
また同じような恋愛になってしまった…
毎回、似たような人を好きになって、結局うまくいかない
そんなふうに、恋愛で“同じパターン”を繰り返してしまうことに悩んでいませんか?
頭では「次こそは違う恋をしたい」「今度こそ幸せになりたい」と願っているのに、気づけばまた、モヤモヤや後悔の残る恋愛を繰り返してしまっている――。
この“繰り返し”には、実は深い心理的な原因が潜んでいることもあります。
この記事では、「なぜ恋愛で同じパターンを繰り返してしまうのか?」という背景を紐解きながら、その流れを卒業するための3つのステップを丁寧にご紹介します。
恋愛での感情の暴走や自己否定を手放し、もっと安心できる関係性を築くためのヒントとして、お役立てください。
Contents
なぜ「同じ恋愛パターン」から抜け出せないのか?
恋愛でつまずくたびに、「今度こそ違うはず」と思っていたのに、気がつけばまた似たような展開になっていた――そんな経験はありませんか?
「同じ恋愛パターン」を繰り返してしまう背景には、いくつかの心のクセや構造があります。
実はこのコラムを書いている私自身も、ある時ふと
私っていつも同じような恋愛パターンを繰り返してない?
そう気づいたことをきっかけに、心の学びを始めた一人でもあります。
その後、恋愛をなんとかするために学び始めた心理の世界にすっかりハマってしまい、今では逆にご相談に乗る立場になっているというのだから、人生って面白いものですよね。
さてここでは、実際にご相談現場でもよく寄せられる「繰り返してしまう恋愛パターン第一位」をご紹介した後、そのパターンから抜け出すために必要な3つのポイントを解説します。
「同じ恋愛パターン」よくある“第一位”とは?
どうして毎回似たような恋愛になってしまうんだろう?
そう悩む方はとても多いのですが、実は心理の世界では、よくある恋愛パターンの“王道”があるとされています。
それが、「親との関係性を、恋愛で無意識に再現してしまう」というパターンです。
たとえば――
- 感情を押し殺していた親との関係を、恋人にも繰り返してしまう
- 距離のあった親との関係性を、彼にも当てはめてしまう
- いつも見てほしかった相手を変えて、彼にそれを求めてしまう
そんなふうに、親子関係で満たされなかった想いを、恋愛という別の舞台で“やり直そう”とするような心理が働くことがあります。
この「やり直し」には自覚がないことがほとんどです。
だからこそ、自分でも気づかないうちに恋愛がこじれたり、同じような展開になったりしてしまうのです。
恋愛で同じパターンから抜け出すための3つのポイント
たとえば、次のような心のクセがあると、同じ恋愛パターンを無意識に繰り返しやすくなります。
- 自分が“同じパターン”にハマっていることに気づいていない
- 感情の暴走を止める方法を知らない
- 「わかっているのにできない自分」を責めてしまう
それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。
ポイント①自分が“親との関係”を恋愛で再現していることに気づいていない
同じ恋愛パターンを繰り返してしまう理由のひとつは、自分が「過去の親子関係を再現するような恋愛をしていること」に気づいていない、ということです。
たとえば、幼少期に感情を抑えて生きてきた人は、恋愛でも相手に本音を伝えられず我慢をしてしまったり、距離があった親との関係をそのまま恋人に重ねてしまうこともあります。
もちろん本人は、意図的にそうしているわけではありません。
恋愛中の感情は本物で、普通に恋をしているつもりなのに、
無意識のうちに「親にわかってほしかった気持ち」や「認めてほしかった過去の感情」が、恋愛相手に投影されてしまうのです。
恋愛のトラブルは“心のバグ”かもしれない
私はこうした恋愛のすれ違いを、よく「心のバグ」と呼んでいます。
たとえば、プログラミングやExcelを扱ったことがある方なら
なぜか変な結果になった!どこかでミスがあるのかも…
という経験があるかもしれません。
たった1文字の記号ミスや、隠れたコードの違いで、全体の挙動が大きく狂ってしまう――恋愛も、まさにそれと似たような構造を持っているのです。
表面的には「彼とすれ違う」「連絡が来ない」「嫌われてしまった」などの問題が見えるけれど、
その根本には、自分では気づけない心のクセや思い込み、そして過去の記憶が隠れていることが多くあります。
しかも、この“バグ”は自分ではなかなか見つけられません。
周囲の人が教えてくれることもほとんどなく、だからこそ――気づかぬうちにまた同じ恋愛を繰り返してしまうのです。
ポイント②感情の正体に気づいても、すぐにはおさまらない
同じ恋愛パターンを繰り返すもうひとつの理由は、感情の暴走を止める方法を知らないということです。
たとえば
もしかして私、相手を親に見立てて怒りをぶつけてしまってるかも…
と気づけたとします。
これは1歩前進ですが、気づけたからといって、すぐに感情が静まるとは限りません。
頭では「これは過去の親子関係が原因かもしれない」と理解できても、イライラや悲しみ、不満といった感情はそう簡単に消えてくれないものです。
彼のせいじゃないってわかってる、でもムカつく!
そんなふうに、感情と思考がバラバラに動いてしまうのは、とても自然なことなんです。
感情は“台風”と同じ。スキルがあれば被害は減らせる
感情というのは、天気や台風のようなものだと思ってください。
たとえば沖縄の人たちは、毎年のように台風を経験しているので、いざという時の対処法や備えをしっかり知っています。
ベランダの物をしまったり、窓を補強したり、危ない場所には近づかない――そうした“感情の暴風雨”に備えるスキルがあるのです。
けれど、台風に慣れていない人は、何も対策をせずに外に出てしまったり、被害が拡大してしまうことも。
恋愛における感情も、これと同じです。
イライラしてるけどどうしたらいいかわからない
もう我慢できなくて相手にぶつけてしまう
そんな状態が続くと、恋愛もますますこじれてしまいます。
ここで大事なのは、感情が暴走すること自体が“悪い”のではないということ。
感情はそもそも、コントロールしきれない“自然現象”のようなものです。
だからこそ、「暴走した時にどう対応するか?」というスキルや知識が必要なのです。
ポイント③「わかってるのにやめられない」は、誰にでもある
3つ目の落とし穴は、「わかってるのにできない自分を責めてしまう」ことです。
「やめられない、とまらない」というキャッチコピー、聞いたことがある方も多いかもしれません。
そう、あの“かっぱえびせん”のフレーズですね!
名コピーとして有名ですが、実はこれ、恋愛にもぴったり当てはまることがあるんです。
たとえば、ダイエット中に
食べなきゃ痩せるってわかってる。でもつい食べちゃう
これ、理屈ではわかってるんですよね。でも、できない。
恋愛も同じで、「もうやめたい」「この関係じゃ幸せになれない」とわかっていても、感情がついていかないことってあります。
だからこそ、まずは――「わかっているのにやめられない自分を責めないこと」が何よりも大切です。
自責ループはストレスを増幅させるだけ
自分を責めるという行為は、一見「反省している」「向き合っている」ように見えるかもしれません。
でも実際には、それは**自分自身に対する“心の攻撃”**になってしまうことも多いのです。
そうなると、当然ストレスはどんどん蓄積されていきます。
ネガティブな感情がわき上がるたびに、
私って本当にダメだ!なんでこんなこともできないんだ!
と自分を否定してしまう――そうして、恋愛そのものがどんどん苦しくなっていきます。
たとえ頭では「これは過去の親子関係が原因かも」と気づけたとしても、感情は暴れ続けるし、気持ちはなかなか整理できない。
すると今度は、「こんなふうに思ってしまう自分」がまた許せなくなってしまう。
彼が悪いんじゃない。でもムカつく!
悲しいのに、別れたくない。
感情がぐちゃぐちゃすぎて、そんな自分がイヤになる。
――こうして、自責のスパイラルが止まらなくなってしまうのです。
この状態では、パートナーシップを楽しむどころではありません。
まず必要なのは、責めることを手放して、自分の感情をまるごと受け止めてあげることなんです。
「同じ恋愛パターン」から卒業する3つのステップ
ここまでご紹介してきたように、恋愛でいつも同じパターンを繰り返してしまう背景には、
- 気づいていない
- 止め方がわからない
- 自分を責めてしまう
といった心の構造が潜んでいます。
では、どうすればこの流れから卒業できるのか?
ここからは、実際に恋愛パターンを変えていくための具体的な3ステップをご紹介します。
ステップ1:自分責めを止める
ステップ2:ネガティブ感情をしっかり処理する
ステップ3:相手に重ねていた“親の仮面”を外す
どれもシンプルですが、実際にやってみると意外と難しいもの。
ひとつずつ丁寧に解説していきますね。
ステップ① 自分責めを止める
まず一番はじめに必要なのは、とにかく自分を責めるのをやめること。
責めない、責めない、責めない、責めない。絶対に、自分を責めない。
恋愛でうまくいかない時、多くの人はまず「自分が悪いんじゃないか」と自分を責めてしまいます。
でも、それがいちばん心を傷つける原因になってしまうのです。
責めることで状況が好転することは、ほとんどありません。
むしろ
こんな自分じゃダメだ
と思えば思うほど、自分の本音や感情を押し殺してしまい、ますます苦しくなってしまいます。
だからこそ、最初にすることは「自分を否定しない」と決めること。
たとえまだ何も変わっていなくても、今この瞬間の自分に
こんな自分じゃダメよくがんばってるよねだ
と声をかけてあげることから、すべては始まっていくのです。
ステップ② 感情の処理法を身につける
恋愛で繰り返すパターンから抜け出したいとき、一番ハードルが高いのが「感情の処理」です。
「もうやめたい」と思っているのに、心の奥には、かつて感じた怒りや悔しさ、屈辱感がずっと残っていて――
私が味わったこの気持ちを、お前にも思い知らせてやりたい
そんな激しい感情が、ふとしたきっかけで顔を出すこともあります。
もちろん、時間が癒してくれる部分もあります。
けれど、それをただ放置してしまうと、いつのまにか感情は心の奥で煮詰まり、さらに濃く、強くなっていってしまうのです。
怒りを“物理的に吐き出す”方法
まずは、感情を身体の外に出すことがとても大切です。
ここでは実際に多くの方が試して効果を感じている、ユニークな方法をご紹介します。
- ノートに怒りを書き殴って破り捨てる(王道の自己処理)
- トイレットペーパーに書いて流す(文字通り“水に流す”)
- 紙をビリビリに破ってごま油で炙る(お焚き上げの簡易版)
- キックボクシングなどのトレーニングで感情をぶつける(合法的に殴れるやつ)
どれも、「こんなことで本当に?」と思うかもしれませんが、感情は“物理的な動作”で流れが変わることが多くあります。
ひとりで抱えきれないなら、頼っていい
もし一人では処理しきれないと感じたら、誰かに話すこともとても大切です。
- 信頼できるカウンセラーに話す
- 感覚が鋭い方ならヒーリングを受ける
「ちゃんと聞いてもらう」だけでも、心の圧がふっと軽くなることがあります。
中には、怒りを表現するために藁人形を自作して、気持ちをぶつけたという方もいました。
一見、やりすぎ?と思うかもしれませんが、自分の感情を満たすには、少し“やりすぎなくらい”でちょうどいいこともあるのです。
自分の感情をしっかり受け止めて、思い切り出してあげること。
それが、恋愛パターンを卒業するための大きな一歩になります。
ステップ③ 過去の関係性と現在の相手を切り分ける
自分を責めるのをやめて、暴れまわっていた感情が落ち着いてくると、それだけで日常の中に小さな穏やかさが戻ってきます。
この「心の波」が静まったとき、ようやく相手の姿がクリアに見えるようになります。
それまでは、「あの人は私を傷つけた親とそっくり」だと思い込んでいたかもしれません。
でも、よく見てみると――確かに似た部分はあるけれど、まったく同じではないと気づける。
そしてそこに、その人だけの魅力や関係性の可能性が見えてくることもあります。
このプロセスは、心理学では「投影を取り戻す」とも言われます。
本当は過去の人に向けていた感情を、今の人に重ねてしまっていたことに気づく。
それは恋愛において、とても大きな解放と再出発の一歩になるのです。
「ステップ2」でつまずく人が多い理由
この3ステップの中で、一番難易度が高いと感じるのが―― ステップ②「感情の処理」の部分です。
自分で自分の感情を受け止める。
言葉にすると簡単に聞こえますが、実際にはものすごく根気のいることです。
多くの方がここでつまずくのは、感情の責任を自分で持ちたくないという無意識の抵抗があるからです。
この感情は、彼のせい!親のせい!あの人が悪い!
―― たしかにそう思いたくなるのも当然です。
でも、そのまま感情を外に押し付け続けていると、いつまでも「復讐相手」を探し続けることになってしまいます。
どれだけ誰かの言動が引き金になったとしても、 その感情にどう向き合うか、どう処理するかは、自分の領域のことです。
感情を相手にぶつけたり、責任を押し付けたりしているうちは、 本当の意味で感情のコントロールを自分の手に取り戻すことができません。
でも逆に、ここを乗り越えて――
これは私の感情。だから私が扱おう。
と腹をくくることができたら、 そこからは驚くほどスムーズに進み始めるのです。
ステップ2さえクリアできれば、恋愛の景色はがらりと変わります。
焦らず、でもあきらめずに、自分の感情と少しずつ向き合っていきましょう。
「同じ恋愛パターン」を卒業するカギは「感情への向き合い方」
恋愛で同じようなパターンを繰り返してしまう背景には、過去の親子関係の影響や、自分でも気づかない心のクセが隠れていることがある、という内容をここまで解説してきましたが、心当たりはありますか?
このような深層心理の影響を受けた恋愛は、単に「彼が悪い」「私がダメ」といった表面的な問題ではなく、もっと根っこの部分にある“感情との付き合い方”が問われるものです。
だからこそ、まずは――
- 自分を責めないこと
- 感情を丁寧に扱うこと
- 相手を過去の誰かと重ねていないかに気づくこと。
それが、恋愛パターンを卒業するための出発点になります。
無理に完璧を目指す必要はありません。
ただ、自分の感情に少しずつ向き合っていくこと。
それだけでも、恋愛の風景はきっと変わっていきます。