
ずっと願ってた。叶った。……でも、なんで?
幸せになるはずだったのに、受け取れなかった。奇跡が目の前に差し出された瞬間、なぜか“心が拒否してしまった”。
それ、もしかしたら——
あなたの中に置き去りにされた“感情”が、願いを壊したのかもしれません。
本気で人生を変えたいと願うなら、「叶える」だけじゃ足りない。
- “受け取れる心”になっているか?
- 過去の精算は済んでいるか?
- 潜在意識でも「受け取りたい」と思えているか?
この記事では、願望実現の裏側にある「副作用」と、その影に潜む“感情の未処理”について深掘りしていきます。
Contents
願望実現の副作用にご注意!
潜在意識、引き寄せ、未来創造……。
さまざまな方法で願いを叶えることが広まり、実際に変化を感じた人もいるでしょう。
でも現場で長年サポートしてきた実感として、私はこう感じています。
「叶ったのに、なぜか自分で壊してしまう人」が、一定数存在する。
そしてこの現象には、ちゃんと“理由”があるのです。
「願いを叶える」ことと「受け取る」ことは別物
多くの人が混同しているなぁと感じるのですが
願いを叶える ≠ 願いを受け取る
なんです。
現実的な努力や潜在意識の調整によって願いが「叶う」ことと、それを心から受け取って幸せになる「準備ができている」ことは、まったく別のプロセスです。
たとえば、金メダルに手が届いたオリンピック選手が、最終審査で思わぬ失格になるような——そんな残酷なズレが、人生にも起こり得るのです。
【実例】願望実現したのに受け取れなかった話
多くの人が「願いを叶えること」に意識を向けるあまり、その“受け取る自分”の準備を整えることを忘れてしまっているのです。
ここからは、実際に私のもとに寄せられたご相談の中から、ある女性の「復縁願望が叶ったのに、それを受け取れなかった」事例をご紹介します。
復縁が叶ったAさんのエピソード
Aさんは、年齢や状況的にかなり難易度の高い「復縁」を願っていました。
しかも、お相手とは長期間の音信不通。
正直、私も「これはちょっと…なかなか簡単じゃない案件だな…」と思っていました。
ところが、数ヶ月後——彼のほうから「やり直したい」と連絡が来たのです。
しかも驚くほど誠実で、Aさんとの関係にあった障害をすべて整えて戻ってきたんですよ。
私もご報告をいただいて、まさに“奇跡”のような展開だなと思いました。
未処理の“怒り”が願いを壊してしまうメカニズム
でも、ここから予想外の事態が起こります。
彼が戻ってきた瞬間、Aさんの心に湧き上がったのは「喜び」ではなく「困惑」でした。
そして彼女は、思わず彼を拒絶してしまい、再び音信不通に……その後の落胆具合は、書くまでもないでしょう。
なぜそんなことが起こったのか?
彼女の心には、まだ“未処理の怒り”が残っていたのです。
- なんであんなひどいことを言ったの?
- 私ばかりが傷ついて、放置されたままだった
- いまさら戻ってきても遅い
——そんな怒り、悲しみ、悔しさが、“願いを叶えるために抑え込まれていた”だけで、消えていなかったのです。
願望実現の副作用=セルフサボタージュとは?
このように「願いが叶ったのに受け取れない」「自分で壊してしまう」現象を、心理学では「セルフサボタージュ(自己妨害)」と呼びます。
本人の意思とは裏腹に、無意識の領域で“成功”や“幸せ”を壊す選択をしてしまう状態のことです。
セルフサボタージュのパターン5選
セルフサボタージュにはいくつかの典型的なパターンがあり、これらは単独で現れることもあれば、複数が同時に重なって表れることもあります。
以下に紹介する5つのパターンは、特に願望実現の場面でよく見られるものです。
「まさに私のことかも…」と感じたら、その感覚を大切にしてみてください。
パターン① 幸せになることへの“罪悪感”
「私なんかが幸せになっていいの?」という感覚。
過去の自分や他人の苦しみと比べて、自分だけが幸せになることへの居心地の悪さがあると、
願いが叶いそうになった瞬間に「それに値しない」と引き返してしまうことがあります。
パターン② 期待すると裏切られるという“恐れ”
「信じたら傷つく」が根強く残っていると、期待そのものが“危険”と認識されます。
そのため、願いが叶いそうになったときに「このままうまくいったら、後でもっと痛い目にあうのでは?」という不安が湧き、無意識のうちに自分で関係やチャンスを壊してしまうのです。
パターン③ “うまくいく”ことへの慣れなさ(上限設定)
安定や幸福を「異常値」として脳が処理してしまうと、「このまま順調に進んでしまったら、何か恐ろしいことが起こるかもしれない」という防衛本能が働きます。
幸せに“慣れていない”と、幸せの中にいること自体が落ち着かず、無意識のうちに現実をかき乱してしまうのです。
パターン④ ネガティブ感情を置き去りにした“感情未処理”
怒りや悲しみを“感じないように”して、願望成就だけを追いかけてしまうと、その抑圧された感情が、願いが叶った“受け取りの瞬間”に噴き出してきます。
とくに「復縁したい」「幸せになりたい」など強い願望を抱えている人ほど、叶えるために感情を封じてしまう傾向があるため注意が必要です。
パターン⑤ 幸せになると“誰かを裏切る”という無意識の忠誠
家族や過去の自分、苦しかった誰かとの“共苦”を裏切るような気がして、無意識で足を止めてしまうパターンです。
自分だけ幸せになるなんて、申し訳ない
あの人はまだあそこにいるのに
そんなふうに、自分の幸せと“誰かとの絆”を引き換えにしてしまう人もいます。
この無意識の忠誠は、とてもやさしくて、でもときに自分を閉じ込めてしまうのです。
願いの裏側に潜む「感情の置き去り」
一見ポジティブに見える願いの裏側に、実は置き去りにされた感情が潜んでいることがあります。
たとえば「幸せになりたい」という願いの奥に、
- ずっと我慢してきた怒り
- 見捨てられた悲しみ
- 理解されない寂しさ
が残っていると、その感情が後から噴き出してしまうことも。
ここでは、そんな感情の置き去りがどのように“受け取り拒否”を引き起こすのかを見ていきましょう。
願望達成のために我慢しすぎてしまう心理
「叶えたい」「幸せになりたい」——その気持ちが強ければ強いほど、私たちはそれに向かって“頑張らなきゃ”と無意識に思い込んでしまいます。
その結果、怒りや悲しみ、不安といった“今ここにある感情”を「叶うまでの辛抱」として後回しにしてしまう。
まるで「欲しがりません、勝つまでは」というスローガンのように、感情を押し殺して頑張り続ければ、いつか必ず願いが報われると信じている状態です。
でも実はそれ、真逆なんです。
我慢すればするほど、感情は抑圧され、そのエネルギーが願望実現の“受け取りの瞬間”に爆発してしまう危険があるのです。
感情の抑圧が引き起こす“受け取り拒否”という反応
我慢して、我慢して、「叶ったら報われる」と信じてやってきた。
でも、いざ願いが叶いそうになったとき、内側から聞こえてくるのは、
こんな関係、また我慢する未来が待ってるだけでしょ!
——そんな、抑え込まれていたもう一人の自分の声。
そうやって心の奥で反発が起こり、願いの成就そのものを“拒否”するような行動を取ってしまうのです。
これは単なる気まぐれや迷いではなく、抑圧された感情がタイミングを見計らって爆発してしまった状態。
「今しか出番がない」と言わんばかりに、無意識が引き金を引くのです。
「怒り」「悲しみ」「悔しさ」は願いを叶える敵ではない
ネガティブな感情って、「願いを叶えたい」と思うときほど、なんとなく“感じない方がいいもの”のように思えてしまいますよね。
でも実は、それを敵として扱ってしまうことで、心の中に「あとで爆発する予定の感情ストック」がどんどん溜まってしまうこともあるんです。
怒りも、悲しみも、悔しさも、悪者ではありません。
むしろそれらをどう扱うかが、願いを叶える“持続可能な心の土台”をつくる鍵になるんです。
願望実現の副作用を防ぐ自己対話
願いを叶える力をスムーズに流すには、心の中に溜まっている感情に気づき、整えることが大切です。
ここでは、3つの視点から「願望実現の足かせ」を外していく自己対話の方法を紹介します。
自己対話① ネガティブ感情を日常的に“声に出す”習慣
「怖い」「悲しい」「ムカつく」——こうした感情を、私たちはつい「感じないようにしよう」「考えても仕方ない」と抑えがちです。
でも、どんな感情にも“感じきられたい”という自然な欲求があります。
まずは、誰もいない部屋でぽつりとつぶやいてみるだけでも構いません。
そっか、今わたし、ムカついてるんだな
うん、すごく怖かったんだな
それだけで、感情の滞りは少しずつ流れていきます。
感情に言葉を与えることは、心に酸素を送るようなもの。声に出すことで、自分自身とのつながりが回復していきます。
自己対話② 感情ノートや秘密のブログで“無意識の自分”と対話する
感情を言葉にするだけでは足りないと感じたときは、ノートに書き出してみるのもおすすめです。
とはいえ、「ノートなんて続かない」「文章にするのが苦手」という人もいますよね。
安心してください。このブログを書いている私も、かつてはまったくノートが書けないタイプでした。
そんな人は、まずはスマホのメモアプリでもOK。何かモヤっとした瞬間や、ふと感情があふれた瞬間に、短く一言だけでも書いてみてください。
ちなみに、私が主宰している自己対話のスクールでは、メンバーだけが投稿できる鍵付きのSNS(Xのような場所)があります。
そこでは、感情の吐き出しや自己対話のメモ、ネガティブな思いなどを自由に書いてもらっています。
それがとても大事な“受け取り力”の土台になっていて、願望実現における「副作用」や「拒否反応」を防ぐ力になっているんです。
ノートが続かない人こそ、「自分だけの秘密のメモ場所」を作ってみてください。
自己対話③ 叶える前に「ほんとうに欲しいのは何か?」を見直す
願いの奥にある、“本当の望み”は何か?
- 「復縁したい」ではなく「わかりあいたい」かもしれない。
- 「豊かになりたい」ではなく「安心したい」かもしれない。
ここをすっ飛ばして「叶えること」だけにフォーカスしてしまうと──
- 復縁できたのに、なんかモヤモヤする
- 収入は増えたけど、心は不安のまま
- 夢を叶えた場所で、地獄を味わう
というふうに、叶った後に“本当はこれじゃなかった感”が残ってしまうことがあります。
これは、願いを叶えることを目的化してしまったがゆえの「副作用」です。
本当の願いを見つけるためにおすすめなのは、「叶ったあとにどんな気持ちになりたい?」と自分に問いかけてみること。
たとえば「復縁したら、どんな表情で、どんなセリフを聞けたら嬉しい?」「お金に余裕ができたら、どんな日常を過ごしたい?」
そんなふうに、自分の“感情のゴール”を想像してみてください。
その先に見えてくるものが、あなたの“ほんとうの望み”なのかもしれません。
まとめ|願いを叶えるより前に「受け取れる私」になるために
願望実現の副作用とは、自分で自分の願いを壊してしまうこと。
その根っこには、たいてい「感情の未処理」があります。
叶える努力も素晴らしい。
でもそれと同じくらい、自分の心の準備を整えることが大切です。
どうか、願いが叶ったそのとき、ちゃんと幸せを受け取れるあなたでありますように。
そして今この記事を読んでくれているあなたが、願いを追いかける過程で「置き去りにしてきた自分の声」にも、少しずつ、耳を傾けられますように。