あの人、絶対おかしいよね?
いつも自分が正しいみたいな感じで、え?私が間違ってるの?
自分が正しいと思っている人と関わっていると、会話をしているだけなのに、こちらの感覚が少しずつ削られていきますよね。
職場関係であれ、友人関係であれ、家族であれ、常に自分が正しくて周りが間違っているといった圧を醸し出してくる人との関係はとても疲れるものです。
この記事では、自分が正しいと思っている人の末路や、そのような状態になってしまう相手の心理背景と付き合いの仕方について解説していきます。
Contents
- 自分が正しいと思っている人の末路は孤立
- 自分が正しいと思っている人の心理背景
- 1. メタ認知能力が不足している
- 2. 自己防衛が強く働いている
- 3. 自己肯定感が低い
- 4. 劣等感が強い
- 5. 承認欲求が過度に強い
- 6. 権力や立場に同一化している
- 7. 感情コントロールが苦手
- なぜそうなった?今の相手が形成される過程
- 1. 成果至上主義の環境で育った
- 2. 過去の成功体験が大きい
- 3. 心のエネルギーが落ちている
- 自分が正しいと思っている人との付き合い方
- 1. 正論で言い負かさない、論破しない
- 2. 会話では傾聴を心がける
- 3. 目的や事実に話を戻す
- 4. 心の境界線をしっかり引く
- 5. 相手の弱点を刺激しない
- 6. 相手の柔らかい部分にフォーカスする
- 「自分が正しいと思っている人はめんどくさい!」と思っていい
自分が正しいと思っている人の末路は孤立
いつも自分が正しいような態度ばかり取っている人に対して、「この人はそのうちどうなるのだろう」と感じたことがある人もいるでしょう。
自分が正しいと思い続ける人の末路は、派手な天罰や突然の破滅というより、もっと静かなものです。
多くの場合、周囲の人が少しずつ本音を言わなくなり、相談しなくなり、期待しなくなり、いつの間にか孤立していく…。
職場では、大切な相談や判断を任されにくくなります。
夫婦や恋人などのパートナーシップでは、相手が安心して本音を出せなくなり、心の距離が開いていきます。
友人関係でも、はっきり縁を切られるというより、誘われなくなる、相談されなくなる、必要以上に関わられなくなるという形で距離が生まれます。
つまり、自分が正しいと思っている人の末路は、誰かに罰せられることではなく、人間関係の中で少しずつ信頼を失っていくことです。
そして本人は、周囲が離れていく理由を自分の態度に結びつけにくいため
「周りがわかってくれない」
「自分は悪くない」
「世界がおかしい」
とさらに正しさにしがみつきやすくなります。
この悪循環こそが、自分が正しいと思い続ける人に起こりやすい、もっとも現実的な末路だといえるでしょう。
自分が正しいと思っている人の心理背景
自分が正しいと思っている人は、一見すると自信満々で、相手を言い負かそうとしているように見えるかもしれません。
しかし、その背景には、自分を客観視する力の弱さや、間違いを認めることへの恐れ、劣等感、承認欲求などが隠れていることがあります。
ここでは、自分が正しいと思っている人の心理背景を見ていきましょう。
相手の心理的な背景が理解できると、多少は対応する時のストレスが減るかもしれません。
1. メタ認知能力が不足している
1つ目に、自分が正しいと思っている人の中には、自分の考えや言動を一歩引いて見る力が弱いことがあります。
このような、自分を客観的に観察する力をメタ認知といいます。
メタ認知が弱いと、自分が見ている景色や、自分が感じていることが、そのまま世界の正解であるかのように感じやすくなります。
そのため、相手が違う意見を出したときに、「そういう見方もあるのか」と受け取るのではなく、「相手が間違っている」「相手はわかっていない」と判断しやすくなるのです。
本人の中では、自分の考えが偏っている可能性や、相手には相手の事情がある可能性が見えにくくなっています。
2. 自己防衛が強く働いている
また、自分が正しいと強く思っている人の中には、自己防衛でいっぱいになっているケースもあります。
「自分が間違っていた=自分の存在が間違っていた」という存在否定として、本人の中では変換されているというものです。
そのため何か少し指摘されただけでも、攻撃されたように感じて強く反論したり、言い訳を重ねたりします。
本来なら、「そこは違っていたかもしれない」と一部修正すれば済む場面でも、本人の中では「自分の存在を守るための戦い」に無意識ですり替わってしまうのです。
正しさへの執着は、自信の強さというより、自分を守るための防衛反応として働いていることがあります。
3. 自己肯定感が低い
自分が正しいと思っている人は、一見すると自己肯定感が高いように見えることが多いですが、実際はその逆のことが多いです。
自分の存在をそのまま信じ、肯定する力が弱いからこそ、「正しさ」という尺度で自分をなんとか肯定しようとしている…このような不器用な試みであることも珍しくありません。
さらに「正しさ」という尺度を使って、他人に「あなたは正しいですよ」と言わせることによって、自己肯定できない代わりに他者肯定を得ようとしているケースです。
4. 劣等感が強い
自分の正しさを強く主張する人の背景には、劣等感が隠れていることもあります。
- 自分は劣っているのではないか
- 本当は認められていないのではないか
- 相手に下に見られているのではないか
このような不安が心の奥にあると、人は必要以上に自分を大きく見せようとします。
- 相手より優位に立つこと
- 相手を言い負かすこと
- 自分の方が正しいと証明すること
によって、一時的に安心しようとするのです。
心理学では、自分の正しさを過度に主張する態度は「優越コンプレックス」の一種であると言われています。
内面に抱えている劣等感を他者から気づかれないように、もっというと「自分でも自分の劣等感に気が付かないように」自分は正しいという主張を繰り返す心理です。
5. 承認欲求が過度に強い
また、自分が正しいと思っている人は、承認欲求が過度に強くなっている傾向も見られます。
承認欲求そのものは誰にでもある自然な感情です。
しかし、自分が正しいと思っている人の場合は、その欲求が強くなりすぎてしまい、自分の意見を通すことや、自分の正しさを証明することが、心の安定に直結していることがあります。
ここまでご紹介した自己肯定感の低さや劣等感の強さとも関係しますが、自分で自分を認められていないため、他人からの承認を強く求めるようになるのです。
- あなたは正しいですよ
- あなたの考え方は素晴らしいですね
- あなたの方が優れていますね
こうした評価を周囲から受け取ることで、自分の価値を確認しようとします。
逆にいうと、周囲からの承認を得られなければ、自分で自分を承認することができず、その苦しさが頑なな態度になってしまうという仕組みです。
6. 権力や立場に同一化している
自分が正しいと思っている人の中には、自分自身ではなく、肩書きや立場に強く同一化している人もいます。
- 上司だから正しい
- 親だから正しい
- 年上だから正しい
- 経験があるから正しい
- 資格や実績があるから正しい
権力や立場の同一化は、性格の良し悪しに関わらず、誰しも陥りがちなものです。
ただ、中でも「隠れた内面の弱さ」があり、自分で自分の存在を受け入れることができていない人の場合、肩書や権力を「自分自身の支え」にしてしまいがちです。
7. 感情コントロールが苦手
自分が正しいと思っている人は、感情を落ち着いて扱うことが苦手な場合もあります。
怒り、不安、恥ずかしさ、焦り、悔しさ。
こうした感情が出てきたときに、自分の中で整理できないため、相手への攻撃や正論として外に出してしまうのです。
- 本当は不安なのに、相手を責める
- 本当は傷ついたのに、相手を論破しようとする
- 本当は自信がないのに、強い言葉で押し切ろうとする
「正しさ」というのは、ある意味では感情に蓋をするちょうどいい重石になります。
自分の中で扱いきれない感情が溢れた時に、感情を感じなくて済む手段として「正しさ」で鎧を纏うケースも見受けられます。
なぜそうなった?今の相手が形成される過程
自分が正しいと思っている人は、なぜそのような態度を取るようになったのでしょうか。
当たり前ですが、生まれた瞬間から「自分だけが正しい」と思っている人はいません。
その人が今のような考え方や態度を取るようになった背景には、何らかの積み重ねがあるはずです。
ここでは、今現在の心理背景とは別に、その人が形作られてきた過程について軽く見ていきます。
1. 成果至上主義の環境で育った
まず考えられるのは、成果を強く求められる環境で育ったケースです。
- テストで良い点を取ったときだけ褒められた
- 常に優秀な兄弟姉妹と比較されて育った
- 頑張っても、親の期待値に届かなければ認めてもらえなかった
このような環境で育つと、「正しくあること」「結果を出すこと」「間違えないこと」が、その人にとっての生存戦略になりやすくなります。
愛情をもらうためには、正しくなければならない。
その場に所属するためには、間違えてはいけない。
このような観念が深いところに刷り込まれると、大人になってからも、間違いを認めることに強い抵抗が出やすくなります。
2. 過去の成功体験が大きい
また、過去の成功体験が大きい人も、自分の正しさに固執しやすくなることがあります。
これは、ある意味では自然なことでしょう。
- 過去に仕事で大きな成果を出した
- ある業界で一目置かれるような結果を出した
- 昔から人に評価される機会が多かった
このような経験があると、「自分のやり方でうまくいった」という実感が強く残ります。
ただ、その一部の成功体験をもとに、「だから自分の考えはすべて正しい」「他の場面でもこのやり方が通用する」と無意識に拡大解釈してしまうケースも少なからずあるのです。
3. 心のエネルギーが落ちている
また、一時的に心のエネルギーが落ちていることで、自分が正しいという態度が強く出ている場合もあります。
- 仕事上の強いストレス
- プライベートでの大きなショック
- 体調不良や睡眠不足
このような状況が続いている場合、本来なら受け流せることに過剰に反応したり、自分を守るために強い言葉を使ってしまうことがあります。
これは、性格の問題というより、心身の余力が落ちていることで、視野が狭くなっている状態です。
普段はそこまで頑固ではない人でも、強い疲労やストレスが重なっている時期には、「自分が正しい」という態度が一時的に強く出ることがあるのです。
自分が正しいと思っている人との付き合い方
ここまで、自分が正しいと思っている人の末路や心理背景について見てきました。
では、実際にそのような人が身近にいる場合、どのように付き合えばよいのでしょうか。
1. 正論で言い負かさない、論破しない
自分が正しいと思っている人に対して、正論で言い負かそうとする、論破しようとするのは避けましょう。 火に油を注ぐだけです。
こちらがどれだけ筋の通ったことを言っても、相手が「自分を否定された」と受け取れば、さらに強く反論してくる可能性があります。
特に、相手が論理が破綻していることを言っていて、正論で論破してしまった場合、相手はさらに頑なになってしまいます。
相手との関係性やシチュエーションにもよりますが、よっぽどのことがなければ避けることが賢明です。
2. 会話では傾聴を心がける
自分が正しいと思っている人と話すときは、まず相手の話を一度聞く姿勢を見せることも大切です。
メンタルカウンセリングでも、傾聴は重要なスキルのひとつとされています。
相手の意見をすぐに否定せず、まずはじっくり聞くことで、相手の防衛心が少し緩み、話がしやすくなるでしょう。
「そう考えているんですね」
「その点を大事にしているんですね」
「そう感じたんですね」
このように受け止める言葉を挟むことで、会話の圧が少し下がることがあります。
相手の意見に同意する必要はありません。
ただ、相手からの圧を下げ、こちらが冷静に話を進めるために、傾聴の姿勢を使うことは効果的です。
3. 目的や事実に話を戻す
自分が正しいと思っている人との会話では、話が感情論や勝ち負けに流れやすくなることがあります。
そのようなときは、「どちらが正しいか」ではなく、目的や事実に話を戻すように心がけましょう。
たとえば職場であれば
- 今回の目的は何か
- 今必要な判断は何か
- 事実として何が起きているのか
に戻します。
相手の主張に巻き込まれて、正しさの争いに入ってしまうと、会話はどんどん消耗戦になります。
目的や事実に戻ることで、相手の感情や自分の怒りに飲み込まれにくくなります。
4. 心の境界線をしっかり引く
自分が正しいと思っている人と関わるときは、心の境界線をしっかり引くことが特に大事です。
相手はここまでご紹介してきたような心理的背景から、なんとかして「あなたは正しい」という言葉を引き出そうとしてきます。
ですが相手の機嫌、怒り、不安、正しさへのこだわりまで、こちらが全部引き受けてしまうと、どんどん疲れてしまいます。
「この人はこう考えている」
「でも、私は別の考えを持っていていい」
「相手の感情は相手のもの」
必要以上に説得しようとせず、必要以上にわかってもらおうとしない。
その距離感が、自分の心を守ることにつながります。
5. 相手の弱点を刺激しない
自分が正しいと思っている人は、内面に弱さや不安を抱えていることがあります。
そのため、相手の弱点を直接突くような言い方をすると、強い反発を招きやすくなります。
「だからあなたはダメなんです」 「いつも間違っていますよね」 「本当は自信がないだけですよね」
このような言い方は、たとえ本質を突いていたとしても、相手の防衛心をさらに強めてしまいます。
関係を必要以上に悪化させたくない場合は、相手の弱点を暴こうとするより、必要なことだけを落ち着いて伝える方が現実的です。
6. 相手の柔らかい部分にフォーカスする
自分が正しいと思っている人にも、常に硬い部分だけがあるわけではありません。
状況や相手によっては、少し話を聞ける瞬間や、素直に反応できる部分が見えることもあります。
そのような柔らかい部分にフォーカスすることも、付き合い方のひとつです。
- 相手が少しでもこちらの話を聞いてくれたとき
- ふとした優しさを発見したとき
- 一部だけでも譲歩してくれたとき
基本的には自分が正しいと思っている人であっても、ふとした瞬間に心の鎧が緩み、人としての柔らかさが見えることもあります。
「あの人は常に自分が正しいと思い込んでいる人だ」という見方にこちらが固定されすぎると、相手の違う側面を見落としやすくなります。
相手を変えようと力むよりも、相手が少しだけ柔らかくなった瞬間を見逃さない。
その方が、正しさでぶつかり合う関係から抜け出しやすくなるでしょう。
「自分が正しいと思っている人はめんどくさい!」と思っていい
ここまで、自分が正しいと思っている人がなぜそのような態度になるのか、そもそもなぜそのような態度を取る人物になったのかについて、主に相手への理解を深める視点で整理してきました。
相手の心理背景を知ることで、少し冷静に対応しやすくなることはあります。
ただ、最後に大事なのは、「自分が正しいと思っている人はめんどくさい」という自分の正直な感覚を認めることです。
人間関係では、相手を理解することが大切だと言われます。
相手の背景を知ることで、心の距離が少し縮まったり、関係性を見直すきっかけになったりすることもあるでしょう。
しかし、めんどくさいものはめんどくさいのです。
相手にどのような背景があったとしても、常に自分が正しいという態度を取られ続ければ、関わる側は疲れます。
相手の事情を理解することと、自分のしんどさをなかったことにすることは別です。
まずは、「私はこの人との関わりに疲れている」「めんどくさいと感じている」と、自分の本音を認めてあげてください。
そのうえで、どうしても離れることが難しい関係なのであれば、相手を変えようとするより、自分が消耗しすぎない距離感を探していきましょう。