
幸せな結婚をしたい
その想いから婚活を始めたはずなのに、気づけば心が疲れ果ててしまっている—— そんな方に、私はこれまで何人も出会ってきました。
マッチングアプリ、結婚相談所、婚活パーティー、紹介… “出会いの場”とされる場所に足を運んでみるものの、気疲れしたり、自信を失ったり、時には「自分には無理なのかも」と感じてしまったり。
私、なんのために婚活してるんだっけ?
そう自問してしまうくらい、メンタルを削られてしまうケースは少なくありません。
Contents
婚活がつらいと感じるのは、あなただけじゃない
実は私自身も、過去にいわゆる“婚活らしき活動”にハマっていた時期があります。
日々のように飲み会やイベントに参加し、新しい人と会って、また別の人と会って……そんな日々を1〜2年続けた頃、心がなんとなくおかしくなってきたんです。
今思えば、あれは「じわじわと進行するメンタルダウン」だったなと感じています。
だからこそ私は、「婚活がしんどくなる理由」には、ちゃんと構造的な背景があると断言できます。
あなたが悪いのではなくて、仕組み的に心が疲れやすくなる要因がそこにあるんです。
この記事では、婚活によってメンタルが消耗してしまう3つの典型的な原因と、それを未然に防ぐための考え方や心の整え方について、丁寧にお伝えしていきます。
「これから婚活を始めようと思っている方」はもちろん、「すでに婚活がしんどくなっている方」にとっても、少しでも心が軽くなるヒントになりますように。
“婚活”の定義は人それぞれ
ここで一度、この記事が対象としている「婚活」の定義を明確にしておきましょう。
一言で「婚活」と言っても、人によってそのイメージはさまざまです。
中には「自然な出会いの延長線で結婚につながればいいな」とゆるやかに構えている人もいれば、「結婚を前提とした相手と、短期間で真剣に向き合いたい」と思っている人もいます。
婚活とは?本記事の対象
この記事で取り上げるのは、“本気で結婚を見据えて行動している人”のための婚活です。
たとえば──
- マッチングアプリに登録して、理想の条件に合う人と積極的にやりとりしている
- 結婚相談所に入会し、定期的にお見合いや面談をしている
- 周囲に「いい人がいたら紹介して」と頼み、自分から出会いのチャンスを広げている
こうしたように、「結婚相手と出会うための具体的なアクションを起こしている状態」を、ここでは「婚活」と定義しています。
逆に
- 「いつか自然に出会えたらいいな〜」
- 「いい人がいたら付き合って、うまくいけば結婚できたらいいな〜」
といったスタンスではなく、自分の人生において“結婚”という目標を意識的に見据えて動いている方がこの記事の対象です。
もしあなたが今、結婚を真剣に考えていて、何らかの形で婚活に踏み出そうとしているなら──
この記事はきっと、これからのあなたの活動の支えになると思います。
婚活がつらいと感じる3つのメンタル負荷
婚活が「つらい」「もう限界」と感じる背景には、実は共通する“構造的な理由”があります。
それは、あなたの努力が足りないとか、性格に問題があるとか、そういう話ではありません。
婚活という活動自体に、メンタルをじわじわとすり減らす仕組みがあるということ。
だからこそ、何の準備もケアもなしに飛び込んでしまうと、いつの間にか心がすり減っていた…ということが起こりやすいのです。
ここからは、私のもとに届くご相談や、実体験をふまえて見えてきた「婚活がメンタルを削る3つの理由」について、ひとつずつ丁寧にお伝えしていきます。
婚活がつらい理由① 初対面の人と会い続けるストレス
初対面の人とたくさん会えば、きっと運命の人に出会えるはず。
そう信じて、カレンダーを出会いの予定で埋めて、週末ごとに新しい誰かと会ってみる—— でも、なぜか心はどんどんすり減っていく。
これは、実際に婚活を頑張っている多くの方が口をそろえて話す“あるある”です。
なぜ“出会いを増やすほど疲れる”のか
人は本能的に、「初めて会う人」や「知らない相手」に対して、無意識のうちに警戒心を抱きます。
これは、私たちが生まれ持った“自己防衛の本能”であり、悪いことでも弱いことでもありません。
たとえ明るくポジティブな気持ちで出かけたとしても、
- 相手の表情や言葉を読み取ろうと無意識に神経を張り巡らせていたり
- 自分がどう思われているか気になって必要以上に気を使っていたり
- 会話が途切れないようにがんばって話題を探していたり
そんな小さな“気疲れ”が積み重なって、思っている以上にエネルギーを消耗してしまうのです。
数をこなす婚活に潜む落とし穴
また婚活という場面では、“第一印象”がとても重視されやすいですよね。
だからこそ、
ちゃんとしなきゃ…うまく振る舞わなきゃ。
と、自分らしさよりも“相手にどう見られるか”に意識が向いてしまいがち。
その結果、「やっと終わった…」と家に帰ってきた瞬間、どっと疲れが押し寄せてくる。
たとえ一度や二度なら乗り越えられるとしても、それが何度も続くと、心も体も知らないうちに摩耗していくのです。
特に人見知り気味の方、内向的な方、感受性が強い方は要注意。
自分では「これくらい大丈夫」と思っていても、初対面の連続は、想像以上のストレス源になっている可能性があります。
だからこそ、ただ「数をこなせばいい」という発想で動き続けるのではなく、“自分のエネルギー残量”にも目を向けながら動く視点がとても大切になってくるのです。
婚活がつらい理由②:プチ失恋の連続
婚活では、出会ってすぐに「この人はアリかナシか」を判断することが求められます。
マッチングアプリやお見合いでは、1時間も会話すれば「次に進むかどうか」を決めなければならないケースも少なくありません。
その結果、関係が深まる前に
ごめんなさい
と断られたり、音信不通になったりと、小さな別れや拒絶を何度も経験することになります。
婚活は“断られる前提”の世界
たとえ自分がそこまで相手に好意を持っていなかったとしても、「断られる」「選ばれない」という体験は、思っている以上に心にダメージを残すものです。
特に、もともと自己肯定感が低めの人や、恋愛経験があまり多くない人ほど、そのダメージを強く受けやすい傾向があります。
「どうして私ばかり…」と感じたり、「またうまくいかなかった…」と自分を責めたり、落ち込んだ気持ちが積み重なってしまう。
しかもこの“プチ失恋”は、はっきりと涙を流すような別れではないぶん、自分でも気づかないうちに蓄積されていきやすいのです。
婚活をしていると、ふとした瞬間に
なんかもう疲れたな
と感じることがありますよね。
それはもしかしたら、ひとつひとつは小さくても、心に溜まった“断られる痛み”の総和が限界を超えたサインかもしれません。
婚活がつらい理由③:ゴールが見えない苦しさ
婚活がしんどくなるもう一つの大きな理由は、「いつ終わるかわからない」という構造にあります。
たとえば受験や就職活動には、試験日や内定という“明確なゴール”がありますよね。
だからこそ「ここを乗り切れば終わる」「あと少しの辛抱」と思うことで、短期的なストレスにも耐えられるわけです。
でも婚活には、その“区切り”がありません。
1ヶ月で終わる人もいれば、5年続けてもまだ結婚できない人もいる。
長期戦になる婚活と、心の限界
あとどれくらい頑張ればいいんだろう…
もしかして一生終わらないのかも…
そんな気持ちになったことはありませんか?
どこにゴールがあるのかもわからないまま、終わりの見えないマラソンを走らされているような感覚。
そのうち体力も気力も底をつき、「頑張らなきゃ」と思う気持ちだけが空回りしてしまう。
しかも、婚活には年齢的な焦りや
まわりは結婚しているのに…
という比較もつきまといやすいため、焦燥感と不安感が倍増しやすいんですよね。
だからこそ、「ただの出会い活動」であるはずの婚活が、心を追い詰める長期戦になってしまうことがあるのです。
婚活のつらさを乗り越えるための3つの視点
ここまでお伝えしてきたように、婚活には、心を疲れさせやすい構造的な要素がいくつもあります。
けれど、だからといって「婚活=つらいもの」と決めつける必要はありません。
取り組み方や心の持ち方を少し工夫するだけで、同じ婚活でも感じ方がまったく変わってくることがあります。
ここからは、私が実際にご相談者さまにお伝えしてきて「本当にラクになった」と言っていただけた、メンタルを守るための3つの視点をご紹介します。
疲れたとき、つらくなったとき、立ち止まって読み返せるようなヒントになれば嬉しいです。
視点① 婚活のつらさを和らげるには、ゴールの再定義を
婚活と聞くと、多くの人が「結婚相手を見つける活動」という一点にフォーカスしてしまいます。
もちろんそれ自体は間違っていませんし、「結婚したい」という思いがあるからこそ始めるのが婚活です。
でも、それを「結婚=唯一のゴール」「相手が見つからなければ失敗」といった“成果主義”の視点で捉えすぎると、婚活は一気に苦しいものに変わってしまうのです。
本来、私たちが結婚したいと思う背景には、
- 誰かと安心して暮らしたい
- 一緒に人生を楽しめる相手がほしい
- 自分らしい毎日を支え合える関係を築きたい
といった、“ライフスタイル全体”への願いがあるのではないでしょうか。
婚活を人生の棚卸しの時間に
だからこそ、婚活を「相手探し」に限定するのではなく、「自分に合ったライフスタイルやパートナーシップのかたちを見つけるプロセス」として捉え直すことで、気持ちがずっと楽になります。
たとえば、出会った相手の価値観や生活スタイルを通して、
- 私はこういう暮らしは落ち着くな
- この人みたいな考え方はちょっと合わないかも
と、自分の好みや心地よさが明確になっていく。
これはまさに、人生の棚卸しであり、未来の設計図を描く作業でもあるのです。
結果として「結婚する・しない」は後からついてくるもの。
そのくらいの感覚でいた方が、出会いの場でも自然体でいられるし、「この人はどう?」と評価モードに入ることも減っていきます。
視点② 婚活がつらい時、自分の価値と切り離す視点を
婚活を続けていると、いつの間にか「選ばれる/選ばれない」という視点に自分の心が支配されてしまうことがあります。
やりとりをしていた相手から突然返信が途絶えたとき。
お見合い後に「今回はご縁がなかったようで…」とお断りされたとき。
自分はいいなと思ったのに、相手からは興味を持ってもらえなかったとき。
そんなとき、心の中にふとよぎるのは──
やっぱり私って、魅力がないのかな
どうして私は選ばれないんだろう
という、“自己価値そのもの”への疑念です。
でも、これはあくまでも婚活という“特殊な場の構造”によって生まれやすい錯覚なんです。
“選ばれなかった=価値がない”は誤解
婚活は、限られた時間の中で、お互いを短時間で「あり/なし」とジャッジせざるを得ない環境です。
それは言わば、まだお互いの人柄や価値観が十分に伝わる前に、表面的な情報で判断されることが多いということ。
たとえば、あなたがレストランで初めて食べる料理を見たとき、「見た目がちょっと苦手かも」と思っただけでスルーしてしまうこと、ありませんか?
それって、その料理の味をちゃんと知ってるわけでもなければ、作り手の想いや工夫を否定しているわけでもありません。
ただ単に、「今の自分の気分や感覚に合わなかった」というだけ。
婚活における「選ばれなかった」は、それと似ています。
相手の主観や好みに合わなかっただけであって、あなたという存在の価値を否定されたわけではないのです。
断られる=可能性が絞れてきたサイン
だからこそ、婚活の結果を「自分の価値そのもの」と結びつけてしまうと、心がもちません。
断られるたびに自己肯定感が削られていき、やがて「どうせ私なんて…」という気持ちに飲み込まれてしまいます。
婚活は、人生をともにする“たったひとり”を見つけるための活動です。
だから、99人から断られても、1人と出会えれば、それで十分に成功なんです。
選ばれなかった99回の中に、あなたの価値の低さを証明するものなんて、ひとつもありません。
むしろその数だけ、「違う未来の可能性を切り離した」とも言えるのです。
婚活を続ける上で、ぜひ心に留めておいてほしいこと。
それは──「婚活の結果=自分の価値」ではないという視点。
そして、迷ったとき・揺らいだときに何度でもこの視点に立ち戻ることが、心を守る土台になります。
視点③ 婚活がつらいなら、メンタルケアを前提に
婚活という場は、ただ相手を探すだけの場ではありません。
実はそれ以上に、自分の中にある“見たくなかった部分”や“未処理の感情”が浮かび上がってくる場所でもあります。
たとえば──
- 「私は何度も断られる人間なんだ」と思い込んでしまう思考のクセ
- 「ちゃんとしなきゃ」「相手に嫌われないようにしなきゃ」と頑張りすぎる癖
- 「私が選ばれないのは、きっと〇〇が足りないから」と自分を責める感覚
こうしたものが、婚活を通じてあぶり出されることがあります。
それはちょうど、みかんの汁で書いた文字が火で炙られて浮かび上がる実験のように、
普段は見えない心の中の“しみ”が、婚活という熱の中で浮かび上がってくるような感覚です。
心を守りながら進むためにできること
だからこそ、婚活に取り組むときには、「心のケアもきっと必要になる」という前提で活動することを、私は強くおすすめしています。
メンタルを守る、というと大げさに聞こえるかもしれません。
でも実際には、“自分をちゃんと人間扱いしてあげる”という、当たり前だけど忘れがちなことを、丁寧に取り戻すことなんです。
たとえば──
- 婚活の予定を入れすぎず、週に1日は「誰にも会わない日」を意識的につくる
- 婚活の進捗よりも、そのときの自分の心の声に耳を傾ける時間を大事にする
- モヤモヤしたときは、日記に書き出して“自分との会話”をしてみる
- 必要に応じて、第三者のメンタルサポートやカウンセリングを活用する
こうした「内側のメンテナンス」をあらかじめ活動計画に組み込んでおくことで、婚活そのものが「人生を整える時間」に変わっていきます。
婚活は、あなたの“心の温度”が反映される活動です。
だからこそ、表面的な行動だけでなく、内側のコンディションにも丁寧に目を向けることが、
結果的に良いご縁につながる近道だったりもするのです。
“誰かと出会うため”の婚活から、“もっと自分らしく生きるため”の婚活へ。
心を削る活動ではなく、心を育てる活動として婚活を捉えてみること。
それが、長く心地よく続けていくための、いちばん確かな土台になるのだと思います。
まとめ|幸せな婚活のために大切なこと
婚活で疲れてしまうのは、あなたが弱いからではありません。
何度も断られたから、自信がなくなったから、うまくいかなかったからといって、それは「あなたの価値が足りない」という証明では決してないのです。
むしろそれは、“がんばっている証”かもしれません。
人は本気で何かに向き合ったときほど、心が揺れます。
自分を変えようとしたり、未来を選び取ろうとしたりしたときほど、不安にもなるし、傷つきやすくもなる。
そして婚活という活動は、まさにそんな“人生の転換点”に立つような時間です。
婚活の構造自体が、心に負担をかけやすい仕組みを持っている。
だからこそ、うまくいかない時期や、気持ちがしんどくなる期間があるのは、ごく自然なことなんです。
だからまずは、
今の私はとてもがんばってる!
と、そっと自分を認めてあげてください。
疲れたときは、立ち止まってもいい。泣きたくなったら、泣いてもいい。
「もう無理かも」と思ったら、それは新しいスタート地点に立ったサインかもしれません。
婚活がつらくても、焦らなくていい理由
婚活の目的は、たしかに「結婚」かもしれません。
でも、その道のりで“本当の自分と出会い直す”ことや、“自分らしく生きる力”を取り戻していくことも、同じくらい大切なプロセスだと思うのです。
どうか、無理のないペースで。
どうか、他人の価値観やスピードに振り回されずに。
あなたにとって心地よいリズムで、未来へと歩んでいけますように。
そしてその先に、あなたらしい幸せなパートナーシップが、静かに待っていてくれることを、心から願っています。