自己対話の学校 INNER DIALOGUE SCHOOL

どうにもならない後悔との付き合い方|消えない過去の後悔で苦しいときは

どうしてあんなことをしてしまったんだろう。

あのとき、もっと上手にできていたら。

過去はもう変えられないとわかっているのに、意識が過去に縛られてしまうのは苦しいものです。

後悔は、消そうとすればするほど、かえって存在感が大きくなってしまいます。

一言で後悔といっても、実はその種類によって、苦しさの理由や付き合い方は少しずつ違います。

この記事では、完全には消えない過去の後悔と、どのようにうまく付き合っていけばいいのかについて解説します。

消えない過去の後悔3パターン

人は長く生きていれば、誰しも一つや二つ、思い出すだけで胸が締め付けられるような過去の記憶や、後悔を持っているものです。

消えない後悔とどう付き合えばいいのか。

これは、大人になればなるほど、避けて通れないテーマなのかもしれません。

そして、一口に後悔と言っても、その中身はすべて同じではありません。

大きく分けると、後悔には3つのパターンがあります。

自分が苦しんでいる後悔が、どの種類にあたるのかによって、自分を責めている理由も、その後悔との付き合い方も変わってきます。

まずは、自分が抱えている後悔がどのパターンに近いのか、その種類から整理してみましょう。

1. やってしまった後悔

まず1つ目は、「やってしまった後悔」です。

いわゆる「やっちまった…!」という後悔です。

  • 余計な一言で相手を傷つけてしまった
  • 怒りを抑えられず、思わず手を出してしまった
  • 寂しさに耐えきれず、浮気してしまった

このように、何かを「してしまった」ことへの後悔です。

これは、社会的な罪や罰の感覚にも近いため、比較的わかりやすい後悔でしょう。

悪いことをした。

あんなことをしなければよかった。

自分がとった行動そのものを振り返って、「あの行動を取り消したい」と思うのが、この「やってしまった後悔」です。

一方、後悔には、自分が「したこと」ではなく、できなかったことについて苦しむものもあります。

それが次の「やれなかった後悔」です。

2. やれなかった後悔

2つ目は、「やれなかった後悔」です。

これは、何かをしてしまった後悔ではなく、「本当はしたかったのに、できなかった」ことへの後悔です。

本当は助けたかった。

本当は頑張りたかった。

本当は支えたかった。

けれど、何らかの理由でそれができなかった。

たとえば、

  • 悩んでいる友達を助けきれず、その子が不登校になってしまった
  • 仕事を頑張りきれず、適応障害になって退職してしまった
  • 忙しい彼氏と付き合うのがつらくなり、自分から別れを切り出してしまった

こうした後悔では、

「もっと頑張れたかもしれない」

「自分にもっと力があれば、違う結果になったかもしれない」

「自分がもっと我慢できていれば、壊れなかったかもしれない」

と、できなかった自分そのものを責めやすくなります。

そのため、「やれなかった後悔」には、後悔だけではなく、

  • 自分には力がなかった
  • 自分は大切なものを守れなかった

といった、無力感や無価値感が重なりやすいのが特徴です。

「やってしまった後悔」が、自分の行動を振り返って「あれをしなければよかった」と思う後悔だとすれば、

「やれなかった後悔」は、「本当はできたかったのに、自分にはできなかった」という痛みを抱えやすい後悔です。

3. やれたのにやらなかった後悔

そして3つ目は、「やれたのにやらなかった後悔」です。

これは、「やってしまった」わけでもなく、「やれなかった」わけでもありません。

やろうと思えばできた。

でも、自分はやらなかった。

そこに後悔が残るパターンです。

たとえば、

  • 帰ろうと思えば実家に帰れたのに、何となく先延ばしにしているうちに親が亡くなってしまった
  • 謝ろうと思えば謝れたのに、プライドが邪魔をして、喧嘩別れしたまま親友と疎遠になってしまった
  • 友達から電話がかかってきたとき、本当は対応できたのに、面倒に感じて雑に切ってしまい、そのまま縁が切れてしまった

このように、やろうと思えばできたことをやらなかったあとに、取り返しのつかない出来事が起こると、後悔は深く残りやすくなります。

「孝行のしたい時分に親はなし」という言葉がありますが、

やろうと思えばできた。

でも、そのときはやらなかった。

そして、やりたいと思った頃には、もうそれができない状況になっていた。

こうした後悔では、

「どうしてあのときやらなかったんだろう」

「自分で選ばなかったんじゃないか」

と、過去の自分を何度も責めてしまいやすくなります。

さらに、単に「あの選択を間違えた」と考えるだけではなく、「自分は本当に嫌な人間だ」と、自分の人間性そのものを否定する方向へ進んでしまうこともあります。

「やれなかった後悔」が、したかったけれどできなかったことへの痛みだとすれば、「やれたのにやらなかった後悔」は、自分には選択肢があったのに、そのときは選ばなかったことへの痛みです。

この違いは、後からその後悔と付き合っていくときにも重要になってきます。

消えない過去の後悔が苦しくなるのは罪悪感が大きくなるから

過去の後悔が消えずに苦しくなるとき、そこには後悔だけでなく、罪悪感が一緒に貼り付いていることが多いです。

「あのとき、あんなことをしなければよかった」

という後悔だけなら、過去の出来事について振り返っているだけです。

でも、そこに

「自分が悪かった」

「自分のせいでこうなった」

「自分は罰を受けるべきだ」

という罪悪感が重なってくると、後悔は単なる過去の記憶ではなく、今の自分を責め続ける材料になっていきます。

そして厄介なのは、この罪悪感がそのままの大きさで残るのではなく、後悔を繰り返し思い出すうちに、少しずつ形を変えながら大きくなっていくことです。

最初は「あのときの自分が悪かった」という思いだったものが、やがて「自分は悪い人間だ」に変わり、さらに「こんな自分が楽になってはいけない」「幸せになってはいけない」というところまで広がっていく。

ここでは、後悔に貼り付いた罪悪感が、どのように自分自身を縛るものへ変わっていくのかを、4つの段階に分けて見ていきます。

段階1. 現在進行形で自罰している

過去の後悔は、一見すると「過去に起きたこと」「もう終わったこと」に見えますが、出来事そのものは過去でも、その人の内側では、現在進行形で自分を罰し続けていることがあります。

過去の出来事であっても、思い出した瞬間に強い感情がよみがえると、まるで今起きていることのように苦しくなることがあります。

つまり過去の後悔が消えないとき、人は過去の出来事を何度も今に引っ張り出し、その出来事を材料にして、現在の自分を罰し続けているのです。

段階2. 「私は罪人だ」という感覚が強くなる

現在進行形で自分を罰し続けていると、次第に「私は罪人だ」という感覚が強くなっていきます。

後悔している出来事を「取り返しのつかない大きな過ち」と感じれば感じるほど、自分の中で「私は重い罪を犯した人間だ」という認識が強くなっていきます。

実際には社会的な罪ではないことが大半で、誰かに裁かれているわけでも、罰を受けなければならないわけではありません。

それでも自分の内側では、その後悔を「自分が犯した罪」のように扱ってしまうのです。

そうして、自分を罰するたびに、「私は罪人だ」という感覚がリアルタイムで強化されていきます。

段階3. 罪悪感から後悔を手放せない

自分を責め続け、「私は罪人だ」という感覚が強くなっていくと、今度は後悔を手放すこと自体を、自分で自分に禁じるようになります。

ここに、後悔と罪悪感の不思議な難しさがあるのです。

頭では、もう後悔を手放したいと思っている。

これ以上、自分を責め続けたくないと思っている。

過去の出来事から自由になりたいとも思っている。

それなのに、心の奥では「自分のような罪人が、後悔を手放して楽になるなんて許されない」と禁じてしまうという心理です。

ここに、消えない後悔の大きなパラドックスがあります。

段階4. 幸せを手に入れることを禁じている

そして、後悔と罪悪感がさらに深くなると、自分はそもそも幸せになってはいけないのだと感じるようになります。

  • 取り返しのつかないことをしてしまった自分
  • 大切なものを守れなかった自分
  • やろうと思えばできたのに、やらなかった自分

そんな自分は、幸せから遠いところにいるべきだと感じてしまうのです。

真面目な人ほど、この状態に陥りやすいところがあります。

自分の責任をなかったことにしたくないからこそ、自分を罰し続けてしまう。

このようなプロセスを経て、過去の後悔は消えるどころか、ますます深く自分の中に刻まれていきます。

どうにもならない後悔との付き合い方

では、どうにもならない過去の後悔とは、どのように向き合っていけばよいのでしょうか。

ここまで、後悔という感情には罪悪感がセットのように貼り付いていることが多いとお伝えしてきました。

つまり、どうにもならない後悔との付き合い方を考えることは、同時に、罪悪感との付き合い方を考えることでもあります。

その前提で、ここからは後悔との付き合い方を5つの視点から整理していきます。

1. 後悔を消そうとしない

まず大切なのは、後悔を無理に消そうとしないことです。

ここまで見てきたように、人が過去の後悔で苦しくなるのは、その出来事を思い出すことで、罪悪感が強く引き出されてしまうからです。

後悔そのものを消そうとするよりも、その裏にある罪悪感に目を向けていくことの方が、結果的には後悔との付き合い方を変えていきやすいのです。

2. 今できることが残っているかを見る

2つ目に、後悔していることの中で今できることが残っているかを見てみましょう。

  • 今からでも謝ることができる
  • あのとき伝えられなかったことを伝えられる
  • 修正できることが残っている
  • 別の形で埋め合わせができる

もし今の自分にできることが残っているなら、まずはそれが何なのかを考えてみてもいいでしょう。

もちろん、後悔を早く消したいからといって、必ず相手に連絡したり、謝ったりしなければいけないわけではありません。

大切なのは、「もう全部どうにもならない」と一括りにする前に、今できることと、もうできないことを分けてみることです。

相手がすでに亡くなっていたりして、もう二度と会えない。

といった事情でない限り、何かしら今できることがあるケースも多いものです。

今の後悔をほんの少しでも軽くする方法はないのか、という視点から一度見てみると、何か糸口が掴めるかもしれません。

3. あのときの自分の限界を見る

3つ目は、あのときの自分の限界を見ることです。

過去の出来事を思い返すとき、私たちはつい「なぜあんなことをしたのか」「なぜできなかったのか」「なぜやらなかったのか」と、自分を責める方向に意識が向きやすくなります。

けれど、そのときの自分には、そのときの限界があったはずです。

やってしまった後悔なら、やってしまったことだけを見るのではなく、

あのときの自分が「やらない」という選択をできなかったのだとしたら、どうしてその選択肢を持てなかったのか。

を見てあげてください。

やれなかった後悔なら、結果としてはできなかったとしても、やろうとしたこと、何とか頑張ろうとした自分にも目を向けてあげてください。

やれたのにやらなかった後悔なら、「やらなかった自分」だけを見るのではなく、なぜそのときの自分はそれを選べなかったのか、その背景を見てあげてください。

やろうと思えばできたのかもしれない。

けれど、それを実際にやるには、そのときの自分にとってかなり大きな負担があったのかもしれません。

あのときの自分を責める前に、まずは、あのときの自分がどんな状態だったのかを見てあげることが大切です。

4. 過去の選択を今の正解で裁かない

4つ目は、過去の選択を今の正解で裁かないことです。

私たちは、大人になったからといって成長が止まるわけではありません。

日々経験を重ね、価値観が変わり、見える世界も少しずつ変わっていきます。

そのため、10年前の自分の選択を今の自分が見ると、「なぜそんなことをしたのか」「どうしてそんな考え方をしていたのか」と思うこともあるでしょう。

けれど、過去の自分は、今の自分よりも経験値が少ない状態で生きていました。

その少ない経験値の中で、そのときの自分なりに、何とかベストな選択をしようとしていたのかもしれません。

それを、成長した今の自分が裁判官のような目で裁き続けるのは、過去の自分にとってあまりにも厳しいことです。

5. 自分を罪人から解放する

最後に、簡単なことではないですが、自分を罪人から解放する意識を持つことです。

強い罪悪感を抱えているとき、人は自分のことを、まるで罰を受け続けるべき罪人のように扱ってしまうことがあります。

けれど、強い罪悪感の奥に、誰かを大切に思う気持ちや愛情が隠れていることもあります。

  • 誰かを大切に思っていた
  • 本当は助けたかった
  • 本当は守りたかった
  • 本当はもっと優しくしたかった
  • 本当は愛情を伝えたかった

その思いがあったからこそ、深く後悔しているのかもしれません。

自分が犯してしまった罪のように見えるものの奥に、優しさや愛情があった可能性もあります。

その奥にあるものまで見てあげることができたとき、自分をただ裁き続けるのではなく、少しずつ情状酌量という道を選べるようになるかもしれません。

後悔をなかったことにする必要はありませんが、自分を一生罪人として扱い続ける必要もないのです。

過去の後悔が消えないときに避けたいこと

過去の後悔が消えないときには、よかれと思ってやっていることが、かえって後悔や罪悪感を深めてしまうことがあります。

ここでは、後悔を少しずつ手放すためにも、できれば避けたいことを3つ整理していきます。

1. 無理に前向きになろうとする

まず、無理に前向きになろうとすることは、いったんやめてしまった方がよいでしょう。

後悔や罪悪感を抱えていると、気持ちが後ろ向きになりやすいのは自然なことです。

それなのに、「こんなことで落ち込んでいても仕方がない」「前向きにならなくては」と無理に気持ちを切り替えようとすると、心の中で強い綱引きが起こります。

後悔や罪悪感は、過去の出来事の方へ意識を引き戻そうとする。

一方で、自分の頭では「前向きにならなければ」と未来の方へ引っ張ろうとする。

その結果、自分の中が分裂したような状態になり、余計に苦しくなってしまうことが多いです。

2. 後悔から無理に目をそらす

後悔から無理に目をそらそうとする必要もありません。

もちろん、後悔や罪悪感をずっと見つめ続けていれば、気持ちはどんどん重くなりますし、罪人意識が強くなり、自分から暗い場所に閉じこもりたくなることもあるでしょう。

ですので、後悔や罪悪感を見続ける必要はありません。

ただその一方で「もうこの後悔を見てはいけない」「こんなことを考えてはいけない」と無理に禁止しようとすると、かえってその後悔の存在感が大きくなることがあります。

  • 後悔から少し目を離したくなったら、いったん置いておく
  • 今は考えたくないと思ったら、少し距離を取る

後悔そのものをなかったことにしようとしたり、感じている自分を否定したりする必要はありません。

「感情」というのは、後悔や罪悪感に限らず、自分の中で「見てほしい」と訴えている存在でもあります。

その感情を抱えている自分の存在を少しでも認めることができると、後悔の力は少しずつ弱まっていくことがあります。

3. 「あのとき違っていれば」と未来を閉じる

最後に、「あのとき違っていれば」と考え続けて、未来を閉じてしまうことにも注意が必要です。

  • あのとき別の選択をしていれば
  • もしも、あのとき違う道を選んでいたら
  • あの言葉を言わなければ
  • あの人の手を離さなければ

このような「もしも」の物語を考えたくなることはあります。

それによって少し心が落ち着いたり、気持ちが整理されたりするなら、必ずしも悪いことではありません。

ただ、多くの場合、その「もしも」の物語を、選べなかった自分をさらに責める材料にしてしまいます。

本当は違う未来があったのに自分が選び間違えたせいで、その未来を失ってしまった。

だから、今の自分は幸せになれない。

そのように考え続けると、過去の後悔が未来まで閉じてしまいます。

過去を振り返ることと、過去の中に住み続けることは違います。

「あのとき違っていれば」と考えることで自分をさらに責めてしまうなら、その物語を何度も再生し続ける必要はありません。

消えない後悔の裏にある愛情に目を向けよう

ここまで、どうにもならない過去の後悔と、どのように付き合っていけばよいのかについて整理してきました。

そして最後に、消えない後悔や罪悪感のさらに奥に、深い愛情が隠れていることもあるという視点をご紹介します。

後悔や罪悪感は、自分が大切に思っていた存在に対して強く生まれることがあります。

大切だったからこそ、守れなかったことが苦しい。

本当は愛していたからこそ、うまく伝えられなかったことが痛い。

もっと優しくしたかったからこそ、できなかった自分を責めてしまう。

後悔や罪悪感は、感情としての力がとても強く、自分の中にある愛情よりも、「なぜできなかったのか」「なぜあんなことをしてしまったのか」という痛みの方に意識が引っ張られてしまうことが多いです。

けれど、その後悔や罪悪感の原材料になっていたものは、本当は自分の中にある愛情だったのかもしれない。

そこに目を向けることができると、後悔や罪悪感が少しだけ緩むことがあります。

誰かにかけてあげたかった愛情の半分だけでも、自分にかけてあげること。

それが、消えない後悔や罪悪感を少しずつ手放していくきっかけになるのかもしれません。

彼氏にイライラする心理とは?恋愛中の怒りを整える3ステップ

彼氏にイライラすることが増えると

「もう好きではないのかもしれない」 「相性が悪いのかもしれない」

と交際を考えてしまうことがありますよね。

ただ、彼氏へのイライラは、必ずしも相性が悪いわけでもなく、愛情がなくなったサインとも限りません。

関係が近くなったからこそ、今まで見えていなかった期待や不安、未消化の感情が表に出てくることがあります。

この記事では、彼氏にイライラする心理と、恋愛中の怒りを整えるための3ステップについて解説します。

彼へのイライラは関係が進んだ証拠

まず彼氏に対してイライラが止まらなくなることに対して、ネガティブな印象を持つ人が多いですが、実は恋愛におけるイライラは、関係が近くなったからこそ出てくることが多いです。

付き合い始めの頃は、相手に嫌われたくない気持ちもあり、自分の本音や不満を無意識に抑えていることもあります。

けれど関係が続いていくと、少しずつ相手への期待が増えていきます。

  • もっとわかってほしい
  • もっと大事にしてほしい
  • もっと気づいてほしい
  • もっと安心させてほしい

このような彼氏へのイライラは、相手が特別な存在になったからこそ起こる側面も大きいです。

大切なのは、イライラをすぐに「別れるべきサイン」と決めつけることではなく、その怒りの奥に、何があるのかを見ることです。

 

彼氏にイライラすることが増えた理由

では、彼氏にイライラすることが増えたとき、私たちの心では何が起こっているのでしょうか?

代表的な3つの理由を整理します。

 

1. 距離が近くなった

まず、彼氏にイライラすることが増える理由の一つは、関係の距離が近くなったことです。

距離が近くなると、必然的に相手に求めるものも増えていきます。

付き合う前や付き合い始めは、「連絡をくれるだけで嬉しい」「会えるだけで嬉しい」と感じていたとしても、関係が続くとそれだけでは足りなくなることがあります。

  • もっと丁寧に扱ってほしい
  • もっと自分の気持ちを考えてほしい
  • もっと優先してほしい

このような期待が出てくると、相手がその期待に応えてくれないときに、イライラとして表れます。

街中でたまたま出会った、ビルの清掃の男性に対して

「どうして私の気持ちをわかってくれないの?!」

とは誰も思いません。

ほぼ見知らぬ人に対しては、人はほぼ期待をしないのです。

ですが、心の距離が近くなって「私のことをわかってくれているはず」と感じた相手に対しては、誰しも期待が一気に増えていきます。

そのため「期待が満たされない=イライラ」に繋がるということです。

 

2. 未消化の感情が反応している

彼氏の言動に強くイライラするとき、実は「今現在の彼氏」への怒りにプラスして、過去に感じた怒り、悲しみ、寂しさ、悔しさが、今の彼氏の言動をきっかけに引き出されて増幅していることがあります。

たとえば、彼氏が返信をくれなくて寂しい思いをしたとしましょう。

そのとき、単に「彼氏の返信が遅い」という事実に対してイライラしているように見えて、実は過去に体験した

  • 寂しさをケアしてもらえなかった記憶
  • 自分が求めても応えてもらえなかった記憶

こういったものが無意識のうちに引き出されて、それらへのイライラで余計に怒りが増幅していることも少なくないのです。

つまり「今の彼氏の言動」がトリガーとなって、自分の中に残っていた感情が呼び起こされている状態です。

 

3. 親子関係の記憶が重なっている

心理学では、恋愛やパートナーシップには、幼少期の親子関係の記憶が影響すると考えられています。

パートナーシップは本来、大人同士が対等に結ぶ関係ですが、無意識のうちに、親に対して抱いていた寂しさや怒り、わかってほしかった気持ちを、彼氏との関係に重ねてしまうのです。

たとえば、過去に

「私の話を聞いてもらえなかった」
「わかってもらえなかった」

という記憶が強く残っている場合、彼氏が自分の話をきちんと聞いていないように感じたとき、単なる不満以上に強いイライラが出てくることがあります。

目の前の彼氏に反応しているようでいて、実際には過去の親子関係で感じた感情も同時に刺激されている。

これが、彼氏に対するイライラが必要以上に強くなる理由のひとつです。

 

彼氏にイライラが止まらないときの深層心理

彼氏にイライラが止まらないとき、その奥にはどのような深層心理があるのでしょうか。

表面に出てくる感情は、怒りやイライラです。

けれど実際には、その下に「もっと〇〇してほしい」という欲求やニーズ、願いが隠れていることがあります。

ここでは、彼氏に対してイライラや怒りを感じるとき、その奥にある代表的な5つのニーズ・欲求を紹介します。

心当たりがあるものがあれば、怒りの正体を知るヒントになるかもしれません。

 

1. 私を満たしてほしい

彼氏へのイライラの裏に隠れている、最も多いものとして「私を満たしてほしい」という自分側の要求、ニーズがあります。

ここでいう「満たしてほしい」は、具体的に何かをしてほしいというより、自分の中にある欠けた感覚や心の空白を、彼氏に何らかの形で満たしてほしいという願いです。

たとえば、「愛されている」と存分に感じさせてほしい。
不安が大きくて落ち着かないから、その不安を消してほしい。

このように、何を満たしてほしいのかは人によって違いますし、本人も、その中身をはっきり自覚できていないのが通常です。

ただ、とにかく「私を満たしてほしい」という欲求が強くなると、彼氏の言動全てが足りなく思えてイライラしてしまうのです。

 

2. 私を安心させてほしい

彼氏へのイライラの裏には、「私を安心させてほしい」というニーズが隠れていることもあります。

前の段落で、恋愛には親子関係の記憶を無意識に持ち込みやすいとお伝えしましたが、子どもにとって親は、自分の安心や安全を守ってくれる存在です。

その感覚が恋愛に重なると、無意識のうちに「彼氏は私を安心させてくれる存在であるべき」という前提が生まれやすいのです。

本人はそのことに気づいていなくても、心の奥では、彼氏に安心や安全を確保してほしいと求めている。

だからこそ、彼氏の態度や言葉が自分を安心させるものではなかったとき、強いイライラが出てくることがあります。

特に、彼氏が安心をくれないだけでなく、自分の安心や安全を脅かす存在のように感じられたとき、怒りは一気に強くなります。

この場合、怒りの奥にあるのは「私は安心したい」「安全だと感じたい」という切実なニーズがあるのです。

 

3. 私の期待に応えてほしい

心の距離が近くなると、「私の期待に応えてほしい」という欲求が強く出てくることもあります。

これは彼氏に限った話ではなく、仲の良い友達、信頼している先生や上司など、心の距離が近い相手に対して、人は何かしらの期待を持ちやすくなります。

心理学では、こうした心の働きを「投影」と呼ぶことがあります。

  • 自分の期待通りに動いてほしい
  • 自分の期待通りの相手でいてほしい
  • 自分が望む反応を返してほしい

このような気持ちが強くなるほど、相手がその期待から外れた言動をしたときに、イライラも大きくなります。

つまり、彼氏そのものに怒っているようでいて、実際には「私の期待通りであってほしい」という願いが満たされなかったことに反応している場合があるのです。

 

4. 私の不安を消してほしい

彼氏へのイライラの裏に、「私の不安をどうにかしてほしい」という切実な叫びが隠れていることもあります。

何に不安を感じているのかは、人によって違います。

ある人は経済的な不安かもしれませんし、またある人は、愛されない不安かもしれません。
また今後の人生への不安かもしれません。

ただ、不安という感情は、人にとって本能的に避けたいものです。

その不安が強くなると、一番心の距離が近い彼氏に無意識のうちに「何とかしてほしい」と助けを求めたくなります。

それなのに、彼氏が自分の不安に気づいてくれない。
不安を取り除いてくれない。
むしろ、不安を抱えていることにすら気づいてくれない。

そう感じたとき、彼氏へのイライラが一気に強くなることがあります。

この場合、表に出ているのは怒りでも、奥にあるのは「私は今、不安なの」「その不安に気づいてほしい」というニーズです。

 

5. 私の寂しさに気づいてほしい

彼氏へのイライラの裏に、自分の寂しさが隠れていることも少なくありません。

寂しいなら、怒るのではなく「ねえ、私、寂しい」と伝えればいいと思うかもしれませんが、そうできないのが人間の性と言えるかもしれません。

寂しさという感情は、人にとってかなり不快なことが多いです。

そのため、寂しさを感じる代わりに

「なんで私のことを放っておくの」
「どうして気づいてくれないの」

という怒りとして出てくることが多いのです。

本当は寂しいと言いたいけれど、その気持ちを素直に出せないとき、彼氏へのイライラとして表に出ることがあるのです。

 

彼氏にイライラするときの対処法

では彼氏にイライラするとき、どのように対処するべきなのでしょうか。

ここでは、彼氏へのイライラを整えるための対処法を紹介します。

 

1. 彼の何に反応しているのかを書き出す

ここまで整理してきたように、彼氏に対するイライラの奥に「今まで満たされてこなかった自分のニーズや感情」があるケースが大半です。

そのため、まずは「彼氏の何にイライラ反応しているのか」を書き出します。

返信が遅いことに腹が立った 話を聞いてくれなかったことに傷ついた 約束を軽く扱われたように感じた 私の予定を考えてくれなかったことが嫌だった

そして、それらの出来事によって「何が刺激されたのか」を見つけていきます。

 

2. 「本当はどうしてほしかったのか」を言葉にする

次に、「本当はどうしてほしかったのか」を見つけにいきます。

イライラしているとき、人は相手への不満ばかりを考えがちですが、不満の奥には必ず願いがあります。

返信が遅くてイライラしたなら、本当はもう少し気にかけてほしかったのかもしれません。

話を聞いてくれなくて腹が立ったなら、本当はちゃんと向き合ってほしかったのかもしれません。

会えないことにイライラしたなら、本当はもっと一緒にいる時間を大切にしてほしかったのかもしれません。

このような手順で、怒りを“叶えられなかった願い”に戻していきます。

 

3. 彼を責める前に自分の禁止ルールを見る

また彼氏にイライラするとき、自分の中にある禁止ルールに彼が抵触していることが理由で、イライラが増幅しているケースもあります。

たとえば、自分はいつも我慢しているのに、彼氏が自由にしていると腹が立つ。

自分は相手の都合を考えているのに、彼氏が自分のペースで動いていると許せない。

自分はちゃんとしようとしているのに、彼氏が適当に見えるとイライラする。

このようなとき、自分の中に

  • 自由にしてはいけない
  • 迷惑をかけてはいけない
  • ちゃんとしなければいけない
  • 相手に合わせなければいけない
  • 寂しいと言ってはいけない

というルールがあることがあります。

イライラが強く出るときは、「私は自分に何を禁止しているのか」を発見できると、相手へのイライラがすーっと消えることも多いでしょう。

 

4. 落ち着いてから具体的に伝える

ここまでのステップを経て、自分の内面にある感情のわだかまりに気づくと、それだけでイライラが落ち着くことも多いです。

そして感情がある程度落ち着いた段階で、改めて彼氏に対して、自分の希望を具体的に伝えてみましょう。

たとえば

  • LINEの返信をもう少し早くしてほしい
  • 私がつらそうにしているときは、少し気にかけてほしい
  • 私の前できつい言葉を使わないでほしい

などです。

感情が熱いまま伝えると、直近の彼氏の言動に対する希望というより、過去のわだかまりまで全部ぶつけるような言い方になりやすくなります。

そのうえで、彼氏に伝える内容を絞り、今後どうしてほしいのかを具体的に伝えてみましょう。

案外、自分の感情に気がつくだけで、彼氏に伝えたい気持ちが消える人も多いです。

 

5. それでも苦しいときは距離を置いて整理する

イライラが強いときは、いったん距離を置いてみましょう。

ここでいう距離を置くとは、別れるための準備ではなく「相手との心の距離を調節してみる」ようなイメージです。

 

彼氏へのイライラは自分を知る入口にもなる

せっかく好きで付き合った相手なのに、その彼氏に対してイライラしてしまうのは、自分にとっても辛いものです。

相手へのイライラは、決して積極的に感じたいものではありません。

けれど、相手との関係を通して自分の内面と向き合うことで、より心が楽な状態で相手と向き合うヒントが見つかることもあります。

彼氏へのイライラが止まらないと思ったら、そのイライラを相手に思いきりぶつける前に、まずは自分とゆっくり向き合う時間を取ってみてください。