
彼氏から連絡が来ない──そんな状況が続くとき、心の中では感情が嵐のように大暴れすることもありますよね。
待っている時間が長くなるほど
どうして連絡くれないんだろう
嫌われたのかな
嫌わ何か怒らせた?
そんな不安がじわじわと心を覆っていきます。
この記事では、連絡が来ないときに感じる不安の正体を丁寧にひもときながら、その裏にある“本当の願い”を見つめ直すヒントをお届けします。
Contents
“連絡が欲しい”という気持ちの奥に、本当はどんな願いがあるのか?
「連絡が来ない」という出来事。
でも、そこで揺れているのは、実は“出来事そのもの”ではありません。
心が反応しているのは、その出来事によって刺激された、もっと深い場所にある感情や記憶。
たとえば──
- 自分が大切にされていないように感じる
- 存在を忘れられているような気がする
- 自分の価値がわからなくなる
彼から連絡が来ないことで、そんな気持ちになったことはありませんか?
“連絡が欲しい”という感情の奥には、実はもっと繊細で根源的な願いが隠れています。
ここからは、私たちの自己対話スクールに寄せられた多くの声をもとに、
なぜ「彼から連絡が来ない」と、あんなにも心がざわついてしまうのか。
その背景にある“7つの深層心理”を見ていきましょう。
なぜ「連絡が来ない」と不安になるのか?7つの深層心理
私が主催している脳トレカレッジ(女性専用の自己対話スクール)では、彼氏から連絡が来なくて不安になる女性からのご相談を、これまで数えきれないほど受け取ってきました。
ここでご紹介する7つの背景は、そのひとつひとつの声に耳を傾けながら編み出された、“なぜ彼氏から連絡が来ないことで不安になるのか”という7つの構造的な理由です。
もし今現在、彼氏から連絡が来なくて(もしくは少なくなって)不安でたまらなくなっている人がいたら、ぜひチェックしてみてください。
この背景、私に当てはまっているかも…?
そう感じる項目があれば、このコラムがきっと何かのヒントになるはずです。
① 見捨てられ不安──「このまま終わってしまうかも…」
- 彼の気持ちが離れていったらどうしよう。
- このまま自然消滅になったらどうしよう。
そんな“不安の予感”が膨らんで、まだ起きてもいない未来を、頭の中で何度も再生してしまいます。
彼からの連絡が少なくなると、
もう用済みなのかもしれない…?
私はもう、この人にとって必要のない存在なのかもしれない…?
そんな感覚がじわじわと広がっていきます。
「見捨てられるかもしれない」という恐れは、過去に感じた寂しさや、誰にも頼れなかった孤独な記憶と結びついていることも多く、ときに想像以上の痛みとなって、心の奥をざわつかせます。
② 存在の確認欲求──「私、ちゃんと“いる”よね?」
“連絡が来ない”という状況は、ときに「私はいないものとして扱われているのかもしれない」という感覚を呼び起こします。
それは単に「無視されている」ということではなく、もっと根源的な、「自分の存在が感じられていない」という感覚です。
この欲求の背景には、「誰かに“いる”と感じてもらえることで、私は安心できる」という、深い存在証明の願いが隠れています。
たとえば、典型的ないじめの手段のひとつに“無視”があります。
あれは、相手をあえて傷つけようとしているというよりも、「存在そのものをなかったことにする」ことで、大きな心理的ダメージを与えているんですよね。
私たちが無視に傷つくのは、「自分の存在が感じてもらえない」ことが、人にとってとてもつらいからです。
だからこそ、たとえ彼が意図的に無視しているわけではなくても、連絡が少なくなることで、まるで「私はこの世界に存在していないのではないか」という感覚を刺激されてしまうことがあるのです。
③ 自己価値の揺らぎ──「連絡したいと思われる価値、私にある?」
“返す価値すらないのかもしれない”という思いが、静かに、でも確実に自分を蝕んでいく──。
そんな経験をしたことはありませんか?
彼からの連絡が少ないとき、まるで自分の存在価値そのものが否定されているような感覚になることがあります。
恋愛に限らず、仕事や人間関係の中でも、私たちはつい“周りの扱い”によって、自分の価値を測ってしまいがちです。
- 給料が上がれば「価値がある」と思える
- 誰かに必要とされれば「私は存在していい」と思える
- 男性にモテるほど「私はいい女だ」と感じられる
でもそれが恋愛に置き換わると、「連絡が来るかどうか」で彼からの評価をはかり、連絡がない=私は必要とされていない…という思い込みに変わってしまうこともあります。
特に、自分の価値を自分で認めにくいとき──自己肯定感が揺らいでいるときほど、この「彼からどう見られているか」に強く反応してしまうのです。
④ コントロール欲求──「私の希望を聞いてくれる=愛」?
愛しているなら、ちゃんと応えてくれるはず
連絡してくれる=愛してくれている
そんなふうに、“連絡”を“愛情”の証明として捉えてしまうと、連絡の有無が、相手の気持ちのバロメーターのように思えてきます。
でも、ここにはひとつの落とし穴があります。
それは、「私の希望に応えてくれること=愛」という前提を置いてしまうと、相手がそれに応えなかったときに、愛されていないように感じてしまうということ。
小さい頃、親に「言うことを聞いてもらえた=愛された」と感じた記憶がある人も多いはず。
そうやって、愛と“コントロール可能性”が無意識に結びついていると、「言う通りにしてくれる=私を愛している」という公式ができてしまうのです。
でも本当は、愛には“自由”が含まれているはず。自分の希望を伝えることと、それを相手がどう受け取るかは、別の話なのかもしれません。
⑤ 安心依存──「あなたから安心をもらわないと、生きていけない」
不安なときに、「とにかく誰かと繋がっていたい」と思う気持ちは、とても自然なことです。
でももしそれが、
彼から返事がこないと落ち着かない
繋がっていないと不安でたまらない
という状態になっているとしたら、安心のよりどころが“完全に外側”になってしまっているのかもしれません。
安心を求める強さには、個人差があります。
生まれつき不安を感じやすい人もいれば、育った環境の中で「安心=誰かに守ってもらうこと」と学んできた人もいます。
最近、犬のトリミング動画を見ていて、怖がりなワンちゃんが些細な音にすぐ反応してしまう姿を見たのですが、人間も同じで、敏感で繊細な気質を持っている人ほど、「今、安心できるかどうか」にとても反応しやすいんですよね。
そしてその“安心”を彼からの連絡に託してしまうと、連絡がない=私は大丈夫じゃない、という回路ができてしまいます。
安心は、本当は自分の内側に取り戻していくもの。
でもそれがうまくできないとき、私たちはどうしても外側に「安心源」を求めてしまうのです。
⑥ 愛情の欠乏感──「もっと、もっと、愛してほしい」
連絡がないときにふくらむ、“愛されていない感覚”。
それは、今の恋愛の中だけで生まれているものとは限りません。
もっとずっと前──まだ言葉すら知らなかった頃から、
ちゃんと見てもらえなかった!抱きしめてもらえなかった!
そんな小さな傷が、心の深いところに残っていたのかもしれません。
20世紀初頭のある実験では、身体的には満たされた環境にいても、愛情を与えられなかった孤児たちの多くが、発育不良になり、命を落としてしまったという報告があります。
人間にとって「愛されている」という感覚は、食事や睡眠と同じくらい、“生きていくために必要なもの”なのです。
だからこそ、愛情の欠乏感がある人にとっては、「連絡がない=また愛されない」が、生存への危機感と結びついてしまうこともあります。
すると、“もう十分”にはなれなくて、どこまでも「もっと、もっと」と渇き続けるような愛の形になってしまうのです。
⑦ 感情の転嫁欲求──「本当は寂しいだけなのに、怒りとしてぶつけてしまう」
なんで連絡くれないの?
もう知らない!私からも連絡しない!
そんなふうに、怒りの形で爆発してしまったことはありませんか?
でもその奥には、ただただ“寂しい”という気持ちがある──自分でもそれに気づけていないまま、強いエネルギーになって吹き出してしまうのです。
実はこの怒りは、①〜⑥で感じた感情たちが、自分の中で処理しきれずに膨らんだとき、「寂しさを感じた責任を、相手に取らせたい」という形で現れることがあります。
本当は、「寂しいから連絡がほしい」だけなのに、「私を寂しい気持ちにさせたあなただけが悪い」と、まるで罰を与えるように、怒りとして投げてしまう。
でもその裏側には、“寂しい”と素直に伝えることの怖さや、「こんなに弱い自分を見せたくない」という防衛心が隠れているのかもしれません。
※ちなみに、これらの7つの背景には、親子関係に由来しているものも少なくありません。
とくに幼少期の「愛され方」「安心のもらい方」が、大人になった恋愛に色濃く影響を与えることもあります。
もし「どうしてこんなにも苦しくなってしまうんだろう?」と感じたら、過去の自分に優しく目を向けてあげるのも、大切な自己対話のひとつです。
ちなみに、男性はなぜ連絡を絶つのか?
では、連絡を“絶つ側”である男性は、どんな心理で動いているのでしょう?
とあるアンケート調査によれば、「彼女に連絡を絶ったことがある」と答えた男性は約6割。
その最大の理由は
めんどくさいから
……それって、正直ちょっとひどい。
付き合っているのに、めんどくさいって何?と思いますよね。
でも、もし女性側から投げているのが、先ほど紹介した7つの心理を含んだ「重たいボール」だったとしたら──
相手の男性は、それを受け止めきれずに
めんどくさい
という一言に集約して「見なかったことにする」という選択をとっているのかもしれません。
もちろん「無視する」という態度が正解だとは思いませんが「なぜ返ってこないのか?」を考える上で、“自分が相手に何を投げていたか”という視点を持つこともまた、大切なのです。
彼氏から連絡が来ない状況を変える4ステップ
どうして連絡くれないんだろう
私は、大切にされていないのかもしれない
そんな思いがよぎるとき、私たちはただ、返事がないという“現実”だけではなく、その背後にある“意味”に苦しんでいるのかもしれません。
でも、感情の奥にはいつだって「願い」がある。
- “つながっていたい”という願い。
- “分かち合いたい”という願い。
- “愛されたい”という願い。
その願いを、責めることも否定することもありません。
ではここから「彼氏から連絡が来ないけど、また二人で仲良く過ごしたい、やり取りを始めたい」という気持ちを叶えるための4ステップを見ていきましょう。
Step1|どんなやりとりがしたかった?
付き合いはじめの頃、やりとりはもっと軽やかだったはずです。
今日こんなことがあったよ!
この動画、あなたに見てほしいな。
そんなふうに、小さな感情のキャッチボールが自然に交わされていたはず。
やりとりの目的は、正しさの主張でも、確認でもなく、“ただつながっていたい”という気持ちから生まれていたのではないでしょうか。
まずはそこに、もう一度そっと戻ってみましょう。
「私、どんなやりとりがしたかったんだろう?」と。
Step2|そのボール、重くなってない?
関係が深まるほどに、無意識のうちに投げるボールが変わっていくことがあります。
私を安心させて
私を優先して
私が好きだ、って言って
そんな、“試すようなボール”になっていなかったでしょうか?
ボールが重くなると、相手は構えてしまいます。
受け取るのが怖くなって、手を出せなくなる。
でもそれは、あなたが悪いわけではありません。
ただ、心が不安だっただけ。
“本当に投げたかったボール”を、見失っていただけかもしれません。
Step3|“応えてくれる=愛”になってない?
「私の希望に応えてくれること」=「愛してくれている証」──そう感じたくなるのは自然なことです。
でも、いつしかそれが“愛の判断基準”になってしまうと、キャッチボールは“つながり”ではなく、“取引”に変わっていきます。
返事がある=OK
返事がない=ダメ
そんなふうに、白黒でしか測れなくなると、愛はどんどん苦しくなっていきます。
本当にほしかったのは、“YESの返事”ではなく、お互いに言葉を交わせる“関係性そのもの”だったのではないでしょうか。
Step4|キャッチボールをやり直すには?
もう一度、あの軽やかだったキャッチボールに戻るには──まずは、「私は寂しかった」と、心の声を“言葉”にしてあげること。
不安や怒りのまま伝える前に、その気持ちを自分自身が受け取ってあげることで、少しずつ、心は落ち着いていきます。
そして整った気持ちを、やさしい言葉で投げてみる。
“返してもらうこと”ではなく、“つながること”を目的としたボールを、そっと差し出してみる。
その一球はきっと、あなた自身の心も、相手の心も、少しずつやわらかくしていくはずです。
まとめ|二人の関係をもう一度立て直すために
「連絡が来ない」ことで不安になるのは、あなたが繊細で、感受性が豊かだから。
そして何より、誰かとのつながりを、ちゃんと大切にしようとしている人だから。
だからこそ、まずはその感情に、自分自身がそっと寄り添ってあげること。
怒りや焦りに任せてぶつけるのではなく、「私は本当は、どんな気持ちだったんだろう?」と、問いに変えていくこと。
その瞬間から、“彼とのキャッチボール”ではなく、“自分とのキャッチボール”(自己対話)が始まります。
本当に欲しかったものは、返事でも、言葉でもなく、つながっていたいという気持ちに、自分で気づいてあげることだったのかもしれません。