
仕事はそれなりにできてるし、生活も整ってる。
ちゃんと自分の足で立って、がんばってきた。でも、なぜか恋愛だけはうまくいかない…
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
私自身、これまで10年以上にわたり、さまざまな女性から恋愛や婚活に関するご相談を受けてきました。
その中で特に多かったのが、
仕事では成果を出せるのに、なぜか恋愛だけがうまくいかない
という声です。
「甘えられない」「恋愛モードになれない」「相手に心を開けない」──そんな悩みを抱えている女性は少なくありません。
特に、仕事で成果を出してきた“しっかり者”や“バリキャリ”と呼ばれるような女性ほど、恋愛や婚活の場で違和感を抱えてしまうことがあります。
Contents
「心の鎧」は婚活を停滞させる
キャリアを積む中で身につけてきた“強さ”や“責任感”は、社会では大きな武器になります。
理不尽なことがあっても踏ん張り、厳しい場面でも感情を抑えて成果を出す。
そういった姿勢は、仕事の現場ではとても信頼される資質です。
一方で、その“強さ”や“自己管理能力”が、恋愛の場面では“心の鎧”となってしまうこともあります。
相手に弱みを見せられなかったり、頼ることに抵抗を感じたりして、自然な感情のやりとりや甘えが難しくなる。その結果、関係が深まりにくくなるのです。
恋愛だけ自分らしくいられない
がんばらなくても愛される感覚がわからない
そんなふうに感じたことがあるなら、もしかするとその鎧が今のあなたを守りながらも、少しずつ心の自由を制限しているのかもしれません。
とはいえ、その鎧は決して否定すべきものではありません。
むしろ、それだけ必死に生き抜いてきた証であり、あなたの人生の大切な一部です。だからこそ、「脱ぎ捨てる」のではなく、必要に応じて「やわらかくゆるめていく」視点が大切になってくるのです。
「婚活で恋愛スイッチが入らない」女性に共通する5つの心の仕組み
そろそろ結婚を…
と婚活を始めたのに、いざ誰かと出会っても気持ちが動かない。
恋愛らしいときめきが湧いてこない。そんな状態に戸惑う女性は、実はとても多いです。
感情がついてこない自分を責めたり、「私って冷たいのかな?」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
もしくは婚活が仕事と同じような感覚になってしまって
明日はデート♪るんるん♪
ではなく
明日は12:00からアポ1件、そのあと夕方から別の男性とアポ1件…
あれ?いったい私、何してるんだっけ?
といった状況になることも、珍しくありません。
でも、それにはちゃんと理由があるんです。ここからは、恋愛のスイッチが入りにくい女性に共通する“心の仕組み”を5つご紹介していきます。
1. 鎧を脱ぐ=“危険”だと体が覚えている
社会で「強くあること」を求められ続けた経験は、いつしか「弱みを見せる=危ない」という身体レベルの反応を作ります。
職場では冷静さや論理性を求められる場面も多く、感情を抑えることが日常だった人ほど、恋愛という“安心”のはずの場面でも無意識に身構えてしまいます。
頭では「この人は大丈夫」とわかっていても、体はついピリッと反応してしまう──その違和感こそが、今の自分に必要な内側のメッセージかもしれません。
これはあなたが悪いわけでも、心が弱いからでもありません。それだけずっと、社会の中で頑張り抜いてきた“証”なのです。
2. 感情を出すのが恥ずかしい、怖い
感情を出すのは子どもっぽい
泣くのはよくない
といった価値観の中で育つと、喜怒哀楽を表現することに抵抗を感じてしまいます。
特に、感情を表に出すことが“迷惑”や“面倒なこと”と受け取られてきた経験があると、自分の気持ちを伝えること自体にブレーキがかかってしまいます。
恋愛は、理屈ではなく感情のキャッチボール。
嬉しい、寂しい、不安、安心──そうした気持ちを素直にやりとりする中で関係は育っていくものです。
でもその感情を「見せたら引かれるんじゃないか」「弱く見られるのが怖い」と感じてしまうと、本音が出せず、関係が深まりにくくなってしまいます。
- 甘えたいのに甘えられない
- 本当は不安なのに、つい強がってしまう
- 不安を察してくれない相手に腹が立つ
──そんなときこそ、心の中に“感情を出しちゃいけない”というスイッチが固く閉じているのかもしれません。
3. 感情が「よくわからないもの」に感じられる
感情に蓋をして生きていると、自分の気持ちがよくわからなくなっていきます。
頭では「こう感じるべき」と思っていても、心の奥のリアルな感情にはなかなかアクセスできない──そんなズレを抱えている人も少なくありません。
恋愛は、普段閉じ込めている感情を大きく揺り動かすものです。
だからこそ、その“よくわからないもの”が一気に噴き出しそうで怖くなる
何が起こるかわからない
自分でもコントロールできる自信がない
といった不安が、知らず知らずのうちに心にブレーキをかけてしまうのです。
感情がクラゲのように掴みどころがなく、得体の知れない存在に感じられる──それは、これまで丁寧に感情と付き合ってこなかったからこそ起きてしまう自然な反応です。
4. 男性に負けたくない意識が強い
無意識に“男性と競争する感覚”を持ってしまうと、「甘える」「頼る」が難しくなります。
これは、社会の中で何度も「女性だから」と軽く扱われたり、悔しい思いをしてきた経験が影響していることも多いです。
なめられたくない。下に見られたくない。
──そう感じるほど、対等であることに強くこだわりたくなる。
そしてその結果、「頼る」や「甘える」が“負け”のように感じられてしまい、素直な関係性が築きにくくなるのです。
恋愛は本来、勝ち負けではなく“協力関係”のはず。
でも心のどこかに対抗心があると、相手の優しさすら素直に受け取れなくなってしまうこともあります。
5. 今までの自分を否定するように感じてしまう
「強くあろう」「一人でなんとかしよう」としてきたこれまでの自分。
その姿勢は、誰に言われたわけでもなく、あなた自身が何度も悔しい思いを乗り越えてきたからこそ、身につけてきた大切な生き方だったはずです。
だからこそ、「誰かに頼ってもいいのかもしれない」「もっと柔らかくてもいいのかもしれない」と思い始めたとき、ふと胸の奥がザワザワするような、妙な罪悪感や居心地の悪さを感じる人も多いのです。
それはまるで、ずっとがんばってきた自分を裏切るような気がしたり、
そんなふうに生きられるなら、最初からそうしてたよ
と、これまでの自分に申し訳ないような気持ちになったりもします。
心のどこかに、「甘えたら負け」「弱さを見せたら壊れてしまう」という思いが根づいていると、その“少し力を抜く”という選択ですら、とても勇気のいることに感じられるのです。
婚活の場でも心ゆるめていくために|5つのヒント
では、どうすれば少しずつでも、恋愛の場で“心の鎧”を緩めていけるのでしょうか。
もちろん、「今すぐ鎧を脱ぎましょう」と言われても、それができたら苦労はしないですよね。
鎧は、あなたがこれまで人生を生き抜くために必要だった大切な防具でもあります。だからこそ、それをただ外すのではなく、“少しずつ、緩めていく”という感覚がとても大事です
この章では、無理なく自分のペースで心をほぐしていけるヒントをお伝えしていきます。
ヒント① 安心は“体”から思い出せる
「もう戦わなくていい」と頭でどれだけ理解していても、体はそう簡単には切り替わってくれません。むしろ、長年の習慣で“緊張している状態”が当たり前になっていると、
リラックスするってどういうことだっけ…?
と戸惑うことさえあります。
たとえば、ふと息を止めていたり、肩がずっと上がっていたり、呼吸が浅くなっている日が続いていませんか?それは、心よりも先に体がまだ“鎧を着ている状態”かもしれません。
まずは、深呼吸をする。お風呂にゆっくり入る。マッサージやストレッチをする。
そんな小さなことからでいいんです。
体が「ここは安全な場所だよ」と感じてくれるようになると、心も少しずつ力を抜いていけるようになります。
安心は、まず“体から”慣らしていきましょう。
焦らず、少しずつで大丈夫です。
ヒント②感情は“表現していいもの”と知る
「嬉しい」「寂しい」「不安」──
本当は感じているのに、うまく言葉にできなかったり、口にする前に飲み込んでしまったり。
そんなふうに、感情を表に出すことに照れや怖さを感じる人は少なくありません。
特に、幼いころから
泣かないの!感情的にならないの!
と言われて育った人や、感情を出すことで「面倒な人」扱いされた経験がある人ほど、無意識に“感情は出さないほうがいいもの”と学習してしまっているのです。
でも本来、感情は出してもいい。表現してもいい。
その感覚を取り戻すためには、「出しても大丈夫」と思える環境に身を置くことが助けになります。
たとえば、演劇やダンス、あるいは感情を自由に解放できるワークショップなどもそのひとつ。
これは“私”じゃなくて、“役”だから
と思えるだけで、不思議と心のハードルは少しずつ下がっていきます。
最初はぎこちなくても大丈夫。
感情を表現することは、センスではなく“慣れ”です。少しずつ、あなたらしいやり方で取り戻していけばいいのです。
ヒント③ 感情に“慣れる”ことから始めていい
感情とじっくり向き合うって、思っているよりずっと勇気のいることです。
特に、長いあいだ自分の気持ちにフタをしてきた人にとっては、「いきなり本音と向き合う」なんて、心がパンクしてしまいそうに感じることもありますよね。
だからこそ、いきなり深く掘り下げる必要はありません。
まずは、自分自身の感情を“遠くから眺めるように観察する”ところから始めてみましょう。
たとえば、映画や小説を通して登場人物の心の動きに触れてみるのも、とても良い練習です。
このシーンで私は何を感じたんだろう
この人の気持ち、なんとなく分かるな
そうやって他人の感情を想像することは、実は自分の感情の引き出しにそっと触れることにもつながっていきます。
最初は“間接的な体験”でも構いません。
そうやって少しずつ、感情というものに慣れていくことで、恋愛の波に自然と乗れる準備が整っていくのです。
ヒント④男性を味方として見てみる
社会の中で、女性であることによって悔しい思いをした経験があると、「なめられたくない」「下に見られたくない」と、男性に対して無意識に“対抗心”を抱いてしまうことがあります。
そうなると、恋愛においても「頼るのは負け」「甘えたら主導権を握られる」といった感覚が生まれやすくなり、心のどこかで相手を“敵”や“競争相手”のように見てしまうことがあるのです。
でも本来、恋愛は勝ち負けではありません。
ふたりで補い合い、支え合いながら、心地よいバランスを築いていくもの。
もしあなたが「相手に弱みを見せるのが怖い」と感じているなら、まずは“男性を味方として見てみる”という視点を持ってみてください。
自分を否定する人ではなく、理解し合える存在として見てみるだけで、少しずつ心のバリアは緩んでいくはずです。
対等でありながら、補い合う。
そんな関係性を目指していいのだと、自分に許可を出してあげましょう。
ヒント⑤自分をアップデートする意識を持つ
「鎧を脱ぐ」という言葉を聞くと、これまでの自分を捨てることのように感じて、抵抗を覚える人もいるかもしれません。
ずっとひとりでがんばってきた。誰にも頼らず、必死でここまでやってきた。
その姿勢に、誰よりも自分が誇りを持っているはずです。
でも、本当に鎧を“脱ぐ”というよりも、それは“アップデート”なのかもしれません。
今までの強さはそのままに、もう少しだけ柔らかさや余白を加えて、バージョンアップしていく感覚。
それは「変わること」ではあるけれど、「壊すこと」ではありません。
必要なときには守ってくれた鎧に感謝をしながら、
今の私には、もっと自由な動き方もできるかもしれない
そうやって、自分の歩き方を選び直していくこと。
それは過去を否定するどころか、むしろ大切にしてきた自分自身と、手を取り合うような行為なのです。
まとめ|婚活で心が動かないあなたへ、大切な3つのこと
恋愛の場面でうまく気持ちが動かない。
どうして私は、うまく甘えられないんだろう。
そんなふうに自分を責めてきた時間が、もしかするとあったかもしれません。
でも、鎧を脱げないのは、弱さの証なんかじゃありません。
それはあなたが、これまでずっとひとりでがんばってきた証。
だからこそ、いきなり心を開くなんて難しくて当然なんです。
感情は、練習すれば少しずつ扱えるようになるもの。
表現すればするほど、自分のことも相手のことも、だんだんとわかってくるもの。
そして、鎧を脱ぐということは、今までの自分を捨てることではなく、「もっと自分らしくなること」とも言えます。
未来のあなたが、力まず、でもちゃんと愛されている──
そんな日々を、静かに迎えに行く準備が、もう始まっているのかもしれません。