
「自己対話が大切」「自分と向き合うことが大事」と聞いても、実際にどう始めればいいのかわからない人は多いと思います。
ノートに書けばいいの?
自分に話しかけてみればいいの?
そもそも「自分に話しかける」って何?
自己対話という言葉を知っても、「で、具体的に何をどうやればいいの?」というところで止まってしまう方も少なくありません。
自己対話は特別な才能が必要なものではなく、誰にでもできるものですが、少しコツがあります。
この記事では、自己対話初心者の方向けに、
- 自己対話を始める前に知っておきたい基本
- 自己対話の具体的なやり方
- 自己対話を始めた時によくある悩み
などを整理しながら、自己対話の基本ステップを実践形式で解説していきます。
Contents
自己対話とは?まず知っておきたい基本
自己対話とは、自分自身とコミュニケーションを取りながら、自分の感情や本音、考え方を整理していくことです。
「本当はどうしたいのか」「なぜ苦しいのか」など、自分の内面に意識を向けながら、自分自身への理解を深めることを目的・ゴールとしています。
自己対話を行うことで
- 本音や価値観に気づきやすくなる
- 不安やストレスが減る
- 人生の選択に迷わなくなる
- 人間関係の悩みが減る
などの効果を感じることができます。
ここからは、自己対話を実際にどのように行っていくのかについて整理していきます。
自己対話の意味やメリットについて詳しくは、自己対話とは?「本音がわからない」を解消するメンタルスキルにて解説しています。
自己対話の具体的なやり方【基本3ステップ】
ここからは、自己対話を実際にどのように進めていくのかについて3ステップで整理していきます。
自己対話は、頭の中だけで考えるというより、「自分の感情や反応を観察していく作業」に近いものです。
まずは、一人になれる環境を作るところから始めていきます。
STEP1:一人になれる静かな時間を確保する
まず最初のステップとして、一人になれる静かな時間や場所を確保してください。
特に大切なのは、「精神的に一人になれること」です。
自己対話は自分自身とのコミュニケーションですが、慣れないうちは、周囲からの刺激や情報に意識が引っ張られやすく、自分の内面に集中することがなかなか難しいです。
慣れてくると、どのような環境でも自己対話しやすくなっていきますが、初心者のうちは、まず「自己対話しやすい状態を作ること」自体が大切な準備になります。
自己対話しやすい環境を探してみる
まずは、自分が自己対話しやすい環境を探してみるのがおすすめです。
自己対話しやすい環境は人によって違いますが、基本的には「精神的に一人になれること」が大切になります。
- 一人暮らしなら自宅
- 家族と暮らしているなら自室
- 車の中
- 少し雑多なカフェ
- 公園のベンチ
- 自然の多い場所
など、「少し周囲から離れて、自分に意識を向けやすい場所」を探してみてください。
また、日常の生活圏の中にいると、「家事をしなきゃ」「掃除しなきゃ」など、周囲のことに意識が引っ張られてしまう人も少なくありません。
もし条件が許すのであれば、少し気分転換も兼ねて、ホテルの一室などで自己対話の時間を取ってみるのもいいかもしれません。
また、どうにも切羽詰まっている場合は、トイレの個室の中でも構いません。
大切なのは、「どこでやるか」よりも、「少しでも自分自身に意識を向けられる状態を作ること」です。
スマホやSNSとは少し距離を置く
また、自己対話をするときは、スマホやSNSとは少し距離を置くことをおすすめします。
今は、SNSやインターネットが発達したことで、常に外側の人間や情報と繋がりやすい時代です。
通知音が鳴ったり、メッセージが来たり、スマホが手元にあるだけでも、意識が外側へ引っ張られてしまう人も少なくありません。
スマホやSNS、インターネットは、基本的には「他人と繋がるためのツール」です。
ですが、自己対話で繋がりたいのは、外側ではなく「自分自身」です。
そのため、自己対話をするときだけでも、
- スマホを別の場所に置いておく
- 通知を切る
- おやすみモードにする
など、少し外側との接続を減らしてみると、自己対話しやすくなります。
紙(ノート)とペンを用意する
また、自己対話しやすい環境づくりの最後のポイントとして、紙もしくはノートとペンを手元に置いておきましょう。
自己対話をしていると、ふと今まで気づいていなかったことや、「本当はこんなこと感じていたんだな」という感覚が浮かんでくることがあります。
ただ、そうした感覚や小さな違和感は、意外とすぐに忘れてしまいます。
そのため、綺麗にノートを書くというよりも、「今ちょっと引っかかった言葉」や「なんとなく気になった感覚」を、忘れないようにメモしておくくらいの感覚で大丈夫です。
箇条書きでも、単語だけでも構いません。
まずは、自分の中に浮かんできたものを、少しだけ掴まえておける状態を作ってみてください。
また、自己対話ノート(ジャーナリング)の具体的なやり方については、自己対話ノート(ジャーナリング)のやり方|初心者向け実践ガイドの記事でも詳しく解説しています。
STEP2:今の状況や本音について問いかける
環境が整ったら、次は自分自身に問いかけをしていきます。
自己対話は、「自分自身とのコミュニケーション」ですので、本来はシンプルなものです。
ですが私たちは、基本的には他人とのコミュニケーションが多いため、「自分自身とのコミュニケーション」については、あまり意識してこなかった人の方が多いです。
ここでは、より自己対話しやすくなる3つのポイントについて整理していきます。
自分の中にもう一人の自分がいるとイメージする
先ほどの段落でも触れた通り、私たちは普段、他人とのコミュニケーションには慣れています。
そのため、自己対話をするときは、あえて「自分を他人として配置する」と、自己対話しやすくなる人も多いです。
例えば、「自分」という他人に対して、コミュニケーションを持ちかけていくようなイメージです。
具体的には、椅子が二脚、対角線上や90度斜めに置かれていて、そこに「自分主体」と「自分という他人」が座って、対話しているような感覚に近いかもしれません。
インタビューのつもりで質問する
自己対話をするときは、自分自身にインタビューするような感覚で、質問や対話をしていくことが大切になります。
これは、テレビや雑誌などのインタビューをイメージするとわかりやすいかもしれません。
インタビューをする側は、
- 相手のことをもっと知りたい
- 相手を理解したい
- なぜそう感じたのか知りたい
という、好意的で能動的な姿勢を持ちながら、相手に質問をしていきます。
だからこそ、インタビューを受ける側も、少しずつ自分の考えや感情を話しやすくなっていきます。
一方で、自己対話を始めたばかりの頃は、自分自身への質問が、「尋問」や「取り調べ」のようになってしまう人も少なくありません。
ですが、それでは自己対話というより、「自分との敵対」になってしまいます。
自己対話では、「自分を理解したい」という姿勢で、自分自身に質問をしていくことが大切になります。
「自己否定型の自己対話」については、自己対話しているのに苦しくなる理由|“尋問型自己対話”とは?の記事でも詳しく解説しています。
内容は「自分に関すること」限定にする
自己対話をしていると、最初は自分について考えていたはずなのに、途中から話の内容が「他人」へ向かっていってしまうことも少なくありません。
例えば、
「なんであの人はいつもこうなんだろう?」
「なんでうちの会社はこんな感じなんだろう?」
など、自分以外の誰かについて考え始めてしまうことがあります。
もちろん、それも「自分が感じていること」ではあるのですが、自己対話というより、「外側について考える時間」になりやすくなります。
先ほどのインタビューの例で言うなら、本来は「インタビュー対象者」の話を聞きに来ているのに、途中から、その人の友達や会社の話ばかり聞いているような状態に近いかもしれません。
せっかく自己対話をするのであれば、自分自身の感情や価値観、本音に意識を向けていく方が、自己理解も深まりやすくなります。
STEP3:自分の反応や感情を観察する
それでは次に、STEP2で「今の状況や本音について問いかける」、つまり自分自身へ問いを投げかけた後のポイントについて整理していきます。
インタビューの例で言うなら、インタビュアーとして自分自身へ質問をした後の段階です。
ここで大切なのは、「返ってくる反応を観察すること」です。
私たちは普段、他人とのコミュニケーションに慣れているため、「言語で質問したら、言語で返ってくるもの」という前提を無意識に持っています。
ですが、自己対話では、特に初心者であるほど、「言語で質問しても、言語では返ってこない」というケースも少なくありません。
ここが、自己対話でつまずきやすいポイントの一つでもあります。
その上で、ここでは自己対話をするときに知っておきたいポイントを3つ整理していきます。
自己対話の返答は非言語が多い
自己対話を始めたばかりの頃は、言葉ではなく、「感覚」として反応が返ってくることも少なくありません。
- なんとなくモヤモヤする
- 少し苦しくなる
- 急に疲れた感じがする
- 違和感がある
- なぜか気になる
など、はっきり説明できない反応として出てくることがあります。
そのため、「綺麗な答えが出てこない=自己対話できていない」ではありません。
まずは、「今こういう反応があるんだな」と観察していくことが大切になります。
そして、そもそも何かしら反応が返ってきている時点で、自己対話自体は成立していると考えてしまって大丈夫です。
身体の感覚に意識を向ける
自己対話では、「頭の中で何を考えているか」だけではなく、身体がどう反応しているかを見ていくことも大切になります。
感情というのは、言葉になる前に、先に身体へ現れていることも少なくありません。
- 胸が重くなる
- お腹が苦しくなる
- 肩に力が入る
- 安心すると少し力が抜ける
など、身体感覚として反応が出ることがあります。
特に自己対話を始めたばかりの頃は、言葉よりも先に、こうした身体感覚の方がわかりやすい人も少なくありません。
そのため、「何を考えているか」だけではなく、「身体がどう反応しているか」にも意識を向けてみると、自分自身の感情や本音を整理しやすくなっていきます。
反応がなくても気にしない
一方で、自己対話をしても、「特に何も感じない」「よくわからない」という状態になることもあります。
もしこういったケースでも、気にしなくて大丈夫です。
これまで長い間、自分の感情や本音よりも、周囲や外側を優先する時間が長かった場合、自分自身の反応がわかりにくくなっていることもあります。
最初から綺麗な答えを出そうとするよりも、「まずは自分に意識を向ける時間を作る」くらいの感覚で続けていくことが大切になります。
継続していくうちに、自己対話することに慣れて反応がわかるようになってきますので、気長に続けてみてください。
自己対話を始めた時によくある悩み
自己対話を始めたばかりの頃は、「これで合っているのかな?」と迷うことも少なくありません。
ここでは、自己対話を始めた時によくある悩みについて整理していきます。
自己対話できてるのかわからない
自己対話を始めたばかりの頃は、「これって本当に自己対話できているのかな?」と不安になる人も少なくありません。
何をもって「自己対話ができている状態」とするのか、その基準がわからないと、自分の中でもなかなか確信を持ちにくいものですよね。
ただ「自分のことを理解したい」「自分は今どう感じているんだろう」と、自分自身へ意識を向け、コミュニケーションを取ろうとしている時点で、自己対話の土台自体はすでに始まっていると考えて大丈夫です。
※「自己対話ができている状態」の基準については、自己対話できてる?できてない?見分ける基準を解説でも詳しく解説しています。
自己対話する時間が取れない
現代は、仕事、家事、人付き合い、SNSなど、どうしても日常が慌ただしくなりやすい時代でもあります。
「ちゃんと自己対話する時間を取らなきゃ」「しっかり自分と向き合わなきゃ」と思えば思うほど、逆になかなか時間が取れなくなってしまう人も少なくありません。
このメディアを運営している「自己対話の学校」でも、「なかなか自己対話する時間が取れない」という相談は、特に最初の頃によくあります。
ですが、最初から完璧にやろうとしなくても大丈夫です。
- 仕事帰りに30分だけカフェに寄ってみる
- 移動中に少し自分へ問いかけをしてみる
- 休憩時間に、自分の感情へ意識を向けてみる
など、短い時間でも、自分自身に意識を向けることはできます。
まずは、「まとまった時間を作る」よりも、「少しだけ自分へ戻る時間を作る」くらいの感覚から始めてみてください。
ノートを書くのが苦手
人によっては、「ノートを書くのが苦手」という人もいます。
最近は、自分の内面と向き合う方法として、「ノート術」や「ジャーナリング」が広く知られるようになってきたこともあり、「自己対話=ノートを書くこと」と感じている人も少なくありません。
この記事の冒頭でも、自己対話の準備として、紙やノート、ペンを用意しておくことをご紹介しました。
ですが、自己対話というのは、必ずしも「綺麗にノートを書くこと」が目的ではありません。
どちらかというと、自分自身との対話の中で、「今ちょっと引っかかったこと」や「忘れたくない感覚」を、軽くメモしておくような感覚に近いものです。
そのため、ノート術が苦手だったり、文字を書くこと自体があまり好きではなかったりする人も、そこまで気にしなくて大丈夫です。
箇条書きでも、単語だけでも構いませんし、そもそもノートを書かずに、頭の中だけで自己対話をする人もいます。
大切なのは、「上手にノートを書くこと」よりも、自分自身に意識を向けることです。
自己対話は自分らしい人生に必須のメンタルスキル
ここまで、自己対話をこれから始める人に向けて、どのようなステップで自分自身とコミュニケーションを取っていけばいいのかについてご紹介してきました。
私たちは普段、他者とのコミュニケーションを通して、相互理解を深めています。
相手に質問をし、相手の話を聞き、少しずつ相手のことを理解していく。
もちろん、それらはとても大切なスキルです。
ですがその一方で、一番近くにいる「自分自身」とのコミュニケーションや、自分自身を理解することを、うっかり後回しにしてしまうことも少なくありません。
自己対話は、自分自身とのコミュニケーションを通して、自己理解を深めていくための時間でもあります。
「自分は本当はどうしたいのか」「どんな人生だったら、自分は満足できるのか」。
そうした感覚を、少しずつ整理していくためにも、まずは気軽に自己対話を始めてみてください。