
彼のことを信じたいのに、どうしても不安になってしまう
スマホを見るたびに、浮気してるんじゃないかって疑ってしまう
私ばっかりが本気なんじゃないかと思うと、涙が出てくる
──そんなふうに、「彼氏を信じられない」という感覚に悩んだことはありませんか?
信じたい。でも、怖い。
愛されたい。でも、裏切られたらどうしよう。
そんな矛盾した気持ちがせめぎ合って、ますます自分がわからなくなってしまう。
でも実は、「彼氏を信じられない」と感じるとき、その奥で本当に揺れているのは「自分を信じられない」という感覚かもしれません。
このコラムでは、「彼を信じられない」と感じる心理の背景にある“不安”の構造をひもときながら、そこから少しずつ「自分を信じて愛していく」ためのヒントを探していきます。
Contents
彼氏を信じられないと感じる瞬間とは?
「信じられない」っていう感覚は、いきなり湧いてくるものではありません。
日々の小さな出来事の積み重ねが、少しずつ心に“不安”という名の影を落としていくのです。
ここでは、実際に多くの女性から寄せられる「信じられなくなる瞬間」を5つご紹介します。
① 彼の職場に女性が多く、不安がつきまとう
彼の職場が、女性ばかりの環境。
たとえば、美容師さんやアパレル店員さん、女性中心の保育園や幼稚園で働いていたり。
あるいは芸能関係や接客業で、キレイな女優さんやモデルさんと日常的に接している。
そんな彼だったとしたら、頭では「仕事だから仕方ない」とわかっていても、心がザワザワしてしまうことってありますよね。
しかも、毎日会う相手は、美人で気さくで、感じのいい女性ばかり。
きっと向こうも好意を寄せてるんじゃ…
なんて想像が、勝手に心の中で広がっていく。
もちろん、信じたい気持ちはある。
でも、彼がその中で自然に振る舞っている姿を思い浮かべると、
なんで私だけ、こんなに不安を感じてるんだろう…
と、ひとりだけ取り残されたような気持ちになるのも無理はありません。
② 女性との距離感が近く、つい疑ってしまう
「女友達だから大丈夫」──彼はそう言って、悪気なく女性と食事に行ったり、
LINEで気さくにやり取りしたりしている。
それが2人きりだったり、お酒が入る席だったりすると、やっぱりモヤモヤしてしまいますよね。
そもそも彼には、女友達が多いタイプ。
しかも“男女の線引き”が曖昧なところもあるから、こちらとしては
え、それって恋人がいる人の距離感じゃないよね…?
と思ってしまう。一方で彼は、
これくらい普通でしょ?フレンドリーなだけだよ。
と全く気にしていない。
なかには、下心なんてまったくないタイプもいれば、ほんのちょっとだけ“可愛い浮気心”みたいなものがある人もいる。
(自分に彼女がいても、他の女の子とちょっと仲良くしたい、みたいな。)
こちら側としては、それが冗談でも気になるし、引っかかる。
私は彼女なんだから堂々としてればいい
と頭ではわかっていても、心は
それでも、やっぱり嫌なものは嫌なんだよ…
そう言いたくなってしまうのも、おかしなことではありません。
③ 話していたスケジュールとSNSの行動が違って見える
今って、ほとんどの人がSNSをやってる時代。
特にインスタのストーリーなんて、もはや「日常の呼吸」みたいな感覚で更新している人も少なくありません。
そんな中で──
今日は出張って言ってたのに、なんか雰囲気ちがくない?
私には返信がないのに、ストーリーはちゃっかり上がってるのなぜ?
これではモヤモヤしますよね。
もちろん、ストーリーにはタイムラグがあるかもしれないし、過去の写真をアップしてるだけかもしれない。
そう頭ではわかっていても、“事実と私に伝えられていることがズレてる”と感じると、そこに想像が入り込んで、ぐるぐる思考が止まらなくなる。
それがたとえ小さなズレでも、信頼という“ガラス細工のような繊細なもの”には、大きなヒビが入ってしまうこともあるんです。
④ 過去に嘘をつかれたことがあり、まだ信じきれない
たとえば──
「男友達と飲みに行ってくる」と言っていたのに、
実は女の子と2人でごはんに行っていた。
……そういう経験が一度でもあると、「また嘘をつかれてるんじゃないか」って、自然と心が構えてしまう。
もちろん、「今回は本当にそうかもしれない」。
でも、「いや、もしかして…」と、過去の記憶が勝手に引き出されてしまう。
そしてそのたびに、「信じたいけど、信じきれない」自分が現れて、「今回は嘘? 本当?」というモヤモヤの中で、どんどん疲弊していくんです。
考えること自体がもうしんどい。
なのに、気になってしまう。
それが「信じられない」の、いちばんつらいところかもしれません。
⑤ 一度別れた/距離を置いたことがあり、トラウマになっている
一度、別れた経験がある。
あるいは「ちょっと距離を置こう」と言われたことがある。
──そんな過去があると、心のどこかに「またあの時みたいになったらどうしよう」という恐れが残ってしまいます。
頭では「今はうまくいってるし、大丈夫」と思っていても、“終わったことがあるふたり”という前提が、心のどこかに居座っている。
だから、ちょっとしたすれ違いや彼のそっけない態度があるだけでも、
また、離れてしまうんじゃないか
そう不安が倍増してしまう。
一度終わりを経験しているからこそ、“終わる可能性”が、いつでも脳内の選択肢に浮かんでしまう。
そうなると、「信じたい」気持ちが、どこか空回りしてしまうこともありますよね。
本当に“彼”を信じられないの?それとも、自分を信じられないの?
「彼のことを信じられない」と感じたとき、一度、こんなふうに問いかけてみてほしいのです。
私は、“彼”の何を信じられないんだろう?
「彼氏のことを信じられない」という悩みは、これまで何度も受けてきました。
お付き合い中の彼への不信感だけじゃなくて、まだ正式な関係になる前の「なんだかいい感じ」な段階でも、「なんとなく信じきれなくて苦しい」と感じる女性は、とても多いです。
もちろん中には、彼側に問題があるケースもゼロではありません。
たとえば明らかに嘘を重ねていたり、誠実さに欠けていたり、ごくまれに“意図的に信頼を裏切るような行動”をとっている人もいます。
ですが現場の肌感覚で言うと、そうした“彼の側に大きな問題がある”ケースは、全体の1割以下です。
残りの多くは、表面上は「彼の行動が信じられない」と話されているけれど、よくよく見ていくとその根っこには、「自分自身を信じられない」気持ちが隠れていることがとても多いのです。
私の“何”を信じられていないんだろう?──自己不信の5パターン
ではここで、もう少し深く「自分を信じられない」という感覚の正体を見ていきましょう。
といっても、それは一枚岩ではなく、いくつかの“種類”があり、いくつか組み合わさって心に影響していることも少なくありません。
ここでは、代表的な5つのパターンを紹介していきますね。
① 愛される価値がある自分を信じられない
私は、本当に人から愛される存在なのか?
そんな問いが、心の深いところからふっと湧いてくる。
誰かに大切にされていても、「これはたまたま」「相手が優しいだけ」と感じてしまう。
それは、“愛されて当然の存在”としての自分を、どこかで疑っているサインです。
この感覚は、特に幼少期の家庭環境で十分に愛された記憶がないときに芽生えやすいと言われています。
親の愛情が「ちゃんとあったかどうか」ではなく、「子ども側がどう感じていたか」がすべて。
「私には愛される資格がないのかもしれない」と無意識に刷り込まれてしまうこともあるのです。
② 愛され続ける自分でいられる自信がない
こちらは、①とは少し違って、「一時的に愛されることはできるけど、ずっと愛され続けるのは難しいんじゃないか」という感覚です。
たとえば、幼いころ第一子として生まれ、しばらくは家族の愛情を独り占めにしていたとします。
でも数年後に妹や弟が生まれ、「もうお姉ちゃんなんだから大丈夫よね」と言われて、その日からお母さんの関心は弟妹のほうに。
しかも、妹が病弱だったりして、お母さんが付きっきりになったことで、自分はおばあちゃんの家に預けられる時間が長くなった……
そんな小さな出来事が、「愛は続かないものなんだ」「私は後回しにされる存在なんだ」という思い込みに変わっていくこともあるのです。
表面的には覚えていないことでも、潜在意識にはしっかりと刻まれている。
そういう体験が
どうせ私は飽きられる。
ずっと愛されるはずがない。
という感覚につながっていくことがあります。
③ 唯一の存在として選ばれる自分を信じられない
彼にとって、私は“数ある中の選択肢のひとつ”なんじゃないか。
特別、唯一の存在ではないのでは?
そんなふうに感じてしまうとき、自分の“特別さ”が信じられなくなります。
実はこの「唯一の存在でありたい」という気持ち、今の時代、恋愛に限らず多くの人が持っているもの。
たとえばキャリアでも、「自分にしかできない仕事を」「自分の個性を活かして」など、“唯一性”が評価される風潮があるからこそ、その感覚に対する憧れと同時に、「私は特別じゃないのでは」という不安を抱えている人も少なくありません。
ではなぜ、そう感じてしまうのでしょうか?
たとえば、三人兄弟の真ん中として育ち、上にはしっかり者の兄、下には可愛い末っ子がいる──
そんな家庭環境だと、「じゃあ私は何?」と、居場所のなさを感じることがあります。
あるいは、子どもの頃のクラスで、飛び抜けて運動神経がいい子、かわいくてみんなに注目される子がいたときに、
私は平凡で、誰の目にもとまらない存在なんだ
と、目立たなかった自分に傷ついた経験があるかもしれません。
そうした小さな出来事の積み重ねが、「私は誰かの“唯一の存在”にはなれない」という感覚を根づかせてしまうこともあるのです。
④ 女性としての魅力を信じられない
私って、女性として魅力があるんだろうか?
この問いに対して、はっきり「YES」と思えないとき。
無意識に、自分のことを“女性として欠陥がある存在”のように感じてしまうことがあります。
特に若いころは、「モテる女性像」がメディアやSNSで繰り返し刷り込まれがち。
美人で、小柄で、髪はセミロングでツヤツヤ、素直で控えめ……
いわゆる“テンプレ的に理想とされる女性像”から外れていると、
私は違う…だから私は選ばれない。
と、自分を否定してしまう。
年齢を重ねるごとに、「若い方がモテる」みたいな社会の圧力がちらつきはじめて、さらに「私にはもう魅力がないのでは」と不安が加速してしまうことも。
でも、本来の女性としての魅力って、見た目や年齢に縛られないものですよね。
にもかかわらず、「こうじゃないと愛されない」と思い込んでしまうと、自分の魅力を素直に受け取ることができなくなってしまうんです。
⑤ 存在そのものとしての“私”を信じられない
そして最後は──もっとも深いレベルの自己不信。
それは、「私は、この世界に存在していていいのか?」という問いです。
恋愛や仕事といった“役割”の前に、そもそも“ただ私としてここにいること”への許可が、自分の中で出せない。
これは、家庭環境だけでなく、もっと深い心理、むしろ“魂のレベル”といってもいいようなところに触れるものです。
現代って、どうしても“外側”に意識が向きやすい社会ですよね。
SNSで人と比べたり、評価を得ようとがんばったり。
そんな中で、「私は私としてここにいていいんだ」と思える機会は、実はすごく少ないです。
すると
自分の存在を認めてもらいたい!必要とされたい!
このように、どうしても“他者の目”にすがりたくなってしまうのは自然なことです。
そしてその流れで、「選ばれるために」「愛されるために」と外に意識が向いて、肝心の「私は私でいていい」という感覚が、どんどん遠のいてしまうのです。
でも実は、この存在不信があるとき、どれだけ彼に優しくされても、愛されても、なぜかそれを受け取れない。
そして、信じたいのに信じられないという苦しさに、また戻ってきてしまうのですね。
“信じる”ことが怖い私へ──自己信頼を育てるためにできること
ここまで読んできて、なにか「もしかしたら…」と思うところはありましたか?
彼氏のことを信じられないという気持ちの“裏側”には、自分自身のことを信じられないという感覚がひそんでいる。
それはまるで、ひとつのコインの表と裏のようなものです。
自分のことを信じられないと、他人のことも自然と信じにくくなる。
特にその“他人”が、もっとも心を許している存在──彼氏だったり、好きな人だったり──であればあるほど、「この人に裏切られたら立ち直れない」と思って、心が過剰に反応してしまうこともあるのです。
その不信感は、ときに
裏切られる前に疑っておこう。
先に距離をとっておこう。
というかたちで現れて、本当は仲良くなりたい相手との間に、思わぬ壁を作ってしまうこともあります。
そしてもし、無理に“他人を信じよう”とエネルギーを注ぎすぎると、“信じる”が“依存する”にすり替わってしまうこともあります。
相手に委ねようとした結果、自分の軸がなくなってしまい、ますます「信じられない」状態が深まってしまう……そんな悪循環にもつながるのです。
そんな時は、焦って「彼を信じなきゃ」と頑張るのではなくて、まずは「自分のことを、少しだけ信じてみる」ことから始めてみてほしいのです。
私には、人を愛する力がある
私には、大切にされる価値がある
私がここにいていい理由は、もう十分すぎるほどにある
そんなふうに、自分の存在に対する安心感を取り戻していくと、自然と彼に対しても、世界に対しても、もっと柔らかく目を向けられるようになります。
そして不思議なことに、あなたが自己信頼を深めるだけで、彼が誠実になったり、言動が変わっていくという“副産物”がついてくることもあるんです。
だから、どうせならその道を選びませんか?
自分のことを信じると決めるだけで、彼との関係は、その“おまけ”として、きっと自然に整っていくはずですから。
まとめ|信じたいのに信じられない。その感覚ごと、あなたを抱きしめて
「彼氏を信じられない」と感じるとき、私たちはつい、相手を責めるか、自分を責めるか、どちらかに傾いてしまいがちです。
でも本当に大切なのは、「どちらが悪いか」ではなく、「私はなにを怖がっているのか?」という問いに、静かに耳を澄ませてみることです。
信じることは、簡単なようでいて簡単なことではありません。
ときに痛みを伴うし、怖くなるし、逃げたくなる。
それでも、「信じたい」と思っているその気持ちは、間違いなくあなたの中にある“愛の証”です。
だから、信じられない自分を責めるのではなくて、信じたいのに怖くなってしまう“そのままの自分”を、まずは抱きしめてあげてください。
答えが出ない日があっても大丈夫。
揺れる日があってもいい。
あなたがあなたを信じていこうとするその歩みこそが、きっとこれからのパートナーシップの“土台”になっていくと思います。