
受け取り上手な女性は愛される──そんな言葉を聞いたことはありませんか?
たしかに、恋愛やパートナーシップにおいて“受け取る力”は大切です。
でも、「受け取り上手」とは、何でもかんでも甘えたり、ただ待っていれば愛されるということではありません。
むしろ、受け取り方を間違えてしまうと、愛が続かないどころか、関係性を壊してしまうこともあるのです。
このコラムでは、「受け取り上手」に関するよくある誤解をひもときながら、“本当の意味で受け取り上手になって、深く愛される女性”へと変化していく3つの視点をお伝えします。
Contents
「受け取り上手な女性は愛される」に潜む誤解
“受け取ること”をポジティブに捉えようという流れは、ここ数年でぐっと広がりました。
でも一方で、その意味を履き違えてしまい、逆に「受け取り下手」になってしまっている人も少なくありません。
ここでは、多くの女性が無意識に陥りやすい5つの誤解を見ていきましょう。
誤解①:受け取り上手な女性≠なんでももらう人
もらえるものは全部もらっておいたほうがいい
そんなふうに、“受け取り”を“奪う”ように捉えてしまうケースがあります。
本来の“受け取る”とは、選び取る行為であり、なんでもかんでも受け取る姿勢とは異なります。
でもこの誤解があると、「甘え」や「依存」と混同されてしまい、結果的に相手との関係性が不安定になってしまうのです。
誤解②:「受け取り上手」=受け身でいるだけでいい
女性は動かずに待つもの
選ばれるのを待つのが美徳
そうした古いイメージにとらわれると、「受け取り=何もしないこと」と誤解してしまうことがあります。
けれど、本当の受け取りとは“受動性”だけではなく、“主体的な選択”が伴うもの。
ただ待っているだけでは、愛は届きにくくなってしまいます。
誤解③:「ありがとう」と言えば受け取り上手になれる
「ありがとう」と言えば、何でも気持ちよく受け取っているように見える。
でもその言葉の裏に「申し訳なさ」や「罪悪感」があると、本当の意味では“受け取れていない”ことも。
この誤解があると、「感謝さえ伝えればOK」と、心のプロセスを飛ばしてしまう傾向があります。
誤解④:頑張ったご褒美として受け取るのが正しい
努力した分だけ報われるはず
そんな“条件付きの愛”の受け取り方が、無意識に刷り込まれていることがあります。
この誤解に陥ると、「頑張らないと受け取れない」「尽くしたぶん愛されるはず」と、見返りを求める前提での関係性を築いてしまいやすくなります。
誤解⑤:「受け取り上手になれば愛は手に入る」という思い込み
「こうすれば愛される」という“受け取りのテクニック”を身につけようとする人もいます。
でも、愛は操作するものではなく、共に育むもの。
この誤解があると、受け取りそのものが“手段化”されてしまい、関係性の土台が崩れやすくなってしまいます。
なぜ“受け取り上手”は誤解されやすいのか?
「女性は受け取る存在」──そんな言葉をよく耳にするようになりました。
恋愛でも、自己啓発でも、スピリチュアルでも、「女性性を開く」「受け取ることで愛される」といったメッセージが飛び交っています。
たしかに、“受け取る力”はとても大切な資質です。
でも実は、この「受け取り」こそ、最も誤解されやすく、混乱が起きやすいテーマのひとつでもあるのです。
その背景には、「受け取り方にも種類がある」という視点が抜けていることがあります。
多くの発信では、「受け取り=女性性」とだけ語られていて、その“受け取り”がどんな質を持っているのか、どんな前提から生まれているのかが、あまり明確にされていません。
その結果、発信する側も、受け取る側も、
- とにかく受け取ればいい
- 何もしないほうがいい
- ありがとうと言えば受け取り完了
- といったように、形だけの“受け取り”を正解だと信じてしまいやすくなるのです。
けれど、本当の意味で愛され続ける「受け取り上手」になるには、ただ受け取るだけではなく、“どのように、どんな感性で、何を受け取っているか”が問われます。
受け取り方にも質の違いがあり、それは関係性の継続性や深さに大きく影響してくるからです。
とはいえ、ここまで聞いてもまだ
じゃあどういう違いがあるの?
と感じるかもしれません。
では次に、よく混同されがちな“2つの受け取り方”の違いを、もう少し詳しく見ていきましょう。
愛されるが継続が難しい“女児性”の特徴
“女児性”とは、いわば「幼稚園くらいの女の子」のような心のイメージ。
「何が欲しいか自分ではよくわかってない」けど、「愛されたい、見ててほしい、何かちょうだい、でも気に入らなければ拒否」そんな“幼い受け取り方”です。
小さい女の子って、たしかに可愛い。
だからつい「はい、これあげるよ」ってアメちゃんを差し出したくなるような雰囲気もあるけれど──その受け取り方は、“長く愛される”には不安定なんです。
とにかく「欲しい」「愛されたい」が前提になっていて、「これが欲しい」「これはいらない」といった選ぶ感性や責任が育っていない。
だから、相手にとってはだんだんと疲れてしまう関係になりやすいのです。
女児性の“受け取り方”の特徴
- 「何が欲しいか」は自覚していないけど、とにかく何か欲しい
- 「なんでもちょうだい」「でも気に入らなければ不機嫌」
- 「自分の気分がすべて」=一貫性や感性の軸が育っていない
- 「とにかく愛されたい」「ずっと見てて」「何でも受け入れて」
- 愛を受け取ることで「安心」を埋めようとする
愛され続ける“女性性”の特徴
“女性性”とは、成熟した愛の感性。
その受け取り方は、静かで穏やかで、けれど確かな自覚と信頼に支えられています。
「私はこれが好き」「これはいらない」そんなふうに、自分の内側に明確な基準があり、欲しいものも、そうでないものも、ちゃんと自分でわかっている。
でもそれを「ちょうだい」「これが欲しいの」と、要求のかたちで誰かにぶつけることはありません。
なぜなら、欲しいものは知っているけれど、「誰かに満たしてもらわなければならない」とは思っていないから。
むしろ、
私はこういうものが好きなの
と、ただ静かに提示しておく。
その“あり方”そのものに魅力があって、結果的に「それをあげたい」「この人に喜んでほしい」と思わせてしまう、そんな受け取り方です。
気分は穏やかで安定していて、誰かに何かを激しく求めることもない。
それでいて、相手が何を望んでいるかにも自然と気づくから、与えることもできる。
だからこそ、その人のそばにいると、安心感や受け入れられている感じが伝わるのです。
女性性の“受け取り方”の特徴
- 欲しいものは自覚しているが、押しつけたり要求したりしない
- 必要なものを静かに提示するだけで、「もらう前提」ではない
- 自分の感性に沿って選び、自分のペースで受け取ることができる
- 相手の欲しさにも自然と気づき、無理なく与えることができる
- その“存在”が、そばにいるだけで安心感や信頼を与える
女児性と女性性の比較
ここまで見てきたように、「女児性」と「女性性」では、受け取り方の質がまったく異なります。
でも、実際の日常ではこの違いが混ざり合っていて、自分では気づきにくいことも多いんです。
そこで今回は、2つの在り方を対比して整理してみましょう。
比べてみることで、それぞれの特徴がよりクリアに見えてきます。
たとえば、関係性の構造でいうと女児性が強い受け取り方は、無意識に“父と娘”のような構図をつくりがち。
「守ってほしい」「与えてほしい」と願い、愛をくれる存在に甘える構造です。
一方、女性性が育っていると、“男と女”という対等なパートナーシップが築かれやすくなります。
「私はこう思う、あなたはどう?」という対話と選択があり、愛を“共に育てる”関係になります。
また、態度として現れる「受け取り方」や、「与えてもらえなかったときの反応」、そして何より「与える側がどう感じるか」にも、大きな違いが現れます。
女児から女性に成長するステップ
では、どうすれば“女児性”から“女性性”へと移行できるのでしょうか?
今までの「なんでも欲しい」「どうしてくれないの?」という姿勢から、「これは欲しい」「これはいらない」「ありがとう、嬉しい」と選び取る在り方へ──。
それは、ほんの少しの気づきと、小さな練習の積み重ねで育まれていきます。
ここでは、“本当の受け取り上手”になるための3つのステップをご紹介します。
ひとつずつ、あなたのペースで丁寧に試してみてください。
① 自分の“本当の願い”を知る
まず最初に必要なのは、「私は何が欲しいのか?」という問いを持つことです。
女児性のままでは、「とにかく何か欲しい」「愛されたい」「満たされたい」という曖昧な欲求のままで、
本当に必要なものが見えにくくなってしまいます。
だからこそ、ここで立ち止まってみましょう。
私は、どんなふうに愛されたかったんだろう?
どんな言葉に嬉しさを感じる?
どんな関わり方が、安心する?
自分の“本音”を知ることは、最初はちょっと怖いかもしれません。
でも、それが見えてくると、受け取り方はぐっと変わっていきます。
願いを知ること。それが、成熟の第一歩です。
② 欲しいものを言葉にして伝える練習をする
欲しいものがわかったら、今度はちゃんと伝えないとね!
……そう言われても、実際にはすごく勇気がいりますよね。
わがままだと思われたらどうしよう。
重たいって思われたらイヤだな。
そんな気持ちが先に出てきて、つい黙ってしまう人も多いのではないでしょうか。
でも実は、「伝えること」は“押しつけること”ではありません。
NOを伝えることも、YESを伝えることも、どちらも「私はこうなんだ」と表明する、成熟した対話の一歩です。
私、こういうの嬉しいな
それはちょっと苦手かも
そうやって、小さなことから自分の感覚を言葉にしてみる。
それは、あなたの感性を大切にする練習でもあり、相手と丁寧に愛を育てていくための、土台づくりでもあるのです。
③ 愛されることへの罪悪感や“見返り意識”を手放す
受け取りにくさの根底にあるもの──それは、「私なんかが受け取っていいの?」という罪悪感や、「何か返さなきゃ申し訳ない」という“見返り意識”だったりします。
でも、よく思い出してみてください。
あなたが誰かに何かをあげた時、必ず見返りを求めましたか?
喜んでくれたら嬉しいな
その人の笑顔が見たいな
そんな純粋な気持ちで渡していたこと、あるんじゃないでしょうか。
愛も同じです。
“頑張ったご褒美”としてではなく、“今ここにいるあなた”だからこそ、もう受け取っていい。愛されていい。
自分にその許可を出すこと。
それが、本当の“受け取り上手”への扉を開くカギになります。
あなたが変わると、パートナーも変わるかも?
ここまで読んで、
私、ちょっと女児だったかも…
と感じたあなたへ。
もし今、付き合っている相手や気になる人がいて、
その人の“与え方”にイライラしたり、「なんか違うんだよね…」と感じているなら、それは実は、「女児と男児」のペアになっているのかもしれません。
恋愛相談を受けていても、パートナーへの不満を聞いていると、不思議と相手にも“幼さ”が見えることがよくあります。
たとえば、男児って「与えたい気持ち」はあるんです。
でもその与え方が、ちっちゃい男の子が「先生、見て見て〜!」と虫を差し出してくるような……
そんな「悪気はないのだろうけど、なんか嫌」っていう感じだったりするんですよね(笑)
つまり、女児と男児はセットになりやすいんです。
だからもし、あなたが「私が女児かも」と気づいたときは、無理に相手を変えようとする前に、まずは自分が“女性”として受け取る側に変わってみてください。
そうすると不思議と、相手も男児から「男性」へと引っ張られていくことがあります。
「与えるって、こういうことなんだ」って、学び直してくれるようになるんです。
自分の変化が、相手の変化につながる。
このパートナーシップの魔法、ちょっと楽しんでみてくださいね。
まとめ|“選んで受け取る”ことが、愛され上手の鍵
「受け取り上手な女性は、愛される」──この言葉の本当の意味は、「なんでももらう」「甘える」ことではありません。
自分の内側にちゃんと軸があって、「私はこれが好き」「これが欲しい」と自覚できて、そのうえで静かに提示して、必要なものを選んで受け取る。
その“感性と責任のある受け取り”が、愛される人の在り方なのです。
誰かの与えてくれたものを、「ありがとう」と穏やかに受け取れること。
でも、いらないものには無理をせず、ちゃんとNOを言えること。
それはまさに、「女児性から女性性へ」成長した姿なのかもしれません。
あなたのその“選ぶ力”と“受け取る力”は、相手との関係をただの一方向の愛から、「共に育てる愛」へと変えていくはずです。
あなたは今、どんな受け取り方をしていますか?
ただなんとなくもらってる?
それとも、自分の感性で、選んで受け取ってる?
今この瞬間からでも、愛され上手の扉は、あなたの前に開いています。