もっと、“わたし”と、話してみよう。

繊細すぎる人はめんどくさい!繊細さんとの付き合いが面倒になった時の対処法

繊細な人との付き合い方について悩むチームメンバーを描いたイラスト

繊細すぎる職場の同僚が本当に面倒くさい。

何かにつけて繊細アピールをしてくるのがうざい。

人はみんなそれぞれ違っていて、多様性を認め合うべきだと頭ではわかっていても、そうは言っても面倒くさいものは面倒くさいですよね。

「私は繊細なタイプなので」と配慮を求められたり、本人から申告していなくても明らかに傷つきやすい人がいたりすると、付き合う側が疲れてしまうことも多いです。

繊細すぎる人に対して「あの人、面倒くさいから関わらない!」と切り捨てられたら楽かもしれませんが、職場などではそうはいかないこともあるでしょう。

この記事では、繊細すぎる人がめんどくさいと感じる理由や、繊細さんとの付き合いが面倒になった時に少し楽になる考え方について解説します。

Contents

繊細すぎる人がめんどくさいと感じるのは普通のこと

まず大前提として、繊細すぎる人がめんどくさいと感じるのは、ごく自然なことです。

今は時代的に、一人ひとりの感じ方や個性を尊重しようという流れが強くなっています。

そのこと自体は大切ですが

「HSPの人って正直めんどくさいよね」
「繊細すぎる人と関わるの疲れるよね」

といった本音は、なかなか口にしにくいものです。

この記事では、まずその気持ちを否定しなくていいというところから始めたいと思います。

繊細すぎる人は、たとえるなら、シルクの生地に手縫いの刺繍を施したブラウスのようなものです。

綿100%のヘビーウェイトTシャツのように、汗をかいても、何度洗っても、多少雑に扱っても平気というわけにはいきません。

シルクは使う場面を選ぶ必要がありますし、洗う時も、しまう時も、扱いには気を遣います。

人間関係でもそれと同じで、繊細すぎる人と関わる時には、言葉選びや距離感や反応の仕方に、どうしても気を遣う場面が増えます。

そのぶん、付き合う側にはコストがかかります。

だから、繊細すぎる人を面倒くさいと感じるのは、冷たいからではありません。

扱いに気を遣うものを面倒だと感じるのは、ある意味とても自然なことなのです。

 

繊細な人が面倒くさいと思われる背景

では、繊細な人が面倒くさいと思われる背景には、どのようなものがあるのでしょうか。

「面倒くさい」という言葉はある意味とても雑な分類で、その背景は少しずつ違います。

ここでは、繊細な人を否定するためではなく、なぜ面倒くさいと感じられてしまうのか、その構造を見ていきましょう。

 

1. 繊細さに合わせた配慮を求められる

まず1つ目は、繊細さに合わせた配慮を求められることです。

繊細な人と関わる時は、平均的な人と関わる時よりも、必要な配慮が多くなりやすいです。

たとえば、威圧的な態度に萎縮しやすい人には、できるだけ圧をかけないように話す必要があります。

大きな声が苦手な人には、声のボリュームを抑えて、やわらかく話す必要があるかもしれません。

すぐに自分を責めてしまう人には、「あなたを責めているわけではありません」と前置きしてから伝えた方がいい場面もあるでしょう。

もちろん、人間関係で相手に合わせた配慮をすることは大切です。

ただ、相手が繊細すぎる人の場合、その配慮の数や細かさが一気に増えることがあります。

  • 普通に話すだけでも言葉を選ぶ
  • ちょっとした指摘にも前置きが必要になる
  • 相手の反応を見ながら、常に傷つけないように気を遣う

こうした状態が続くと、相手に悪気がなかったとしても、正直めんどくさいと感じてしまうのは自然なことです。

 

2. 相手の感情ケアコストを持たされる

二つ目は、相手の感情をケアするコストを、こちら側が負わされやすいことです。

繊細な人は、こちらが何気なく言った一言や、業務上必要な指摘にも深く傷ついてしまうことがあります。

そして相手が落ち込んだり、不機嫌になったり、泣きそうになったりすると、今度はこちらがその感情をなだめる役割まで背負うことになります。

本来は、伝えるべきことを伝えただけだったはずなのに、いつの間にか相手の心のフォローまでセットになってしまう。

これが続くと、職場関係であれ友人関係であれ

「私はカウンセラーじゃないんだけど?」
「なんだか自分が悪人みたいじゃないか」

と感じてしまうこともあるでしょう。

相手が傷つきやすいこと自体が問題なのではありません。

問題は、その傷つきやすさに合わせて、こちらが毎回ケア担当にされてしまうことです。

 

3. 機能性を遠慮なく求めにくい

3つ目は、機能性を遠慮なく求めにくいことです。

これは特に、職場で起こりやすい感覚かもしれません。

先ほど、繊細な人はシルク生地に手縫いの刺繍を施したブラウスのようなものだとお伝えしました。

シルクの刺繍ブラウスは、美しくて魅力的ですが、機能性だけで考えるなら、綿100%の厚手Tシャツや、ポリエステルの速乾ドライTシャツの方が使いやすい場面もあります。

たとえば、過酷な天候が予想される登山に、シルクの刺繍ブラウスを着ていく人はいないでしょう。

それと同じで、職場というのは基本的に、会社に対して何らかの機能を提供する場所です。

  • 成果を出す
  • 役割を果たす
  • 必要な仕事を進める。

そうした場面で、同僚や部下に対して「もう少し機能性を発揮してほしい」と思うことは自然です。

けれど相手が繊細すぎる人だと、普通なら求められる強度やスピードや成果を、遠慮なく求めにくくなることがあります。

すると、周囲は気を遣いながら仕事を進めることになり、面倒くささを感じやすくなるのです。

 

4. 繊細アピールがうざい

4つ目は、繊細アピールがうざいと感じられることです。

もちろん、繊細な人すべてがうざいわけではなく、一部の人がこのような態度を取りやすいというニュアンスです。

たとえば、

  • 自称繊細さん
  • 繊細さを隠れ蓑にして責任から逃げる人
  • 傷つきやすさを理由に周囲をコントロールしようとする人

このようなタイプです。

今まで生きづらさを感じてきた人が、「自分は繊細なタイプなんだ」と知って安心すること自体は悪いことではありません。

けれど、そこから先に「だから周りは私に配慮して当然」という態度になると、関わる側は疲れてしまいます。

繊細さは気質のひとつであって、周囲に無限の配慮を求めるための権利ではありません。

それを本人の自我や自己演出のように見せられると、周囲は

「なぜ私があなたの繊細アピールに付き合わなきゃいけないの?」

とうんざりしてしまうのも無理はありません。

 

5. 配慮コストに対して得られるものが少ない

4つ目は、配慮コストに対して得られるものが少ないと感じることです。

これは特に、職場やチーム活動など、成果や役割が求められる関係で起こりやすいでしょう。

繊細な人と関わる時は、言葉選びや感情のフォローなど、どうしてもコミュニケーションコストが増えやすくなります。

もちろん、その人自身が悪いという話ではありません。

ただ、関係を築くために必要な配慮コストに対して、仕事上の成果や協力関係として返ってくるものが少ないと、周囲は負担を感じやすくなります。

恋愛や家族関係であれば、配慮が必要でも、そのぶん愛情や安心感や豊かさを受け取れることもあるでしょう。

けれど、職場のように利益や数字や合理性が重視される場面では、どうしても「ここまで気を遣うメリットがあるのだろうか」と考えてしまうことがあります。

これは冷たいというより、ある意味ではとても現実的な判断です。

配慮コストが高いのに、得られるものが少ない。

そう感じた時に、繊細な人との付き合いが面倒くさくなるのは自然なことなのです。

 

付き合いが面倒になりやすい関係

繊細な人との付き合いが面倒になるかどうかは、相手の性格だけでなく、関係性によっても変わります。

たまに会う知人なら距離を置けますが、簡単に離れられない関係では、繊細さに合わせるコストが重たくなりやすいものです。

それでは代表的な5つの関係性について見ていきましょう。

 

1. 注意が必要な部下や後輩

繊細な部下や後輩は、注意や指導が必要になるぶん、付き合いに気を遣いやすい関係です。

仕事上、間違いを指摘したり、改善点を伝えて指導しなければいけない場面は日々あります。

けれど、そのたびに相手が深く傷ついたり落ち込んだりすると、指導する側はかなり気を遣います。

「言わないと育たない。でも言うと傷つく」

この状態が続くと、繊細な部下や後輩との関係は負担になりやすいでしょう。

近年ではパワハラへの意識も高くなり、「パワハラになっていないか不安」といった、指導側の悩みも深くなっています。

 

2. 逃げにくい同僚

繊細な同僚も、付き合いが面倒になりやすい相手です。

同じ職場やチームにいる以上、簡単に距離を置くことができません。

必要な確認をしただけなのに責められたと受け取られたり、急ぎの連絡をしただけできついと言われたりすると、こちらも言葉を選ぶようになります。

気まずくなっても関係を切れないぶん、同僚関係では繊細さへの配慮が重たくなりやすいのです。

 

3. 聞き役になりがちな友人

友人関係でも、毎回こちらが聞き役になると疲れてしまいます。

  • 会うたびに悩み相談になる
  • こちらの話をする時間が少ない
  • 相手の気持ちを受け止めることが当たり前になる

こうなると、友人というより無料のカウンセラーのような役割になってしまいます。

大切な友人であっても、毎回受け止める側になると、関係そのものが面倒に感じられることがあります。

 

4. 機嫌に巻き込まれる恋人や家族

恋人や家族のような近い関係では、相手の機嫌に巻き込まれやすくなります。

  • 相手が不安になるたびに安心させる
  • 相手が傷つくたびにフォローする
  • 相手が落ち込むたびにこちらの生活まで引っ張られる

距離が近いからこそ、繊細な人の感情が日常に入り込みやすくなります。

大切な相手でも、相手の機嫌をすべて自分の責任にすると、関係は苦しくなっていきます。

 

5. 距離を切りにくいSNSの知人

SNSやコミュニティ内の知人も、意外と面倒になりやすい関係です。

リアルの友人ほど近くないのに、完全な他人とも言い切れない距離感だからです。

メンションへの返信をしなかっただけで傷つかれたり、何気ない投稿を自分への当てつけのように受け取られたりすると、SNS上でも気を遣うようになります。

近すぎないのに妙に気を遣う。

この距離感の曖昧さが、SNS上の繊細さんとの付き合いを面倒に感じさせるのです。

 

繊細な人とどう付き合う?

では、身の回りにいる繊細な人とはどう付き合えばいいのでしょうか?

繊細な人との付き合いが面倒になった時は、相手を変えようとするより、自分の関わり方を見直すことが大切です。

ここでは5つのポイントを解説します。

 

1. すべてを理解しようとしない

まず繊細な人の感じ方や、繊細な人たちが見ている世界を、すべて理解しようとしなくて大丈夫です。

才能とも言える感受性を持っている人も多いですから、平均的な感性の人とは全く異なる世界を知覚していることもあるでしょう。

「自分にはよくわからないけれど、相手はいろいろなものを感じ取っているようだ」

くらいの理解を示せれば十分です。

 

2. 相手の感情まで背負わない

二つ目に、相手がその繊細さゆえに傷ついたり落ち込んだりしても、その感情をすべてこちらが処理する必要はありません。

優しかったり、責任感や倫理観が高かったりする人ほど、自分との関係で繊細な人の感情が揺れた時、その責任まで負おうとしてしまいます。

できる範囲で配慮することは大切ですが、相手の感情は最終的には相手のものです。

相手がどう受け取るか、どこまで傷つくか、どのように回復するかまで、すべてこちらが背負う必要はありません。

相手の感情を大きく捉えすぎないことも、繊細な人と付き合う上では大切です。

 

3. 先回りして機嫌を取らない

繊細な人と関わる時、相手が傷つかないように先回りしすぎると、こちらが疲れてしまいます。

機嫌を損ねないように言葉を選び続けると、自然なコミュニケーションができなくなります。

必要な配慮はしても、相手の機嫌を取ることまで自分の役割にしない方がいいでしょう。

 

4. 距離を置くことを悪いことだと思わない

繊細な人との付き合いが負担になっているなら、距離を置くことも必要です。

距離を置くことは、相手を否定することではありません。

自分の心を守るために、関わる頻度や深さを調整していいのです。

 

5. 職場や友人関係では役割と境界線をはっきりさせる

職場や友人関係では、役割と境界線をはっきりさせることが大切です。

仕事であれば、必要な指摘や依頼は感情とは分けて伝える。

友人関係であれば、毎回相談役になりすぎない。

相手の繊細さに配慮しながらも、自分がどこまで関わるのかを決めておくと、付き合いは少し楽になります。

 

「繊細さんうざい」と思う自分を責めなくていい

この記事では、繊細すぎる人との付き合いが面倒に感じられる理由や、心地いい距離感の見つけ方について解説してきました。

世の中には、いろいろな個性や気質を持った人がいます。

その中で、たまたま繊細な気質を持った人と関わる機会があり、できることならうまく付き合っていきたいと考えている人も多いでしょう。

けれどその一方で、 「繊細さんって正直うざい」 「付き合うのが面倒くさい」 「また気を遣わなきゃいけないのか」 と思ってしまうこともあるかもしれません。

そんな本音が出てくる自分を、人でなしのように責めなくて大丈夫です。

相手が繊細な人だからこそ、「こんなふうに思ったらかわいそうかな」「また傷つけてしまうかな」と罪悪感が出てくる人もいるでしょう。

それはあなたが冷たいからではなく、むしろ、相手の気持ちを考えられる人だからこそ、余計に疲れてしまうのです。

大切なのは、無理に近づきすぎず、必要以上に背負いすぎず、お互いにとってちょうどいい距離を探していくことです。

繊細さんとの付き合いに疲れた時は、「自分がもっと優しくならなきゃ」と考える前に、まずは自分が安心して関われる距離を見直してみてください。

この記事を書いた人

江藤有紀 自己対話の学校主宰。女性向け商業施設の運営に従事したのち、人間心理についての発信を始め、人生相談を受けるようになり独立。
人生の悩みは、自分との繋がりが薄くなっているサインと捉え、自己対話を体系的に学ぶプログラム企画などを行う。 著者プロフィールを見る

ABOUT LIBRARY

自己対話の図書館とは

自己対話の図書館は、人生の停滞や繰り返す悩みなど6つのテーマを中心に、自分との繋がりを取り戻すことで解消していくヒントをまとめた場所です。
自分と向き合う時間を、少し豊かにすることを目指しています。

自己対話の図書館について詳しく見る

記事を探す