分に合っていた」「これは違った」と確かめることを繰り返すことで育っていきます。
ところが、周囲の人が先回りして何でも決めてくれる環境では、この経験を積む機会が少なくなります。
失敗しないように守られてきたとしても、自分で決める経験が少なければ、いざ自分で選ばなければならない場面で「どう決めればいいのかわからない」と感じることがあります。
4. 拒絶や衝突を避けてきた
4つ目は、拒絶や衝突を避けてきたことです。
自分の意見を出したときに強く責められたり、人間関係が悪化したりする経験が続くと、「自分の意思を出すことは危険だ」と感じるようになることがあります。
- 意見が違っていても黙る
- 嫌でも受け入れる
- 相手が望みそうな答えを選ぶ
といった方法で、人間関係を守ろうとします。
その時点では自分を守るために必要だった選択でも、同じやり方を長く続けていると、「相手と違っていても自分の意思を持っていい」という感覚を持ちにくくなります。
自分軸を持つ方法
もし「私には自分軸がないのかもしれない、自分軸を持てるようになりたい」と思ったならば、次のステップを試してみてください。
ここでは、自分軸を育てていく流れを4つのステップで紹介します。
1. 他人軸になっていることに気づく
まず、自分が他人軸になっていることに気づくことが大切です。
周囲に合わせることが習慣になっていると、それが自分にとって当たり前の選び方になっています。
- 相手がどう思うかを最初に考える
- 反対されると自分の意見を変える
- 正解や普通を探してから決める
- 嫌われないことや怒られないことを優先する
- 誰かに決めてもらうと安心する
といった選び方が多い場合、判断の中心が他人側に寄っている可能性があります。
まずは日常の選択を振り返り、「私は何を基準に決めているんだろう」と自分の選び方の癖を観察してみましょう。
2. 自分軸を持っていいと許可する
次に、自分軸を持っていいと自分に許可することに取り組んでみましょう。
長く周囲に合わせてきた人ほど、自分の気持ちや希望を優先することに、不安や罪悪感を感じやすくなります。
- 私は嫌だと思っていい
- 私はこうしたいと思っていい
- 人と違う意見を持っていい
と、自分の中にある意思をそのまま認めていきます。
自分の気持ちや希望を自分自身が受け取れるようになると、「私はどうしたいのか」という自分側の基準が少しずつ見えるようになります。
3. 自分の価値観を整理する
3つ目は、自分の価値観を整理することです。
自分軸の中心になるのは、「私は何を大切にしたいのか」という自分なりの判断基準です。
価値観は、日常の感情や選択を振り返ることで見つけやすくなります。
- どんなときに強く嫌だと感じるか
- どんな時間に満足感があるか
- 何を失うとつらいと感じるか
- どんな生き方に憧れるか
- 人間関係で大切にしたいことは何か
こうした感覚を言葉にしていくと、自分が何を優先したい人なのかが整理されていきます。
4. 自分軸で小さく行動する
4つ目は、自分軸で小さく行動することです。
自分なりの基準が見えてきたら、その基準を使って実際に選ぶ経験を増やしていきます。
- 今日食べたいものを自分で選ぶ
- 行きたい場所を自分で決める
- 気が進まない誘いを断る
- 自分の意見を言葉にして伝える
といった日常の小さな選択から始められます。
自分で選び、その結果を経験すると、「これは自分に合っている」「これは少し違った」という判断材料が増えていきます。
その積み重ねが、自分なりの基準を育て、自分軸で選ぶ力につながっていきます。
自分軸を持つことは自分の基準に自信を持つこと
この記事では、自分軸の意味や特徴、自分軸とわがままの違い、自分軸を持てない原因、自分軸を持つ方法について解説してきました。
自分軸を持つことは、自分の気持ちや価値観を判断の基準として信頼し、自分で選択していくことです。
何かを決めるときに、「私はどうしたいのか」「私は何を大切にしたいのか」「この選択に自分で納得できるか」と自分に問いかけることで、自分の基準を確認しやすくなります。
人の意見や周囲の状況も判断材料にしながら、自分がどう考え、何を選ぶのかを自分で決めていく。その経験を重ねることで、自分の判断への信頼も少しずつ育っていきます。