
なんだかモヤモヤするけれど、どうしたいのかは自分でもよくわからない
本当の気持ちが見えなくて、動きたくても動けない
そんなふうに、自分の“気持ち・感情”との距離感に悩む瞬間はありませんか?
これは決して特別なことではなく、誰にでも起こりうるごく自然な状態です。
ただ、それが続いてしまうと、恋愛や仕事、人生の選択に迷いが生まれたり、どこかで「本当の自分を生きていない」と感じてしまうこともあるでしょう。
その背景には、「感じる力=女性性」とのつながりが薄れているサインが隠れているのかもしれません。
今回のコラムでは、「自分の気持ちがわからない」という状態を、感情・女性性・内なる感受性という観点から優しくひも解いていきます。
忘れてしまった「感じること」の感覚を少しずつ取り戻しながら、今のあなたがもう一度、自分らしい人生の舵を取っていけるように解説していきますね。
Contents
パートナーシップの鍵、「女性性」と「男性性」とは?
恋愛や結婚、あるいは人間関係のなかで「なんとなくうまくいかない」「自分らしさがわからない」と感じることはありませんか?
その背景には、実は“女性性と男性性のバランスの乱れが関係していることが多くあります。
これはスピリチュアルな話ではなく、私たちの心のエネルギー構造としてごく自然な現象です。
そしてこの「女性性」と「男性性」というキーワードは、パートナーシップだけでなく、“自分自身とどう向き合うか”というテーマにも深く関わっているのです。
たとえば──
- 頭では「こうした方がいい」と分かっているのに、心がついてこない
- 未来を選びたいのに、自分の気持ちがわからず動けない
- もっと感情を大切にしたいのに、感情自体が感じられない
こういった葛藤は、まさに女性性とのつながりが一時的に弱まっているサインかもしれません。
では、そもそも──「女性性」と「男性性」とは、何なのでしょうか?
まずはその定義から、やさしくひも解いていきましょう。
女性性とは?
「女性性」とは、いわゆる“女性っぽさ”や“おしとやかさ”のことではありません。
それはもっと根源的で本質的なもの。性別に関係なく、すべての人が持っている内的エネルギーのひとつです。
女性性には、以下のような要素が含まれます。
- 感じる力:感情・感覚・直感など、内側から湧き上がるものをキャッチする力
- 受け取る力:自分の内なる声や、他者からの愛や好意を素直に受け入れること
- 育む力:共感・共鳴・癒し・受容など、命や関係性をあたためるエネルギー
- 待つ力:焦らず流れを信じて、自然に任せる余白や信頼の姿勢
つまり、「自分の気持ちを感じて受け入れ、内側から生きる力」のこと。
この力が発揮されているとき、私たちは無理に頑張らなくても、自然体で満たされるような感覚を得られるのです。
男性性とは?
一方で、「男性性」はどうでしょうか?
女性性が“感じる・受け取る”エネルギーだとしたら、男性性は“決めて・動かす”エネルギー。
こちらも性別に関係なく、すべての人に存在します。
男性性には、以下のような側面があります。
- 目的を持って進む力:論理的に計画を立て、結果を出すために行動する
- 守る力:外からの刺激や攻撃から、大切なものを守ろうとする姿勢
- 判断する力:白黒をつけたり、YES/NOを明確にしたりする強さ
- 行動する力:考えるだけでなく、実際に外の世界に働きかける力
この「男性性」があるからこそ、私たちは現実を動かし、変化を起こし、夢を叶えることができます。
ただし──男性性ばかりが優位になると、「自分の本音」や「感情の繊細なサイン」が置き去りにされやすくなるのです。
女性性は「感情を感じる力」そのもの
あなたは最近、どれくらい“自分の気持ち”を感じていますか?
本来、人は誰しもが「感じる力」を持って生まれてきます。
子どもたちを見ているとわかりやすいですよね。
- 今日の給食イヤだった~
- 今すっごく眠いから話しかけないで
- 早く公園行きたい!
彼らは、何かを感じたらすぐに反応します。言葉になる前の“気配”や“エネルギー”に対して、とても敏感で素直です。
これはまさに、女性性のアンテナがフル稼働している状態。
頭で考える前に、体と心が「今、こう感じてるよ」と教えてくれる。
物理的な体の性別が男児である、女児である、に関わらず、自分の感覚に対して、ちゃんと開いている状態です。
でも──
大人になるにつれ、私たちは少しずつこのアンテナを閉じてしまうようになります。
- そんなことで泣かないの
- 気にしすぎ。スルースルー
- まずはちゃんと考えてから話して
“感じる”よりも“考える”を優先することが求められる場面が増えていく中で、私たちは次第にこう思うようになるのです。
この気持ち、言っても意味がないんじゃないか
感じてしまうと、めんどくさいことになる
どうせ否定されるなら、最初から感じないようにしよう
それが何年も、何十年も積み重なった結果──
「自分の気持ちがわからない」という感覚が、“ふつう”になってしまうのです。
これは、決してあなたが鈍いわけでも、欠けているわけでもありません。
ただ、女性性のアンテナが眠っているだけ。
つまり、「感情をキャッチする機能」が、一時的にオフになっているだけなんです。
では、なぜ私たちはそのアンテナを眠らせてしまうのでしょうか?
ここからは、その理由を3つに分けて、丁寧に見ていきましょう。
女性性が眠ってしまう3つの理由
私たちの“感じる力”は、意識的に失われていったわけではありません。
それは多くの場合、自分を守るために、無意識に手放してしまったものです。
ここでは、感情のアンテナ=女性性が眠ってしまった背景を、3つのパターンに分類してみます。
① 大きすぎる感情を受け止めきれず、スイッチを切った
自己防衛としての女性性シャットダウン
これは、過去にとても強烈な感情体験があった方によく見られるパターンです。
たとえば──
- 信じていた人に裏切られた
- 誰にも助けてもらえず、孤独や絶望を感じた
- 子ども時代に、愛されるはずの相手から心を傷つけられた
そんな経験をしたとき、心は「これ以上感じてしまったら壊れてしまう」と判断し、感情のスイッチを自ら切るという選択をすることがあります。
これは、まるで5Gのデータ通信が一気に流れ込んできて、オーバーヒート寸前のスマホを、一時停止モードに切り替えるような感覚。
本来なら、流していいはずの感情が、処理しきれずに「凍結」されてしまうのです。
そのまま何年も経ってしまうと、「感じない自分」が“ふつう”になってしまう。
けれど、本当は──
あなたの中には今もなお、当時“感じきれなかった気持ち”がそっと横たわっているのです。
② 感情や感覚を否定され、自分の内なる声を信じられなくなった
「感じること」に意味を見出せなくなった
このパターンの方は、育った環境の中で「感じたことを伝えると否定される」経験を繰り返してきたことが多いです。
- こんなのが好きなの?
- そんなこと考えるなんて、おかしい
- わがまま言わないで
こうした言葉が積み重なると、人は次第に「どうせ私の感情なんて誰にも伝わらない」と思うようになります。
その結果──
- 感じても意味がない
- 感じると傷つくだけ
- 感じたら否定される
という“感情=リスク”という構造が心の中にできてしまうのです。
するとどうなるか?
自分のセンサー自体を「使わなくなる」ようになります。
まるで、眼鏡をかければ見えるのに、「見たくない」と思ってあえて視力を使わないようにする、そんな状態です。
③ 感受性が強すぎて、遮断するしかなかった
(繊細さゆえの“麻痺”という才能の裏返し)
3つ目は、感受性の高さが逆に自分を追い詰めてしまったパターンです。
これはHSP(Highly Sensitive Person)やエンパス気質の方に多く見られます。
- 空気の変化に敏感すぎる
- 他人の気持ちが流れ込んできてしまう
- 相手の“言わないこと”まで察してしまう
まるで、ノイズの多い都会の交差点で、超高性能マイクを手にしているような感覚。
聞きたくない音まで全部拾ってしまって、脳と心がいつもパンパン。
だからこそ──
もう無理だ…遮断しよう
そうやって、心のセンサーに“耳栓”をはめるしかなかった。
でも、その耳栓を長くつけすぎていると、いつの間にか「これが自分の正常なんだ」と思い込んでしまうのです。
「女性性を取り戻す」とは、感情との再接続
女性性を取り戻すとは、突き詰めれば**「自分の感情との再接続」**にほかなりません。
- 忘れてしまった感情を思い出すこと。
- 感じることにブレーキをかけていた自分に、もう一度許可を与えること。
- 「本当はどうしたかったのか」「今、何を感じているのか」に気づいてあげること。
でもそれは、決して大げさで劇的なプロセスではありません。
日々のほんの小さな気づきや、感情の“つぶやき”に耳を傾けるだけでいいのです。
今日はちょっと悲しい気分かも
なんかザワザワするな
この香り、すごく落ち着く
あの言葉、ほんとはちょっと傷ついた
こうした“かすかな感情”に気づいてあげることは、あなたの内なる女性性にとっての「目覚まし時計」のようなもの。
感情は、甘えでもわがままでもなく、あなたの内側にある“命のセンサー”。
このセンサーを感じ取ることをやめてしまったら、どんなに素晴らしい選択肢が目の前にあっても、私たちは動けません。
つまり、自分の感情とつながることは、自分の人生の舵を、もう一度自分の手に取り戻すことでもあるのです。
女性性を開き、感情と調和するための3ステップ
ではここからは、具体的に「女性性と感情を調和させていくステップ」をご紹介していきます。
「感じることを止めてしまった」「感情がわからない」という状態から、少しずつでも“感じていい私”へと戻っていくためのプロセスを、3段階に分けてお伝えしますね。
STEP1|封印した感情に、そっと触れてみる(過去の「感じられなかった私」に寄り添う)
まず最初のステップは、過去に切ってしまった感情との再会です。
思い出すだけで辛かった出来事。
そのとき感じきれなかった怒り、悲しみ、悔しさ、怖さ。
まるで「凍結保存」されたままのように、どこかに置き去りになっている感情たち。
それらをいきなり全部感じようとするのではなく、
“今のあなた”がそっと手を差し伸べるような気持ちで、ほんの少しずつ思い出してみてください。
- あのとき、ほんとはすごく怒ってた。
- あの瞬間、ものすごく寂しかった。
- 誰にも言えなかったけど、すごく悔しかった。
この“あのとき本当は感じたかった気持ち”にそっと触れることが、女性性を目覚めさせる大切な儀式になります。
泣かなくてもいい。言葉にできなくてもいい。
ただ、「私、あのときすごく…〇〇だったんだ」と心の中でつぶやくだけで、閉じられていた感情の扉が少しずつ開いていきます。
STEP2|否定せず、ただ観察する(「自分の中にいる“小さな感情の主”と対話する」)
次のステップは、今この瞬間に感じている感情を、否定せず観察することです。
女性性は“感じる存在”ですが、現代社会の中では「その感情は適切かどうか?」をすぐに判断されがちです。
でも、感情は“適切かどうか”ではなく、湧いてきた時点で、もうすでに“ある”ものなんです。
- なんでこんなに不安になるんだろう…
- こんなことでイライラしちゃうなんて
- まだ引きずってるなんて、ダメな私…
こんなふうに“ジャッジの声”が湧いてきたときは、
その奥にいる“小さな感情の主”に目を向けてみてください。
たとえば
ちょっと不安なんだね。大丈夫だよ、今ここにいるよ
怒ってるんだね。わかってるよ、その気持ち
寂しいんだね。ちゃんと感じてあげるからね
自分の中の感情に“名前をつけて声をかけてあげる”だけでも、女性性は安心してまた動き始めます。
STEP3|繊細さを“才能”として扱う練習(女性性を怖れず、丁寧に育て直す)
そして最後のステップは、あなたの繊細さを“才能”として受け入れること。
これまで「感情が多すぎてしんどい」「敏感すぎて疲れる」と思っていたその特性は、見方を変えれば“女性性が豊かな証拠”です。
でも、使いこなせなければ、まるで火力の強すぎるコンロのように、自分を焦がしてしまうこともあります。
だからこそ──
- 自分にとって安心できる場所や人間関係をつくること
- 刺激を受けすぎたときは“感情の足湯”でデトックスすること
- 他人の感情と自分の感情を“仕分け”する習慣をもつこと
これらを通して、自分の感受性に主導権を取り戻していくことがとても大切です。
繊細さは、適切に扱えば人を癒し、未来を感じ取り、愛を深く味わえる力になります。
あなたの中の“繊細なアンテナ”は、きっとこれからも多くの人や出来事を照らしていくはずです。
まとめ|女性性が目覚めると、感情が動き出す
私たちは「感情がわからない」と感じたとき、つい「私には感じる力がないんだ」「どこか欠けているんじゃないか」と、自分を責めてしまいがちです。
でも、今日お伝えしたように、それは違います。
感情を感じられないのは、あなたの女性性が壊れているのではなく、ただ“眠っている”だけ。
そしてその眠りには、必ず「理由」があります。
それはきっと──
- あまりにも感情が強すぎて、自分を守るためにスイッチを切った過去
- 感情を否定され続け、「感じる意味なんてない」と思い込んでしまった日々
- 周囲の刺激を拾いすぎて、感覚を遮断せざるを得なかった繊細なあなたの感性
どれも、“感じる”ことを一度やめた理由として、ものすごく正当で、愛しい防衛反応だったのです。
でも、今のあなたは、もうその防衛を“すこしずつ”解いていける。
子どものころよりも、心の器はずっと大きくなっている。
ひとりじゃないと知っている。
そして「感じても、もう壊れない」と思える自分が、どこかにちゃんと育ってきている。
だからこそ今、もう一度、自分の感情と手をつなぐときです。
「わからない」から、「感じてもいい」へ。
「怖い」から、「少しずつなら向き合えるかも」へ。
その一歩一歩が、あなたの中に眠っていた女性性の再誕=“命の再起動”に繋がっていきます。
そして不思議なことに、自分の感情とつながるほどに、他者との関係性も、人生全体も自然と動き出すようになります。
なぜなら、外の世界と結ばれる前に、まず自分の内側と結ばれることこそが、本当のパートナーシップの始まりだからです。