「母子家庭育ちだと結婚しづらいのかな」
「そろそろ結婚したいけれど、母親のことが心配で前に進めない」
と悩んでいる人もいるかもしれません。
結婚は、今でこそ個人同士の選択と言われることが多くなりましたが、実際には、家族同士の関係や、結婚後の住まい、親との距離なども関わってきます。
特に母子家庭で育ってきた人の場合
「自分が結婚して家を出たら、母は一人になってしまうのではないか」
「彼が将来地元に帰りたいと言っているけれど、そうなったら母親の近くにはいられなくなるのではないか」
と考えて、結婚そのものに不安が出てくることがあります。
もちろん家庭環境そのものが、結婚の可否を決めるわけでもありません。
ただ、母親を大切に思う気持ちが強くなりやすい環境で育った場合、結婚を前に特有の心理状態になるケースも多いのです。
この記事では、母子家庭育ちで結婚に不安を感じている人に向けて、母親が心配で結婚に進めない時の心の仕組みや、親子関係の癒着が結婚のブレーキになる理由、そして母親を大切にしながら自分の結婚も選んでいく考え方について解説します。
Contents
- 母子家庭だから結婚できないわけではない
- 母子家庭が結婚に与える影響
- 1. 母子家庭は母娘が心理的に近くなりやすい
- 2. 母親が心配で結婚に進めなくなることがある
- 3. 相手や相手の親にどう見られるかが不安になることもある
- 母子家庭育ちの人が結婚に不安を感じやすい理由
- 1. 母を支える役割が当たり前になっている
- 2. 自分だけ幸せになることに罪悪感が出る
- 3. 結婚後の同居・介護・距離の問題を先取りしてしまう
- 4. 母親との境界線があいまいになっている
- 親子関係の癒着が結婚のブレーキになっているサイン
- 1. 結婚の話より先に母親の反応を考えてしまう
- 2. 母親が寂しがると思うと決断できない
- 3. 彼よりも母親を優先しないと悪い気がする
- 4. 母親の人生まで自分が背負っている感覚がある
- 母親が心配でも結婚を諦めなくていい
- 1. 母の人生と自分の人生を分けて考える
- 2. 支えることと一体化することは違う
- 3. 彼には「母のため」ではなく「自分の希望」として話す
- 4. 偏見を向けられた時は相手側の価値観も見る
- 母親を大切にしながら自分の結婚も選んでいい
母子家庭だから結婚できないわけではない
まず最初に母子家庭で育ったからといって、それだけで結婚できないわけではありません。
その一方で、結婚相談や恋愛相談の現場では、特に女性の場合、母親との心理的な距離がかなり近くなっていることで、結婚の話がまとまりにくいケースがあるとも言われています。
そして母子家庭という環境は、母と娘の心理的な結びつきが強くなりやすい要素が揃いやすいのです。
とはいえ、一言で母子家庭と言っても、その内情はさまざまです。
- 母一人、娘一人で、苦しい中で二人支え合って生きてきた家庭
- 母子家庭ではあったけれど、祖父母など周りからのサポートがかなりあった家庭
- 経済的には恵まれていて、特に大きな苦労はなかった家庭
このように、母子家庭といっても状況はそれぞれ違います。
そしてこの記事で扱いたいのは、母と娘の心理的な癒着や、母親との距離の近さが、結婚にどのような影響を与えるのかというテーマです。
親子関係の癒着は、母子家庭だけで起こるものではありません。
父母がそろっている家庭でも、例えば父親が単身赴任などで家にいる時間が少なく、実質的に母と娘の関係が中心になっていた家庭でも、同じようなことは起こり得ます。
大切なのは、家庭の形そのものではなく、母親との心理的な距離が、自分の結婚や人生の選択にどのくらい影響しているのかを見ることです。
母子家庭が結婚に与える影響
では、母子家庭で育ったことは、結婚にどのような影響を与えることがあるのでしょうか。
ここでは、母子家庭そのものが問題というよりも、母と娘の心理的な距離が近くなることで起こりやすい影響について見ていきます。
1. 母子家庭は母娘が心理的に近くなりやすい
先ほども触れたように、母子家庭という環境では、母と娘が心理的に近くなりやすい面があります。
特に、母が一人、娘も一人で、祖父母など子育てをサポートしてくれる人も近くにおらず、本当に二人きりで助け合って生きてきたような場合には、母と娘の心理的な距離は近くならざるを得ないでしょう。
そして、この二人きりの世界が大きくなればなるほど、娘が結婚するという出来事は、母と娘の二人の世界が一度解体されるような体験になります。
それは、母にとっても娘にとっても、かなり大きな出来事です。
少し極端な例ですが
- 両親がそろっていて
- 祖父母も一緒に暮らしていて
- 兄弟姉妹がたくさんいるような大家族
このような場合、その中の一人が結婚することによる家族全体へのインパクトは、かなり分散されます。
もちろん寂しさはあるかもしれませんが、家族の世界そのものが大きく変わるわけではありません。
一方で、母と娘の二人で支え合ってきた家庭の場合、娘の結婚は、単に一人の娘が家を出るというだけではなく、これまで二人で作ってきた生活の形が大きく変わる出来事になります。
2. 母親が心配で結婚に進めなくなることがある
母と娘の心理的な距離が近い場合、結婚したい気持ちはあっても、母親のことを考えると前に進めなくなることがあります。
彼との結婚を考えた時に、自分の気持ちより先に
「母は寂しがるのではないか」
「母を一人にして大丈夫だろうか」
「私が家を出たら母の生活はどうなるのだろうか」
と考えてしまうのです。
これまで支えてくれた母親に感謝しているからこそ、結婚によって母親を置いていくような感覚になったり、自分だけ新しい人生に進むことに申し訳なさを感じたりするのは、自然なことでもあります。
ただ、その気持ちが強くなりすぎると、結婚を自分の人生の選択として考えられなくなってしまいます。
3. 相手や相手の親にどう見られるかが不安になることもある
母子家庭で育った人の中には、自分自身が結婚に進めないだけでなく、相手や相手の親にどう見られるのかが不安になる人もいます。
「母子家庭育ちだと、相手の親に反対されるのではないか」
「家庭環境のことで、何か問題があると思われるのではないか」
「母親との距離が近いことで、彼に重いと思われるのではないか」
このように考えてしまうこともあるでしょう。
結婚は本人同士のものと言われますが、現実には相手の家族との関係も関わってきます。
そのため、自分の家庭環境をどう説明すればいいのか、母親との関係をどこまで話せばいいのか、不安になるのも無理はありません。
母子家庭育ちの人が結婚に不安を感じやすい理由
結婚は誰にとっても大きなイベントで、不安な気持ちが出てくるのは普通です。
ただ母子家庭の人の場合、母との関係が大きいが故に、不安の種類に特有の傾向があります。
ここでは、母子家庭育ちの人が結婚を前に不安を感じやすい理由について見ていきます。
1. 母を支える役割が当たり前になっている
母子家庭で育ってきた人の中には、幼い頃から母親を支える役割を自然と担ってきた人もいます。
母親が仕事で忙しかったり、経済的にも精神的にも余裕がなかったりすると、娘が家のことを手伝ったり、母親の話し相手になったり、時には母親の愚痴や不安を受け止める役割になることがあります。
それは家族として自然な助け合いでもありますが、いつの間にか「母を支えるのは自分の役目」という感覚が強くなっていきます。
すると、結婚によって家を出ることが、単に自分の生活が変わることではなく、母親を支える役割を放棄するように感じられてしまうことがあります。
2. 自分だけ幸せになることに罪悪感が出る
母親と二人で苦しい時期を乗り越えてきた人ほど、自分だけ結婚して新しい家庭を持つことに罪悪感が出ることがあります。
「母はずっと頑張ってきたのに」
「母は一人で私を育ててくれたのに」
「私だけ好きな人と幸せになっていいのだろうか」
このような気持ちが出てくることもあるでしょう。
特に、母親が再婚していなかったり、現在も一人で暮らしていたりする場合、娘の中で「母は自分のために人生を犠牲にしてくれた」という感覚が強くなることがあります。
その結果、結婚が自分にとって幸せな出来事であるにもかかわらず、母親を置いていくような感覚になり、素直に喜べなくなってしまうことがあるのです。
3. 結婚後の同居・介護・距離の問題を先取りしてしまう
母親のことが心配な場合、結婚前から結婚後の生活について考えすぎてしまうことがあります。
たとえば、
「結婚したら母とは別居になるのか」
「将来、母の介護が必要になったらどうするのか」
「彼の仕事の都合で遠方に住むことになったら、母を一人にしてしまうのではないか」
「母と同居したいと言ったら、彼や彼の家族にどう思われるのか」
といった不安です。
結婚後の生活や親の将来について考えることは必要です。
ただ、まだ起きていない問題まで先取りしすぎると、結婚そのものがとても重たいものに感じられてしまいます。
本来なら、彼との関係や自分の気持ちを見ながら考えていく段階でも、母親の将来まで一気に背負おうとしてしまうことで、結婚に進むことが怖くなってしまうのです。
4. 母親との境界線があいまいになっている
母と娘の心理的な距離が近い場合、母親の気持ちと自分の気持ちの境界線があいまいになっていることがあります。
たとえば、自分は結婚したいと思っているのに、母親が寂しそうにすると「やっぱり結婚しない方がいいのかな」と感じてしまう。
本当は彼と暮らしたいのに、母親が不安そうにすると「私が母のそばにいなければ」と思ってしまう。
このように、母親の感情がそのまま自分の判断に入り込んでくることがあります。
母親の気持ちを思いやれること自体は、決して悪いことではありません。
けれど、母親の寂しさ、不安、孤独感まで自分の責任のように感じてしまうと、自分が本当はどうしたいのかが見えにくくなってしまいます。
その結果、結婚したい気持ちはあるのに、母親との関係を考えると身動きが取れなくなってしまうことがあるのです。
親子関係の癒着が結婚のブレーキになっているサイン
ここまで、母子家庭で育った人が結婚に不安を感じやすい理由について見てきました。
ここでは、母親との心理的な距離の近さが、実際に結婚のブレーキになっている時に出やすいサインについて整理していきます。
1. 結婚の話より先に母親の反応を考えてしまう
彼との結婚を考えた時に、自分がどうしたいかよりも先に、母親がどう反応するかを考えてしまう場合があります。
「母に話したら寂しがるかな」
「母は反対するかな」
「母に申し訳ないと思ってしまうかな」
このように、結婚の話を自分と彼の問題として考える前に、母親の反応が頭に浮かんでしまうのです。
もちろん、結婚を考える時に親の反応が気になるのは自然なことです。
ただ、母親の反応が気になりすぎて、自分の気持ちや彼との関係を考える前に思考が止まってしまう場合は、母親との心理的な距離が近くなりすぎている可能性があります。
2. 母親が寂しがると思うと決断できない
結婚によって実家を出る、遠方に引っ越す、彼との生活を優先する。
そう考えた時に、母親が寂しがる姿を想像して決断できなくなることがあります。
特に、母親が一人暮らしだったり、近くに頼れる人が少なかったりする場合、「私がいなくなったら母はどうなるのだろう」と不安になりやすいでしょう。
母親の寂しさを想像すると、結婚に進むことがまるで母親を見捨てることのように感じられてしまうのです。
その結果、彼との結婚を前向きに考えたい気持ちはあるのに、母親の寂しさを思うと決めきれなくなってしまうことがあります。
3. 彼よりも母親を優先しないと悪い気がする
母親との心理的な距離が近い場合、彼との予定や将来の話よりも、母親の都合や気持ちを優先しないと悪い気がすることがあります。
たとえば、彼との旅行や同棲の話が出た時に、母親にどう思われるかが気になって素直に喜べない。
彼との将来を考えたいのに、母親を一人にすることを想像すると罪悪感が出る。
このような状態になると、彼との関係を深めること自体に、どこか後ろめたさを感じるようになります。
4. 母親の人生まで自分が背負っている感覚がある
親子関係の癒着が強くなると、母親の寂しさや不安だけでなく、母親の人生そのものまで自分が背負っているように感じることがあります。
「母を幸せにしなければいけない」
「母の老後は私が全部見なければいけない」
「母が一人にならないように、私がそばにいなければいけない」
このような感覚が強くなると、結婚は自分の幸せな選択というより、母親の人生を置き去りにする選択のように感じられてしまいます。
その結果、結婚したい気持ちがあっても、母親の人生を背負ったままでは身軽に決めることができません。
母親のことを大切に思っているからこそ、結婚がただ嬉しいものではなく、重たい決断のように感じられてしまうのです。
母親が心配でも結婚を諦めなくていい
ここまで見てきたように、母親との心理的な距離が近いと、結婚を考えた時に不安や罪悪感が出てくることがあります。
けれど、母親が心配だからといって、自分の結婚を諦めなければいけないわけではありません。
大切なのは、母親を大切にすることと、自分の人生を選ぶことを対立させすぎないことです。
1. 母の人生と自分の人生を分けて考える
母親のことが心配な時ほど、母の人生と自分の人生が混ざってしまいやすくなります。
- 母が寂しそうだから、私は結婚しない方がいい
- 母が一人になるから、私は家を出ない方がいい
- 母が不安そうだから、私は彼との将来を選んではいけない
このように考えてしまうと、自分の人生の選択が、すべて母親の状態によって決まってしまいます。
母親の人生と自分の人生は別のものです。
母親には母親の人生があり、自分には自分の人生があります。
母を大切にすることと、母の人生を自分が代わりに生きることは違います。
まずは、「母はどう思うか」だけではなく、「私はどう生きたいのか」「私はどんな結婚をしたいのか」を分けて考えてみることが大切です。
2. 支えることと一体化することは違う
母親を支えることと、母親と一体化することは違います。
- 母親が困った時に助ける
- 必要な時に連絡を取る
- できる範囲で生活をサポートする
- 母親の気持ちに寄り添う
これらは、母親を大切にする行動です。
けれど、母親が寂しくならないように自分の結婚を止める、母親が不安にならないように自分の希望を諦める、母親の人生の不足を自分が埋めようとするとなると、それは支えることを超えて、一体化に近くなっていきます。
支えることは、自分の人生を持ったままでもできます。
結婚したら母を見捨てることになるのではなく、結婚後の自分として、母とどのような距離感で関わっていくかを考えていけばいいのです。
3. 彼には「母のため」ではなく「自分の希望」として話す
母親のことが心配な場合、彼にその話をする時も注意が必要です。
「母が心配だから、私は地元を離れられない」
「母が一人になるから、同居したい」
「母のために、結婚後も頻繁に実家に帰りたい」
このように、すべてを「母のため」として話してしまうと、彼から見ると、二人の結婚生活よりも母親が優先されているように感じられることがあります。
だからこそ、彼に話す時は、母親の事情だけではなく、自分の希望として伝えることが大切です。
「私は母のことも大切にしたい。そのうえで、あなたとの生活もちゃんと作っていきたい」
「結婚後も母とは定期的に連絡を取りたいけれど、二人の生活を大切にしたい気持ちもある」
「将来の親との距離について、二人で現実的に話し合いたい」
このように、自分がどんな結婚生活を望んでいるのかを言葉にすることで、彼とも話し合いやすくなります。
4. 偏見を向けられた時は相手側の価値観も見る
母子家庭で育ったことに対して、相手や相手の家族から偏見のようなものを向けられることもあるかもしれません。
けれど、母子家庭で育ったという事実だけで、人柄や結婚生活のすべてが決まるわけではありません。
もし相手側が、母子家庭という一点だけで強く否定してきたり、こちらの話を聞かずに決めつけてきたりする場合は、相手側の価値観も見る必要があります。
結婚は、こちらが一方的に選ばれるものではありません。
自分もまた、この人と、この家族と、これから関係を作っていけるのかを見る立場にあります。
母子家庭であることを必要以上に恥じたり、隠したりする必要はありません。
大切なのは、家庭環境そのものではなく、そこから自分が何を感じ、これからどんな関係を作っていきたいのかです。
母親を大切にしながら自分の結婚も選んでいい
ここまで、母子家庭で育った人が結婚に不安を感じやすい理由や、母親との心理的な距離が結婚のブレーキになるケースについて解説してきました。
母子家庭で育ったからといって、結婚できないわけではありません。
ただ、母親と二人で支え合って生きてきた時間が長かったり、母親を支える役割が当たり前になっていたりすると、結婚をきっかけに特有の心理状態になりやすいのです。
もし自分が結婚することに対して、母を裏切るような感覚が出てくるなら
「母親を大切にしながら、自分の結婚も選んでいい」
まずはその前提に立つことから、自分の人生の選択を考えてみてください。