
どうして私は、何も決められないんだろう……
どうして私は、何も決められないんだろう……
そんなふうに、自分にダメ出しをしてしまう女性は、実はとても多いです。
現代社会では、「まずは行動しよう!」「思っているだけじゃ何も変わらない」といった“行動重視”のメッセージがあふれています。
コーチングや自己啓発の世界でも、 「最初の一歩が大事」 「何をするか決めて、即行動に移そう」 といった言葉をよく耳にしますよね。
そんな中で、
- 決断するまでに時間がかかる
- 感じてから動くまでにタイムラグがある
- 行動そのものが得意ではない
という人たちは、どうしても「私はダメなんだ」と自分を責めやすくなってしまいます。
でも、それって本当に“欠点”なのでしょうか?
今回のコラムでは、そんな「すぐに動けない」「決められない」自分を持て余してしまう女性たちに向けて、 その奥にある「女性性の強さ」に光を当てていきます。
そしてそれは、決して否定すべきものではなく、むしろ“才能”として活かせるかもしれない。
そんな視点から、あなたの「待つ力」を一緒に見つめ直していきましょう。
Contents
女性性が強いとはどういうこと?
「女性性が強い」と聞くと、ふわっとした印象を受ける方も多いかもしれません。
けれどこれは、スピリチュアルな意味だけでなく、私たちの“生き方の傾向”としてとても現実的なテーマでもあります。
女性性とは、受け取る・感じる・受容するという在り方。
それに対して男性性とは、決める・動く・守るという在り方。
どちらも人間の中にバランスよく存在していて、性別には関係なく誰もが持っているエネルギーです。
ただし、そのうちどちらが“優位に表れているか”によって、その人の行動パターンや得意なフィールドが変わってきます。
女性性と男性性の違いとは(定義)
では、女性性と男性性をもう少し丁寧に見ていきましょう。
たとえば「感覚的にこれが好き」「なんか心地いい」というような判断をするのは女性性の働きですし、 「よし、これに決めて前に進もう!」というのは男性性の働きです。
本来はどちらもバランスよく育てていくことが望ましいとされますが、 中には“女性性がとても強く表れている人”がいます。
そういう人たちは、いわゆる「行動力を持ってどんどん前に進む」というスタイルが合わず、 「まず感じる」「待つ」「ゆっくり育てる」ことに向いているのです。
女性性が強い人とはどんな人か?
では、実際に女性性が強い人とはどんな人なのでしょうか?
ひとことで言えば、「感覚や感情を大切にする人」と言えるでしょう。
外から見て「優柔不断」に映ることもありますが、本人にとっては、感じきってからでないと動けないだけ。
それは“決められない”のではなく、“自分にとって本当に心地よい答えを待っている”ということでもあります。
また、女性性が強い人は他人の感情にとても敏感で、空気を読むのが得意です。
その分、刺激に弱く、エネルギーを消耗しやすい面もあるため、無理に動こうとするとすぐ疲れてしまいます。
こうした特徴を持つ人たちが、自分を責めず、自分らしく生きていくためには── 「行動」よりも「感覚」「存在感」こそが自分の武器なのだと、視点を切り替えていくことが鍵になります。
女性性が強い人の5つの特徴
女性性が強い人には、いくつか共通する傾向があります。
ここでは代表的な5つの特徴を紹介します。
女性性が強い人の特徴① 感覚・感情に敏感で、直感が鋭い
女性性が強い人は、理屈よりも感覚を重視します。
なんとなく、こっちのほうがいい気がする
説明できないけれど、心がざわざわする
そんなふうに、自分の“内側の声”をキャッチする力に長けています。
この感性は、クリエイティブな分野や人間関係での気づきにおいて大きな力となります。
ただし、その敏感さゆえに、感情の波にのまれやすく、揺れ動くことも多くなります。
女性性が強い人の特徴② 決断よりも“感じること”を優先する
たとえば、何かを選ばなければならない状況になったとき。
女性性が強い人は、即断即決よりも「本当にこれでいいのかな……」と時間をかけて感じようとします。
「感じきる」ことが重要なので、心が納得していないうちは、なかなか前に進めません。
この性質は、物事を慎重に見極める力でもありますが、決断を急かされる場面では「優柔不断」と見られてしまうことも。
女性性が強い人の特徴③ 誰かの影響を受けやすく、共鳴力が高い
女性性が強い人は、共感性が高く、相手の感情や雰囲気にすぐ反応してしまいます。
誰かが落ち込んでいると自分も苦しくなったり、場の空気がピリついていると、ひとりで疲れてしまうことも。
これは“共鳴力”という才能の裏返し。
誰かを癒したり、そっと寄り添ったりする力にもつながる一方で、自分の感情と他人の感情の境界線が曖昧になりやすいという課題もあります。
女性性が強い人の特徴④ 愛されること、受け取ることが得意
「尽くす」よりも「受け取る」ことが自然にできるのも、女性性が強い人の特徴です。
相手からの優しさや愛を素直に受け取り
ありがとう!嬉しい!
と感謝することができる──それは一見地味なようでいて、実はとても大きな魅力です。
“与える力”ばかりが称賛される中で、「愛される存在であること」に価値を見出せる人は、貴重な存在でもあるのです。
女性性が強い人の特徴⑤ 無理な行動にストレスを感じやすい
「がんばればできるでしょ」「やればできるよ」そんな言葉に対して、なぜか心がざわざわしてしまう……そんな経験はありませんか?
女性性が強い人にとって、「行動」や「スピード」は、必ずしも得意な分野ではありません。
外から押し出されるよりも、自分の内側から“自然と湧きあがる気持ち”に従って動く方が、ずっとパワフルに動けるタイプです。
だからこそ、無理やり背中を押されるより、「今のままでもいい」と許してくれる環境の中で、じわじわと開花していくのです。
このように、女性性が強い人には、独自の魅力や才能があります。
それを「行動できない」「決められない」というフィルターだけで見てしまうのは、とてももったいないことなのです。
女性性が強い人が抱えがちな3つの誤解
ここまで「女性性が強い人に共通する5つの特徴」について解説しましたが、心当たりはありましたか?
これらはただの“特徴”ではあるのですが、現代の風潮的にいつの間にか女性性が強い自分を責めたり、性質を無理に変えようとしてしまうことがあります。
ここでは、特に多くの女性が陥りがちな「3つの誤解」について見ていきましょう。
誤解① 行動できる人=正しいという思い込み
- 行動できる人のほうがエライ」
- すぐに決めて動く人こそ魅力的
- 即決即断!
──そんな価値観に触れる機会は、現代社会では本当に多いものです。
SNSを見ても、書店に並ぶ本を見ても、自己啓発の講座を受けても、どこもかしこも「行動」「決断」「即実行」といった言葉が並んでいます。
その中で、動けない自分を見つめたとき、「私って劣ってるのかも」「直さなきゃいけないのかも」と思ってしまうのは無理もありません。
でも、それはあなたの価値が低いからではなく、“そもそも別のタイプ”なだけなんです。
あなたには、あなたに合ったペースがある。「行動すること」だけが正解ではないということを、まず思い出してみてください。
誤解② 決めたいと思い込んでいるが、本音は「決めたくない」
本当は私も、さっさと決めて動ける人になりたいんです
──そう語る方は多いのですが、対話を重ねていくと、こんな本音が見えてくることがあります。
- 本当は自分が決めるのはイヤ、相手に提案してもらいたい
- 相手が決めてくれたら、安心して従える
- 決断より、感じていたい・待っていたいという欲求のほうが強い
このような無意識の思いを抱えている人は少なくありません。
でも、それを「ズルい」「逃げてる」と決めつけてしまうのは早計です。
むしろ、「決めない」という選択も立派な“意思表示”ではないでしょうか。
自分の気持ちが整うのを、静かに待っているだけなのかもしれません。
その自分を否定せず、まずは「私は今、まだ決めたくないんだ」と認めることから始めてみましょう。
誤解③ 動けない自分を「ダメな女」だと思ってしまう
何かを決められなかったとき、行動を後回しにしてしまったとき、つい心の中で「私って、やっぱりダメだな……」と呟いてしまっていませんか?
でも、それは「できない」のではなく「合わない」だけかもしれません。
女性性が強い人は、外からのプレッシャーに弱く、自分のリズムを乱されると本来の力を発揮できないことが多いです。
だからこそ、周囲のペースに合わせようとして空回りするよりも、自分に合ったやり方を選ぶ勇気の方が、何倍も価値があるのです。
女性性が強い人の魅力を活かす作戦3選
ではここから、女性性が強い人の魅力を最大限に活かすための“作戦”を3つご紹介します。
この作戦、私に合っているかも!やってみたいかも!
そう感じるものがあれば、ぜひ取り入れてみたくださいね。
作戦①「愛される」より「愛させる」エネルギーを育てる
「愛されたい」と思う気持ちは自然なこと。
でも、女性性が強い人は、実は“愛させる”才能も持っているんです。
どういうことかというと──
自分から何かを与えようとしなくても、“ただそこに在ること”自体が、相手の愛を引き出す力になるということ。
無理に役立とうとしなくていい。
ただ、安心して存在しているあなたに、癒されたり、守りたくなったりする人は必ずいます。
だからこそ、「何かをして価値を証明しなきゃ」ではなく、 「私は、あの人に“私を愛させてあげる”」という新しい視点を持ってみてください。
作戦②「動かない=劣っている」ではない視点の転換
行動が苦手、即決できない、なかなかスイッチが入らない── そんな自分に「またダメだった…」と落ち込むこと、ありますよね。
でも考えてみてください。 種は、芽を出すその瞬間まで、静かに土の中で力を蓄えています。
動いていないように見えても、感じて、揺れて、揺さぶられて、 それでもじっと大地に根を張りながら、花を咲かせる準備をしている。
「動かない=止まっている」ではなく、 「動かない=深く感じている最中」かもしれないのです。
作戦③ 一点突破型戦略で才能を最大化する方法
よく「バランスよくできる人が優秀」だと思われがちですが、 女性性が強いタイプは“バランス型”よりも一点突破型の方が輝きます。
たとえば──
- 論理的な説明は苦手でも、感覚で相手の心をほぐすのが得意
- 自分から話しかけるのは苦手でも、聞き手として場を温めるのが得意
- 計画的な行動は苦手でも、今この瞬間を満たす力に長けている
つまり、「自分の得意な土俵」で勝負すればいいんです。
数学は捨てて国語だけ満点取る、ここは潔さで勝負しましょう。
あなたの“得意”を遠慮せず、ちゃんと選び取っていいんです。
苦手を責めるより、得意にエネルギーを注ぐ方が、人生はずっと楽しくなりますよ。
女性性を活かす生き方・恋愛スタイルとは?
女性性が強い人にとって、 “自分らしく生きる”とか“愛される恋愛をする”ということは、 いわゆる「こうすればうまくいく」という成功法則が、必ずしも当てはまらないという意味でもあります。
多くの恋愛メディアでは、「気になる人には自分からLINEを」「思わせぶりはNG」「彼をリードして」といった、“攻め”のスタイルが推奨されがちです。
でも、あなたの内側が「動きたくない」と言っているなら、 それを無理にねじ伏せようとしなくて大丈夫。
あなたにとっての恋愛は、自分の感覚を大切にしながら、自然な流れの中で深まっていくもの。
無理に駆け引きしなくても、戦略的にならなくても、 “ただそこにいる”ことが、相手の心を動かすこともあるのです。
たとえば、相性の良いパートナー像としては…
- あなたのペースを尊重してくれる人
- 焦らせずに“待ってくれる”余裕のある人
- あなたの感情を理解しようとしてくれる人
このような相手と出会ったとき、あなたの“受け取り力”や“存在の優しさ”は、もっと自然に開花していきます。
恋愛において「行動しないこと=負け」ではありません。 あなたらしく在ること、それ自体が愛される力なのです。
自己投資と「成熟した女性性」の育て方
女性性を活かして、自分らしく咲いていくために欠かせないのが、 「自己投資」と「大人としての感性」を育てることです。
ここで言う自己投資とは、華やかさや外見を飾ることだけではなく、 自分の感覚を丁寧に扱い、気持ちのよさや安らぎを大切にすること。 それが、女性性のエネルギーを静かに育んでくれます。
- 自分の心が喜ぶものを選ぶ(食べ物、服、空間)
- 五感が満たされる時間を意識的に過ごす
- 美しさ・楽しさ・癒しを「自分のために」選び取る
- 無理に頑張るより、安心と余白を優先する
これらはすべて、“自分の内側を信頼して生きる”という感性のトレーニングでもあります。
そして、もうひとつのテーマが 「幼児性ではない、成熟した女性性」への意識のシフトです。
ここまでご紹介してきた“女性性の強さ”── 受け取る力、感じる力、直感、共感、受容の姿勢── これらは確かに素晴らしい才能です。
けれど、ひとつ注意したいことがあります。
それは、女性性を“幼児性”と混同してしまう危うさです。
- 受け取ることが得意 → 誰かに全部やってもらいたい
- 決めるのが苦手 → 誰かが全部決めてくれたら安心
- 感じることが大事 → 考える責任は放棄したい
こういった思考が無意識に入り込んでしまうと、 女性性が“成熟した大人の女性”ではなく、“甘えたいだけの女児”のように表れてしまうことがあります。
これは決して悪いことではないけれど、 その状態では「対等な関係性」や「人生を自ら選ぶ力」は育ちにくいのです。
だからこそ、目指したいのは “大人の女性としての受け取り方”を育てていくこと。
私の感覚はこう感じている
今はまだ決められないけど、それも私の選択
今はま愛されたいけど、それ以上に私は自分で自分を大切にする
そんなふうに、自分に主導権を持ち、感性を軸にした人生を選び取っていくこと。
それが、幼児的な女性性ではなく、“成熟した女性性”のあり方です。
まとめ|あなたの女性性は“咲くための力”かもしれない
行動できない、決められない、自信がない── そんなふうに感じるとき、私たちはつい「何かが足りない」と思ってしまいがちです。
でも、あなたがいま大切にしている“感じる力”や“待つ力”は、 じつは誰かの心を癒し、人生を彩る「女性性」という才能かもしれません。
だからこそ、自分を否定する代わりに、そっとこう問いかけてみてください。
私はどんな花として、どんなふうに咲いていきたい?
あなたのペースで、あなたの形で。
静かに、しなやかに、あなただけの美しさを開いていく道を、これからも大切にしてくださいね。