もっと、“わたし”と、話してみよう。

「“幸せになる勇気”が足りてないだけかもしれない」恋愛と結婚が止まってる本当の理由

青空の下に立つ分かれ道のサインが、「幸せになりたいけど怖い」そんな心の葛藤を象徴している。

幸せになりたいのに、なぜか前に進めない

そんなふうに感じたことはないでしょうか。

恋愛や結婚、キャリアやお金、日常の小さな選択にまで、私たちはしばしば“無意識のブレーキ”をかけてしまいます。

まるで、「このまま進んだら危ないよ」と言われているように。

でもその正体が、自分でもよくわからない──

それが、この“幸せになる勇気”というテーマの難しさでもあります。

今回のコラムでは、2016年に出版されたアドラー心理学の本『幸せになる勇気』にも触れながら、“幸せに対する抵抗感”をひもといていきましょう。

その深層心理と、そこから抜け出すためのヒントをお届けします。

Contents

『幸せになる勇気』ってどんな本?

2016年に出版された『幸せになる勇気』は、ベストセラー『嫌われる勇気』の続編として登場しました。

アドラー心理学をベースに、「自由に生きるとはどういうことか」「人はどうすれば幸せになれるのか」といったテーマを、対話形式で深く掘り下げていく内容です。

 

アドラー心理学が伝える「幸せ」とは?

このタイトルが印象的なのは、“幸せになること”が当たり前ではなく、「勇気が必要な行為」だと指摘している点にあります。

実際、私たちの心の中には

幸せになっていいのかな?

こんな私が幸せになったら、まわりに申し訳ない

そんなふうに、“幸せそのもの”にブレーキをかけてしまう感覚が潜んでいることがあります。

そして無意識でのブレーキは本人も気が付かないので「なぜか、よくわからないけれど、幸せになれない」という謎現象として現れてしまうのです。

 

必要なのは幸せになる勇気?幸せが怖い5つの深層心理

それは単なる怠けや気分の問題ではなく、心の奥にある“防衛本能”が働いている場合があります。

ここでは、実際の相談現場でもよく見られる“幸せを拒む5つの深層心理”を紹介します。

心当たりがないか、ぜひじっくりと読み進めてみてくださいね。

 

心理① 幸せになったら“いつか失う”のが怖い

幸せは一時的なもの。だから、あとで失うくらいなら最初からいらない。

そんな感覚が、無意識に私たちを守ろうとすることがあります。

人は「得る喜び」よりも、「失う痛み」に敏感な生き物です。

たとえば、ようやく好きな人と両思いになっても、「この関係が壊れたらどうしよう…」という不安が膨らんで、素直に喜べなかった経験はないでしょうか?

また傷つくくらいなら、最初から手に入れない方がいい

そんな“予防的な拒絶”が、心の深いところで作動してしまう。

それは、決してネガティブではなく、あなたの心が過去の痛みを覚えている証でもあります。

 

心理② 「幸せな私」に自己一致していない

そんなに幸せそうな未来、私には似合わない
周りはまだ苦しんでいるのに、自分だけ幸せになるなんて申し訳ない

そんな気持ちは、過去に“支える側”や“我慢する側”として生きてきた人ほど感じやすいものです。

  • 家族の中で“いい子”でいなければいけなかった人
  • パートナーや職場で、常に自分を後回しにしてきた人
  • 「幸せな日常」を送った記憶がない人

そういった人にとって、「幸せな自分」とは未知の存在。

まるで見知らぬ衣装を着せられたような、ちぐはぐな違和感が出てきます。

その結果、「私にはまだ早い」「そんな自分は本当の私じゃない」と、心がブレーキをかけてしまうことがあるのです。

これは、あなたがずっと誰かとのつながりを大切にしてきた証でもあります。

 

心理③ 不幸や努力に“自分らしさ”を感じてしまっている

頑張ってる私こそが、自分らしい
苦労してきた道のりにこそ、意味がある

そう思って日々を歩んできた人にとって、「もう頑張らなくていいよ」「幸せになっていいんだよ」という言葉は、どこか“否定されたような”不安を呼び起こすことがあります。

今まで積み上げてきた努力や、流してきた涙が、幸せになった瞬間に無効化されてしまうような怖さ。

それは、自分のアイデンティティが崩れるような感覚にもつながります。

私たちは無意識のうちに、「私は頑張ってる人」「報われていない人」として自分を定義し直してしまうことがあります。

そのような状態の場合、幸せが目の前に現れたときに、それを受け取ることで「自分じゃなくなってしまう」ように感じてしまうのです。

 

心理④ 幸せになると「誰かを置き去りにする」気がする

自分だけ幸せになってしまったら、誰かを裏切ることになるんじゃないか

そんな思いが、知らず知らずのうちに足を引っ張ってしまうことがあります。

  • ずっと一緒に頑張ってきた仲間
  • 過去の“つらかった自分”
  • 近い距離にいる家族

その存在を置き去りにしてしまうような気がして、

自分だけ先に行ってしまっていいのかな?

という迷いが生まれます。

このブレーキは、あなたが人とのつながりを大切にしてきたからこそ起こる感情ですから、決して悪いことではありません。

ただ、その優しさが、自分の未来に対してブレーキをかけてしまうときがある。

そんなときは、「私が幸せになっても、誰かの希望になるかもしれない」と視点を変えてみてください。

 

心理⑤ 幸せを感じる“器”が育っていない

ずっとつらいことばかりが続いていた人にとって、「幸せってどう感じるの?」そんな戸惑いが湧くのは、ごく自然なことです。

これは、“幸せそのものが怖い”というより「受け取り慣れていないだけ」という状態です。

たとえば、ずっと砂漠を歩いてきた人が、急に温泉に入ってもリラックスできないように、心もまた、「ほぐれる」「緩む」「満たされる」ことに時間がかかることがあります。

そんなときこそ、焦らず、小さな喜びから慣れていくことが大切です。

心には「器の成長スピード」がある。

そのリズムを尊重してあげることが、幸せを感じる力を少しずつ育てていく鍵になります。

 

幸せになる勇気を手にいれる5つのヒント

さて、ここまでで「幸せになることが怖い」という心理の背景には、心を守ろうとする無意識の働きがあることをご紹介しました。

例え少々ズレていたとしても「自分の心を守るため」の動きですから、“努力”や“意志”で「幸せになる勇気を出せ!」と叱咤激励するのではなく、少しずつ、やさしく心を慣らしていくことが大切です。

ここからは、幸せになる勇気を育てていくための5つのヒントをお伝えします。

 

ヒント① 無意識の抵抗は「心を守るため」に起きている

たとえば、過去に傷ついた経験があると、心は同じ痛みを繰り返さないように、あらかじめブレーキをかけてくることがあります。

だからまずは、「こんなに怖がるなんて情けない」と責めるのではなく、

よくここまでやってきたね

と、その“守ろうとしてくれている心”に感謝を向けてあげてください。

怖がるのは、あなたが壊れていない証拠でもあります。

 

ヒント② “幸せな感覚”から心を慣らそう

幸せを受け取るには、まずは“感覚のチューニング”からはじめるのがオススメです。

大きな夢や劇的な変化を追う前に、たとえば「朝、空がきれいだった」「お風呂が気持ちよかった」そんな“気持ちよさ”や“ほっとする”瞬間に気づく練習をしてみてください。

こうした小さな幸せを何度も感じることで、心の中の「幸せ=危険かもしれない」という誤解がほどけていきます。

幸せは、思っているよりもずっと静かで、やさしいものなのかもしれません。

 

ヒント③ 自分の“当たり前”を少しずつ書き換えていく

どうせ私なんて

ど私には無理

そんな思い込みが、自分に“幸せ禁止”をかけていることがあります。

でもその“当たり前”は、過去の経験から作られただけの、一時的な設定かもしれません。

たとえばノートに、「今日のよかったことを3つ書く」だけでもOK。

「小さな幸せに目を向ける練習」は、脳の認知のクセを少しずつ変えてくれます。

「幸せでいていい」「受け取っていい」という感覚を、言葉を通じて身体に覚えさせていく

それが、受け取る“器”を育てるということなんです。

 

ヒント④ 誰かの幸せを見守る側になってみる

たとえば、SNSで誰かの結婚報告を見たとき。

嫉妬や寂しさではなく、「よかったね」と思えた自分に気づけたら──

それだけで、あなたの中にも“幸せを受け取る準備”が育ちはじめています。

他人の幸せを祝福することは、自分も幸せになっていいという許可を出す前段階

祝福の波動は、まわりまわってあなた自身に返ってきます。

「よかったね」が言えるあなたは、もうすでにやわらかさを持っている人です。

 

ヒント⑤ “幸せになれない私”を責めない

どうして私だけ、うまくいかないんだろう

そう感じる日があっても、決して間違っていません。

“幸せになれない”のではなく、“まだ、その準備が整っていないだけ”かもしれないのです。

たとえば、種が芽を出すまでに時間がかかるように、あなたの中でも、土壌を耕している時期なのかもしれません。

そんなときに大切なのは、急かさず、責めず、

この私でも、いいんだよ

と言ってあげること。

そのままの自分にやさしくなることが、一番確かなスタートラインになります。

 

まとめ|あなたに今、必要なのは“変わる勇気”ではなく“受け取る勇気”かもしれない

私たちはつい、「もっと変わらなきゃ」「頑張らなきゃ」と思ってしまいます。

でも、今回のテーマのように、幸せになることそのものにブレーキがかかっているときには、何かを変えることよりも、まず受け取ることのほうが大切なのかもしれません。

「幸せになりたい」と願っているのに、その幸せが、どこか遠くに感じてしまう──

それはあなたが弱いからでも、間違っているからでもなくて、ちゃんと自分を守ろうとしてきた証拠なんです。

もし心当たりがある方は、まずは“小さな幸せ”を受け取る練習からはじめてみてください。

  • 五感で感じる、ほっとする瞬間。
  • 自分にかけるやさしい言葉。
  • だれかの幸せを祝福する気持ち。

そんな一つひとつの積み重ねが、

幸せって、怖くないかもしれない

という感覚につながっていきます。

変わるのではなく、受け取ることからはじめていい。

それが、あなたの心にとっていちばん自然なスタートラインです。

📝次に読みたいオススメ記事

ハイスペ男性と付き合う方法|“選ばれる女性”に共通する3つのエネルギー戦略
「結婚したい私」から「できる私」になるメンタル的なポイント

この記事を書いた人

江藤有紀 自己対話の学校主宰。女性向け商業施設の運営に従事したのち、人間心理についての発信を始め、人生相談を受けるようになり独立。
人生の悩みは、自分との繋がりが薄くなっているサインと捉え、自己対話を体系的に学ぶプログラム企画などを行う。 著者プロフィールを見る

ABOUT LIBRARY

自己対話の図書館とは

自己対話の図書館は、人生の停滞や繰り返す悩みなど6つのテーマを中心に、自分との繋がりを取り戻すことで解消していくヒントをまとめた場所です。
自分と向き合う時間を、少し豊かにすることを目指しています。

自己対話の図書館について詳しく見る

記事を探す