
信じたいのに、信じられない。
裏切られた経験があるからこそ、また信じることが怖くなる。
でも、心のどこかでは「それでも復縁できたら」と願っている。
そんな複雑な心境でご相談にお越しくださる方は、昔から本当に多いです。
相手を好きな気持ち、相手への怒り、信じたい気持ち、信じたくない気持ち…あまりに相反する感情が自分の中に渦巻いていると
結局私って、元彼と復縁したいの?したくないの?
なんて自分の気持ちもよくわからなくなってしまいますよね。
この記事では、“信じることが怖い”状態から、復縁につながる心の整え方までを、 丁寧に言語化していきます。
Contents
元彼を信じるのが怖い…でも復縁は可能?
「信じたいのに信じられない」──この状態は、復縁を望む多くの人が抱える感情です。
でもここで少しだけ立ち止まって考えてみてください。
そもそも「信じる」って、なんなのでしょうか?
未来の行動を保証すること?過去の出来事を忘れること? それとも、相手の全部を肯定すること?
多くの人が、「信じる=100%白であると認定すること」だと思っています。
だからこそ、ひとつでもグレーな部分が見えると「もう信じられない」と感じてしまうのです。
でも実際のところ、誰かを“100%信じる”なんて、現実にはほとんど起きていません。
長く連れ添った夫婦ですら
夫のここは信じられるけど、ここは信用してない(笑)
というグラデーションのなかで暮らしているのが現実です。
だから、いま「信じられない」と感じていること自体が、 すぐに復縁をあきらめる理由にはならないのです。
“元彼を信じたいけど信じられない”本当の理由5つ
人を信じることに悩むとき、私たちは「信じられない自分」が悪いように感じてしまいがちです。
でも、その「信じられない」という感情の奥には、いくつかの大切な心の動きが隠れています。
ここでは、元彼を信じたいけれど信じられないときに多くの人が抱えている心理的背景を、5つに分けて丁寧に見ていきましょう。
① 信じていたのに裏切られたショック
「信じていたのに……」という感情は、実際の出来事以上に心を強く傷つけます。
たとえば、浮気や嘘だけでなく
大切にしてくれると思っていたのに冷たくされた
連絡が来ると思っていたのに放置された
など、日常の中の些細な期待が裏切られることも含まれます。
信頼とは、期待の積み重ねです。
その積み重ねが崩れたとき、ただの怒りや悲しみではなく、「信じた自分がバカだった」という深い自己否定に変わってしまうことがあります。
だからこそ、そのショックから「もう信じたくない」という気持ちになるのは、当然の反応なのです。
② 「好き」と「怖い」の綱引き
好きな気持ちはまだある。だけど、また傷つくかもしれない。
この2つの感情がせめぎ合っているとき、私たちは「どうすればいいのかわからない」という混乱に陥ります。
感情が複雑に絡み合っているからこそ、白黒はっきり決められない。
それなのに「好きなら信じなきゃいけない」という思い込みがあると、自分を余計に追い詰めてしまいます。
綱引きが起きているのは、それだけ心が真剣だった証拠。
決して弱さではなく、むしろ感受性の豊かさがもたらしている揺れなのです。
③ また傷つくのが怖い(防衛反応)
人は一度痛みを感じると、それをもう一度味わわないように無意識に防衛反応を働かせます。
「信じた結果、裏切られた」という経験があると、次は信じる前に距離を取ろうとします。
これは「信じたいのに信じられない」のではなく、「信じたらまた壊れるかもしれない」ことに対する予防的な反応なのです。
自分を守るための自然な反応なのだと理解するだけでも、少しだけ心がほぐれるかもしれません。
④ 自分の見る目を疑っている
「私は人を見る目がない」──そう感じたことはありませんか?
裏切られた経験をすると、私たちは相手だけでなく“自分の判断”そのものへの信頼も失ってしまいます。
自分で選んだ相手なのに、こんな結果になってしまった
もう二度と同じ間違いをしたくない
そんな気持ちから、自分自身に対する信頼感が揺らぎ、それが「信じるのが怖い」という感情に形を変えて表れます。
復縁とは、相手と向き合うだけでなく、自分との信頼を回復するプロセスでもあるのです。
⑤ 信じる=許す、だと思っている
過去に傷ついた出来事があると、「もう一度信じるなんて、過去をなかったことにするみたい」と感じることがあります。
でも、信じることと許すことは、本来別のものです。
許せなくても、信じることはできる。逆に、信じなくても許すことはできる。
その違いを知らないまま「信じること=すべてを水に流すこと」と思っていると、 いつまでも自分の中で矛盾が解けず、前に進めなくなってしまうのです。
ここを切り分けて整理するだけでも、少し心の風通しがよくなるかもしれません。
なぜ「元彼を信じなければ」と思うのか
私たちはなぜ、元彼との復縁に向けて「信じなければならない」と思い込んでしまうのでしょうか。
その背景には、世間で語られる恋愛観や自己啓発、さらには“良い女像”への刷り込みが少なからず影響しています。
ここでは、特に多くの人が陥りやすい3つの思い込みパターンを見ていきましょう。
ケース① 潜在意識界隈:「未来を信じれば叶う」
「信じれば叶う」「現実は思考が創る」── こうした言葉は、潜在意識やスピリチュアルな文脈の中で繰り返し語られてきました。
実際、私自身も長年この世界に親しんできたし、脳トレカレッジの自己対話プログラムにもそのエッセンスは多分に含まれています。
けれど、本当に大切なのは「未来を信じようと力むこと」ではなく、 自己対話を通して、仕組みを理解し、内側を整えた“結果として”、 気がついたら「信じられていた」状態に至ることなのです。
ところが多くの人は、「信じられていない自分」にダメ出しをしながら、 不安・絶望・疑念などの感情をギュッと抑え込み、 “信じているフリ”をして現実を動かそうとしてしまいます。
これは、希望ではなく呪いになります。 「信じれば叶う」は間違っていない。
けれど、信じるとは“感情を抑圧すること”ではないのです。
ケース② 男性心理界隈:「信じてくれる女性がいい女」
恋愛ハウツーや男性心理の分野では、 「男性は信じてくれる女性に安心する」「信頼を預けてくれる人に愛着を持つ」とよく言われます。
これは確かに真理のひとつだと思います。
信頼を向けられることで、男性は「この人のために頑張ろう」と思うスイッチが入るのも事実です。
けれど問題は、「信じる女性でいなきゃ復縁できない」と思い詰めた結果、 本当は全然信じられていないのに、“信じているフリ”をしてしまうこと。
これは彼に対して嘘をついている以前に、自分自身に嘘をついている状態です。 そして、自分の内側と外側が乖離したままでは、現実はうまく噛み合わなくなってしまいます。
「信じられるようになりたい」なら、まずは“信じられない今の気持ち”を丁寧に見ること。
そこを飛ばして「信じてるフリ」をしても、土台がないまま積み木を乗せるようなものです。
ケース③ 自分の気持ち:「信じられない人とは付き合えない」
この考え方は、とてもまっとうです。 誰かと関係を築くうえで「信じられること」はやはり大切な土台だからです。
ただし、ここにも少しだけ“潔癖さ”が含まれていることがあります。
たとえば「ほんの一滴でも怪しさがあるならもう無理」というタイプの人は、 自分の中で「好き」という気持ちと、「でも信じられない」という思いがぶつかり合い、 そのせめぎ合いで非常に苦しくなってしまうことがあります。
一方で、「信じられない部分があっても、好きは好き」と分けて考えられる人もいます。
つまり、「信じられない人とは付き合えない」は感情ではなく自分なりの“付き合い方のスタンス”なのです。
大切なのは、「信じられない」から即NGと切り捨てるのではなく、 “どこまでなら自分が耐えられるのか”“信頼関係を育てていける余地があるのか”を、 自分なりの基準で見つめていくことなのかもしれません。
元彼を信じるより効果的なこと
「信じることができない」と感じているとき、私たちはつい「じゃあ何もできない」と思ってしまいます。
でも、実は“信じる”以外にも、復縁の可能性を開く方法はあります。
ここでは、信じることに苦しんでいるときにこそ試してほしい、3つの視点を紹介します。
① 「信じられなくても叶う」と決めてみる
これは少し応用編かもしれません。あるいは、逆説的なアプローチだとも言えます。
多くの人は「信じなければ叶わない」と思い込んでいます。
特に、スピリチュアルや潜在意識の学びを深く経験している人ほど、「信じる=現実が動く」という前提を強く抱いているものです。
それ自体はひとつの真理であり、私もその道を歩んできました。
けれど、より本質的に言えば、「信じることで現実が動く」のではなく、 “整った自分が、自然に信じられる状態であること”が、現実を動かすのです。
つまり、「信じようとする」ことが目的化すると、 まだ癒えていない不安や疑念をギュッと押し込めて“信じてるフリ”をしてしまう。 そしてそれが、結果的に現実を動かす力を奪ってしまうのです。
そこで提案したいのは、むしろ「信じられなくても叶う世界」を自分で選ぶという意志。
意識が現実を創るのなら、どんなルールで世界を動かすかは、自分で決めてもいいはずです。
これは一種の実験です。けれど、意識の扱いに慣れてきた人ほど、この柔軟さが現実のしなやかさを引き寄せていくのです。
② 「60%信じられればOK」としてみる
「信じる=100%」でなければならない、という潔癖な思い込みを手放してみる。
私たちはよく
ちゃんと信じなきゃ。信じてるって言える状態じゃなきゃ。
と思い詰めてしまいますが、 人間関係というのはもっとグラデーションのあるものです。
たとえば、長年連れ添ったご夫婦でも、相手の全部を100%信じているとは限りません。
「どうでもいいことで見栄を張る」「小さな嘘をつく」──そういう部分は信じていないけれど、 「この人は家族を守るだろう」「人生を一緒に歩いてくれる人だろう」──その核心だけは信じている。
そういった“部分的な信頼”を抱えながら、長く穏やかに関係を続けているカップルはたくさんいます。
だから、60%信じられればOKという自分ルールを採用してみるのも、十分に誠実な選択なのです。
③ 「自分の未来」を信じてみる
「彼を信じられるかどうか」にずっと悩み続けていると、 どうしても気持ちが相手軸になってしまいます。
でも、たとえ今は信じられなかったとしても、
私はこの経験を糧に、未来ではもっと幸せになれる
この気持ちをちゃんと整えれば、自然と関係もうまく回るようになる
──そんなふうに、“自分の未来”を信じる視点に立ってみることで、 心の軸足が少しずつ、自分自身のほうへ戻ってきます。
元彼を信じるよりも、自分の進化を信じてみる。
そこから、結果として関係性が変化していくことも、実際にはとても多いのです。
信じることに潔癖にならなくても大丈夫
信じることに、完璧さを求めなくていい。
グレーな部分があっても、人は変わっていけるし、関係性は更新できる。
信じる/信じないの二択から、少し降りてみる。
その中間にこそ、あなたが選び取れる選択肢がきっとあるはずです。
復縁は、“信じるための試練”ではなく、 “信じられなくても大切にしたい気持ち”を出発点にしてもいいのです。
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