
充実した生活を送りたい!
そう思うことはあっても、「何があれば、私は満たされていると言えるんだろう?」と考えると、少し曖昧で答えにくいものです。
SNSでは、趣味に仕事に恋愛に…といった“リア充”の毎日が溢れていて、 つい自分の生活と比べてしまうこともあるかもしれません。
でも、それって本当に「充実」の定義なんでしょうか?
Contents
充実した生活って何?──漠然としたイメージを“見える化”しよう
充実もっと充実した生活を送りたい
そう願うのは、きっと誰にとっても自然なこと。
私のところに相談に来てくださる女性たちも、その願いを叶える手段として── 恋愛や結婚、あるいは仕事や自分磨きといった選択肢を、一生懸命に模索している人が多くいます。
でも、こう聞かれると…少し立ち止まりたくなりませんか?
“充実した生活”って、どんな状態のことですか?
たとえば、「結婚すれば幸せになれる」と信じて動き出したとしても、 “そもそも何が満たされれば、自分は満足できるのか?”がぼんやりしていると、 現実の変化があっても、どこかすっきりしなかったり。
(結婚したけど)思ってたのと違う…
と迷いが残ってしまったりするものです。
SNSで見かける“キラキラした日常”を目にして、 「いいなあ、私もあんなふうになれたら」と感じるとき。
もしかしたら、それは他人と比べているからというより、 自分自身が何を望んでいるのか、まだ言葉にできていないからかもしれません。
だからこそ、ここで一度立ち止まってみませんか?
私にとって、“充実している”ってどういうこと?
何があれば、“いま”に納得できる?
そんな問いを、自分に投げかけてみること。 それが、“ほんとうの意味での充実”を見つけるためのはじまりです。
この記事では、そのモヤっとした“充実感”の正体を探っていくために、 2つの視点を使って、少しずつ“見える化”していこうと思います。
ひとつは、目に見える「外側の状態」。
もうひとつは、心の奥にある「内側の感覚」。
このふたつのレイヤーから、「私にとってのほんとうの満足感とは?」を一緒に見つけていきましょう。
充実を“外側から見る”ためのヒント──人生のバランスホイール
充実した生活って、どうすれば手に入るんだろう?
そんな問いに向き合うとき、私たちはつい
- 「もっと理想の仕事に就いたら」
- 「結婚できたら」
- 「自由なお金があったら」
など、目に見える“外側の条件”に目を向けがちです。
あまりにも外側の幸せに執着し過ぎても辛くなってしまいますが、外側の充実度合いを考えるのに役立つのが、「バランスホイール」という考え方です。
バランスホイールとは?
「バランスホイール」は、人生を8つの主要な領域に分けて、どこが満たされていて、どこが足りていないかを視覚化するためのフレームワークです。
たとえば「仕事はうまくいっているけれど、健康がボロボロ」だったり、 「恋愛は順調だけど、お金や人間関係でストレスがたまっている」など、 一部が満たされていても、どこかが欠けていると、全体として“充実している”とは感じにくいのが人間の心です。
今のあなたにとって大切なバランスはどこなのか?
何に意識を向ければ“満足感”が育っていくのか?
これからご紹介する8つの領域を見ながら、 “自分の現在地”と“必要なケアポイント”を一緒に探っていきましょう。
① 健康(身体のケア・エネルギー)
最初の領域は、健康。これは、身体の調子やエネルギーの充実度を指します。
風邪ひとつでもやる気が出なかったり、寝不足で気分が落ちたり──。
体が整っていなければ、どんな生活も楽しめませんよね。
まずは「ちゃんと寝てる?」「ごはんおいしく食べられてる?」から見直してみましょう。
② お金(収入・支出・安心感)
二つ目の領域は、お金。収入、支出、そして経済的な安心感を含みます。
お金の不安があると、それだけで心の余裕が失われがち。 ただ稼ぐだけじゃなくて、「何に使うか」「どれくらい安心できるか」も、充実度に直結してきます。
③ 仕事(やりがい・働き方・達成感)
三つ目の領域は、仕事。やりがいや働き方、達成感などが含まれます。
人生の大部分を占めるからこそ、「やらされてる感」だけじゃ、充実とは言いづらい。
好きとか、得意とか、やりがいとか──小さくても何か実感があると、日々がグッと変わります。
④ 家族(実家・パートナー・子どもなど)
四つ目は、家族。実家やパートナー、子どもとの関係性です。
この関係が安定していると、心の土台になります。
逆に、ストレスや抑圧が強いと、日常がすごく消耗する領域でもあります。
「どんな距離感が、自分にとって健やかか?」を見直してみるのがおすすめです。
⑤ パートナーシップ(恋愛・結婚など)
五つ目は、パートナーシップ。恋愛や結婚など、親密な関係性のことです。
誰かと深くつながっている安心感って、やっぱり特別。
でもそれが「寂しさを埋めるため」だけになっていないかは要注意。 お互いに対等で、安心できる関係が、長く満たされた日常につながります。
⑥ 人間関係(友人・コミュニティ)
六つ目は、人間関係。友人やコミュニティなど、広い意味でのつながりです。
「誰かといること=充実」ではありません。
本当に大事なのは、“心が通っているかどうか”。
無理せず、心地いい関係を選んでいいんです。
⑦ 趣味・遊び(創造性・楽しさ・余白)
七つ目は、趣味・遊び。創造性や楽しさ、余白のことです。
何かに没頭したり、ただ「楽しい!」と思える時間って、思っている以上に大切。
成果や効率に縛られない、自分だけの時間があると、人生にうるおいが戻ってきます。
⑧ 学び・成長(知的好奇心・探究・自己投資)
最後、八つ目は、学び・成長。知的好奇心や、自分をアップデートする感覚のこと。
「何かを知って、広がっていく」っていう感覚があるだけで、日々に意味が生まれます。
小さな気づきや発見の連続が、人生に奥行きを与えてくれます。
こうして見てみると、充実した生活って「どこか一つが完璧」なことじゃなくて、全体のバランスや、自分にとってのちょうどよさが大切なんだなと思えてきます。
でも、外側をどれだけ整えても、なぜか「満たされない感じ」が残ることもある。 そんなときに見直してみたいのが、内側から湧き上がってくる“充実感”のほうです。
“内側から湧き上がる充実”を支える5つの源泉
外側の条件が整っているのに、なぜか満たされない。
そんなときに目を向けたいのが、“内側から湧き上がる充実感”です。
仕事も順調だし、恋人もいる。でもどこかむなしい
仕事も順調だし、恋人もいる。でもどこかむなしい
それは、もしかすると── 自分自身とのつながりが切れてしまっている状態なのかもしれません。
ここでは、そんな「内側の充実」を形づくるための5つの源泉をご紹介します。
あなたの“満足の種”は、どこにあるでしょうか?
①「自分で選んでいる」という実感
まずひとつ目は、“自分で決めている”という感覚です。
人の期待や世間の正解に合わせすぎて、いつの間にか「選ばされてるだけ」になっていないでしょうか?
自分の人生を生きているつもりでも、実は“誰かのシナリオ”を歩いていた──なんてこともあります。
たとえ小さなことでも、自分の意志で選ぶ。
「今日はこれを食べたい」「この道を通って帰りたい」 そんなささやかな選択の積み重ねが、「私の人生だ」と感じられる感覚を育ててくれます。
②「ほんとうに好きなもの」とつながっている感覚
二つ目は、“好き・心地よい・楽しい”とつながっている感覚です。
何をしていても、どこか“よそ行きの自分”ばかりじゃ、心がどんどんすり減ってしまいます。
「これ、好きかも」「なんか落ち着く」 そんな小さな感覚を丁寧に拾っていくことで、自分の輪郭がはっきりしていきます。
もし今、やる気が出ない・疲れやすいと感じるなら、 自分の“好き”から切り離されているサインかもしれません。
③「昨日よりちょっと進んだ」という実感
三つ目は、小さな達成感や成長実感があることです。
大きな夢があるかどうかより、「昨日の私より少し進んだ」と感じられることのほうが、日々の充実感に直結します。
やることリストが終わったとか、新しいことを試してみたとか── ほんのちょっとの変化で、人の心は前を向くもの。
頑張った自分、ちゃんと見てるよ
そう自分が自分に言ってあげられる日が、心をあたためてくれます。
④ あたたかく循環している関係性
四つ目は、与える・受け取るがバランスよく循環している人間関係です。
どちらかが我慢していたり、どちらかが一方的に頼っている関係だと、心はじわじわ疲れていきます。
本当の意味で「支え合う」とは、甘えたり頼ったりすることだけではなく、 “心があたたかく往復する”ことなのかもしれません。
他者との関係性の中で、「自分の感情がちゃんと反映されているか?」も、内側の充実には欠かせない視点です。
⑤ 表と内側が一致している感覚
最後は、自分の内側と外に見せている顔が一致していること。
「笑ってるけど、ほんとは無理してる」「優しくしてるけど、本音は怒ってる」 そんなズレが続くと、自分との信頼関係がどんどん崩れてしまいます。
逆に、「今日の私は、ちゃんと“私”でいられた」と思える日は、 特別なことがなくても、すごく満ちた一日になるものです。
“本当の自分”って何か?と考える前に、 「今の自分は、内側とズレていないか?」を感じてみることが、充実への近道かもしれません。
まとめ|“充実した生活”は、外と内の両方に目を向けたとき始まる
ここまで、充実した生活をつくるために、 外側の状態(現実)と、内側の感覚(心)という2つの視点から整理してきました。
どちらも大切だけれど、どちらか一方に偏ってしまうと、どうしても「なんだか満たされない…」という違和感が残ってしまうことがあります。
たとえば、多くの人はまず外側から整えようとします。
仕事、恋愛、ライフスタイルを頑張って変えて、ある程度の充実感を得られるようになる。
でも、ふと気づくと「こんなに整ってるのに、心が満たされない」と立ち止まってしまう。
一方で、心理学やスピリチュアルの世界から入った人は、内面の充実を追い求めるところから始めます。
たしかに、心が満ちていく感覚は得られるかもしれないけれど、 現実的な生活や経済面が不安定になりやすく、「ほんとうにこれでいいのかな」と迷うことも。
だからこそ、大切なのは“バランス”です。
外側に偏りすぎても、内側に偏りすぎても、片方だけでは“ほんとうの満足感”にはたどり着けない。
充実した生活とは、「どちらも大事にする」ことで少しずつ整っていく、プロセス型の感覚なのだと思います。
私が運営している脳トレカレッジ(自己対話の学校)では、この外と内の中間点=バランスが取れた地点を見つけていくことを大切にしています。
外側を頑張ってきたけど、心が満たされなかった人。
内側を見つめてきたけど、現実面で行き詰まってしまった人。
そんな人たちが、“もう一度自分の人生を編み直す場所”として、この中間点に立ち戻ってこれるように。
見えるものと見えないもの、現実と感性、与える力と受け取る力── 両方を大切にしながら、「私にとっての充実した生活」をつくっていけたら、きっとそれが、本当に満ちた人生につながっていくのではないでしょうか。
内側と外側のバランスを見直す、3つの問い
- 最近、外側(現実面)ばかりに気を取られていたことは?
- 逆に、内側(感情や感覚)を置き去りにしていた場面は?
- 今日、ほんの少しでも「私を満たすためにできること」があるとしたら?
問いに正解はありません。
ただ、今の自分の偏りに気づくだけで、“ほんとうの充実”は少しずつ動き始めます。