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やりたいことができないストレスの正体|やりたいのに動けない深層心理と対処法

やりたいことができず立ち止まる人と、階段を上って前へ進む人を描いた「動けない深層心理と対処法」のアイキャッチ画像

やりたいことはある。

時間をつくろうと思えばつくれないわけではないし、始めようと思えば今日からでも始められるのに、なぜか動けない。

考えているうちに面倒になってしまったり、別のことを始めてしまったりして、結局何も進まない。

そんな状態が続くと、やりたいことができないストレスだけでなく、「自分は意志が弱いのではないか」「本当はやりたいわけではないのか」と、自分自身がわからなくなってくることもあります。

やりたいのに動けない時には、表面に見えている理由とは別に、自分でも気づいていない心のブレーキが隠れていることがあります。

この記事では、やりたいことができないストレスの背景にある深層心理と、動けない状態から抜け出すための対処法について解説します。

Contents

やりたいことができないストレスには2つの種類がある

やりたいことができない状態は、すべて同じ理由で起きるわけではありません。

まずは、自分がどちらの状態に近いのかを切り分けて考えることが大切です。

1. 時間・お金・体力など現実的な条件が足りない

1つ目は、シンプルにやりたいことを実行するための現実的な条件が足りていない状態です。

  • 仕事や家事が忙しく、まとまった時間が取れない
  • 必要な費用を用意できない
  • 体力が残っておらず、帰宅後には何もできない
  • 家族や周囲の事情によって自由に動けない
  • 始めるために必要な場所や道具がない

この場合は、気持ちの問題だけを掘り下げても、やりたいことができるようにはなりません。

本当に時間が足りないのであれば、時間の使い方や仕事量を見直す必要があります。

お金が足りないのであれば、費用を小さくする方法や、始める時期を考える必要があります。

ただし、現実的な条件が完全に整う時を待っていると、いつまでも始められないこともあります。

本当に不足している条件は何なのか、どの程度そろえば始められるのかを具体的に考えることが必要です。

2. 条件はあるのに、なぜか心が動かない

2つ目は、始めようと思えば始められるはずなのに、なぜか行動できない状態です。

  • 時間がまったくないわけでもない
  • 大きなお金が必要なわけでもない
  • やり方がわからないわけでもない

それでも、いざ始めようとすると気が重くなったり、別のことをしたくなったりして、行動を先延ばしにしてしまいます。

こちらの場合は、これといった原因が見つからないからこそ、自分でも混乱してしまいがちです。

この状態では、「忙しいから」「疲れているから」「まだ準備ができていないから」といった理由が出てきます。

もちろん、それらが本当の理由である場合もありますが、時間ができても動かず、準備を整えても始めず、何度予定を立てても先延ばしを繰り返すのであれば、条件以外の理由が隠れている可能性があります。

やりたい気持ちと、やりたくない気持ちが同時に存在しているため、心の中で綱引きが起きているのです。

やりたいのに動けない5つの深層心理

では、やりたいことがあるのに動けない時、心の中ではどのようなことが起きているのでしょうか。

ここでは、代表的な5つの深層心理について見ていきます。

 

1. 失敗や評価から自分を守っている

1つ目は、失敗や他人からの評価から自分を守ろうとしている心理です。

やりたいことを始めれば、うまくいく可能性が生まれる一方で、失敗する可能性も生まれます。

頭では「失敗しても経験になる」と考えていても、心の奥では次のような不安を抱えていることがあります。

  • 失敗して自信を失いたくない
  • 才能がないとわかるのが怖い
  • 周囲に笑われたくない
  • 頑張ったのに結果が出ないのが怖い
  • 期待された後で失望されたくない

行動しなければ、失敗することもありません。

「まだ始めていないだけ」「本気を出していないだけ」と考えている間は、自分の可能性を失わずに済みます。

やりたいのに動けない状態は、失敗によって傷つくことを避けるために、行動する前の場所にとどまっている回避状態でもあるのです。

2. 変化することを恐れている

2つ目は、やりたいことを実現した後に起こる変化を恐れている心理です。

人は嫌な状況であっても、慣れている状態には安心を感じ、望んでいた変化であっても、その先に何が起きるかわからなければ、不安を感じます。

これはコンフォートゾーン(comfort zone)と呼ばれる、慣れていて安心していられる心理的な領域を維持しようとする働きによるものです。

たとえば、やりたい仕事に挑戦した結果、今の生活を変える必要が出てくるかもしれません。

発信を始めれば、人から見られたり批判されたりする可能性も生まれます。

人間関係を変えれば、一時的に一人になるかもしれません。

やりたいことを始めることは、今の自分や生活から離れていくことでもあります。

そのため、表面では前に進みたいと思いながら、深い部分では「今のままの方が安全だ」と感じ、行動を止めてしまうことがあります。

3. 完璧にできないなら始めたくない

3つ目は、完璧にできないなら始めたくないという心理です。

完璧主義の人は、行動する前に理想の完成形を思い描きます。

  • 最初から質の高いものをつくりたい
  • 失敗せずに進めたい
  • 人に見せても恥ずかしくない状態にしてから始めたい

その基準が高すぎると、始めるまでに必要な準備が増え続けます。

  • 知識が足りない
  • 道具が足りない
  • もっと良い方法があるかもしれない
  • 今は忙しいから、落ち着いてから始めよう

こうして準備や情報収集を続けているうちに、実際の行動は後回しになります。

完璧主義は、質の高いものをつくる力になる一方で、未完成な自分を人に見せないための防御にもなります。

最初からうまくできることを求めるほど、最初の一歩は重くなります。

4. 「やりたい」が「やるべきこと」に変わっている

4つ目は、やりたいことが、いつの間にかやるべきことに変わっている状態です。

最初は純粋に興味があったことでも、目標を立てたり結果を求めたりするうちに、義務のように感じることがあります。

「毎日続けなければならない」
「結果を出さなければ意味がない」
「始めるなら本気でやらなければならない」
「途中でやめてはいけない」

このような条件が増えると、やりたい気持ちよりも、やらなければならない重さの方が大きくなります。

本来は自由に選べることだったはずなのに、自分で自分を追い立てる課題へと変わってしまうのです。

やりたいことを考えた時に、楽しみよりもプレッシャーを強く感じるのであれば、「やりたい」が「やるべき」に変化していないかを見直す必要があります。

5. 本当はやりたくない気持ちも隠れている

5つ目は、やりたい気持ちの中に、本当はやりたくない気持ちも隠れている状態です。

人が「やりたい」と感じていることの中には、自分自身の願いだけでなく、他人の期待や社会的な価値観が混ざっていることがあります。

  • 成功した方がいい
  • 資格を取った方がいい
  • もっと発信した方がいい
  • 運動した方がいい
  • 人脈を広げた方がいい

確かに、それを実行すれば得られるものはあるかもしれませんが、自分の心が本当に望んでいることとは限りません。

「やった方がいい」と思っていることを、「やりたいこと」と呼んでいる場合、行動できないのは当然です。

頭は必要性を理解していても、心はそこに魅力を感じていないからです。

やりたいことができない時に心身の状態も確認したい

やりたいことができない原因は、必ずしも深層心理だけにあるわけではありません。

心や体のエネルギーが不足している時には、やりたい気持ちがあっても行動できなくなります。

1. 疲れていて行動するエネルギーが残っていない

1つ目は、単純に疲れていて、行動するためのエネルギーが残っていない状態です。

やりたいことを実行するためには、時間だけでなく、集中力や判断力、気力も必要です。

一日の予定が終わった後に時間が残っていたとしても、心身のエネルギーを使い切っていれば、新しいことを始めるのは難しくなります。

この状態で「時間はあるのに何もできない」と自分を責めても、さらに消耗するだけです。

やりたいことを後回しにしているのではなく、日常生活を維持するだけで力を使い切っている可能性があります。

2. ストレスで考える力や決める力が落ちている

2つ目は、ストレスによって考える力や決める力が落ちている状態です。

ストレスが続くと、普段なら簡単に決められることにも迷うようになります。

  • 何から始めればいいのかわからない
  • 選択肢を見るだけで疲れる
  • 少し考えただけで面倒になる

こうした状態では、やりたいことが嫌になったのではなく、行動を組み立てる力が弱っています。

やりたいことを始めるためには、内容を決め、順番を考え、必要なものを用意し、実際に手を動かさなければなりません。

ストレスで余裕がなくなっている時には、この一連の作業そのものが大きな負担になります。

3. やりたいことより先に処理すべき問題を抱えている

3つ目は、やりたいことより先に処理すべき問題を抱えている状態です。

仕事、人間関係、家族、健康、お金などに大きな問題がある時、人の意識はその問題に引きつけられてしまいます。

表面上は別のことをしていても、頭の中では問題について考え続けています。

そのため、やりたいことに使える集中力や感情の余白が残りません。

この状態では、無理に新しいことを始めるよりも、まず現在抱えている問題を整理した方が、結果的に早く動けることがあります。

すべてを解決してから始める必要はありませんが、自分のエネルギーを最も奪っているものが何なのかは確認しておく必要があります。

やりたいことができないストレスを軽くする5つの対処法

やりたいのに動けない状態から抜け出すためには、無理にやる気を出そうとするのではなく、何が自分を止めているのかを見つけることが大切です。

1. できない理由を現実と心理に分ける

1つ目は、できない理由を、現実的な問題と心理的な問題に分けることです。

まず、やりたいことを始めるために本当に必要な条件を書き出します。

そのうえで、自分に何が足りていないのかを確認します。

たとえば、「時間がない」と感じている場合でも、実際に必要なのは毎日2時間なのか、週に30分でも始められるのかによって状況は変わります。

「お金がない」と感じている場合も、本当に大きな費用が必要なのか、無料や低価格で試せる方法があるのかを考えます。

具体的に確認してみると、現実的な問題だと思っていたものが、始めない理由として使われていたと気づくことがあります。

反対に、本当に条件が足りていないのであれば、気合いで解決しようとせず、条件を整えるための計画を立てる必要があります。

2. 動こうとした時に何を感じるのか観察する

2つ目は、やりたいことに取りかかろうとした瞬間に、何を感じているのかを観察することです。

動けない理由は、考えているだけではわからないことがあります。

  • 実際にパソコンを開く
  • 道具を出す
  • 申し込み画面を見る
  • 誰かに連絡しようとする。

その瞬間に、どのような感情や考えが出てくるのかを見ます。

面倒くさい。怖い。恥ずかしい。失敗しそう。今さら始めても遅い。ちゃんと続けられる自信がない。

こうした反応の中に、自分を止めている理由が表れます。

「なぜ行動できないのか」を頭の中だけで考えるよりも、「行動しようとした時に何が起きるのか」を見る方が、心のブレーキを見つけやすくなります。

3. 止まっている理由を言葉にする

3つ目は、自分が止まっている理由を曖昧なままにせず、言葉にすることです。

「なんとなくできない」という状態では、何を変えればいいのかわかりません。

たとえば、次のように具体的にしていきます。

  • 失敗して、自分に才能がないとわかるのが怖い
  • 始めたら結果を出し続けなければならない気がする
  • 周囲に知られるのが恥ずかしい
  • 成功した後に生活が変わるのが怖い
  • 本当はそこまでやりたいわけではない

理由が言葉になると、対処する対象が見えてきます。

失敗が怖いのであれば、失敗しても失うものが少ない形で試すことができます。

結果を出し続けることが重いのであれば、期間を決めて試すこともできます。

理由がわからないまま自分を動かそうとするのではなく、止まっている理由に合った方法を考えることが必要です。

ここでは自己対話が有効になることも多いでしょう。

4. やりたいことを今日できる大きさまで小さくする

4つ目は、やりたいことを、今日すぐにできる大きさまで小さくすることです。

大きな目標をそのまま行動に変えようとすると、何から始めればいいのかわからなくなります。

「転職する」「副業を始める」「資格を取る」「運動を続ける」といった言葉は目標であって、今日の行動ではありません。

今日できる行動に変えると、次のようになります。

  • 求人サイトを1つ見る
  • 副業の候補を3つ書く
  • 資格試験の日程を確認する
  • 運動着に着替えて5分歩く
  • 必要な道具を1つだけ出す

小さくする目的は、立派な成果を出すことではありません。

動けない状態と、動き始めた状態の境目を越えることです。

5. 本当にやりたい形に組み直す

5つ目は、やりたいことを、自分が本当にやりたい形に組み直すことです。

やりたいことそのものが嫌なのではなく、やり方が自分に合っていない場合があります。

  • 毎日続けるのは嫌だけれど、週に1回ならやりたい
  • 人前に出るのは嫌だけれど、文章なら発信したい
  • 本格的に仕事にするのは重いけれど、趣味として試したい

このように、自分の気持ちに合う形へ変えると、動きやすくなることがあります。

「やるならこの方法しかない」と決めつける必要はありません。

何をやりたいのかだけでなく、どのくらいの頻度で、どのような距離感で、どこまでやりたいのかも自分で決めていいのです。

やりたいことを実現するために、自分を無理やり変えるのではなく、自分が動ける形へ方法を変えていくこともできます。

やりたいことができない時は心のブレーキを見つけよう

この記事では、やりたいことができないストレスの正体として、やりたいのに動けない時の深層心理と対処法について解説してきました。

やりたいことができない状態が続くと、「行動できない自分は甘えているのではないか」と、自分を責めたくなることも多いでしょう。

しかし、頭ではやりたいと思っていても、心の深い部分では「動かない方がいい」「やらない方がいい」と判断していることがあります。

その深層心理にある、やりたくない理由や、やらない方がいいと思っている理由を無視して、力技で無理やり動こうとしても、抵抗感が出るのは当然です。

大切なのは、やる気を無理に引き出そうとすることではなく、自分の中にある何が行動を止めているのかを知ることです。

心のブレーキが見つかれば、やりたいことに向かって自然と動ける状態に戻っていきます。

動けない理由がわかれば、自分を責め続ける状態から抜け出し、自分に合った形で最初の一歩をつくれるようになるでしょう。

この記事を書いた人

江藤有紀 自己対話の学校主宰。女性向け商業施設の運営に従事したのち、人間心理についての発信を始め、人生相談を受けるようになり独立。
人生の悩みは、自分との繋がりが薄くなっているサインと捉え、自己対話を体系的に学ぶプログラム企画などを行う。 著者プロフィールを見る

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