自分の人生に少し立ち止まりたくなった時、「自分を見つめ直してみようかな」と感じたり、あるいは誰かに相談した時、「一度、自分のことを見つめ直してみたら?」そんなふうに言われることもあると思います。
ただ「自分を見つめ直す」という言葉はよく聞く一方で、実際には何をすればいいのか、どういう状態を“見つめ直した”と言うのか、曖昧に感じることも多いですよね。
この記事では、自分を見つめ直す意味や効果、具体的な方法について整理していきます。
Contents
- 自分を見つめ直すとは?
- 自分を見つめ直すきっかけ5つ
- 1.同じ悩みを繰り返している時
- 2.ライフステージが変わらない時
- 3.恋愛がうまくいかない時
- 4.仕事がうまくいかない時
- 自分を見つめ直すおすすめの方法
- 1.ノートでジャーナリングに取り組む
- 2.部屋を徹底的に片付ける
- 3.一人旅に出てみる
- 自分を見つめ直すメリット
- 1.自己受容が深まる
- 2.感情がデトックスされる
- 3.直感が鋭くなる
- 4.人生の方向性に迷いがなくなる
- 自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴
- 1.見つめ直しが自己否定になってしまう
- 2.感情に飲み込まれてしまう
- 3.何かしらの答えを出そうとしてしまう
- 自分を見つめ直すと人生が動き出す
自分を見つめ直すとは?
自分を見つめ直すとは、自分の感情や価値観について観察し、自分という存在の輪郭やアイデンティティをより明確にする行為です。
「あなたはどんな人ですか?」そう質問されて、言葉に詰まる人も多いと思いますが、私たちは自分で思っている以上に自分について知りません。
例えるなら、私たちにとって「自分」とは、毎日歩いている見慣れた街の景色みたいなもの。
いつもそこにある街の風景は、毎日通っている道だとしても
「あれ?こんなところにお店あったっけ?」
と、改めて見て初めて気づく…なんてこともよくありますよね。
つまり、“視界には入っていた”けれど、“ちゃんと見えていたわけではない”ということです。
そしてそれは、自分自身に対しても同じです。
自分が一番近くにいる存在なのに、意外と知らないことがたくさんある。
- 本当は何が好きなのか
- 窮屈に感じていることは何か
- 実は抱えている夢は何か
見えているつもりで、実は見えていなかった「自分」という存在を、改めて見てみること。
それが、“自分を見つめ直すこと”です。
自分を見つめ直すきっかけ5つ
では、どんな時に人は自分を見つめ直そうとするのでしょうか。
人生が何もかもうまくいき、迷いなく前へ進めている時に、「自分を見つめ直したい」と考える人は、あまり多くありません。
もちろん人それぞれですが、人生に停滞やズレが見え始めた時に、人は自分に目を向けることを考え始めます。
ここでは、代表的な5つのきっかけについて整理していきます。
1.同じ悩みを繰り返している時
まず一つ目に、「自分は同じ悩みをずっと繰り返しているのではないか」と気づいた時にも、人は自分を見つめ直したくなりやすいものです。
例えば、
仕事がつまらないと思っている。
でも、具体的に何を変えたいのかは分からない。
なんとなくやる気が出ないまま毎日をこなしているけれど、
どこか生きている気がしない。
そして気づけば、そんな悩みをもう何年も抱え続けている。
すると人は、
「私はいつまでこのことで悩み続けるんだろう」
「そもそも何が苦しいんだろう」
と、自分の内面へ目を向け始めます。
同じ悩みを繰り返すということは、環境だけではなく、自分の考え方や価値観、生き方のパターンにも何か共通点がある可能性があります。
そのため、「同じ悩みを繰り返している」という感覚は、自分を見つめ直す大きなきっかけになりやすいのです。
2.ライフステージが変わらない時
また、ライフステージが変わらない時にも、人は自分を見つめ直したくなりやすいものです。
私たちは小学校、中学校、高校、就職など、ある程度までは、みんな似たようなペースで人生が進んでいきます。
けれど大人になると、ある人は結婚して子どもが生まれ、ある人はキャリアアップし、ある人は海外へ移住するなど、少しずつ人生が分岐していきます。
そんな中で、周りはどんどん人生が変化していくのに、自分だけは何も変わっていない。
毎日同じことの繰り返しで、人生が止まっているように感じる。
そんな感覚から、焦りや不安を抱える人も少なくありません。
そしてその時に、
「このままでいいのかな」
「何かを変えた方がいいのかな」
と、自分の内面へ目を向け始めます。
人生の停滞感は、自分を見つめ直す大きなきっかけの一つなのです。
3.恋愛がうまくいかない時
恋愛がうまくいかない時も、自分を見つめ直すことに真剣になる人は多いと思います。
恋愛は、他人と最も深く関わるコミュニケーションの一つです。
その分、うまくいかない時には悩みも深くなりやすく、相手との関係だけではなく、「自分自身」に対しても目を向け始める人が多くなります。
恋愛テクニックやコミュニケーション術など、表面的なノウハウを試してみても関係がうまくいかない状態が続くと、
「もしかして、自分の内面にも何か原因があるのではないか」
と考え始めます。
そこから、カウンセリングやセラピー、自己対話や内省など、“自分を見つめ直すこと”に興味を持ち始める人も多いのです。
4.仕事がうまくいかない時
仕事がうまくいかない時にも、自分を見つめ直すことに積極的になる人は多いと思います。
社内の人間関係がうまくいかなかったり、会社から思うように評価されなかったり、仕事に対して、どこか違和感や息苦しさを感じ始めると、
「今の働き方は自分に合っているのだろうか」
「もっと自分に向いている仕事があるのではないか」
と考える人も少なくありません。
特に最近は、一つの会社に長く勤め続けるだけではなく、転職やキャリアチェンジをしながら、自分に合う働き方を探していく人も増えています。
そのため、
- 自分はどんな仕事にやりがいを感じるのか
- どんな環境が合っているのか
- 本当はどんな働き方をしたいのか
を整理するために、自己分析や職歴の棚卸しなどを通して、自分を見つめ直す人も多いです。
自分を見つめ直すおすすめの方法
ではここから、自分を見つめ直すおすすめの方法を3つご紹介します。
手軽にできるものから、少し非日常的なものまでありますので、今の自分に合いそうなものから無理のない範囲で取り入れてみてください。
1.ノートでジャーナリングに取り組む
比較的手軽に取り組みやすい方法としておすすめなのが、ノートを使ったジャーナリングです。
自分を見つめ直そうとした時、頭の中だけで考えていると、思考があっちへ行ったり、こっちへ行ったりして、
「あれ、自分ってさっき何を考えてたっけ?」
「結局何が苦しいんだっけ?」
と、分からなくなってしまうことも少なくありません。
そのため、頭の中に浮かんできた言葉や感情を、その場ですぐ書き出せるように、ノートを片手に「自分を見つめ直す時間」を作ってみることがおすすめです。
ジャーナリングに、決まった正解や難しいルールはありませんが、Q&Aで進めていくとやりやすいかもしれません。
まずは入口として、
- 今気になっている言葉
- 繰り返し考えてしまうこと
- モヤモヤしている出来事
などを一つ選び、
「私はなぜこれが気になるんだろう?」
「本当はどう感じているんだろう?」
と、自分に問いかけてみます。
そして、その問いに対して浮かんできた、
- 言葉
- 感情
- 違和感
- 体の感覚
などを、そのままノートへ書き出していきます。
綺麗にまとめようとする必要はありませんので、自分の本音をそのまま外へ出してみましょう。
ひと段落ついてノートを見てみると、気が付いていなかった意外な本音が見えてくるかもしれません。
2.部屋を徹底的に片付ける
そして、意外とおすすめなのが、部屋を徹底的に片付けることです。
自分と向き合う方法というと、先にご紹介したようにノートや瞑想をイメージする人が多いと思います。
けれど黙々と掃除をしたり、無心で片付けをすることも、自分と向き合うことにつながります。
片付けで有名なこんまりさんのメソッドでも、「今の自分がときめくかどうか」という感覚を基準に、残すものと手放すものを整理していきます。
これは単なる掃除というより、「過去の自分が選んだもの」と、「今の自分が心地いいと感じるもの」を見直していく作業です。
昔は好きだったものなのに、今はまったく心が動かない。
逆に、昔は気づかなかったけれど、今の自分には必要だと感じるものもある。
そうやって、物を通して「今の自分の感覚」を確認していくことで、自然と自分自身を見つめ直すことにもなります。
部屋も綺麗になり、同時に自分の内面も整理されていく。
片付けは、意外とおすすめの自分を見つめ直す方法です。
3.一人旅に出てみる
そしてもし時間に余裕があるなら、一人旅に出てみるのもおすすめです。
私たちは普段、仕事や学校、人間関係など、常に誰かとの繋がりの中で生きています。
特に最近はSNSもあるため、意識していなくても、他人の価値観や空気感に触れ続けている状態になりやすいです。
そのため、普段の生活圏の中にいると、
- 仕事での役割
- 家族との関係
- 周囲から見られている自分
など、“いつもの自分”に引っ張られやすい部分があります。
あえて普段の環境から少し距離を置き、一人で知らない場所へ行ってみることで、
「自分は本当はどう感じていたんだろう」
「本当はどんな毎日を送りたいんだろう」
と、自分の感覚が見えやすくなることがあります。
自分を見つめ直すメリット
では、自分を見つめ直すことで、どんなメリットがあるのでしょうか。
自分自身を理解していき、自分という存在の輪郭やアイデンティティを明確にできるだけでも大きな意味がありますが、変化はそれだけではありません。
ここでは、自分を見つめ直すことによる代表的なメリットを4つご紹介します。
1.自己受容が深まる
まず最初のメリットとして挙げられるのは、自己受容が深まりやすくなるということです。
自己受容というのは、「自分のことを受け入れられている度合い」のことです。
自分を見つめ直していくことで、
- 自分はどんな時に苦しくなるのか
- 何に喜びを感じるのか
- 本当は何を求めていたのか
そういった、自分自身についての理解が少しずつ深まっていきます。
人は本能的に、よく知っているものには安心しやすく、逆によく分からないものには不安や抵抗感を抱きやすい生き物で、それは、自分自身に対しても同じです。
つまり自分のことを知れば知るほど、自分自身への愛着や安心感にも繋がっていくのです。
2.感情がデトックスされる
また、自分を見つめ直すことで、感情が整理されやすくなるというメリットもあります。
私たちは普段、自分の感情を後回しにしながら生きていることも少なくありません。
そのため、
- 本当は悲しかったこと
- 苦しかったこと
- 腹が立っていたことなど
が、気づかないうちに内側へ溜まっていきます。
自分を見つめ直すというのは、
「あの時、本当はどう感じていたんだろう」
「本当は何が苦しかったんだろう」
と、自分の感情へ改めて意識を向けていく作業でもあります。
感情というのは、無理に抑え込むほど蓄積されやすくなりますが、逆に、「そう感じていたんだ」と認めてあげることで、少しずつ整理されていく性質があります。
そういった意味でも、自分を見つめ直すことは、感情のデトックスにも繋がっていくのです。
3.直感が鋭くなる
また、自分を見つめ直していく中で、「直感が鋭くなった」と感じる人もいます。
「なんとなくこっちな気がする」
「理由は説明できないけれど、これは違う気がする」
といった、“感覚的な判断”がしやすくなるようなイメージです。
いわゆる第六感のようなものですが、これは単なるスピリチュアルというより、今まで自分の中に蓄積されていた経験や感覚、無意識の情報処理などが、総合的に働いている状態とも言われています。
自分を見つめ直していくと、自分の感情や価値観、本当は何を嫌だと感じているのか、何に安心するのかなどが、少しずつ整理されていきます。
すると、無理や我慢によって感情がブロックされていた状態から、少しずつ「自分の感覚をキャッチしやすい状態」へ変わっていきます。
その結果、「理由は分からないけれど、こっちの方が自然な気がする」といった、自分の内側の感覚に敏感になる人が増えてきます。
4.人生の方向性に迷いがなくなる
そして、ここまでご紹介してきたような変化によって、人生の方向性に迷うことがなくなってきます。
自分を見つめ直す習慣を続けていると、自分自身との繋がりが深まり、自分の感情や本音に気づきやすくなります。
私たちはつい、
「どう生きるのが正解なのか」
「どんな人生なら成功なのか」
と、外側に答えを探しに行ってしまいがちです。
ですが、自分を見つめ直す習慣を持っている人は、自分の感覚や価値観を確認しながら、人生の方向性を調整していけるようになります。
それはまるで、自分の中に“人生のコンパス”を持っているような状態なのかもしれません。
自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴
最後に、自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴についても触れておきます。
自分を見つめ直すことは、心の整理や人生の方向性を見直す上でとても大切な時間です。
ですが、やり方によっては、せっかくの時間が逆に苦しさへ繋がってしまうこともあります。
ここでは、特に陥りやすい3つのポイントについて整理していきます。
1.見つめ直しが自己否定になってしまう
自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴の一つが、「見つめ直し」が自己否定になってしまうことです。
自分を見つめ直すというのは、自分の感情に意識を向けたり、自分と対話したりしながら、「本当はどう感じているのか」を確認していく時間でもあります。
ただ、今の人生がうまくいっていなかったり、悩みが深かったりすると、
「なんで私はこんな人生なんだろう」
「なんでこんなにダメなんだろう」
と、自分を責める方向へ進んでしまうことがあります。
本来は、自分を理解し、受け入れていくための時間だったはずなのに、いつの間にか、自分を否定して攻撃する時間になってしまう。
特に、悩みが深い人ほど、無意識にこの状態へ入りやすいため注意が必要です。
2.感情に飲み込まれてしまう
また、感情に飲み込まれてしまうというのも、自分を見つめ直す時に起こりやすい落とし穴の一つです。
自分を見つめ直すというのは、今まで見ないようにしていた感情や、過去の傷ついた記憶へ意識を向けていく作業でもあります。
けれど、過去に強いトラウマやショックな出来事があった場合、自分を見つめ直す時間だったはずなのに、いつの間にか「過去の苦しさを追体験する時間」になってしまう人もいます。
例えば、
「自分を見つめ直そうとすると強い抵抗感が出る」
「過去を思い出していたら涙が止まらなくなった」
「考え始めると苦しくて動けなくなる」
といった状態です。
これは、感情を整理できている状態というより、感情の記憶の中へ深く入り込みすぎてしまっている状態に近いです。
この場合、感情を消化するどころか、さらに苦しさを強めてしまうこともあります。
このような場合は無理せず一度休憩したり、信頼できる人や専門家を頼ることも大切です。
3.何かしらの答えを出そうとしてしまう
そして三つ目に、自分を見つめ直すことで「何かしらの答えを出そうとしてしまう」というのも、陥りやすいポイントの一つです。
自分を見つめ直すというのは、自分の感情や価値観について観察しながら、自分の輪郭を確認していく時間でもあります。
ですが、合理性や効率を重視する人ほど、
「それで結局どうすればいいの?」
「転職するべき?」
「どの選択が正解なの?」
と、すぐに現実的な答えや行動へ繋げたくなってしまうことがあります。
もちろん、自分を見つめ直した結果として、人生の方向性や、現実的な行動のヒントが見えてくることもあります。
ただ、それは自然と浮かび上がってくるもので、最初から「答えを出すこと」を目的にしてしまうと、かえって自分の本音や感情が見えにくくなってしまいます。
まずは何かを決めようとするよりも、「今の自分はどう感じているんだろう」と、自分を観察すること自体を目的にした方が、結果的に自分を見つめ直すメリットが大きいでしょう。
自分を見つめ直すと人生が動き出す
ここまで、自分を見つめ直す方法や、そのメリット、陥りやすい落とし穴についてご紹介してきました。
自分を見つめ直すというのは、単に「自分について考えること」ではありません。
定期的に自分と向き合い“今現在の自分”を確認していく時間でもあります。
ほんの少しの時間でも、自分と向き合う時間を取りながら、今の自分の感情や本音に耳を傾けてみてください。
きっと人生が少しずつ動き出す手応えを感じられるはずです。