
自分を大切にすると恋愛が変わる──そんなふうに聞いたことはありませんか?
恋愛や人間関係でうまくいかないとき、「まずは自分を大事にしてみよう」と勧められることもあるでしょう。
でも、そう言われてみても、どこかふわっとしていて、「結局どういうこと?」「何をすればいいの?」とモヤモヤしてしまう人も多いかもしれません。
私自身も昔、まさにそんな状態でした。
Contents
恋愛を改善するために自分を大切にすることが大事とは言われているけれど
自分を大切にすれば、恋愛もうまくいく。まずは自分を満たしましょう──
恋愛やパートナーシップに悩んでいると、そんなアドバイスに出会うことがありますよね。SNSや書籍、心理系の講座やスピリチュアルの世界でも、よく聞かれる言葉です。
そして確かに、それは一理ある。自分を大切にしている人のまわりには、心地よい関係性が自然と集まってくる。それは今では私も、実感としてよくわかります。
でも当時の私は、こう思っていました。
じゃあ、“自分を大切にする”って、どうやるの?
美味しいものを食べる?ちょっと贅沢をする?それでいいの?
わかりそうで、実はよくわからない。言葉は知っているけれど、体感がない。──そんな“ふわっとした不安”のなかで、私はあるチャレンジを始めたのです。
よし、私も自分を大切にしてみよう!と意気込んで。
だけど……
自分磨きだと思ってやった“ずれた努力”の話
私が「自分を大切にする」という言葉に出会ったのは、20代半ばの頃でした。
周りの友人たちが次々と結婚していくなかで、私はというと、仕事はそれなりに頑張っていたけれど、恋愛はまったくうまくいかず。ボーナスが出ても、それらは友人たちの結婚式のご祝儀に消えていく日々。
このままじゃいけない気がする…
と思い始めた私は、恋愛や心の在り方に関するブログや本、セミナーなどに手を伸ばしました。どこを見ても書かれていたのは、自分を大切にすると恋愛が変わるというメッセージ。
そして、そのやり方として紹介されていたのは──
- 自分に我慢をさせない
- 本当に言いたいことを大事にする
- “可愛い”“美しい”ものを与えてあげる
- お姫様扱いをして、自分を満たす
これを読んだ私は、「よし、やってみよう!」と素直に実行することにしたのです。
奮発して買った服を着て、帝国ホテルのラウンジでケーキセットを頼んだり、移動はなるべくタクシー、時にはグリーン車。
ハイブランドのメイク用品を揃えて、「これが“満たす”ってことよね」と思いながら使ってみたり。
もちろん、こういう“外側から与える満たし”も、それ自体が悪いわけではありません。でも──気づけばお財布はすっからかん。心もどこか、虚しさが残ったままでした。
私、なんでこんなに頑張ってるのに、恋愛も人生も変わらないんだろう?
そんな気持ちだけが残って、私はまた次の“答え”を探していたのです。
“自分を大切にしてるのにうまくいかない”と感じるあなたへ
私はこれまで約10年間、女性の恋愛やパートナーシップのご相談に乗ってきました。その中で感じるのは、私と同じような道をたどっている方がとても多いということです。
どうしてこんなに頑張ってるのに、恋愛もうまくいかないんだろう?
“自分を大切にする”って、ちゃんとやってるはずなのに、なんだか満たされない…
最初は恋愛テクニックやLINEの駆け引きなど、外側の方法に目を向けていた方が、あるときから「私の内側に原因があるのかも」と気づき始める。
そして、自己肯定感や心の仕組み、メンタルの整え方などを学び始める中で、多くの人が「自分を大切にする」という考え方に出会っていきます。
自己肯定感を上げなきゃ。
自分に“いいもの”を与えよう。
もう我慢はしないでおこう。
そうやって、たくさんの努力を重ねてきた方こそ──どこかでふと立ち止まり、こう感じる瞬間があるんです。
あれ? なんでまだうまくいかないんだろう?
そんな違和感を抱えながら、「もしかして何かが違っていたのかも」と思い始めたタイミングで、私のところに相談に来てくださる方が、とても多いんですね。
だから、もし今これを読んでいるあなたが、
私もいろいろやってきたのに、まだ何かが足りない気がする…
そう感じているとしたら──それはきっと、あなたが“本質”のすぐそばに来ているサインなのかもしれません。
自分を大切にすると出会いが変わる心理的な仕組みとは?
自分を大切にすることで、出会いの質が変わる──と言われても、最初はピンとこないかもしれません。
でも、これは単なるスピリチュアルな話ではなく、ちゃんと心理的な仕組みがあります。
その鍵を握っているのが、「空気感」と呼ばれるものです。
仕組み①:人は“空気感”をまとって生きている
私たちは誰もが、目に見えない“空気感”のようなものをまとって生きています。
たとえば、第一印象で「なんとなく話しかけやすい人」とか、逆に「なんとなく近づきづらい人」っていませんか?
それって、言葉や表情だけじゃ説明できない“雰囲気”のようなものでできています。
服装や話し方、しぐさの奥にある“エネルギー”のようなもの──それをここでは「空気感」と呼びます。
そしてこの空気感は、実は「その人が自分自身をどう扱っているか」が、にじみ出ているものなのです。
仕組み②:その人が自分をどう扱っているかは、無意識に伝わる
たとえば、自分にいつもダメ出しをしていたり、「どうせ私なんて」と心のどこかで思っている人は、その“自己否定”のエネルギーが、空気感ににじみ出ます。
逆に、自分の感情を丁寧に扱い、落ち着いて呼吸しながら自分と過ごしている人は、その空気感にもやさしさや安心感がふわっと漂っているんですね。
これって、言葉にしなくても、相手にはちゃんと“伝わって”しまうもの。
だからこそ、自分を大切にしている人は、その空気感そのものが「私は自分を丁寧に扱っているよ」という無言のメッセージになっているんです。
仕組み③:空気感が整うと「大切にされる前提」で出会いが始まる
この空気感のすごいところは、“主語がごっちゃになる”ことです。
どういうことかというと──相手がまとっている空気感に触れたとき、人は無意識に、「自分がそう感じている」と錯覚してしまうのです。
たとえば、自分を丁寧に扱っている人のそばにいると、その人の空気感に触れながら、こう感じます。
なんかこの人のそばにいると、私もやさしい気持ちになれる。
私って、誰かを大切にできる人間かもしれない。
実際には「その人が自分を丁寧に扱っている」だけなのに、まるで“自分が相手を丁寧に扱っている”ような錯覚が起きる。
これが、心地よい錯覚=関係性のスタート地点をあたたかくするカラクリなんです。
反対に、自分を雑に扱っている人の空気感に触れると、相手は無意識のうちに「なんかイライラする」「自分が相手を雑に扱ってるみたい」と感じてしまうことも。
だからこそ──あなた自身の空気感が整うだけで、「大切にされる前提」の出会いが始まるのです。
自分を大切にするとは“自分の本音を知る”こと
ここまで読んで、もしかするとあなたはこう思っているかもしれません。
なるほど。自分を大切にすると出会いや恋愛が変わるのは、心理的な仕組みとしてわかった。
でも……じゃあ具体的に“自分を大切にする”って、どういうこと?
高級ホテルでケーキセットを頼む?自分にご褒美を与える?お姫様扱いをする?
それ、もうやってみたよ。でも何かが違った気がする
──そんなふうに感じている方へ、ここではシンプルに結論をお伝えします。
「自分を大切にする」とは、“自分の本音を知ること”です。
それだけ?と思われるかもしれません。
でも、この“本音を知る”という行為こそが、自分との信頼関係を築き、世界との関係性まで変えていく、とても静かで、深くて、本質的なプロセスなんです。
──とはいえ、これが意外と難しい。
ここからは、なぜ“本音を知る”ことがそんなに難しいのか?その理由を、3つに分けて解説していきます。
① 私たちが“本音”だと思っているのは、心の上澄みであることが多い
私たちは日常的に「自分の気持ち」を感じているようでいて、実はその多くが、思考レベルの感情だったりします。
たとえば──「イライラする」「なんとなく不満」「寂しい気がする」
これらはすべて、本音の“上の層”のようなもの。いわば心の上澄みです。
でも、その奥にはもっと微細で、言葉にならないような気持ちが眠っている。
本当は、こうしてほしかった
あの時、すごく傷ついていた
私はこういうふうに生きたいていた
そういう深い感情層にアクセスする経験って、実は意外と少ないのです。
だから、「自分の本音を知ろう」としても、最初は“上澄み”ばかりをすくってしまい、「よくわからない」「なんか違う気がする」となってしまうこともあります。
② 本音を覗くことが、なんとなく怖い・気味が悪い
もうひとつの理由は、本音を覗くのが怖いからです。
たとえば、長年使っていない物置部屋の扉を開けるときって、ちょっとドキドキしませんか?
「ホコリかぶってそう」「何が出てくるか分からない」──そんな気味の悪さ。
あれと同じことが、心の中にも起きるんです。
本音なんて見ても、どうせ大したことない
見たらこれまでの人生が壊れるかもしれない
そんなふうに、無意識にブロックしている人も多いんですね。
だからつい、「考えないようにしよう」として、心の奥に触れないまま、外側の行動だけを整えようとしてしまうこともあります。
③ 本音を見つけたら“叶えなきゃいけない”と思い込んでしまう
そして3つ目の落とし穴は、「もし本音を見つけたら、それを今すぐ叶えなきゃいけないんじゃないか」というプレッシャーです。
たとえば、もし本音の中に──「今の仕事を辞めて旅に出たい」とか、「まったく違う生き方がしたい」といった思いが出てきたらどうしますか?
そんなこと、現実的に無理じゃん
今さら何を言ってるの?
そうやって、自分の本音を“なかったこと”にしてしまう人も少なくありません。
でも、本音って必ず叶えるために聞くものではないんです。
まずは「そう思ってたんだね」「気づいてなかったけど、それが本音だったんだ」と知ってあげること自体が、自分を大切にするということ。
叶えるかどうかは、もっと後の話。
本音に気づくことは、あくまでも自分との信頼関係を築く第一歩なのです。
自分を大切にできる人が引き寄せる、3つの出会い
ここまでお伝えしてきたように、「自分を大切にする」というのは、ただ自分を甘やかすことではなく、“本音に耳を傾けながら、丁寧に自分と付き合っていく”ことなんですね。
それができるようになると、自然とあなたのまとう空気感が変わり、不思議と「出会う人」や「関係性」の質も変わってきます。
では実際に、どんな出会いが増えてくるのか?今日は代表的な3タイプをご紹介します。
① あなたを大切にしてくれる人
まず最初に増えるのが、あなたを大切にしてくれる人です。
これはもう鉄則ともいえる流れなのですが、あなたがあなた自身を丁寧に扱っていると、その空気感に共鳴して、「あなたを大切にしたい」と思う人が引き寄せられてくるんですね。
たとえば──
この人って、自分のことも、まわりのことも大事にしてるな。
一緒にいて、居心地がいい。
そんなふうに感じてくれる相手が、自然と近づいてくる。
そして、あなたが「自分を大事にする」、相手も「あなたを大事にしたいと思っている」──この2つが重なると、そこにはとてもあたたかい関係性が生まれます。
私はこれをよく「大切にしよう × 大切にされたいの相乗効果」と呼んでいます。
② あなたの可能性を開いてくれる人
2つ目に引き寄せられてくるのが、あなたの可能性に光を当ててくれる人です。
本当は、こういうことをやってみたい。
ずっと気になっていたけど、諦めてた。
夢だなんて、恥ずかしくて言えなかった。
──そんな、自分でも半分忘れていたような願いの“原石”に、そっと気づかせてくれる存在です。
あなたが自分の本音に耳を傾け始めると、今まではスルーしていたような言葉や人のエネルギーに、ふと反応するようになります。
そしてその中に、
それ、やってみたらいいじゃん。
きっとあなたならできるよ。
そうやって背中を押してくれる人が現れたりする。
あなたが自分の内側に気づきはじめたタイミングで、まるでそれを映し出すような相手と出会う──そんなことが、起きてくるんです。
③ 誰かを大切にしたいと願っている人
そしてもうひとつ。
これはちょっと意外かもしれませんが、「誰かを大切にできる人になりたい」と願っている人が、あなたに引き寄せられてくることもあります。
思いはある。でも、やり方がまだ分からない。
どう大切にすればいいのか、どんな言葉をかければ愛が伝わるのか──その“スキル”がまだ育っていない人たちです。
そういう人にとって、あなたのまとう空気感は、まるで「優しさのサンプル」のように感じられることがあります。
この人のそばにいると、自然と丁寧になれる。
自分もこういうふうに誰かに接したい。
そんなふうに、“あなたの在り方”が、その人にとっての“教科書”になることもあるんですね。
完璧に大切にしてくれるわけじゃないかもしれない。でも、思いはある。伸びしろもある。
そんな存在との関係性も、またとてもあたたかいものになるのです。
まとめ|“自分との関係”が変われば、恋愛も出会いも自然と変わる
「自分を大切にする」って、がんばって何かを達成することでも、特別なスキルを身につけることでもありません。
ただ、自分の気持ちに気づいてあげること。
心の奥で、ぽつんとつぶやいている“本当の声”に、そっと耳を澄ませること。
それだけで、私たちのまとう空気がふわっと変わり、その空気に惹かれるように、あたたかい出会いや関係性が、少しずつ、でも確実に動き出していくんです。
もし今、恋愛にモヤモヤしていたり、大切にされていないような気がしているなら、まずは自分との関係を見つめ直すタイミングかもしれません。
あなたがあなた自身を丁寧に扱うことで、世界もあなたを丁寧に扱いはじめます。
だから焦らなくて大丈夫。
あなたのペースで、あなたの本音に出会っていけばいいんです。