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自己信頼感とは?自己肯定感・自己効力感との違いと高め方を解説

自己信頼感・自己肯定感・自己効力感の違いに悩む3人と、疑問符が浮かぶフラットデザインのアイキャッチ画像。

心理学や自己啓発の本を読んでいると、「自分を信じることが大事」「自分を受け入れることが大事」といった言葉に出会うことがあります。

その中で、自己信頼感、自己肯定感、自己効力感など、似ているようで少しずつ違う言葉が出てきて、混乱してしまう人もいるのではないでしょうか。

どれも自分との関係に関わる言葉ですが、見ている領域は同じではありません。

この記事では、自分との信頼関係を指す「自己信頼感」を中心に、似た言葉との違いを整理していきます。

Contents

自己信頼感とは?

自己信頼感について考える前に、まず「信頼」とは何かを整理してみましょう。

私たちは普段、自分以外の誰かを信頼するときに、「この人は絶対に失敗しない」「何でも完璧にこなしてくれる」と思っているわけではないはずです。

それよりも、

  • 約束を大事にしてくれる
  • 何かあった時に向き合ってくれる
  • こちらの気持ちを雑に扱わない
  • 失敗しても関係を投げ出さない
  • 裏切ったまま放置しない

こうした感覚があるからこそ、その人を信頼できるのではないでしょうか。

これは、自分との関係でも同じです。

自己信頼感とは、「私は何でもできる」「私の判断はいつも正しい」と思い込むことではありません。

  • 自分の本音を無視し続けない
  • 自分の感情をなかったことにしない
  • 失敗しても自分を見捨てない
  • 自分との小さな約束を大事にする

このように、自分が自分を雑に扱わず、自分との関係を投げ出さない姿勢を取り続けることで「自分への信頼」は高まっていきます。

つまり、自己信頼感とは、能力や結果への信頼ではなく、自分との関係への信頼だと言えるでしょう。

 

自己肯定感・自己効力感・自己信頼感の違い

自己信頼感は、自己肯定感自己効力感と混同されやすい言葉です。

どれも自分との関係に関わる言葉ですが、見ている領域が少しずつ違います。

範囲自己肯定感自己効力感自己信頼感
どの領域に対する概念か自分の存在に対する肯定自分のスキルや行動・能力に対する評価自分との関係や誠実さに対する信頼
高いときの感覚私はこれでいい私はできる私は私を裏切らない
近い感覚受け入れる・許すやれる・達成できる頼ってもいい・見捨てない

自己肯定感は、自分の存在そのものを肯定する感覚です。

「私は私でいていい」
「欠点があっても、存在していていい」

このように、自分の存在に対してOKを出せている感覚に近いものです。

一方で、自己効力感は「自分なら行動して結果を出せそうだ」と思える感覚です。

仕事、勉強、挑戦、目標達成など、何かを実行する場面に関係します。

そして自己信頼感は、自分との関係や誠実さに対する信頼です。

  • 自分の本音を無視し続けない
  • 自分の感情を置き去りにしない
  • 失敗しても自分を見捨てない
  • 自分との約束を大事にする

このような積み重ねの中で、「自分に任せても大丈夫」「自分を頼ってもいい」と感じられるようになっていきます。

自己肯定感が「私はこれでいい」だとしたら、自己効力感は「私はできる」、そして自己信頼感は、「私は私を裏切らない」という感覚に近いと言えるでしょう。

 

自己信頼感が低い時に起こりやすい悩み

自己信頼感が低い状態とは、自分で自分のことを信頼できていない状態です。

もっとわかりやすく言うなら、信頼できない相手と、24時間365日ずっと一緒にいるようなものです。

起きている時も、寝ている時も、何かを選ぶ時も、誰かと関わる時も、常にその相手がそばにいる。

そう考えると、安心して過ごすことが難しくなるのも、自分の選択を信じられなくなるのも、自然な流れです。

ここでは、自己信頼感が低い時に起こりやすい悩みについて見ていきましょう。

 

1. 自分で選ぶことが怖くなる

自己信頼感が低い時、まず起こりやすいのは、自分で選ぶことが怖くなることです。

信頼できない人が選んだことを、そのまま安心して受け入れられるでしょうか。

おそらく、多くの人は「本当にそれで大丈夫なのか」「間違っているのではないか」と疑いたくなるはずです。

これは、自分との関係でも同じです。

自分のことを信頼できていないと、自分が選んだことも信頼できません。

  • この仕事を選んでいいのか
  • この人と関わっていいのか
  • この道に進んでいいのか
  • この気持ちを信じていいのか

何かを決めるたびに、自分の判断が疑わしくなります。

その結果、自分で選ぶよりも、誰かに決めてもらった方が楽に感じることもあります。

 

2. 安心して過ごすことが難しくなる

自己信頼感が低いと、安心して日々を過ごすことも難しくなります。

信頼できない相手がずっと隣にいる生活を想像してみてください。

  • いつ裏切られるかわからない
  • いつ何をされるかわからない
  • 油断してはいけない
  • 自分で自分を守らなければいけない

そんな感覚が続けば、心は自然と危機管理モードになります。

安心して幸せを感じることよりも、どうすれば傷つかずに済むか、どうすれば失敗を避けられるか、どうすれば安全を確保できるかに意識が向きやすくなるのです。

本当は楽しめる場面でも、どこかで身構えてしまう。
休んでいるはずなのに、心が休まらない。

自己信頼感が低い時は、自分の中にいる「信頼できない自分」に対して、常に警戒しているような状態になりやすいのです。

 

3. 自分の望みを信じられなくなる

自己信頼感が低い時は、自分の望みを信じることも難しくなります。

  • 本当はこうしたい
  • 本当はこれが欲しい
  • 本当はこの人と関わりたい
  • 本当はこんな人生を生きたい

そんな望みが出てきても、すぐに疑ってしまうのです。

  • これは本当に望んでいることなのか
  • ただ逃げたいだけではないか
  • 欲張りなのではないか
  • どうせ叶わないのではないか
  • 自分が望むとろくなことにならないのではないか

自分との信頼関係が弱くなっていると、自分の内側から出てきた望みまで、信頼できないものに見えてしまいます。

その結果、望みが出てきてもすぐに打ち消したり、誰かに許可されるまで動けなかったりします。

自己信頼感が低い時は、自分の選択だけでなく、自分の望みそのものも疑いやすくなるのです。

 

自己信頼感を高める方法

自己信頼感は、強いメンタルや大きな成功体験だけで育つものではありません。

信頼できなくなった相手との関係を修復する時に、口先の言葉だけでは足りないように、自分との信頼関係も日々の小さな扱い方によって少しずつ戻っていきます。

 

1. 自分の本音を小さく拾う

まずは、自分の本音を小さく拾うことから始めます。

いきなり人生を大きく変える必要はありません。

  • 本当は疲れている
  • 本当は行きたくない
  • 本当は嬉しかった
  • 本当は嫌だった
  • 本当はこうしたい

こうした小さな本音に気づくことから始めます。

よくある誤解でもありますが、自分の本音に気づいたからといって、すぐに全部叶えなければいけないわけではありません。

まずは、自分の中にそういう声があると認めること。

自分の声を聞き取る回数が増えるほど、「私は私の声を完全には無視しない」という感覚が少しずつ戻っていきます。

 

2. 自分との小さな約束を守る

自己信頼感を高めるには、自分との小さな約束を守ることが役に立ちます。

  • 今日は10分早く寝る
  • 疲れたら休む
  • 嫌なことを嫌だと認める
  • 無理な予定をひとつ減らす
  • 自分のために飲み物を用意する

大きな約束でなくてかまいません。

むしろ、守れないほど大きな約束をするより、守れる小さな約束を積み重ねる方が現実的です。

自分との約束を守る経験が増えるほど、「自分は自分を後回しにし続ける存在ではない」と感じられるようになります。

 

3. 自分の違和感を放置しない

自己信頼感を高めるには、自分の違和感を放置しないことも大切です。

  • 本当は嫌だった
  • 本当は傷ついた
  • 本当は納得していない
  • 本当は無理をしていた
  • 本当はもうやめたかった

こうした違和感を毎回なかったことにしていると、自分との信頼関係は弱くなっていきます。

違和感が出てきた時に、すぐに正しい答えを出す必要はありません。

「私は今、何かを嫌だと感じている」「ここで少し無理をしている」と気づいてあげるだけで十分です。

その積み重ねが、自分を裏切ったまま放置しない感覚につながっていきます。

 

4. 失敗した自分を見捨てない

自己信頼感は、うまくいった時だけではなく、失敗した時にも育ちます。

失敗した時に、自分を責めるだけで終わるのか。

それとも、失敗した自分を抱えたまま次を考えられるのか。

ここで、自分との関係が変わっていきます。

  • 今回は何が難しかったのか
  • 次に同じことが起きたらどうしたいのか
  • 本当は何を守りたかったのか
  • どこで無理をしていたのか

失敗した自分を見捨てずに見直すことができると、「私は失敗しても自分を放り出さない」と感じられるようになります。

自己信頼感は、成功した自分だけを信じることで育つものではありません。

うまくいかなかった自分とも関係を切らないことによって、少しずつ育っていくのです。

 

自己信頼感は「自分を裏切らないこと」から育っていく

この記事では、自己信頼感とは何か、自己肯定感や自己効力感との違い、そして自己信頼感を高める方法について解説してきました。

自己信頼感は、何でもできる自分になることで育つものではありません。

むしろ、できない時も、迷う時も、失敗する時も、自分を見捨てずに扱っていく中で、「自分に任せても大丈夫なのかもしれない」という感覚を積み重ねていくことで育ちます。

よく他者との関係の中で、「信頼を築くまでは大変だけれど、失うのは一瞬」などと言われることがあります。

自分との信頼関係も同じように、築いていくまでには少し時間がかかります。

だからこそ、できる自分や、うまくいっている自分だけを信頼しようとするのではなく、迷う自分、失敗する自分、うまくできない自分とも付き合っていく姿勢が大切です。

どんな自分とも関係を切らずに向き合っていくこと。

その積み重ねの中で、自分との信頼関係は少しずつ深まっていくのです。

この記事を書いた人

江藤有紀 自己対話の学校主宰。女性向け商業施設の運営に従事したのち、人間心理についての発信を始め、人生相談を受けるようになり独立。
人生の悩みは、自分との繋がりが薄くなっているサインと捉え、自己対話を体系的に学ぶプログラム企画などを行う。 著者プロフィールを見る

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