自分磨きに疲れたあなたへ|理想の自分を追うほど苦しくなる理由
理想の自分を目指して努力しているはずなのに、なぜかどんどん苦しくなってしまい、何のために努力しているのか迷子になってしまうことはありませんか?
自分磨きをしているのに、満たされない。
頑張っているのに、今の自分がますます嫌になる。
変わりたいと思うほど、心が疲れていく。
そんな状態になると、「自分磨きすら続けられない自分がダメなのでは」と感じてしまうかもしれません。
この記事では、自分磨きに疲れる理由、自分磨きが苦しくなっているサイン、そして苦しくならない自分磨きに変えていく考え方について解説します。
自分磨きに疲れるのはなぜ?
まずはじめに、自分磨きに疲れてしまうのはなぜなのでしょうか。
自分を磨くというのは、大切な宝石を丁寧に磨くことにも似ています。
- 自分という存在を大切にしたい
- もっと丁寧に扱いたい
- 本来の輝きが見えるように、少しずつ磨いてあげたい
そんなふうに考えると、自分磨きは本来、自分への愛情表現の一つとも言えるはずです。
にもかかわらず、自分磨きが苦しくなるのは、それがいつの間にか愛情表現ではなく、自分への厳しい評価になってしまうからです。
「もっと磨いてあげたい」ではなく、「欠けている自分を直さなければいけない」になる。
「大切に扱いたい」ではなく、「まともな自分に矯正しなければいけない」になる。
このように、自分磨きの背景に自己否定や罰のような感覚が混ざると、どれだけ前向きな努力をしていても、心はだんだん苦しくなっていきます。
つまり、自分磨きそのものが悪いわけではありません。
苦しさを生んでいるのは、自分磨きをする時の心の向きです。
そこに自分を愛でる気持ちがあるのか。
それとも、今の自分を罰して、欠けている部分を無理やり正そうとする気持ちがあるのか。
その違いによって、自分磨きは自分を育てるものにも、自分を追い詰めるものにも変わっていきます。
自分磨きが苦しくなる3つの理由
自分磨きが苦しくなる時、そこにはいくつかの共通点があります。
ここでは、特に起こりやすい3つの理由を整理します。
1. 自分磨きの出発点が自己否定になっている
自分磨きが苦しくなる1つ目の理由は、出発点が自己否定になっていることです。
「もっと良くなりたい」と思っているようで、実は心の奥では「今の自分を直さなければ」と感じている状態です。
- 今の自分では愛されない
- このままでは人に選ばれない
- もっと綺麗にならないと価値がない
- もっとすごくならないと認められない
- 欠けた自分を直さなければいけない
このような気持ちから始まる自分磨きは、とても疲れます。
なぜなら、努力するたびに「今の自分は欠けている」という前提を強化してしまうからです。
変わりたい気持ちがあること自体は自然ですが、「今の自分をより良くしていきたい」と「今の自分を消してしまいたい」は、似ているようでまったく違います。
前者は自分への肯定を強化する努力、後者は自分への否定を強化する努力です。
2. 自分磨きの目的が価値証明になっている
自分磨きが苦しくなる2つ目の理由は、自分磨きの目的が価値証明になっていることです。
本来、自分磨きは自分の人生を豊かにするためのものです。
けれど、いつの間にか「私はここにいていい」と証明するための努力になっていることがあります。
- もっと綺麗になれば、愛されるはず
- もっと仕事ができれば、認められるはず
- もっと明るくなれば、必要とされるはず
- もっと魅力的になれば、選ばれるはず
そんなふうに、自分磨きの奥に「今のままでは足りない」「何かを証明しなければ居場所がない」という感覚があると、努力しても心が休まりません。
価値証明としての自分磨きには終わりがありませんから、どこまで行っても、「これで私は大丈夫」と感じにくいのです。
3. 人間らしさを消した理想像を追いかけている
自分磨きが苦しくなる3つ目の理由は、人間らしさを消した理想像を追いかけていることです。
理想の自分を思い浮かべる時、無意識のうちに完璧すぎる人物像を作ってしまうことがあります。
- いつも前向き
- いつも余裕がある
- 感情的にならない
- 誰にでも優しい
- 生活も仕事も美容も完璧
- 愛されていて、成功していて、心も安定している
たしかに、そんな自分になれたら素晴らしいように思えますが、それはもはや人間ではない何かです。
人間らしさを消した理想像を追いかけると、自分の自然な揺れまで失敗に見えてしまいます。
「今日は何もできなかった」
「また感情的になってしまった」
「こんな自分ではまだダメだ」
そうやって、理想に近づくための努力が、自分の人間らしさを責める材料になっていきます。
自分磨きが苦しくなっているサイン
自分磨きが苦しくなっている時、本人は意外とそのことに気づけません。
「もっと頑張らなきゃ」
「ここで休んだら戻ってしまう」
「みんなはもっと努力している」
そんなふうに、自分を追い立てる言葉の方が強くなっているからです。
ここでは、自分磨きが苦しくなっているサインを3つ紹介します。
1. 頑張っても心が満たされない
1つ目の限界サインは、頑張っても心が満たされないことです。
- 新しい服を買う
- 美容を頑張る
- 勉強する
- 資格を取る
- 運動する
- 生活を整える
行動としては前向きなことをしているのに、心の奥がなぜか空っぽのまま。
達成した瞬間は少し嬉しいけれど、すぐに「でも、まだ足りない」と感じてしまう。
この状態は、自分磨きの目的が自分の満足ではなく、不安を消すことになっている時に起こりやすいです。
努力しているのに心が満たされない時は、努力の中身ではなく、その努力に何を求めているのかを見てみる必要があります。
2. 休むことに罪悪感がある
2つ目の限界サインは、休むことに罪悪感を持ってしまうことです。
本当は疲れているのに、休むと不安になる。
何もしない時間があると、サボっているように感じる。
ゆっくりしたいのに、「こんなことをしている場合じゃない」と自分を責めてしまう。
この状態になると、自分磨きはかなり苦しくなっています。
本来、休むことは人間が生きていくために必要な回復です。
それなのに、休むことを許せない時、心の中では「止まったら価値がなくなる」「頑張っていない自分には意味がない」という前提が動いていることがあります。
自分を大切にするための努力のはずなのに、休む自分を許せない。
それは、自分磨きが自分の味方ではなく、監視役のようになっている状態です。
3. 理想の自分を考えるほど今の自分が嫌になる
3つ目のサインは、理想の自分を考えるほど今の自分が嫌になることです。
理想の自分を思い浮かべるたびに、ワクワクするよりも落ち込む。
「こうなりたい」と思うより、「今の自分は全然ダメだ」と感じる。
未来を考えているはずなのに、いつの間にか今の自分を責めている。
この状態では、理想の自分が未来への目印ではなく、今の自分を裁く基準になっています。
本来、理想は自分を未来へ連れていくためのものです。
でも、理想を見た瞬間に今の自分を否定してしまうなら、その理想は少し遠すぎるか、誰かの基準を借りすぎているのかもしれません。
理想の自分を考えるほど苦しくなる時は、その理想が本当に自分の願いから出ているのかを見直すタイミングです。
苦しくならない自分磨きに変える考え方
自分磨きに疲れた時、「もう努力しない方がいい」ということではありません。
同じ行動でも、自分を否定しながらするのか、自分を育てるためにするのかで、心への負担は大きく変わります。
ここでは、苦しくならない自分磨きに変えていくための考え方を整理します。
1. 自己否定ではなく自己受容から始める
苦しくならない自分磨きに変えるためには、まず自己否定ではなく自己受容から始めることです。
自己受容というと、「今のままで何も変わらなくていい」と聞こえるかもしれませんが、成長を諦めることではなく、今の自分を敵にしないことです。
- 疲れている自分
- 嫉妬する自分
- うまくできない自分
- 迷っている自分
- 変わりたいのに変われない自分
そういう自分を全部切り捨ててから理想へ向かうのではなく、その自分も連れたまま進むということです。
自己否定から始まる自分磨きは、「今の自分を消すための努力」になります。
自己受容から始まる自分磨きは、「今の自分を育てるための努力」になります。
2. 誰かの期待ではなく自分の奥にある願いを見る
苦しくならない自分磨きに変えるためには、誰かの期待ではなく、自分の奥にある願いを見ることも大切です。
自分磨きが苦しくなる時、そこには「こう見られたい」「こう思われたい」という外側の基準が強くなっていることがあります。
もちろん、人に好かれたい、認められたい、選ばれたいという気持ちは自然ですが、それだけが動機になると、自分の本音が置き去りになります。
たとえば、「綺麗になりたい」という願いの奥に、
- 自分を雑に扱う生活をやめたい
- もっと自分を大切にしたい
- 鏡を見るたびに少し嬉しくなりたい
- 自分の体に安心していたい
そんな願いがあるなら、その自分磨きは自分の内側につながっています。
一方で、「誰かを見返したい」「選ばれない自分を消したい」「馬鹿にされたくない」だけが強くなると、努力しても心が削られやすくなります。
いちばん純粋なモチベーションは、「こう生きてみたい」という自分の奥にある願いです。
そこに戻ると、自分磨きは誰かに見せるための証明ではなく、自分の人生を少しずつ整える行動に変わっていきます。
3. 完璧ではなく人間としての限界を認める
苦しくならない自分磨きに変えるためには、完璧ではなく、人間としての限界を認めることも必要です。
どれだけ成長しても、疲れる日はあります。
感情が乱れる日もあります。
人に優しくできない日もあります。
昔の癖が出る日もあります。
何も進まない日もあります。
それは、自分磨きに失敗しているからではありません。
人間だからです。
完璧な自分を目指していると、限界=失敗だと感じますが、限界があるからこそ、自分に合うやり方を探すことができます。
人間としての限界を認めることは、成長を諦めることではありません。
自分を壊さずに成長していくための土台です。
自分磨きに疲れたら方針転換しよう
自分磨きに疲れた人は、ダメな人ではなく、向上心がないわけでもありません。
ただ、自分磨きのスタート地点が少々苦しいものになってただけなのです。
自分磨きは、本来、自分が自分のままで生きやすくなるためにするものです。
理想の自分を目指すことと、今の自分を大切にすることを両立させた状態で、取り組んでみてください。
「私は何を直したいのか」ではなく、「私は本当はどう生きたいのか」に戻ってみてください。
その問いに戻る時、自分磨きはもう一度、自分を責めるものではなく、自分を未来へ連れていくものに変わっていきます。
理想の自分とは?なりたい自分がわからない時の具体例と見つけ方
「理想の自分って、どんな姿なんだろう」
「私は、どんな未来を生きたいんだろう」
そんなふうに考えた時、今の延長線上ではないことだけはわかるけれど、だからといって、理想の自分の輪郭がはっきり見えてこない。
そんな感覚に困っている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、理想の自分やなりたい自分がわからなくなる理由、よくある誤解、具体例、そして今の自分を否定せずに理想の自分を見つけるヒントについて解説します。
理想の自分やなりたい自分がわからないのはなぜ?
自己啓発やコーチング、カウンセリング、近年では企業のキャリア支援などでも、「理想の自分像」や「なりたい自分像」をイメージしてみましょうと言われることがあります。
その時に、すぐに「私はこんな自分になりたい」「こんな未来を生きたい」と出てくればいいですが、実際にはうまく思い浮かばない人も少なくありません。
今の自分のままでいいのかと聞かれると、どこか違う気がする。
けれど、だからといって、絶対にこうなりたいという明確な未来像があるわけでもない。
そんなふうに、今の自分にも違和感があるけれど、理想の自分もはっきり見えない状態になることは珍しくありません。
現代は、SNSやインターネットを通して、さまざまな人の暮らし方、働き方、生き方を大量に見ることができます。
- 自由に働いている人
- 好きなことを仕事にしている人
- 家庭を大切にしている人
- 旅をしながら暮らしている人
- 丁寧な生活をしている人
- 社会的に成功している人
多様な生き方に触れられることは、本来とても豊かなことです。
けれど、選択肢があまりにも多すぎると、かえって「自分はどれを望んでいるのだろう」と混乱してしまうこともあります。
限られた選択肢の中からしか未来を選べない窮屈さはなくなった一方で、自由度が高すぎることで、自分の理想が見えにくくなることもあるのです。
つまり、理想の自分やなりたい自分がわからないのは、夢がないからでも、意志が弱いからでもありません。
たくさんの情報や選択肢の中で、自分の本音が埋もれてしまっている状態とも言えます。
理想の自分に関するよくある誤解
理想の自分を考える時、多くの人が無意識のうちにいくつかの誤解をしています。
そしてその誤解があると、理想を考えるほど苦しくなったり、今の自分を責める材料になったりします。
ここではよくある誤解について、4つの代表例を整理しましょう。
1. 完璧な自分を目指すことだと思っている
1つ目の誤解として、理想の自分=完璧な自分である、といつの間にか思い込んでいることも多いです。
- 目立った欠点がなく
- いつも前向きで
- 感情が安定していて
- 人生すべてうまくいっている
たしかに完璧な人はすごいですが、もはやこれでは人間というよりも「完璧なロボット」です。
本当の理想は、自分から人間らしさを消すことではありません。
弱さや迷いがあっても、自分を見捨てずに進んでいける状態の方が、ずっと現実的で、長く続く理想です。
2. 今の自分とは違う別人になることだと思っている
2つ目の誤解として、理想の自分を考える時、「今の自分ではない何者か」になろうとしてしまうことがあります。
- もっと明るい人にならなければ
- もっと社交的にならなければ
- もっと強くならなければ
- もっと完璧に振る舞える人にならなければ
理想を追い求めるあまり、理想の「自分」ではなく、理想の「別人」になろうとしているかのような状態です。
無自覚にせよ、もはや別人になることを理想にすると、今の自分を置き去りにしたまま未来を作ることになります。
理想の自分は、今の自分を消して作るものではありません。
今の自分の中にすでにある感性、願い、得意なこと、大切にしたい価値観を、未来側で少し育てた姿です。
3. 誰かに評価される姿になることだと思っている
3つ目の誤解として、理想の自分を考える時、つい「人からどう見られるか」を基準にしてしまうことがあります。
- すごいと思われている自分
- ちゃんとしていると思われている自分
- 愛される人だと思われている自分
- 羨ましがられる人生を送っている自分
人から認められたい気持ちがあること自体は自然です。
ただ、評価されることだけを基準にすると、自分が本当に望んでいる生き方から離れてしまうことが多いでしょう。
外側から見て華やかでも、自分の内側がすり減っているなら、それは本当の意味で理想とは言い切れません。
理想の自分を考える時は、「人からどう見えるか」だけでなく、「その自分でいる時、自分の心はどう感じるか」も見ていく必要があります。
4. ドンピシャな理想像があると思っている
4つ目の誤解として、理想の自分は、最初からはっきり見えるものだと思っている人もいます。
でも実際には、最初からドンピシャな理想像が見つかることの方が少ないです。
最初は、ぼんやりとした憧れだったり、何となく嫌だという違和感だったり、あの人のこの部分が好きという小さな反応だったりします。
理想の自分は、完成形として突然見つかるものではありません。
曖昧なままでも、自分の反応を拾っていくことで、だんだん「こっちに行きたい」という方向が見えてきます。
理想の自分の具体例
理想の自分を考える時は、いきなり一つの完成形を作ろうとしなくて大丈夫です。
仕事、人間関係、暮らし、お金、健康、心の状態など、人生の領域ごとに分けて見てみると、自分が何を望んでいるのか整理しやすくなります。
コーチングなどでは、こうした人生の領域を分けて見る考え方を「バランスホイール」と呼ぶこともあります。
ここでは、理想の自分を考えるための具体例を領域ごとに見ていきます。
1. 仕事に関する理想の自分
まず最初に、仕事に関する理想の自分について考えてみましょう。
- どんな働き方をしたいのか
- どんな人に価値を届けたいのか
- どれくらい裁量を持ちたいのか
- どんなペースで働きたいのか
こうした感覚も、仕事に関する理想の自分に含まれます。
たとえば、次のような理想があります。
- 自分のペースで集中して働ける自分
- 人の顔色ではなく、自分の判断で仕事を進められる自分
- 好きなことを仕事にして、生活も成り立たせている自分
- 無理に頑張りすぎず、長く続けられる働き方をしている自分
仕事の理想を考える時は、「すごい人になること」だけに意識を向けなくて大丈夫です。
自分がどんな状態で働けると呼吸がしやすいのかを見ると、理想の輪郭が見えやすくなります。
2. 人間関係に関する理想の自分
次に、人間関係に関する理想の自分を考えてみましょう。
「誰とでもうまくやれる自分」を理想にすると、人によっては無理がありすぎて苦しいかもしれません。
自分にとって心地よい距離感を知り、無理なく人と関われる状態が理想になることもあります。
たとえば、次のような理想があります。
- 嫌われることを怖がりすぎずに人と関われる自分
- 大切な人に本音を伝えられる自分
- 合わない人から静かに離れられる自分
- 一人の時間も、人と過ごす時間も大切にできる自分
人間関係の理想を考える時は、「好かれる自分」だけを目指すと苦しくなります。
どんな関係なら安心できるのか、どんな距離感なら自分を失わずにいられるのか。
そこに目を向けることで、自分に合った理想が見えてきます。
3. 暮らしに関する理想の自分
3つ目に、暮らしに関する理想を考えてみましょう。
- どんな部屋で過ごしたいのか
- 朝をどう迎えたいのか
- 何に囲まれて暮らしたいのか
- どんなリズムで一日を終えたいのか
こうした日常の感覚も、理想の自分を考える大切な材料です。
- 部屋を整えて、落ち着いて暮らしている自分
- 朝に余白を持って一日を始められる自分
- 好きなものに囲まれて、自分の感覚を大切にしている自分
- 予定に追われるだけでなく、生活を味わっている自分
暮らしの理想は、派手な夢よりも身近です。
でも、毎日の暮らしが整うことは、自分の人生を取り戻す感覚につながることがあります。
4. お金に関する理想の自分
そしてお金に関する理想も整理してみましょう。
お金の理想というとつい「あればあるだけいい」と思いがちですが、それは少々雑な理想像になってしまいます。
- 必要な時に必要なお金を使える自分
- 不安からではなく、自分の意思でお金を選べる自分
- 大切なものに気持ちよくお金を使える自分
- お金に振り回されず、暮らしの土台を整えている自分
お金の理想を考える時は、金額だけでなく、そのお金によってどんな安心や自由を得たいのかを見ると、自分の本音に近づきやすくなります。
5. 健康に関する理想の自分
5つ目に、健康や美容に関する理想の自分もイメージしてみましょう。
これは見た目や体重に限ったことではありません。
- どんな体調で過ごしたいのか
- どんな生活リズムが自分に合うのか
- どれくらい動ける体でいたいのか
- どんな自分なら安心して日々を送れるのか
こうした感覚も含まれますし、たとえば次のような理想があるでしょう。
- 疲れを無視せず、体の声を聞ける自分
- 無理な我慢ではなく、心地よく体を整えている自分
- 自分に合う睡眠や食事のリズムを知っている自分
- 見た目だけでなく、体の内側から元気でいられる自分
健康の理想を考える時は、「もっと痩せなければ」「もっと綺麗にならなければ」と自分を責める方向に行きやすいです。
でも、本当に大切なのは、今の体を敵にしないことです。
自分の体を罰するためではなく、自分が生きやすくなるために整えていく視点が必要です。
6. 心の状態に関する理想の自分
最後に、心の状態に関する自分の理想も考えてみましょう。
「心の状態」というと見えないもので地味に感じますが、特に大切な部分です。
どれだけ外側が整っていても、心がいつも緊張していたり、自分を責め続けていたりすると、理想の人生を生きている感覚は持ちにくくなります。
- 自分の気持ちを否定せずに受け止められる自分
- 焦りや不安に飲み込まれすぎずにいられる自分
- 人と比べても、自分の場所に戻ってこられる自分
- 頑張る時と休む時の切り替えができる自分
心の状態に関する理想は、外からは見えにくいものです。
でも、自分にとって本当に大切な理想は、誰かに見せるための姿よりも、日々の中でどんな感覚で生きているかに表れます。
なりたい自分を見つける6つのヒント
なりたい自分がわからない時は、頭の中だけで正解を探そうとすると行き詰まりやすくなります。
「私はどうなりたいのか」と真正面から考えるより、憧れ、不快感、過去の自分、周囲との関わり、直感、まだ知らない世界など、いくつかの方向から自分を照らしてみる方が、理想の輪郭は見えやすくなります。
ここでは、なりたい自分を見つけるためのヒントを6つ紹介します。
1. 憧れの人からヒントを得る
最も取り組みやすい方法は、「素敵だな」「こういう雰囲気が好きだな」と感じる人をヒントにすることです。
身近な人でも、芸能人でも、漫画や映画の登場人物でも構いません。
大切なのは、その人を丸ごと真似することではなく、自分がどこに惹かれているのかを見ることです。
たとえば、憧れの人を1〜3人ほど思い浮かべて、それぞれの「素敵だと思うポイント」を書き出してみます。
- 自由に働いているところ
- 自分の意見をはっきり言えるところ
- 人に流されず、自分の世界を持っているところ
- 暮らし方が丁寧なところ
- 感情表現が豊かなところ
このように書き出していくと、共通して惹かれている要素が見えてきます。
その共通点は、あなたが本当は大切にしたい感覚や、これから育てていきたい自分の一部かもしれません。
「私はあの人になりたい」のではなく、「あの人のどんな要素に惹かれているのか」を見ることで、なりたい自分のヒントが見つかりやすくなります。
2. 嫌いな人からヒントを得る
なりたい自分は、憧れだけでなく、「こうはなりたくない」という感覚からも見つけることができます。
人は、心地よさよりも不快感の方に強く反応することがあります。
そのため、憧れの人が思い浮かばない時は、嫌いな人や苦手な人を手がかりにする方がわかりやすい場合もあります。
まずは、「嫌だな」「苦手だな」と感じる人を1〜3人ほど思い浮かべて、その人のどんな部分が嫌なのかを書き出してみます。
- 人の悪口ばかり言う
- 自分の非を認めない
- 人によって態度を変える
- 人の時間を雑に扱う
- 自分の考えを押しつける
このような要素が出てきたら、それを反対側にひっくり返してみます。
人の悪口ばかり言う人が嫌なら、「人を下げて自分を保とうとしない人でありたい」という望みがあるのかもしれません。
自分の非を認めない人が嫌なら、「間違えた時に素直に向き合える自分でいたい」という理想があるのかもしれません。
嫌いな人を見つめる目的は、その人を責め続けることではありません。
自分が何を大切にしたいのか、どんな美学を持って生きたいのかを知るための手がかりとして使うことです。
3. 幼少期の自分からヒントを得る
幼少期の自分は、今よりもずっと素の反応が出やすかった時期です。
もちろん、家庭環境や親子関係の影響で、子どもの頃から自分を抑えてきた人もいます。
それでも、幼い頃に好きだったこと、夢中になったこと、自然にやっていたことの中には、今の自分につながるヒントが残っていることがあります。
たとえば、子どもの頃の自分について思い出してみます。
- どんな遊びが好きだったか
- 何をしている時に時間を忘れていたか
- どんなことを褒められると嬉しかったか
- どんな世界に憧れていたか
- 本当は何をしたかったのに、諦めてきたのか
必要であれば、親やきょうだい、幼なじみなどに聞いてみるのも一つです。
「小さい頃、私はどんな子だった?」と聞いてみると、自分では忘れていた姿が出てくることもあります。
幼少期からなりたい自分を探す時は、「昔の夢をそのまま叶えなければいけない」と考えなくて大丈夫です。
大切なのは、その夢や行動の奥にあった要素を見ることです。
人前で歌うのが好きだったなら、表現することへの願いがあるのかもしれません。
一人で物語を作るのが好きだったなら、自分の世界を形にすることへの望みがあるのかもしれません。
小さい子の面倒を見るのが好きだったなら、人の安心や成長に関わることが、自分にとって大切なのかもしれません。
幼少期の自分をたどることは、今の自分を過去に戻すことではありません。
育つ過程で見えにくくなった、本来の自分の感性をもう一度拾い直すことです。
4. 周囲の言葉から理想のカケラを見つける
なりたい自分は、自分ひとりで考えている時よりも、誰かとの関わりの中で見つかることがあります。
人と話している時に、「あなたはこういうところがあるよね」と言われて、初めて自分の一部に気づくことがあります。
自分では当たり前だと思っていたことが、周囲から見ると魅力や才能に見えていることもあります。たとえば、次のような言葉がヒントになります。
- 話していると安心する
- 説明がわかりやすい
- 人の気持ちに気づくのが早い
- 好きなものを語る時の熱量がある
- 困った時に現実的に動ける
こうした周囲からの言葉は、なりたい自分を考える材料になります。
ただし、周囲の評価をそのまま理想にする必要はありません。
「人からそう見られているなら、そうならなければ」と背負うのではなく、自分の中でしっくりくる部分だけを拾えば大丈夫です。
誰かとの対話の中で、自分では見えていなかった理想のカケラが言葉になることがあります。
5. 直感のまま動いてみる
なりたい自分がわからない時は、考え続けるよりも、直感のまま小さく動いてみる方が見えてくることがあります。
最初から大きな決断をする必要はありません。
- 少し気になる講座に申し込んでみる
- 行ってみたかった場所に行ってみる
- いつもは選ばない服を着てみる
- 気になっていた本を読んでみる
- 会ってみたい人に連絡してみる
そのくらいの小さな行動で十分です。
大切なのは、動いた後の自分の反応を見ることです。
- やってみたら思ったより楽しかったのか
- 続けたいと感じたのか
- これは違うとわかったのか
- 緊張したけれど、どこか心が動いたのか
なりたい自分は、頭の中で考えているだけでは見つからないことがあります。
実際に動いてみて、自分の心と体がどう反応するかを見ることで、少しずつ方向性が絞られていきます。
6. 今の生活圏を出てみる
なりたい自分が見つからないのは、今の自分の生活圏の中に、まだ理想のサンプルがないだけかもしれません。
毎日同じ場所に行き、同じ人と関わり、同じ情報だけを見ていると、想像できる未来も限られてきます。
その中で「なりたい自分がわからない」と感じるのは、可能性がないからではなく、まだ出会っていないだけということもあります。
- 普段行かない街に行ってみる
- 違う仕事をしている人の話を聞いてみる
- 新しいコミュニティに入ってみる
- 興味はあるけれど縁がなかった分野に触れてみる
- いつもの自分なら選ばない体験をしてみる
こうした行動をすると、自分の中に新しい反応が生まれます。
「こういう生き方もあるんだ」
「こういう働き方をしている人もいるんだ」
「私はこの空気感が好きなんだ」
「これは憧れていたけれど、実際には合わないかもしれない」
そんなふうに、今の生活圏の外に出ることで、理想の自分の材料が増えていきます。
なりたい自分は、今の自分が知っている範囲の中だけで探さなくても大丈夫です。
まだ知らない世界に触れることで、今まで言葉にできなかった願いが動き出すことがあります。
なりたい自分を目指すプロセスこそお宝
なりたい自分は、最初から完璧に見つけるものではありません。
むしろ、目指していくプロセスの中で、少しずつ見えてくるものです。
最初は「この人みたいになりたい」と思っていたけれど、動いてみたら、実はその人の働き方ではなく、自由さに憧れていたのだと気づくことがあります。
「もっと綺麗になりたい」と思っていたけれど、本当は自分を雑に扱わない生活をしたかっただけだと気づくこともあります。
「成功したい」と思っていたけれど、その奥には、もう誰かの顔色を見て生きたくないという願いがあったのだとわかることもあります。
理想の自分は、頭の中で一度決めたら終わりではありません。
実際に動いてみて、違和感を感じたり、思っていたよりしっくりきたり、途中で方向が変わったりしながら、少しずつ自分に合う形へ変わっていきます。
今の自分を置き去りにしたまま、遠くにいる完璧な自分を追いかけると、理想は苦しさに変わります。
でも、今の自分の感じていることを拾いながら進むなら、理想は自分を責めるものではなく、自分を未来へ連れていくための目印になります。
なりたい自分を目指すプロセスには、たくさんのヒントが落ちています。
もしかしたら「理想の自分」や「なりたい自分像」を探している途中の時間そのものが、一番の宝物なのかもしれません。
自分の性格がわからない理由|診断も占いもピンとこないあなたへ
「私って、どんな性格なんだろう?」
ふとした瞬間にそんな問いが浮かんできて、性格診断をしてみたり、ホロスコープを見てみたりしたけれど、いまいちピンとこない。
逆に、いくつも当てはまる気がして、「結局、私はどんな人なの?」とますますわからなくなってしまう。
この記事では、「自分の性格がわからない」と感じる人の深層心理や、性格診断や占いでピンとこない理由、そして本当の意味で自分の性格を知るためのヒントについて解説します。
自分の性格がわからない理由
自分の性格がわからないと感じるのは、状況に合わせて人格を使い分けられている証拠であり、決して悪いことではありません。
- 職場で明るい自分も、たしかに自分
- 家族の前で口が悪い自分も、たしかに自分
- 恋人に甘える自分も、たしかに自分
TPOをわきまえて、その場その場でそつなく自分の態度や言動を変えられるため、逆に「あれもこれもそれも自分のようだけど、でも結局すべて自分ではないのでは?」という感覚になるパラドックスがあるのです。
つまり、自分の性格がわからないのは、自分が空っぽだからではなく、自分の中にいくつもの顔があるからです。
自分の性格がわからない人がやりがちなこと
自分の性格がわからないとき、私たちは「自分の中を見に行く」より先に、外側にあるわかりやすい答えを探したくなることがあります。
性格という言葉は、日常的にとてもよく使われていますが、その正体は案外あいまいです。
心理学では、性格は「感じ方・考え方・行動の傾向」と定義されていますが、感じ方や考え方、行動の傾向は、その時の状況や相手との関係性によっても変わります。
つまり、人の性格は本来、一言で言い切れるものではありません。
それでも、自分の性格がわからない状態が続くと、「私はこういう人です」と言える何かが欲しくなります。
ここでは、自分の性格がわからない人がやりがちなことを3つ見ていきましょう。
1. 性格診断やタイプ分類に答えを求めたくなる
1つ目に、自分の性格がわからないとき、性格診断やタイプ分類に答えを求めたくなる人も多いです。
- MBTI風の16タイプ診断
- コーチングの4タイプ診断
- クリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)
- ホロスコープなどの占い
こうした分類ツールは、気づきのきっかけや、自己理解の入口としてはとても有効です。
「私はこういう傾向があるのかもしれない」
「だから、この場面で疲れやすかったのかもしれない」
「この反応は、私だけがおかしいわけではなかったんだ」
そんなふうに、自分を少し客観的に見る助けになることもあります。
ただ一方で、診断結果をそのまま“自分そのもの”として採用してしまうと、少し苦しくなることがあります。
特に「自分が本当にわからない」と深く悩んでいる人ほど、診断結果に自分自身を寄せていってしまうといった傾向もあります。
2. 「本当の自分」を1つに決めたくなる
2つ目に「結局、どれが本当の自分なの?」と、本当の自分を「これ!」と1つに決めたがる人も少なくありません。
- 職場で明るく振る舞う自分
- 家族の前で口が悪くなる自分
- 恋人に甘える自分
- ひとりになると急に無気力になる自分
いろいろな自分がいると、「どれかが本物で、どれかは偽物なのではないか」と感じてしまうこともありますし、「これが唯一の自分である」と認識できた方が、ストレスも少ないのです。
明るい自分も、暗い自分も、優しい自分も、冷たい自分も、「すべて自分である」と認識することは、つまり自分の中にいる多数の自分を統括しないといけなくなります。
それは大変ですから、人はめんどくさくなったり疲れている時ほど「これが本当の唯一の自分」といった答えを欲しがるのです。
3. 人から見た自分を正解にしたくなる
そして3つ目に、自分の性格が自分でわからないとき、人から見た自分を「正解」にしたくなることもあります。
- あなたは明るいよね
- 優しいのがあなたらしさよね
- いつもしっかりしてるよね
そう人から言われたりして、悪い気分でもない場合
「なるほど、私はそういう人なのかもしれない」
ということにしたがる人も珍しくありません。
自分で自分のことを理解したり、定義することがめんどくさくなってくると「人から見た時の自分=本当の自分」ということにしたくなってくるのです。
自分の性格がわからなくなる人の特徴
自分の性格がわからないと悩む人もいれば、あまり悩まない人もいます。
では、自分の性格がわからなくなりやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、代表的な4つの特徴を見ていきます。
1. 感情よりも正しさを重視してきた
自分の感情よりも、「こうするべき」「こうあるべき」といった正しさを優先してきた人は、自分の性格がわからなくなりやすいです。
- 本当は嫌だったのに我慢する
- 本当は腹が立っていたのに、怒ってはいけないと抑える
- 本当はうれしかったのに、そんなことで喜ぶなんて子どもっぽいと打ち消す
そうして感情を後回しにしていると、自分が何に反応する人なのかが見えにくくなります。
正しさを優先し続けてきた人ほど、「私は何が好きなのか」「何が嫌なのか」「どんなときに苦しくなるのか」つまり自分の性格がわからなくなってしまうのです。
2. 他者からの見え方に最適化してきた
他人からどう見られるかを基準にしてきた人も、自分の性格がわからなくなりやすいです。
- 嫌われないようにする
- いい人に見えるように振る舞う
- ちゃんとしている人だと思われるように頑張る
こうした外向きの振る舞いが長く続くと、自分のための性格ではなく、人に合わせるための性格ばかりが発達していきます。
TPOや場面に合わせて態度を変えられること自体は、まったく悪いことではありません。
ただ、他者からの見え方に最適化しすぎると、ひとりになったときに「本当の私はどこにいるんだろう?」と感じやすくなるのです。
3. 今の自分より理想の自分を優先してきた
理想の自分を追い続けてきた人も、自分の性格がわからなくなることがあります。
- もっと明るくなりたい
- もっとポジティブでいたい
- もっと余裕のある人になりたい
理想を目指すこと自体は悪いことではないのですが、理想の自分ばかりを優先していると、今ここにいる自分の感情や反応が置き去りになります。
その結果、理想に近づいているように見えても、どこか空洞感が残ります。
そしてその空洞感から「自分ってどんな性格だったっけ?」といった感覚につながりやすいのです。
4. 多面性がある
最後に意外かもしれませんが、そもそも多面性がある人も、自分の性格がわからなくなりやすいです。
- 優しい自分もいる
- 冷たい自分もいる
- 人と深く関わりたい自分もいる
- 誰とも関わりたくない自分もいる
人は誰でも多面性を持っていますが、その中でも特に多面性が大きい場合「自分の中にたくさんの自分が存在しすぎて、もはや自分がわからない」といった心境になりやすいです。
これでは「自分の性格はこれです」と言える状態でありません。
この場合はもはや「多面性のある性格です」といった方が、実際に近いかもしれないのです。
性格診断や占いを自分の性格理解に活かす方法
性格診断や占いをしても、自分の性格がわからないと感じることがあります。
MBTI風の16タイプ診断、コーチングの4タイプ診断、クリフトンストレングス、ホロスコープなどは、自分の傾向を言葉にしてくれる便利なツールです。
大切なのは、診断結果や占いを「正解」として受け取るのではなく、自分を観察するためのヒントとして使うことです。
1. 診断結果を自分に当てはめすぎない
性格診断でよく起こるのが、「私はこのタイプだから」と、診断結果に自分を当てはめすぎてしまうことです。
診断結果を読むことで「だから私はこういう場面が苦手だったのか」と納得できることもあります。
ただ、その結果をそのまま自分のすべてだと思ってしまうと、そこからはみ出す自分を見落としやすくなります。
診断結果は、「私はこういう人です」と決めるためのものではなく、「こういう傾向もあるかもしれない」と自分を観察するための入口として使うのがちょうどいいのです。
2. 当たっている部分より「違和感」を見る
診断や占いを見たときに、「これは違う気がする」と感じることもあるでしょう。
そしてこの違和感の方が、自分の性格を知るうえではヒントが隠れていることも多いのです。
「外向的と出たけれど、人と会った後にすごく疲れる」「冷静なタイプと出たけれど、本当は内側で感情がかなり動いている」
そんなふうに、診断結果と自分の実感がずれる場所には、まだ言葉になっていない自分の輪郭が隠れていることがあるのです。
3. 結果は「今の自分」も反映していると考える
性格診断をするたびに結果が変わる人もいます。
ホロスコープや個性心理学の占いのように、絶対に変わらない誕生日から統計学に近い観点で導き出されるものはまだしも、多くの性格判断ツールは、つどつど質問に答えて結果を見るものです。
人は、その時の精神状態や環境、人間関係、疲れ具合によって、選ぶ答えが変わります。
つまり、診断結果には生まれ持った性格だけではなく、「今の状態」も反映されます。
結果が変わったからといって、自分の性格がないわけではありません。
むしろ、「今の私はこういう状態にいるんだ」と見ることで、自分を理解するヒントになることもあるのです。
自分の性格を知るために見るポイント
診断や占いをしてもピンとこないときは、日常の中に出ている自分の反応を見る方が、自分の性格をつかみやすいことがあります。
性格は、頭で考えて決めるものというより、感情や行動のパターンから見えてくるものです。
ここでは、自分の性格を知るために見ておきたいポイントを3つ紹介します。
1. 感情が大きく動いた場面を見る
自分の性格は、感情が大きく動いた場面に出やすいです。
- どんなときにイライラするか
- どんな言葉に傷つきやすいか
- どんな場面で安心するか
- 何をしていると自然に元気になるか
こうした反応には、自分の価値観や大切にしたいものが表れています。
診断結果よりも、「自分がどんなときにどう反応したか」を見る方が、リアルな手がかりになることもあるのです。
2. 疲れる場面と楽な場面を比べる
自分の性格を知るには、疲れる場面と楽な場面を比べてみるのも有効です。
- 人と長くいると疲れるのか
- 急な予定変更が苦手なのか
- 自由に動ける環境の方が力を出しやすいのか
- 決まった役割がある方が安心するのか
こうした違いを見ると、自分に合う環境や、人との距離感が見えやすくなります。
「何が得意か」だけでなく、「どこで消耗するか」も、自分の性格を知る大切なヒントです。
3. 子どもの頃から変わらない反応を見る
子どもの頃の自分にも、性格の原型が出ていることがあります。
- どんな遊びが好きだったか
- 何に怒って、何に泣いたか
- どんなときに黙ってしまったか
- どんなときに夢中になっていたか
もちろん、子どもの頃の自分だけが本当の自分というわけではありません。
ただ、大人になる中で役割や正しさに合わせすぎてきた人にとって、昔から変わらない反応は、自分らしさを思い出す手がかりになります。
性格は決めつけるものではなく、見えてくるもの
性格とは、生まれ持った型だけでも、診断で与えられたラベルだけでもありません。
日々の感情や行動、選択の積み重ねの中で、少しずつ見えてくるものです。
自分の性格がわからないからといって、焦って1つの答えに決める必要はありません。
「私はこう感じる」「これは苦しい」「これは心地いい」
そんな小さな反応を拾っていくことで、自分の輪郭は少しずつ見えてきます。
性格は、決めつけるものではなく、今ここにいる自分と対話しながら見つけていくものなのです。
自分らしさとは?4つの要素から見つける「自分らしく生きる」の正体
「自分らしさを活かした仕事をしよう」
「自分らしく生きよう」
そんなメッセージが多く飛び交っていますが、結局「自分らしさがよくわからない」と考え込んでしまうことはないでしょうか?
“自分らしさ”と言われても、そもそも“自分”がわからなければ“らしさ”もわかりません。
この記事では、「自分らしさ」の正体を分解して考えていく方法を解説します。
自分らしさとは「一致感」のこと
では、そもそも「自分らしさ」とは何なのでしょうか。
「らしさ」という言葉には、そのものの特徴がよく表れている状態、という意味があります。
つまり自分らしさとは、自分が本来持っているものの特徴が、自然に表れている状態のことです。
ただ、自分らしさがわからなくなるとき、私たちは「自分らしい特徴」を外側から探そうとしがちです。
- 人からどう見られているか
- どんな個性があるか
- 何が得意か
- どんな性格か
人によってはホロスコープなどの占いから「自分らしさ」を知ろうとしたり、近年ではMBTI診断やクリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)から、自分について理解を深めようとする人もいるでしょう。
もちろん、それらも自分らしさを知るヒントにはなります。
けれど、自分らしさの本質は、外から見てわかりやすい特徴そのものではありません。
自分が本来持っているものを、自分で自覚していること。
そして、その自分と大きくズレずに生きていること。
その一致感が高い状態を、「自分らしい状態」「自分らしく生きている状態」と呼ぶことができるでしょう。
では、自分との一致感には、どのようなものがあるのでしょうか。
自分らしさを作る4つの一致
「自分らしさ」という言葉だけを見ると、少し抽象度が高く、よくわからないと感じる人も多いでしょう。
ただ、自分らしさを構成する要素を4つに分けてみると、少しずつ具体的につかみやすくなってきます。
自分らしい状態とは、これから紹介する4つの要素と大きくズレずに、日々を過ごせている状態とも言えます。
それでは、自分らしさを作る4つの一致について整理していきましょう。
1. 感覚と一致している
まず1つ目は、感覚との一致です。
感覚とは、たとえば次のようなものです。
- 理由はわからないけれど、しっくりくる
- 肌なじみがいい
- この人のそばにいるとソワソワする
- 体の力が抜けてリラックスできる
このように、言語化できるものも、はっきり言葉にできないものも含めて、私たちは体感覚や直感のようなものを日々受け取っています。
自分の感覚や心地よさと一致した状態で過ごせている時間が長ければ長いほど、それは自分らしく生きている状態に近いと言えるでしょう。
反対に、「この人のそばにいると落ち着かない」と感じているのに、いろいろな理由でそこにいなければいけない状態が続くと、自分らしさからは少しずつ離れていきます。
自分らしさを考えるうえで、まず大切なのは、自分の感覚と大きくズレていないかを見ることです。
2. 欲求と一致している
2つ目は、欲求との一致です。
欲求とは、たとえば次のようなものです。
- 愛されたい
- 認められたい
- 選ばれたい
- 安心したい
- 自由でいたい
- ちゃんと評価されたい
- もっと豊かになりたい
- 勝ちたい、目立ちたい、すごいと思われたい
欲求というと、少しわがままなものや、未熟なもののように感じる人もいるかもしれません。
けれど、自分の中に本当にある欲求をなかったことにしていると、自分らしさからは少しずつ離れていきます。
たとえば、本当は認められたいのに「別に評価なんていらない」と言い聞かせていたり、本当は愛されたいのに「1人で平気」と振る舞っていたりすると、外側の自分と内側の欲求がズレていきます。
少しエゴっぽく見える欲求も、自分の中にあるなら、それも自分を構成する大切な要素です。
自分らしさを考えるうえでは、自分が何を欲しがっているのか、何を求めているのかを、自分で認められているかを見ることも大切です。
3. 選択と一致している
3つ目は、選択との一致です。
- 誰と一緒にいるか
- どんな仕事をするか
- 何を引き受けるか
- 何をやめるか
- どこで暮らすか
- どんな言葉を使うか
- 自分の時間を何に使うか
私たちは日々、小さな選択を積み重ねながら生きています。
その選択が、自分の感覚や欲求と大きくズレていないとき、自分の中には静かな納得感が生まれます。
反対に、本当は嫌なのに引き受けている、本当は欲しいのにいらないふりをしている、本当はやめたいのに続けている、といった状態が続くと、自分の内側と外側の行動が少しずつズレていきます。
もちろん、すべての選択をいつも自分の思い通りにできるわけではありません。
仕事や家庭、人間関係の中では、すぐには変えられないこともあります。
それでも、「私は本当は何を選びたいのか」を自分でわかっているかどうかは、自分らしさに大きく関わります。
自分らしさを考えるうえでは、自分の選択がどれだけ自分の内側とつながっているかを見ることも大切です。
4. 役割と一致している
4つ目は、役割との一致です。
- 会社員としての自分
- 親としての自分
- パートナーとしての自分
- 友人としての自分
- 先生や相談者としての自分
- リーダーとしての自分
- 誰かを支える立場としての自分
自分らしさというと、役割や責任から自由になることのように感じる人もいるかもしれません。
けれど、自分らしさは、役割をすべて脱ぎ捨てることではありません。
たとえば会社で働いているなら、「社員」という役割があります。
そこで「自分らしくいたいから仕事はしない」となってしまうと、それは自分らしさというより、役割との不一致に近い状態です。
大切なのは、役割そのものを否定することではなく、その役割を引き受けている自分が、自分の感覚や欲求、選択と大きくズレていないかを見ることです。
同じ会社員でも、自分の得意な動き方で働けている人もいれば、合わない役割に自分を押し込め続けて苦しくなる人もいます。
同じパートナーという立場でも、自然体で関われる関係もあれば、「いい人」「都合のいい人」「我慢する人」という役割を演じ続けて疲れてしまう関係もあります。
自分の内側と一致した形で役割を引き受けられているとき、その役割の中にも自分らしさは表れていきます。
自分らしさに関する3つの誤解
ここからは、自分らしさに関する3つの誤解について整理します。
「自分らしさ」という言葉には、誰もが同じように共有している明確な定義があるわけではありません。
そのため、自分らしさを探そうとしたときに、かえって本来の自分から離れてしまうような誤解が生まれることもあります。
ここでは、自分らしさについてよく起こりやすい誤解を3つ見ていきましょう。
1. 自分らしさは「特別な個性」だと思っている
1つ目の誤解は、自分らしさを「特別な個性」だと思っていることです。
ここまでご紹介してきたように、自分らしさは、なんとなくの肌なじみや、自分の中にある欲求、日々の選択、役割との一致感によって作られていくものです。
けれど、自分らしさを「他の人にはない、自分だけの特別な個性」だと思っていると、存在しないものを探し続けるような状態になってしまいます。
その結果、いつまで経っても自分らしさにたどり着けない感覚が生まれやすくなります。
よく「自分探しの旅」という言葉が、少し揶揄されることがあります。
それは、今ここにいる自分ではなく、どこか遠くに、今の自分とはまったく違う、凡庸ではない特別な自分がいるように見えてしまうからかもしれません。
自分らしさは、どこか遠くにいる特別な自分を探しに行くことではありません。
今の自分の中にすでにある感覚や欲求、選択の癖、役割との関わり方に気づいていくことの方が、自分らしさに近づく入口になります。
2. 自分らしさは「ずっと変わらないもの」だと思っている
2つ目の誤解は、自分らしさを「ずっと変わらないもの」だと思っていることです。
この記事の冒頭で、「らしさ」とは、その存在が持っている特徴がよく表れている状態だとお伝えしました。
ただ、私たち人間は、そもそも社会的な存在です。
育っていく過程で周りから影響を受けたり、人と関わる中でお互いに影響を与え合ったりしながら、少しずつ変化していきます。
つまり、「自分」という存在自体が少しずつ変わっていく以上、その時々の自分らしさも変わっていくということです。
それなのに、自分らしさを「昔からずっと変わらない、絶対に消えないもの」として考えていると、今の自分にある自分らしさを見落としやすくなります。
昔はしっくりきていたものが、今は少し窮屈に感じることもあります。
反対に、以前は興味がなかったものが、今の自分には自然になじむこともあります。
自分らしさは、過去のどこかに固定されたものではありません。
今の自分が何に心地よさを感じ、何を求め、何を選び、どんな役割と一致しているのか。
その時々の自分との一致感を見ていくことが、今の自分らしさを知る手がかりになります。
3. 自分らしさは「性格」だと思っている
3つ目の誤解は、自分らしさを「性格」と同じものだと思っていることです。
たしかに、自分らしさと性格はまったく無関係ではありません。
自分の感覚や欲求、選択、役割との関わり方が積み重なった結果、その人の雰囲気や振る舞いとして「性格」のように見えることはあります。
ただ、性格はあくまで、自分らしさが外側に表れた一部です。
- 私は内向的だから
- 私は飽きっぽいから
- 私は人に合わせる性格だから
と決めつけてしまうと、その性格に自分を閉じ込めてしまうことがあります。
本当は変わりたいのに、「これが私の性格だから」と諦めてしまう。
本当は違和感があるのに、「私はこういうタイプだから」と片づけてしまう。
そうなると、自分らしさを知るための言葉だったはずの性格が、かえって今の自分を見えにくくしてしまいます。
MBTI診断やクリフトンストレングスなどの診断結果も、自分を知るヒントにはなりますが、診断結果やタイプ名そのものが、自分らしさなのではありません。
自分らしさは、性格のラベルで固定するものではなく、今の自分が何にしっくりきて、何を求め、何を選び、どんな役割の中で自然にいられるのかを見ていく中で、少しずつ見えてくるものです。
自分らしさがズレていると起こりやすいこと
自分らしさがズレていると、最初は小さな違和感として表れます。
ただ、そのズレを放置していると、日々の選択や人間関係、生き方全体にも少しずつ影響が出てきます。
ここでは5つのズレについて整理していきましょう。
1. 選んだはずなのに納得できない
まず1つ目に、自分らしさからズレていると「自分で選んだはずなのに、どこか納得できない」といった感覚になることが多いでしょう。
条件は悪くない。周りから見れば問題もない。けれど、自分の中では「これでいい」と思いきれない。
それは、選択そのものが間違っているというより、自分の感覚や欲求とズレたまま選んでいるからかもしれません。
2. 役割を演じすぎて疲れる
2つ目に、役割を演じすぎて疲れることが多くなるでしょう。
会社員、親、パートナー、いい人、しっかりした人。
私たちは日々、いろいろな役割を持って生きています。
役割そのものが悪いわけではありません。
ただ、その役割が自分の内側とズレすぎていると、だんだん演じている感覚が強くなり、自分らしさがどこかへ消えてしまった感覚になる人が多いかもしれません。
3. 本当の自分がわからなくなる
3つ目に、本当の自分がわからなくなるケースも多いでしょう。
自分の感覚よりも、正解や期待、役割を優先し続けていると、本当は何を感じているのかがわかりにくくなります。
- 好きなこと
- 嫌なこと
- 本当は欲しいもの
- 本当はやめたいこと
そういった自分の声が、少しずつ聞こえにくくなっていきます。
4. 自分の人生を生きている感覚が薄くなる
4つ目に、自分の人生を生きている感覚が薄くなる、心理学という「乖離」という状態に近くなることもあります。
毎日をちゃんとこなしているのに、自分の人生を生きている感じがしない。
それは、自分の選択で進んでいるように見えても、実際には周りの期待や役割に合わせることが中心になっているからかもしれません。
5. 人生が停滞する
自分らしさとのズレが大きくなると、人生がどこか停滞しているように感じることがあります。
動いていないわけではない。
頑張っていないわけでもない。
それでも前に進んでいる感覚が薄いのは、自分の内側と外側の動きが噛み合っていないからかもしれません。
自分らしさを見つけるヒント
ここからは、自分らしさを見つけるヒントについて、3つの視点からご紹介します。
1. 「自分らしくない」を感じることを書き出す
まず1つ目の視点は、「自分らしくない」と感じることを書き出してみることです。
人はもともと、快よりも不快に強く反応しやすいところがあります。
自分にとって心地いいことを見つけるのは難しくても、自分にとって心地よくないことは、比較的見つけやすいものです。
そのため、「これは自分らしい」と感じることよりも、「これは自分らしくない」と感じることから見ていく方が、自分らしさの輪郭をつかみやすいことが多いでしょう。
たとえば、次のように書き出してみます。
- 常に怒っているのは自分らしくない
- いつも機嫌が悪いのは自分らしくない
- 無理に明るく振る舞うのは自分らしくない
- 悪口を一切言わないのも自分らしくない
このように、「これは自分らしくない」と思う要素を書き出してみると、その反対側にある自分らしさが見えやすくなります。
「これが自分らしくないなら、何が自分らしいのか」と考えてみることで、自分の感覚や価値観に気づきやすくなるでしょう。
2. 「あなたらしいね」と言われて嬉しかったことを思い出す
2つ目は、「あなたらしいね」と言われて嬉しかったことを思い出してみることです。
ジョハリの窓という有名な考え方がありますが、私たちは意外と、自分で自分のことをわかっていないものです。
もちろん、自分で自分を理解している範囲を増やしていくことは大切です。
ただ、自分では気づいていなくても、他人から見るとよくわかる魅力やチャームポイントもあります。
これまでの人生の中で、
- あなたのそういうところがいいよね
- それ、すごくあなたらしいね
- そういうところが魅力だよね
と言われて、嬉しかった記憶はないでしょうか。
もし、その言葉をもらったときに、心がパッと明るくなったり、「そんな私らしさがあるんだ」と嬉しくなったりしたなら、それは他人が見つけてくれた自分らしさとしてカウントしていいものです。
反対に、「あなたらしいね」と言われて嫌な気分になったことは、無理に採用しなくて構いません。
他人からかけられた言葉は、その言葉をもらったときの自分の反応もセットで見ることが大切です。
自分の心が明るくなるなら、それは自分にとっての真実に近いものかもしれません。
でも、自分の心が嫌な感じになるなら、それを自分らしさとして受け入れる必要はありません。
3. 自分の心地よさに敏感になる
3つ目は、自分の心地よさや感覚に敏感になることです。
この記事の冒頭で、自分らしさは4つの要素との一致感だとお伝えしました。
- 感覚との一致
- 欲求との一致
- 選択との一致
- 役割との一致
これらが高いレベルで一致しているとき、自分らしさは無理に作らなくても、自然ににじみ出ていきます。
ただ、そのためには、まず自分の内側の感覚や欲求、特に心地よさを自分でキャッチできていることが必要です。
まずは日々の中で、「これは少し心地いい」「これは少し無理をしている」と気づくこと。
その小さな感覚を拾っていくことが、自分らしさに近づく手がかりになります。
自分らしさは「本当の自分と一致」したときに滲み出るもの
この記事では、自分らしさとは何なのか、自分らしさを構成する4つの一致、自分らしさを見つけるヒントについてご紹介してきました。
自分らしさは、何か絶対的な1つの正解があって、それが一生変わらないというものではありません。
そのときどきの自分の感覚や心地よさ、欲求、選択、役割との一致感の中で、少しずつ見えてくるものです。
だから、自分らしさを「早く見つけなければ」と焦ったり、「これが私らしさだ」と固定したりする必要はありません。
今の自分は、何に心地よさを感じているのか。何に違和感を覚えているのか。何を求めていて、何を選びたいのか。今の役割の中で、自分と大きくズレていないか。
そうした感覚を日々拾っていくことで、自分らしさは少しずつ更新されていきます。
自分らしさは、無理に作り上げるものではありません。
本当の自分と一致したときに、自然と滲み出てくるものなのです。
本当の自分がわからない…その原因と「本来の自分」の取り戻し方
仕事をしていても、友達といても、家族と過ごしていても、なんだか本当の自分でいられていない気がする。
そもそも、本当の自分ってどんな自分なんだろう。
そんな疑念が浮かぶと、せっかくの豊かな時間も、どこか味気なく感じられたり、「この人生は本当に自分の人生なんだろうか」と思ってしまったりすることがありますよね。
人生がなんだか灰色に見えたり、自分自身から少し離れた場所で、他人の人生を眺めているような気分になったりする人もいるかもしれません。
この記事では、本当の自分がわからなくなってしまうプロセスと、本来の自分を取り戻すために必要なことについて解説していきます。
本当の自分とは何か
本当の自分とは、自分が生まれ持った気質や感覚、本音・価値観・意志が無理なく発揮されている状態のことです。
その状態は、誰かに合わせるための役割や、トラウマからの防衛反応に飲み込まれていないときに現れてきます。
人は社会で生きていく中で、周りに合わせたり、期待に応えたり、傷つかないように自分を守ったりしながら、少しずついろいろな役割を身につけていきます。
ただ、その役割と自分自身が混ざりすぎると、
- 本当はどうしたいのか
- 何を大切にしたいのか
- どんな人生を選びたいのか
“自分自身の輪郭”が見えにくくなってしまいます。
とはいえ、私たちは小さな子供ではありませんから、社会的な役割を全部脱ぎ捨てるというのも現実的ではありません。
大人になった私たちが本当の自分で在るためには、今までこなしてきた役割や、経験や葛藤も含めて統合しながら、自分の感覚・本音・価値観・意志を見失わずに生きていくことが必要でしょう。
人が本来の自分から離れていく外側のプロセス
ではここから、人が本来の自分から離れていくプロセスについて、5段階で解説します。
私たちが「今の自分は、本来の自分ではない気がする」と感じる時、そこには必ず比較対象があります。
つまり、どこかで
- 本来の自分でいられた感覚
- もっと自然体でいられた記憶
があるということです。
人は、比較対象がまったくない状態で「今の私は自分ではない」とは感じにくいものです。
本来の自分でいられた記憶や感覚は、多くの場合、幼少期の体験に根を持っていることがあります。
では、そこから私たちは、どのようなプロセスを経て本来の自分から離れていってしまうのでしょうか。
まずは、その過程を紐解いてみましょう。
この流れを知ることで、本来の自分に戻るために何が必要なのかも見えやすくなります。
1. 環境に適応する
まず私たちは、生まれた環境に適応しようとします。
多くの子どもにとって、最初の環境とは家庭を指すことが多いでしょう。
ただし、ここでいう環境は家庭だけではありません。
自分が「ここに所属している」と感じる場所すべてが環境になります。
人は、その環境の中で生きるために、自然と適応していきます。
たとえば、にこやかにしていた方が喜ばれる環境もあれば、頑張った方が愛される環境もあります。
反対に、感情を出さない方が褒められる環境や、空気を読んで静かにしている方が安全だと感じる環境もあるでしょう。
どのような環境で育ったかは人によって違いますが、自分が生まれ落ちた環境に適応しようとすることは、多くの人にとって最初の生存戦略になります。
2. 役割を身につける
次に、私たちは所属している環境の中で、なんらかの役割を身につけていきます。
これは、社会的な役割やペルソナを身につけていくということでもあります。
ペルソナというと、どこか「偽物の自分」のように感じるかもしれませんが、人が成長していく過程で役割を身につけること自体は、とても自然なことです。
むしろ、社会の中で生きていくためには必要な発達ともいえるでしょう。
たとえば、家庭や学校、職場の中で身につける役割には、このようなものがあります。
- しっかり者の自分
- 明るく振る舞う自分
- 迷惑をかけない自分
- 空気を読む自分
- 期待に応える自分
役割を身につけていくことは、スポーツで自分のポジションを決めることにも似ています。
バレーボールであれば、アタッカー、レシーバー、セッターなど、それぞれの役割があります。
同じように、私たちも自分が所属する環境の中で、「ここなら自分は居場所を得られる」「この役割なら受け入れてもらえる」というポジションを探していきます。
そして、その役割をこなすことで、環境の中に居場所を作っていくのです。
3. 正解で自分を守る
さらに、環境への適応を強めるために、私たちは「正解」で自分を守るようになります。
ここでいう正解とは、絶対的な正しさのことではありません。
その国、その地域、その時代、その家庭、その学校、その職場、そのコミュニティの中で「こうするのが正しい」とされているもののことです。
たとえば、あるコミュニティでは元気で明るいことが正解とされるかもしれません。
けれど、別のコミュニティでは、静かで控えめなことが正解とされることもあります。
ある場所では自分の意見を言う人が評価され、別の場所では空気を読む人が評価されることもあるでしょう。
このように、正解は国や時代、文化、所属する集団によって変わります。
私たちは、自分が所属している場所の正解に自分を合わせることで、そのコミュニティ内での存在価値やポジションを守ろうとします。
「こうしていれば怒られない」
「こう振る舞えば受け入れてもらえる」
「こうしていれば居場所を失わずに済む」
そうやって正解に自分を当てはめていくうちに、自分の感覚よりも、その場の正解を優先する癖がついていくのです。
4. 本音や違和感を切り離す
環境に適応し、役割を身につけ、正解で自分を守るようになると、次に起きるのが本音や違和感の切り離しです。
- 本当は嫌だった
- 本当はこうしたかった
- 本当は苦しかった
- 本当は納得していなかった
けれど、その本音や違和感を強く感じてしまうと、今いる環境との間に摩擦が生まれます。
「ここにいたいなら、この違和感は感じない方がいい」
「この関係を壊したくないなら、本音は出さない方がいい」
「所属している場所から離れるくらいなら、自分の感覚を見ない方が楽だ」
そうして私たちは、コミュニティから離れる代わりに、自分の本音や違和感から離れていきます。
本来なら、自分を守るために必要だった感覚を、所属を守るために奥へ押し込めてしまうのです。
5. 役割に同一化する
そして最終的に、私たちはその環境の中で獲得した役割に、自分自身を同一化していきます。
ここでいう社会とは、必ずしも大きな社会のことだけではありません。
ある人にとっては家庭が社会であり、ある人にとっては職場が社会であり、ある人にとっては趣味のサークルや友人関係がひとつの世界であることもあります。
その世界の中で身につけた役割を、いつの間にか「これが私だ」と思い込むようになるのです。
たとえば、会社で管理職まで上がった人が、定年退職後に大きな喪失感を抱くことがニュースで取り上げられることもあります。
それまで「部長」「専務」「責任者」といった役割の中で自分を保っていた場合、その役割がなくなった時に、自分が何者なのかわからなくなってしまうことがあるのです。
本来の自分から離れていく時、人は環境に適応し、役割を身につけ、正解で自分を守り、本音や違和感を切り離し、最後にはその役割を自分そのものだと思い込むようになります。
こうして、自分でも気づかないうちに、本来の自分の輪郭が少しずつ見えにくくなっていくのです。
本当の自分が見えなくなる内側の仕組み
ここまで、私たちが生まれてから社会や世界という外側に適応していく中で、本来の自分から離れていく流れについて、5段階でご紹介しました。
では、その時、心の内側では何が起こっているのでしょうか。
ここでは、本当の自分が見えなくなる内側の仕組みについて、3つに分けて見ていきましょう。
1. 自分ではないものが重なる
まず一つ目に、私たちは外側の社会や世界に適応していく過程で、自分ではないものを少しずつ重ねていきます。
ペルソナ、つまり社会的な仮面という言葉があるように、人はその場に合わせて、自分の上に一枚、自分ではないものを装着することがあります。
これは、たとえば次のようなイメージです。
- 仮面をつける
- 服を着る
- メイクをする
- 役を演じる
- その場に合うキャラクターをまとう
この時点では、必ずしも悪いことが起きているわけではありません。
むしろ、社会的な役割やペルソナは、人が社会の中で生きていくために必要なものでもあります。
社会的な役割をまったく持たず、むき出しの自分のまま世界と関わるというのは、たとえるなら、すっぴんで、服も着ずに、部屋の外へ出ていくようなものです。
それはさすがに少し危ないですし、現実的でもありません。
だから、最初に自分ではないものが重なること自体は、問題ではありません。
問題は、その重なったものと本来の自分との境界が、少しずつ曖昧になっていくことです。
2. 自分ではないものが混ざり合う
本当の自分がわからなくなり始めるのは、この二段階目からです。
もともとは、本来の自分がいて、その上に仮面や服やメイクのようなものを装着しているだけでした。
つまり、自分と、自分に重ねたものは別々だったはずです。
けれど、その状態が長く続くと、少しずつ本来の自分と、自分ではないものが混ざり合っていきます。
たとえば、ずっとメイクをしたまま過ごしていて、何年もその顔で人と関わってきた結果、いつの間にかそのメイクをした顔が自分の素顔のように感じられてくる。
もちろん、実際にメイクが素顔と混ざるわけではありませんが、心の中ではそれに近いことが起こります。
- 本来の自分の感覚と、役割として身につけた反応
- 自分の本音と、周りから期待された答え
- 自分の価値観と、その環境で正解とされてきた価値観
そういったものが混ざり合っていくと
「これは本当に自分の気持ちなのか」
「それとも求められてきた役割なのか」
がわかりにくくなっていきます。
その結果、すっぴんの顔を忘れてしまうように、本来の自分の感覚がぼやけていくのです。
3. 自分ではないものにすり替わる
そして最終的に、自分の内側の中心が、自分ではないものにすり替わっていきます。
もともとは、自分ではないものを仮面やメイクのように装着していただけでした。
けれど、それがいつの間にか本来の自分と混ざり合い、何が自分で、何が自分ではないのかがわからなくなっていきます。
さらにその状態が続くと、自分ではないものが、自分の中心に居座るようになります。
- 本来は自分の価値観ではなかったものが、自分の価値観のように感じられる
- 本来はその環境で生き延びるために身につけた役割だったものが、「これが私だ」と感じられる
- 本来は傷つかないための防衛反応だったものが、自分の性格そのもののように思えてくる
そうして、本来の自分はどこか隅の方に追いやられ、自分ではないものが中心に立ってしまうのです。
ここまで来ると
「自分がわからない」
「私は一体、誰の人生を生きているんだろう」
といった感覚が強くなりやすくなります。
自分の人生を生きているはずなのに、どこか他人の人生をなぞっているような感覚になることもあるでしょう。
本当の自分が見えなくなる時、心の中ではこのように、自分ではないものが重なり、混ざり合い、最後にはすり替わっていきます。
本来の自分を取り戻すために必要なこと
では、本来の自分がわからなくなっている時、どのようにすればその感覚を取り戻していけるのでしょうか。
ここまでご紹介してきたように、私たちは外側の社会や世界に適応する中で、少しずつ本来の自分から離れていきます。
その時に起きていることは、大きく分けると2つあります。
ひとつは、自分の輪郭が曖昧になっていくこと。
もうひとつは、自分ではない役割や価値観、思い込みを身につけすぎてしまうことです。
つまり、本来の自分を取り戻していくためには、この逆の方向からアプローチする必要があります。
ひとつは、自分の感覚や本音、価値観、意志を取り戻し、自分の輪郭を強くしていくこと。
もうひとつは、これまで身につけてきたものの中から、今の自分にはもう必要ないものを見直し、手放していくことです。
この2つの方向から、本来の自分を少しずつ取り戻していきましょう。
1. 自分の輪郭を強くする
まず一つ目の方向性は、自分の輪郭を強くしていくことです。
そもそも「自分」とは、何でできているのでしょうか。
身体的な意味での「自分」はわかりやすいでしょう。
私たちは一人にひとつ身体を持っているので、「ここからここまでが自分の身体だ」という感覚は持ちやすいです。
けれど、精神的な意味での自分は、身体のように目で見ることができません。
だからこそ、本当の自分がわからない、自分のことがわからない、という感覚が生まれやすくなります。
精神的な意味での自分は、たとえば次のような要素でできています。
- 何が心地いいか、何が苦しいかという感覚
- 本当はどうしたいのかという本音
- 何を大切にしたいのかという価値観
- 何を選びたいのかという意志
- どんな時に自分らしいと感じるかという実感
こうした要素が曖昧になると、自分の輪郭もぼやけていきます。
反対に、自分の感覚や本音、価値観、意志を少しずつ取り戻していくと
「私はこう感じている」
「私はこれを大切にしたい」
「私はこっちを選びたい」
という自分の輪郭が見えやすくなります。
自分の輪郭を強くするとは、強い人間になることではありません。
誰かに押し勝つことでも、自分の意見を何が何でも通すことでもありません。
自分の内側にある感覚や本音を、他人の期待やその場の正解にかき消されないように、丁寧に聞き取れるようになることです。
まずは小さな場面で、「私は本当はどう感じているのか」「本当はどうしたいのか」と自分に問いかけてみましょう。
その積み重ねが、本来の自分の輪郭を少しずつ強くしていきます。
2. 自分ではないものを手放す
もう一つの方向性は、自分ではないものを手放していくことです。
ここでいう自分ではないものとは、社会や世界に適応する中で身につけてきた役割、ルール、価値観、思い込み、防衛反応などを指します。
もちろん、それらをすべて捨てればいいわけではありません。
私たちは社会の中で生きている大人ですから、周りの人と協調して過ごすために必要な役割やルールもあります。
ただ、幼い頃や過去の環境で身につけたものの中には、今の自分にはもう必要ないものもあります。
たとえば、体育会系の厳しい環境で育った人が
- 限界を迎えてからが本当のスタート
- 弱音を吐くのは甘え
といった価値観を強く持っていたとします。
その価値観は、当時の環境に適応するためには必要だったのかもしれません。
けれど、大人になった今もそのルールを持ち続けていると、休むことができなかったり、人に頼れなかったり、自分を追い込みすぎてしまったりすることがあります。
このように、かつては自分を守るために必要だったものでも、今の自分にとっては苦しさの原因になっていることがあります。
本来の自分を取り戻すためには、これまで身につけてきたものを大人になった自分の目で見直すことが大切です。
今の自分にとって必要なものは残す。
もう必要ないものは手放す。
これからの自分を心地よく生きるために、役割や思い込みをひとつずつ仕分けしていきます。
自分ではないものを手放すとは、過去の自分を否定することではありません。
その時の自分が生きるために身につけたものに感謝しながら、今の自分にはもう合わなくなったものを、少しずつ外していくことです。
本当の自分は「昔の自分」ではなく統合された自分
この記事では、人がどのようなプロセスで本来の自分から離れていくのか、その背景と、本当の自分を取り戻すために必要なことについて解説してきました。
人によっては、「本当の自分」と聞くと、いろんなしがらみができる前の自分や、まだ傷ついていなかった頃のピュアな自分を思い浮かべるかもしれません。
けれど、本当の自分とは、何も経験していない無傷の自分に戻ることではありません。
つまり、本当の自分とは、過去に戻った自分ではなく、これまでの役割や経験、葛藤や傷つきさえも含めて、今の自分として統合された姿です。
もし今、「本当の自分がわからない」と感じているなら、どこか別の場所に本当の自分を探しに行く必要はありません。
これまで生きてきた自分を否定せず、切り離してきた感覚や本音を少しずつ回収しながら、今の自分としてもう一度人生を選び直していく。
そのプロセスの中で、私たちは少しずつ、本来の自分に出会っていくでしょう。
自分を見つめ直す方法|メリット・ノート術・落とし穴を整理
自分の人生に少し立ち止まりたくなった時、「自分を見つめ直してみようかな」と感じたり、あるいは誰かに相談した時、「一度、自分のことを見つめ直してみたら?」そんなふうに言われることもあると思います。
ただ「自分を見つめ直す」という言葉はよく聞く一方で、実際には何をすればいいのか、どういう状態を“見つめ直した”と言うのか、曖昧に感じることも多いですよね。
この記事では、自分を見つめ直す意味や効果、具体的な方法について整理していきます。
自分を見つめ直すとは?
自分を見つめ直すとは、自分の感情や価値観について観察し、自分という存在の輪郭やアイデンティティをより明確にする行為です。
「あなたはどんな人ですか?」そう質問されて、言葉に詰まる人も多いと思いますが、私たちは自分で思っている以上に自分について知りません。
例えるなら、私たちにとって「自分」とは、毎日歩いている見慣れた街の景色みたいなもの。
いつもそこにある街の風景は、毎日通っている道だとしても
「あれ?こんなところにお店あったっけ?」
と、改めて見て初めて気づく…なんてこともよくありますよね。
つまり、“視界には入っていた”けれど、“ちゃんと見えていたわけではない”ということです。
そしてそれは、自分自身に対しても同じです。
自分が一番近くにいる存在なのに、意外と知らないことがたくさんある。
- 本当は何が好きなのか
- 窮屈に感じていることは何か
- 実は抱えている夢は何か
見えているつもりで、実は見えていなかった「自分」という存在を、改めて見てみること。
それが、“自分を見つめ直すこと”です。
自分を見つめ直すきっかけ5つ
では、どんな時に人は自分を見つめ直そうとするのでしょうか。
人生が何もかもうまくいき、迷いなく前へ進めている時に、「自分を見つめ直したい」と考える人は、あまり多くありません。
もちろん人それぞれですが、人生に停滞やズレが見え始めた時に、人は自分に目を向けることを考え始めます。
ここでは、代表的な5つのきっかけについて整理していきます。
1.同じ悩みを繰り返している時
まず一つ目に、「自分は同じ悩みをずっと繰り返しているのではないか」と気づいた時にも、人は自分を見つめ直したくなりやすいものです。
例えば、
仕事がつまらないと思っている。
でも、具体的に何を変えたいのかは分からない。
なんとなくやる気が出ないまま毎日をこなしているけれど、
どこか生きている気がしない。
そして気づけば、そんな悩みをもう何年も抱え続けている。
すると人は、
「私はいつまでこのことで悩み続けるんだろう」
「そもそも何が苦しいんだろう」
と、自分の内面へ目を向け始めます。
同じ悩みを繰り返すということは、環境だけではなく、自分の考え方や価値観、生き方のパターンにも何か共通点がある可能性があります。
そのため、「同じ悩みを繰り返している」という感覚は、自分を見つめ直す大きなきっかけになりやすいのです。
2.ライフステージが変わらない時
また、ライフステージが変わらない時にも、人は自分を見つめ直したくなりやすいものです。
私たちは小学校、中学校、高校、就職など、ある程度までは、みんな似たようなペースで人生が進んでいきます。
けれど大人になると、ある人は結婚して子どもが生まれ、ある人はキャリアアップし、ある人は海外へ移住するなど、少しずつ人生が分岐していきます。
そんな中で、周りはどんどん人生が変化していくのに、自分だけは何も変わっていない。
毎日同じことの繰り返しで、人生が止まっているように感じる。
そんな感覚から、焦りや不安を抱える人も少なくありません。
そしてその時に、
「このままでいいのかな」
「何かを変えた方がいいのかな」
と、自分の内面へ目を向け始めます。
人生の停滞感は、自分を見つめ直す大きなきっかけの一つなのです。
3.恋愛がうまくいかない時
恋愛がうまくいかない時も、自分を見つめ直すことに真剣になる人は多いと思います。
恋愛は、他人と最も深く関わるコミュニケーションの一つです。
その分、うまくいかない時には悩みも深くなりやすく、相手との関係だけではなく、「自分自身」に対しても目を向け始める人が多くなります。
恋愛テクニックやコミュニケーション術など、表面的なノウハウを試してみても関係がうまくいかない状態が続くと、
「もしかして、自分の内面にも何か原因があるのではないか」
と考え始めます。
そこから、カウンセリングやセラピー、自己対話や内省など、“自分を見つめ直すこと”に興味を持ち始める人も多いのです。
4.仕事がうまくいかない時
仕事がうまくいかない時にも、自分を見つめ直すことに積極的になる人は多いと思います。
社内の人間関係がうまくいかなかったり、会社から思うように評価されなかったり、仕事に対して、どこか違和感や息苦しさを感じ始めると、
「今の働き方は自分に合っているのだろうか」
「もっと自分に向いている仕事があるのではないか」
と考える人も少なくありません。
特に最近は、一つの会社に長く勤め続けるだけではなく、転職やキャリアチェンジをしながら、自分に合う働き方を探していく人も増えています。
そのため、
- 自分はどんな仕事にやりがいを感じるのか
- どんな環境が合っているのか
- 本当はどんな働き方をしたいのか
を整理するために、自己分析や職歴の棚卸しなどを通して、自分を見つめ直す人も多いです。
自分を見つめ直すおすすめの方法
ではここから、自分を見つめ直すおすすめの方法を3つご紹介します。
手軽にできるものから、少し非日常的なものまでありますので、今の自分に合いそうなものから無理のない範囲で取り入れてみてください。
1.ノートでジャーナリングに取り組む
比較的手軽に取り組みやすい方法としておすすめなのが、ノートを使ったジャーナリングです。
自分を見つめ直そうとした時、頭の中だけで考えていると、思考があっちへ行ったり、こっちへ行ったりして、
「あれ、自分ってさっき何を考えてたっけ?」
「結局何が苦しいんだっけ?」
と、分からなくなってしまうことも少なくありません。
そのため、頭の中に浮かんできた言葉や感情を、その場ですぐ書き出せるように、ノートを片手に「自分を見つめ直す時間」を作ってみることがおすすめです。
ジャーナリングに、決まった正解や難しいルールはありませんが、Q&Aで進めていくとやりやすいかもしれません。
まずは入口として、
- 今気になっている言葉
- 繰り返し考えてしまうこと
- モヤモヤしている出来事
などを一つ選び、
「私はなぜこれが気になるんだろう?」
「本当はどう感じているんだろう?」
と、自分に問いかけてみます。
そして、その問いに対して浮かんできた、
などを、そのままノートへ書き出していきます。
綺麗にまとめようとする必要はありませんので、自分の本音をそのまま外へ出してみましょう。
ひと段落ついてノートを見てみると、気が付いていなかった意外な本音が見えてくるかもしれません。
2.部屋を徹底的に片付ける
そして、意外とおすすめなのが、部屋を徹底的に片付けることです。
自分と向き合う方法というと、先にご紹介したようにノートや瞑想をイメージする人が多いと思います。
けれど黙々と掃除をしたり、無心で片付けをすることも、自分と向き合うことにつながります。
片付けで有名なこんまりさんのメソッドでも、「今の自分がときめくかどうか」という感覚を基準に、残すものと手放すものを整理していきます。
これは単なる掃除というより、「過去の自分が選んだもの」と、「今の自分が心地いいと感じるもの」を見直していく作業です。
昔は好きだったものなのに、今はまったく心が動かない。
逆に、昔は気づかなかったけれど、今の自分には必要だと感じるものもある。
そうやって、物を通して「今の自分の感覚」を確認していくことで、自然と自分自身を見つめ直すことにもなります。
部屋も綺麗になり、同時に自分の内面も整理されていく。
片付けは、意外とおすすめの自分を見つめ直す方法です。
3.一人旅に出てみる
そしてもし時間に余裕があるなら、一人旅に出てみるのもおすすめです。
私たちは普段、仕事や学校、人間関係など、常に誰かとの繋がりの中で生きています。
特に最近はSNSもあるため、意識していなくても、他人の価値観や空気感に触れ続けている状態になりやすいです。
そのため、普段の生活圏の中にいると、
- 仕事での役割
- 家族との関係
- 周囲から見られている自分
など、“いつもの自分”に引っ張られやすい部分があります。
あえて普段の環境から少し距離を置き、一人で知らない場所へ行ってみることで、
「自分は本当はどう感じていたんだろう」
「本当はどんな毎日を送りたいんだろう」
と、自分の感覚が見えやすくなることがあります。
自分を見つめ直すメリット
では、自分を見つめ直すことで、どんなメリットがあるのでしょうか。
自分自身を理解していき、自分という存在の輪郭やアイデンティティを明確にできるだけでも大きな意味がありますが、変化はそれだけではありません。
ここでは、自分を見つめ直すことによる代表的なメリットを4つご紹介します。
1.自己受容が深まる
まず最初のメリットとして挙げられるのは、自己受容が深まりやすくなるということです。
自己受容というのは、「自分のことを受け入れられている度合い」のことです。
自分を見つめ直していくことで、
- 自分はどんな時に苦しくなるのか
- 何に喜びを感じるのか
- 本当は何を求めていたのか
そういった、自分自身についての理解が少しずつ深まっていきます。
人は本能的に、よく知っているものには安心しやすく、逆によく分からないものには不安や抵抗感を抱きやすい生き物で、それは、自分自身に対しても同じです。
つまり自分のことを知れば知るほど、自分自身への愛着や安心感にも繋がっていくのです。
2.感情がデトックスされる
また、自分を見つめ直すことで、感情が整理されやすくなるというメリットもあります。
私たちは普段、自分の感情を後回しにしながら生きていることも少なくありません。
そのため、
- 本当は悲しかったこと
- 苦しかったこと
- 腹が立っていたことなど
が、気づかないうちに内側へ溜まっていきます。
自分を見つめ直すというのは、
「あの時、本当はどう感じていたんだろう」
「本当は何が苦しかったんだろう」
と、自分の感情へ改めて意識を向けていく作業でもあります。
感情というのは、無理に抑え込むほど蓄積されやすくなりますが、逆に、「そう感じていたんだ」と認めてあげることで、少しずつ整理されていく性質があります。
そういった意味でも、自分を見つめ直すことは、感情のデトックスにも繋がっていくのです。
3.直感が鋭くなる
また、自分を見つめ直していく中で、「直感が鋭くなった」と感じる人もいます。
「なんとなくこっちな気がする」
「理由は説明できないけれど、これは違う気がする」
といった、“感覚的な判断”がしやすくなるようなイメージです。
いわゆる第六感のようなものですが、これは単なるスピリチュアルというより、今まで自分の中に蓄積されていた経験や感覚、無意識の情報処理などが、総合的に働いている状態とも言われています。
自分を見つめ直していくと、自分の感情や価値観、本当は何を嫌だと感じているのか、何に安心するのかなどが、少しずつ整理されていきます。
すると、無理や我慢によって感情がブロックされていた状態から、少しずつ「自分の感覚をキャッチしやすい状態」へ変わっていきます。
その結果、「理由は分からないけれど、こっちの方が自然な気がする」といった、自分の内側の感覚に敏感になる人が増えてきます。
4.人生の方向性に迷いがなくなる
そして、ここまでご紹介してきたような変化によって、人生の方向性に迷うことがなくなってきます。
自分を見つめ直す習慣を続けていると、自分自身との繋がりが深まり、自分の感情や本音に気づきやすくなります。
私たちはつい、
「どう生きるのが正解なのか」
「どんな人生なら成功なのか」
と、外側に答えを探しに行ってしまいがちです。
ですが、自分を見つめ直す習慣を持っている人は、自分の感覚や価値観を確認しながら、人生の方向性を調整していけるようになります。
それはまるで、自分の中に“人生のコンパス”を持っているような状態なのかもしれません。
自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴
最後に、自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴についても触れておきます。
自分を見つめ直すことは、心の整理や人生の方向性を見直す上でとても大切な時間です。
ですが、やり方によっては、せっかくの時間が逆に苦しさへ繋がってしまうこともあります。
ここでは、特に陥りやすい3つのポイントについて整理していきます。
1.見つめ直しが自己否定になってしまう
自分を見つめ直す時に陥りやすい落とし穴の一つが、「見つめ直し」が自己否定になってしまうことです。
自分を見つめ直すというのは、自分の感情に意識を向けたり、自分と対話したりしながら、「本当はどう感じているのか」を確認していく時間でもあります。
ただ、今の人生がうまくいっていなかったり、悩みが深かったりすると、
「なんで私はこんな人生なんだろう」
「なんでこんなにダメなんだろう」
と、自分を責める方向へ進んでしまうことがあります。
本来は、自分を理解し、受け入れていくための時間だったはずなのに、いつの間にか、自分を否定して攻撃する時間になってしまう。
特に、悩みが深い人ほど、無意識にこの状態へ入りやすいため注意が必要です。
2.感情に飲み込まれてしまう
また、感情に飲み込まれてしまうというのも、自分を見つめ直す時に起こりやすい落とし穴の一つです。
自分を見つめ直すというのは、今まで見ないようにしていた感情や、過去の傷ついた記憶へ意識を向けていく作業でもあります。
けれど、過去に強いトラウマやショックな出来事があった場合、自分を見つめ直す時間だったはずなのに、いつの間にか「過去の苦しさを追体験する時間」になってしまう人もいます。
例えば、
「自分を見つめ直そうとすると強い抵抗感が出る」
「過去を思い出していたら涙が止まらなくなった」
「考え始めると苦しくて動けなくなる」
といった状態です。
これは、感情を整理できている状態というより、感情の記憶の中へ深く入り込みすぎてしまっている状態に近いです。
この場合、感情を消化するどころか、さらに苦しさを強めてしまうこともあります。
このような場合は無理せず一度休憩したり、信頼できる人や専門家を頼ることも大切です。
3.何かしらの答えを出そうとしてしまう
そして三つ目に、自分を見つめ直すことで「何かしらの答えを出そうとしてしまう」というのも、陥りやすいポイントの一つです。
自分を見つめ直すというのは、自分の感情や価値観について観察しながら、自分の輪郭を確認していく時間でもあります。
ですが、合理性や効率を重視する人ほど、
「それで結局どうすればいいの?」
「転職するべき?」
「どの選択が正解なの?」
と、すぐに現実的な答えや行動へ繋げたくなってしまうことがあります。
もちろん、自分を見つめ直した結果として、人生の方向性や、現実的な行動のヒントが見えてくることもあります。
ただ、それは自然と浮かび上がってくるもので、最初から「答えを出すこと」を目的にしてしまうと、かえって自分の本音や感情が見えにくくなってしまいます。
まずは何かを決めようとするよりも、「今の自分はどう感じているんだろう」と、自分を観察すること自体を目的にした方が、結果的に自分を見つめ直すメリットが大きいでしょう。
自分を見つめ直すと人生が動き出す
ここまで、自分を見つめ直す方法や、そのメリット、陥りやすい落とし穴についてご紹介してきました。
自分を見つめ直すというのは、単に「自分について考えること」ではありません。
定期的に自分と向き合い“今現在の自分”を確認していく時間でもあります。
ほんの少しの時間でも、自分と向き合う時間を取りながら、今の自分の感情や本音に耳を傾けてみてください。
きっと人生が少しずつ動き出す手応えを感じられるはずです。