
どうして私ばかりそんな役回りなの…?
そんな風にイライラしたり、絶望したり、思わず遠い目になるようなことはありませんか?
この記事を書いている私は、女性のライフキャリアを応援するお仕事を続けて10年くらいになります。
一番は恋愛やパートナーシップのご相談が多いのですが、その次に多いのが「キャリア」や「職場関係」のモヤモヤについてです。
職場の人間関係にモヤモヤするとか、自分のこれからのキャリアがわからないとか、職場の居心地が悪いとか、いろんな悩みがある中で、特に多いのが——
- いつも私ばっかり責任を押し付けられている気がする
- 大変な仕事ばかり任されるのがつらい
- 自分だけが損な役回りをしているように感じる
そんな“お仕事ができる女性”たちからのご相談です。
今回は、そうした背景をふまえながら、「損する人の特徴」と、実はそれが“才能かもしれない”という視点をお届けします。
Contents
私ばかり損していると感じやすい場面
じゃあ次に、実際にどんな場面で「なんで私ばかり…?」と感じやすいのか。
これは相談というよりも、ちょっとした“ぼやき”としてよく聞く内容でもあります。
今回は、職場・友人・恋愛、それぞれのケースを見ていきましょう。
【職場編】職場で頼られてばかり
独身だから、子どもがいないから──そんな理由で、夜遅いシフトや残業を優先的に引き受けることが当たり前になっている。
言葉では感謝されても、心の中では「なんでいつも私ばっかり?」と、イライラやモヤモヤが溜まっていく──そんな経験はありませんか?
たとえば、明らかに他の誰かもできるはずのタスクなのに、なぜか最終的に「〇〇さんお願いね」と言われるのが自分だけだったり。
周囲の「期待されてる」空気に、断りづらくなってしまうこともあります。
【友人編】友達を助けてばかり
あの子が落ち込んでいたときは、夜中まで相談に乗っていたのに、自分がしんどいときには「ごめん、今ちょっと無理〜」と軽く流される。
助けるのはいつも自分。
気づいたら、与えるばかりの関係になっていることも。
しかも、それを指摘すると「そんなつもりなかった」と言われてしまい、自分の気持ちがどこにも行き場をなくしてしまう。
だからこそ、「またか…」と静かに距離をとるしかないことも。
【恋愛編】恋愛で頑張ってばかり
LINEを送るのも、デートに誘うのも、旅行の計画を立てるのも、いつも自分。
将来のことを真剣に考えているのも自分ばかりで、相手からは受け身の反応しか返ってこない。そんなとき、「私ばっかり頑張ってるな」と虚しくなること、ありますよね。
私のこと、どうでもいいと思ってるのかな…?
と不安になるけれど、相手に伝えたところで「考えすぎだよ」と軽く受け流されて、ますます孤独感が強まることもあります。
「私は損する人間だ」と悩む人に共通する3つの特徴
ではここから、「なんで私ばかり…」と感じやすい人に共通する“心の構造”を3つご紹介していきます。
これは単なる性格の傾向というよりも、繰り返し起きてしまう“損な役回り”の背景にある深層心理です。該当する項目があったら、ぜひご自身の心の癖を見つめるヒントにしてみてください。
特徴① 空気が読めすぎる|察知力の強さ
「空気が読める」のレベルを超えて、気配・機嫌・雰囲気の違和感まで敏感に察知してしまう。
それはまるで、普通の人がぼんやりと見ている背景まで、あなたの目にはくっきりと映ってしまうカメラのよう。
写真でいうなら、F値の高いレンズのように、画面の隅々までピントが合っている状態です。
だからこそ、誰よりも早く「まずいな」と気づき、自然と動いてしまうのです。気づいてしまったからには放っておけず、自分が動く。
誰も気づかないふりをしてスルーできることも、あなたには“見えてしまう”んですよね。
特徴② 責任感が強すぎる|放っておけない性格
放っておけない。誰かが困っていたら、自分が何とかしなきゃと思ってしまう。その責任感は本来、誇るべき長所です。
でも、空気が読めすぎる力と合わさることで、どんな問題も自分が引き受けてしまいがちになります。
今これを放置したら、後で誰かが困るかも
私がやった方が早いし
——そう思って、気づけば一人で抱え込んでしまう。そして、周囲もその“頼れるあなた”に甘えるようになる。
結果的に、「頼られる人」ではなく「抱え込むしかない人」になってしまい、疲れを感じても抜け出せない構造ができていくのです。
特徴③ 感情の限界に鈍い|我慢がききすぎる
本当はつらいのに、まだ大丈夫と自分に言い聞かせてしまう。感情の「毒」に慣れてしまって、疲れを感じにくくなっている状態。
まるで、『薬屋のひとりごと』の主人公・猫猫(マオマオ)のように、小さい頃から「毒」に慣れてしまった人は、それがどれほど危険なものであっても“普通”として受け入れてしまいます。
あなたの中にも、そうした“感情的な毒への耐性”が知らないうちについてしまっているのかもしれません。
だからこそ、心が悲鳴をあげていても、それに気づかず突っ走ってしまう。
「もっと自分を大切にして」と言われても、「いや、大丈夫なんで」と笑ってしまう。
でもその裏では、限界ラインを超えて傷ついている自分がいることに、そろそろ気づいてあげてほしいのです。
なぜ「損する役回り」ばかりが巡ってくるのか?
ここからは、なぜ「損な役回り」ばかり自分に巡ってくるのか、その背景にある3つの心理的な理由をひも解いていきます。
実はこれまでお伝えしてきた
- 空気が読めすぎる
- 責任感が強い
- 我慢がききすぎる
といった特徴が、そのまま“損な構造”にハマりやすい下地になっているんです。
「私ばっかり…」と感じることが続いている人は、ぜひこの章で、自分がどんな構造に巻き込まれやすいのかを見てみてくださいね。
理由① 無意識に“気づいた人がやる”ループに
空気を読めすぎてしまうあなたは、他の人が見落としているような些細なトラブルの兆しや空気の変化にも、いち早く気づいてしまいます。
その結果、「あ、これはまずいな」と察して、自分が動いてしまう。
気づいた人がやらざるを得ない、そんな“無意識のループ”に巻き込まれてしまうんです。
他の人が気づかないだけで、あなたが早すぎるくらい察してしまっている。だからいつも、自分だけが一歩先に動く羽目になってしまうのです。
理由② 周囲の甘え構造を許容してしまう心理
あなた自身は、誰かに依存されたいわけでも、相手を支配したいわけでもない。むしろ、本当は誰かに甘えたい気持ちだってあるかもしれません。
でも、何でも“できてしまう”あなたの高性能さが、無意識のうちに相手の依存心を引き出してしまうことがあるんです。
頼めば何とかしてくれる!あの人なら大丈夫!
そんな空気をつくってしまいやすいからこそ、相手も気づかぬうちに甘えてきてしまう。
それを毎回引き受けていると、いつのまにか「損な役回り」が定位置になってしまうんですね。
理由③ 自分の感情より他人を優先してしまう
これはある意味で「自分を大切にしていない」と言えるのかもしれませんが、実際はそう単純な話でもありません。
あなたが“他人の感情にとても敏感だからこそ”、ついうっかり、そちらを優先してしまうだけなのです。
相手の気持ちが苦しそうに見えると、無視できない。
たとえ自分が疲れていても「自分よりあの人の方がしんどそう」と思ってしまう。
その“うっかり”が続くことで、自分の限界ラインを見失いやすくなってしまうのです。
損する人の特徴=実は「才能」だった?
いろんな女性の人生のご相談を受けていると、最初は
- 職場の人間関係がつらい…
- 恋愛がうまくいかない…
- 親との関係が微妙で…
という切実な悩みからスタートする方が多いのですが、不思議なことに、そのうち「自分にしかできないことをしたい」とか「自分の才能や可能性を知りたい」というテーマにたどり着く方がすごく多いんです。
そんな中で、「なんで私ばっかり損してるんだろう」とぼやく人ほど、実は自分でも気づいていないけれど、ものすごく優れた力を持っているケースが多い。
ただ、それが今は“陰”に転じてしまっていて、マイナスの側面ばかりが強調されているだけなんです。
それが原因で「損してばっかり…」という感覚になるわけで、本来それはちゃんと使えばすごく良い“技術”なんですよね。
というわけで、ここでは「損してばっかり」と感じるあなたの中にある力を、“才能”として見ていくための3つの視点をご紹介します。
才能① 空気を読む力=高い感受性と共感性
空気を読めるというのは、人の気持ちや場のエネルギーに敏感に反応できる力。これは立派な感受性の才能です。
誰かの変化にすぐ気づけるあなたは、繊細で思いやりのある感性の持ち主です。
たとえば、まだ誰も気づいていない違和感を先に感じ取れる、誰かが言葉にできない感情を「なんとなく」察してしまう…そんな経験があるなら、それはもう立派な“共感センサー”。
ただし、そのセンサーを他人のためにばかり使いすぎると、自分の心の声が聞こえなくなってしまうことも。
だからこそ、この力は“自分を感じるため”にも、意識して使っていきたいですね。
才能② 責任感の強さ=守りたい気持ちの裏返し
誰かを守りたい、助けたいという本能が責任感となって表れている。
その強さは、愛の大きさでもあります。
ただし、自分を守ることも忘れずにいたいですね。
「放っておけない」という気持ちは、見方を変えれば“人を包み込む力”。
でもその包容力があるがゆえに、無意識に「私がやらなきゃ」と感じやすくなってしまう。
もし今、「私ばっかり…」という感覚があるなら、それは“愛情の流れが一方通行になっているサイン”かもしれません。
自分もちゃんと守られる側にいていいし、差し出すだけじゃなく、受け取る力も育てていきましょう。
才能③ 感情耐性の高さ=底力と適応力の現れ
感情の波に耐える力があるというのは、環境に適応する柔軟性や、底力の証拠でもあります。
だからこそ、自分がしんどくなったときには「助けて」と言えることも、大切な才能です。
子どもの頃から「我慢ができる子」として評価されてきた人ほど、この感情耐性が“デフォルト設定”になっていることがあります。
たとえば、他の人なら傷ついてしまうようなことも、平気なふりをして受け流してしまう。
だけど、それは本当の“平気”じゃないかもしれません。
感情に耐える力があるのは素晴らしいこと。
でも、感じたくないものを感じないようにする力と、“本当に感じていない”ということは違います。
だからこそ、限界のサインを見落とさないことも、あなたの底力を発揮するために必要な“優しさ”の一部なのです。
自分の才能を「自分に使う」ための3ステップ
ここまでで見てきたように、「損してばかり」と感じやすい人は、実はとても繊細で、周囲に対する感受性や共感力が高い人です。
けれどその才能が“他人のためだけ”に使われすぎてしまうと、疲れやすくなったり、自分自身を置き去りにしてしまったりすることも。
ではどうすれば、その才能を「自分のため」にも使えるようになるのでしょうか?
ここでは、日常の中でできる3つの実践ステップをご紹介します。
ステップ1:まず“察しない練習”をしてみる
察しすぎる人は、無意識に他人の感情や空気を拾ってしまうクセがあります。
たとえば「今あの人、機嫌悪いかも…」とすぐに気づいてしまって、先回りして対応してしまう。
でも、あなたの人生は“誰かの機嫌を調整するため”にあるわけじゃありません。
だからこそ、まずは「わざと察さない」「空気に鈍くなってみる」練習をしてみてください。
最初は勇気がいるかもしれませんが、自分の感覚を優先する習慣が少しずつ身についていきます。
ステップ2:“役に立つ”より“喜び”を基準に
人の役に立つことばかりを重視していると、いつか燃え尽きてしまいます。
「人のため」だけで動くのではなく、「自分のため」「自分が喜べるかどうか」を基準にしてみることが大切です。
たとえば、「これをやると相手が助かる」ではなく、「これをやると私も気持ちいい」「楽しい」「満たされる」と感じられるかどうかを、行動の判断軸に加えてみてください。
“与える喜び”も素敵ですが、“自分が喜べること”を大事にするほど、自然とバランスが取れるようになります。
ステップ3:“誰かの期待”ではなく“自分の感覚”を信じる
気づいたら「周囲の期待に応える」ことが基準になっていて、「私はどうしたいんだっけ?」という感覚がわからなくなっている──そんな経験はありませんか?
他人の目や評価を基準にするのではなく、自分の心の声を聞いてみる。
どうしたい?
本当はどう感じてる?
と、日常の中で自分に問いかける時間をもつこと。
それが、少しずつ自己信頼感を育てていく土台になります。
他人に認められるために頑張るのではなく、“自分との信頼関係”を結び直していく感覚です。
まとめ|「損してばかり」から卒業するために
「なんで私ばっかり…」と感じるときこそ、自分の才能を見直す大きなチャンスです。
空気を読める、責任感が強い、我慢強い──それはあなたが持つ素晴らしい資質であり、本来は誇るべき強みです。
ただ、その才能を“他人のためだけ”に使い続けていると、どうしても疲れが溜まり、自分のことを大事にできなくなってしまいます。
誰かのために頑張ることは尊いけれど、自分の心がボロボロになってまで続けるものではありません。
これからは、少しずつでいいから、自分のためにもその才能を使っていくことを意識してみてください。
敏感さは「自分の心を感じる力」に、責任感は「自分の人生を背負う強さ」に、感情の耐性は「自分を守るしなやかさ」にも転換できます。
あなたのその力は、ちゃんと“自分を幸せにするため”にも使えるんです。
損してばかりの毎日から一歩抜け出して、「自分を大切にする日々」へとシフトしていきましょう。