
もっと自分らしく生きたい
私らしさを生かして、私にしかできないことを仕事にしたい
自分らしさを愛してくれる人と一緒になりたい
そう願う瞬間は、誰にでもあると思います。
“誰でもいい”ではなく“あなただから”と選ばれるとき、自分らしさに光を当ててもらえるとき、そこには大きな満足感や安心感が生まれます。
人間の根源的な欲望として、自分らしさを活かしたいという気持ちは確かに存在します。
さらに今は、社会全体の流れとしても「個性」や「多様性」に光が当たるようになり、「自分らしさ」という言葉が時代のキーワードになっています。
ただ、その一方で——
あなたの自分らしさとは何ですか?
と問われたとき、はっきりと言葉にできる人はそれほど多くありません。
自分らしさが良きものとして注目される時代でありながら、その定義がまだ曖昧なまま。
ちょうどその過渡期に立ちすくんで、戸惑いを抱える人も多いのではないでしょうか。
Contents
自分らしさとは何か
ではまず、自分らしさとは何なのかについて考えてみましょう。
もちろん、辞書的に明確な定義があるわけではありません。
ただ、私は長年にわたって女性から人生相談を受けてきて、その中で
もっと自分らしい人生を歩んでいきたい!
という声をたくさん聞いてきました。
そうした経験から考えると、自分らしさとは次のように言えると思います。
まず、自分らしさは「自分という輪郭をきちんと捉えること」から始まります。
自分がどんな感覚を持ち、どんな価値観を大事にし、何に心地よさや違和感を覚えるのか――この輪郭が見えていなければ「らしさ」を語ることはできません。
そのうえで、自分が感じていること・考えていること・選んでいる行動が一本の線でつながり、不一致のない状態であるとき、人は自分らしくいられると実感できます。
- 悲しいのに笑う
- 繊細なのに周囲に合わせてガサツに振る舞う
- 嫌なことをされているのに表情に出さない
そんなズレが少なく、内側と外側が響き合っている状態こそが「自分らしさ」の本質なのです。
自分らしさがわからないと人生が停滞する
かつては「幸せのフォーマット」が社会に用意されていました。
昭和の頃であれば、大学を出て企業に就職し、20代後半で結婚して子どもを育て、郊外に一軒家を持つ——そんなモデルケースに沿えば「自分の人生は順調だ」と安心できたのです。
フォーマットがある分、同調圧力もありましたが、逆に言えば「自分らしさ」を深く考えなくても、ベルトコンベアのように流れに乗れてしまう時代でもありました。
けれど今は違います。
社会全体が多様性を歓迎し、「自分らしさを大切に」という言葉が当たり前になったからこそ、自分らしさが見えていない人にとってはむしろ生きにくい時代になりました。
かつてのような「誰もが安心できる人生の型」がなくなった分、自分の軸が見つからないと足が止まりやすいのです。
その結果、自分らしさがわからない人はキャリアでも人間関係でも選択に迷い、人生が停滞しやすくなります。
次の章では、具体的にどんな場面で停滞が起きるのかを見ていきましょう。
「自分探し」の本当の意味とは?──“見つける”より、“思い出す”ための旅
1.恋愛・婚活・結婚が停滞する
自分らしさがわからないと、恋愛や結婚においても迷いが生まれます。
どんな人となら満足できる人生を送れるのか
自分は本当に結婚したいのか
望むとしたら今なのか、もう少し先なのか」
こうした問いに答えが出せないからです。
私が運営する脳トレカレッジ(自己対話の学校)でも、「結婚したいのに結婚できない」という相談は最も多いテーマのひとつです。
婚活に一生懸命取り組んでいる人ほど、自分の輪郭がつかめていないために方向が定まらず、活動だけが空回りしてしまい、疲れ切ってしまうケースが少なくありません。
>>>婚活については別の記事でも詳しくまとめているので、あわせて参考にしてください。
2.仕事・キャリアが停滞する
自分らしさがわからないと、仕事やキャリアの選択でも迷いが生まれます。
仕事に対するこだわりが少なく「生活に必要な収入さえ得られれば十分」と考える人なら大きな問題にはなりにくいかもしれません。
けれども、
自分らしさを生かして収入につなげたい
自分にしかできないことで社会に貢献したい
と願う人にとっては、自分という軸が見えていなければ満足のいく仕事を選べないのです。
とくに近年は「好きなことを仕事にしよう」「自分らしい働き方を」という風潮が強まり、副業やパラレルキャリアを推奨する企業も増えてきました。
自分らしさを仕事に活かすチャンスは広がりましたが、その一方で「誰にでもできる仕事」に気持ちが乗らなくなる人も増えています。
だからこそ、自分らしさを理解しているかどうかが、仕事の充実度やキャリアの方向性に直結するのです。
3.人間関係・家庭が停滞する
自分らしさがわからないと、人間関係や家庭の中でも迷いが生まれます。
相手にどう見られているかを基準にして動きすぎると、自分の気持ちよりも「相手軸」で選択してしまい、結果的に疲れやすくなるのです。
- 友人関係では、なんとなく周囲に合わせるばかりで「本当は一緒にいて心地よい人」がわからなくなる。
- 家庭では、親やパートナーに対して「期待される役割」を演じ続けるあまり、素の自分を出せなくなる。
そうやって不一致が積み重なると、人間関係の中で自分を見失い、孤独感や満たされなさにつながっていきます。
人との関わりは生きていくうえで欠かせないものだからこそ、自分らしさを見失っていると関係そのものが停滞しやすいのです。
友達とうまくいかないのは、“変わりたい自分”のサインかもしれない
自分らしさを見つける3つの方法
自分らしさは、考えているだけではなかなか見えてきません。
けれども、自分のこれまでの歩みを丁寧に振り返ると、自然に浮かび上がってくるものがあります。
ここでは、誰でも取り組みやすい3つの方法を紹介します。
方法1:自分年表を書く
子ども時代から現在までを振り返り、出来事や印象に残っていることを年表にまとめてみましょう。
楽しかったこと・辛かったこと・頑張ったことなどを並べると、「自分が大切にしてきたもの」や「繰り返し現れているパターン」が見えてきます。
時間の流れの中で自分を整理すると、一貫している部分と隠れてきた部分がわかりやすくなります。
方法2:直せと言われたことを洗い出す
子どもの頃や学生時代に、周囲から
あなた、その癖やめなさい。直しなさい。ちゃんとしなさい。
と注意されたことはありませんか?
遅刻癖・空想癖・おしゃべりすぎる性格など、社会生活ではマイナスに見える特徴も、裏を返せば「自分らしさの尖り」だった可能性があります。
本来の自分の芽が強く出ていたからこそ矯正されやすかったのだと考えると、その尖りは大切な手がかりになります。
方法3:やめられないこと・気づけば続いていることを探す
「やめた方がいい」と思ってもなぜか続いてしまうこと、特に望んでいないのに気づけば自分の手元に回ってくる役割はありませんか?
- 毎回学級委員長を任される
- 仕事で自然とリーダー役になる
- 気づけば絵を描いている
こうした“無意識ににじみ出る行動や役割”は、自分の資質が強く反映されている部分です。
自覚がなくても続いていることには、本来の自分らしさが現れているのです。
この3つを試すことで、過去・他者からの指摘・無意識の行動という3つの角度から、自分らしさの輪郭を立体的に捉えることができます。
自分らしさを育て続けるために
自分らしさは、一度見つけたら終わりというものではありません。
むしろ人との関わりや環境とのやり取りの中で、何度も磨かれていくものです。
安心できる場所に身を置いたり、本音を語れる相手と対話したりすることで、自分らしさはより鮮明に立ち上がってきます。
逆に、過度に抑圧される環境にいると、自分らしさは曇りやすくなります。
だからこそ「どんな環境を選ぶか」「誰と対話を重ねるか」は、自分らしさを育てるうえで欠かせない要素です。
そして大切なのは、自分らしさは固定された答えではなく、常に進化し続けるものだということ。
過去の自分が大切にしていたものと、今の自分が大切にしているものが違っていても不思議ではありません。
むしろその変化こそが「自分らしさの成長」だといえるでしょう。
つまり、自分らしさを探すプロセスは一度きりではなく、人生を通じて何度も続いていく探求なのです。
日々の選択や人との関わりを通して、自分らしさを少しずつ更新していきましょう。
まとめ|“自分らしさ”の源泉は、自分との再会にある
これまで、自分らしさを見つけるためのアプローチをいくつか紹介してきました。
けれども結局のところ、自分らしさの源泉は「自分」という存在そのものにあります。
自分の感情や価値観に丁寧に耳を澄ませ、深く知っていくこと。
そのうえで、自分が本当に満たされる選択を少しずつ重ねていくこと。
その積み重ねの中でこそ、「これが自分らしい」と自然に言える人生が形づくられていきます。
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