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「過去に戻りたい」本気で後悔する人の深層心理

過去に戻りたい|後悔に隠れた本当の心とは?をテーマにした自己対話の図書館オリジナルアイキャッチイラスト

過去に戻りたい。
そう本気で後悔した経験がある人もいるでしょう。

漫画の世界ではないのだから、過去に戻ることなんて無理だと分かっているけれど、それでも後悔の気持ちが拭えない。

そんな気持ちのやり場が分からなくなってしまう人も少なくありません。

この記事では、「過去に戻りたい」と本気で後悔するとき、人の深層心理では何が起きているのかを整理していきます。

Contents

過去に戻りたい後悔の裏に今と未来への絶望がある

過去に戻りたいと感じる理由はさまざまですが、その背景には“今と未来に希望を感じられなくなっている”という共通点があります。

今がとても充実していて、毎日が楽しく「これ以上ない」と思えるほど幸せだったら、基本的に人は過去へ戻りたいとは思いません。

また、たとえ今が少し大変だったとしても、

「今は苦しいけど、未来には楽しみがある」
「これから良くなっていく気がする」

という感覚がある人は、意識が未来へ向かいます。

遠足を楽しみにしている子どものように、「早く未来が来てほしい」と感じるからです。

そして現実的に無理だと分かっていても、それでも「過去に戻りたい」という後悔が消えない場合、今と未来に対して深く絶望していることも多いのです。

 

人が過去に戻りたいと思う心理

では人が「過去に戻りたい」と感じる背景には、どのような心理があるのでしょうか。

もちろん、実際には人それぞれ事情が異なりますが、ここでは代表的なものを5つ紹介します。

 

1.過去の出来事への後悔

もっとも多いのは、過去の出来事への後悔でしょう。

「あの時、もっと話を聞いていれば」
「あんな言い方をしなければ」
「もっと会いに行っていれば」

そんな“取り返しのつかない感覚”が、人を強く過去へ向かわせます。

  • 大切な人との関係が突然終わってしまった
  • いつまでも続くと思っていた日常が失われた
  • 大切な人がもうこの世にいなくなってしまった

など、大きな喪失を経験した場合、人は未来を想像できなくなることがあります。

本来なら、「これから」を作っていくはずだった相手がいない。
どう頑張っても、もうやり直せない。
もう会えない。

そんな現実を前にすると、人は前へ進むというより、

「せめて、あの時に戻れたら」

という感覚に強く引っ張られてしまうのです。

 

2.人生の選択を間違えた痛み

人生の選択を間違えたと感じたときも、過去への気持ちは強くなります。

私たちは人生の中で、大小さまざまな選択をしながら、生きています。

  • 進学するか
  • 就職するか
  • 結婚するか
  • 子どもを持つか
  • 転職するか
  • 誰と生きるか

その時その時で、自分なりに考えて選んだとしても、もし今が耐え難いほど苦しくなってしまったら、「あの選択をしなければ違う人生だったのではないか」と思うことは普通のことです。

さらに過去の選択をした際に

  • 本当は迷っていた
  • 違和感があった
  • どこかで無理をしていた
  • 周囲に合わせていた

感覚が残っている場合、人は「あの分岐点から人生を間違えた」と感じやすくなります。

そして

「せめてあの時に戻れたら」
「もう一度やり直せたら」

と、過去へ強く意識を向け始めるのです。

 

3.昔の自分に戻りたい

「昔の自分に戻りたい」という気持ちも深く繋がっています。

私たちは人生の中で

  • 幼稚園の自分
  • 学生時代の自分
  • 社会人になった自分

というように、年齢や環境に合わせて、少しずつ“自分像”を変えながら生きています。

そして、その時々で、「私はこういう人間だ」というアイデンティティを作っています。

ですが人生経験を重ねる中で、過去に気に入っていた自分像が崩れてしまうことがあります。

例えば、学生時代は友達も多く、毎日が楽しく、自分のことも好きだった。

でも社会人になってから

  • 仕事がうまくいかない
  • 人間関係に恵まれない
  • 毎日が家と会社の往復になる
  • 人生に楽しさを感じられない

という状態になった場合

「昔のキラキラしていた自分に戻りたい」
「今の私は、本当の私じゃない」

という感覚が強くなることもあるでしょう。

つまり、人は単に“過去”へ戻りたいのではなく、もっと深いところでは“自分を好きでいられた頃の自分”へ戻りたいということも多いのです。

 

4.今の現実がしんどい

今の現実がしんどすぎるというのも「過去に戻りたい」と感じる大きな理由の一つです。

私たちは年齢を重ねるほど、少しずつ背負うものが増えていきます。

子どもの頃は、自分の生活の責任を負う必要はありませんでした。

ですが大人になると、

  • 仕事
  • お金
  • 人間関係
  • 家庭
  • 子育て
  • 親の介護

など、さまざまな責任を抱えるようになります。

つまり「生きることそのもの」の重量が上がってくるのです。

そして過去というのは、多くの場合、“今より責任が軽かった時代”です。

今があまりにしんどいと、せめて今より生きること自体が軽かった時に戻りたくなるのも無理はありません。

 

5.未来に向かう抵抗感

少し意外かもしれませんが、「未来へ向かうこと」そのものに抵抗感がある場合も、「過去に戻りたい」という感覚に繋がることがあります。

これは厳密に言うと、“過去に戻りたい”というより、未来へ行きたくないから、消去法で過去へ意識が向くという状態に近いかもしれません。

未来に対するイメージは人によって大きく異なり、未来を、

  • 楽しいもの
  • 希望があるもの

として捉えている人もいれば、

  • 不確定で怖いもの
  • 何が起こるか分からない危険なもの

として捉えている人もいます。

その場合、

「よく分からない場所へ進みたくない」
「未来へ行くのが怖い」

という感覚から、過去へ留まりたくなることがあります。

また、未来へ進むということは、“大人になる”こととも繋がっています。

そのため、

  • 大人として生きたくない
  • 責任を背負いたくない
  • まだ子どものままでいたい
  • モラトリアムを終わらせたくない

という気持ちが強い場合、「未来へ進むこと」自体にブレーキがかかることもあります。

これは他の項目のような強い絶望感というより、散歩中の犬が飼い主に行きたくない方向へリードを引っ張られて、その場で踏ん張っているような状態に近いのかもしれません。

 

過去に戻りたい気持ちはどう扱う?

では、過去への強い後悔の気持ちは、どう扱えばいいのでしょうか。

現実的に戻れないことは重々分かっているのに、それでも、気持ちは消えてくれない。

この板挟み感を厄介なものとして扱うのではなく、自分の心と対話する入口として扱う方法を4つの手順で紹介します。

 

1.後悔や絶望を無かったことにしない

まず最初に大切なのが、過去に戻りたい気持ちを無かったことにしないことです。

  • 後悔
  • 絶望
  • 悲しみ
  • やるせなさ

そうした感情を、「考えても無駄だから」と無理に押し込めない。

どう頑張っても、現実的に考えて過去へ戻ることはできませんから、

「過去には戻れない、以上。」
「考えても無駄なことだ」

と理性的、合理的な人ほどなってしまいやすいです。

ですが、その感情を無理に切り捨ててしまうと、今度は“感情の抑圧”になります。

そして抑圧された感情は、後から別の形で心や身体に影響を与えることも心理学ではよく知られています。

理不尽で合理性のない感情の存在そのものを認めることが、まず最初のステップになります。

 

2.過去の何が良かったのかを探る

次に、「過去の何が良かったのか」を探ってみてください。

どんな理由で過去に戻りたいのか。
もし本当に過去へ戻れるとしたら、何をやり直したいのか。

先ほど、「感情は理不尽で非合理的なもの」と書きましたが、一方で、感情には“出てくる理由”があります。
つまり、「過去に戻りたい」という非現実的な感情にも、その背景や意図が存在しているということです。

そこに目を向けていくと、

  • 見て見ぬふりをしていた本音
  • ずっと抱え込んでいた寂しさ
  • 今ならちゃんと向き合える心の傷

などが見えてくることもあります。

例えば、「あの頃は何も考えず、毎日が楽しかった」という場合、今は本音を抑え込みすぎていたり、考えすぎて疲弊しているのかもしれません。

「あの頃の私はキラキラしていた」という感覚が強い場合、今は自分以外の誰かや仕事を、自分の世界の中心に置きすぎている可能性もあります。

つまり、「過去の何が良かったのか」を探ることは、単に昔を振り返ることではなく、今の自分に何が足りなくなっているのかを知るヒントにもなるのです。

 

3.今の何が嫌なのかを見る

そして三つ目に、「今の現実の何が嫌なのか」を整理してみることも大切です。

先ほど書いた「過去の何が良かったのか」という視点は、そのまま“今の何が苦しいのか”を知るヒントにもなります。

例えば、過去に対して、

  • 自由だった
  • 安心できた
  • 自分らしくいられた

という感覚が強い場合、それは裏を返せば、

  • 今は自由を感じられない
  • 安心できていない
  • 自分らしくいられない

ということかもしれません。

つまり、「過去に戻りたい理由」は、そのまま“今の苦しさ”を教えてくれる材料でもあるのです。

もちろん、本気で後悔している時は、すぐに前向きに行動できる状態ではないと思います。

でも「自分は今、何が苦しいのか」を具体的に理解できるだけでも、心は少し落ち着きます。

さらに言うと“嫌な部分が見えた=すぐ変えなければいけない”ではありません。

まずは、自分の苦しさを理解することだけでも、心の安定感が戻ってきます。

 

4.未来に小さな希望を見出す

そしてできることなら、未来に小さな希望を見出してみてください。

そもそも「過去に戻りたい」という気持ちは、今と未来に絶望していることの裏返しでもありますから、その状態で急に「明るい未来を信じよう」とするのは難しいでしょう。

今が苦しい。
この状態が続くなら、未来もきっと苦しい。

そう考えてしまうのは、ごく自然なことです。

しかも、今と未来に絶望している時というのは、自分一人の力で未来の希望を見出すのはほぼ無理です。

そんな時には、自分の未来に“ほんの少しだけ明るいイメージ”を持たせてくれるものに触れてみることも大切です。

  • 自分より少し年上で、人生を楽しそうに生きている人と話してみる
  • 「こんな未来もあるのかも」と思える人と関わってみる
  • 週末に小さな楽しみを入れてみる

そんな小さなことでも構いません。

未来は、必ずしも怖いものだけではない。

そう思える瞬間が少しでも増えていくと、人は少しずつ、“過去へ戻りたい気持ち”だけに引っ張られなくなっていきます。

 

「過去に戻りたい」は心が安全地帯を求めるサイン

ここまで、「過去に戻りたい」という気持ちの背景にある心理について整理してきました。

多くの場合、人が本当に戻りたいのは“過去そのもの”ではありません。

安心できた頃。
自分らしくいられた頃。
まだ希望を持てていた頃。

そのような“心が安全だと感じられていた感覚”へ戻りたいのだと思います。

だからまずは、自分が心の安全地帯を求めていることに気がつくこと。
そして、「どうすれば、自分は少し安心できるだろう」と考えてみること。

そうやって少しずつ安心感を取り戻していく中で、少しずつ、「過去に戻りたい」という気持ちが和らいでいくでしょう。

この記事を書いた人

江藤有紀 自己対話の学校主宰。女性向け商業施設の運営に従事したのち、人間心理についての発信を始め、人生相談を受けるようになり独立。
人生の悩みは、自分との繋がりが薄くなっているサインと捉え、自己対話を体系的に学ぶプログラム企画などを行う。 著者プロフィールを見る

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